うちはオビト憑依忍伝   作:asd

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師は強し

(突然だが、拉致監禁されてしまったようだ)

 

オビトはいま、見知らぬ廃墟に縄で縛られ監禁されていた。

 

よし、明日から本気出す。とまるでニートのような宣言を母親にしたオビトだったが、それは決して気分が乗らないからとかではなく、単純なチャクラの量の問題であり、事実オビトは翌日から修行に励む予定であった。

 

が、目を覚ませば拉致監禁されていた。

 

もぞもぞと縄抜けをしようとして違和感に気づく。この部屋からは一切の音が消えていた。

 

「幻術…だよな?」

 

オビトは未だに縄抜けの術はできないので、そうそうに諦めて手にチャクラをためて、縄に触れ、弾き飛ばした。一度では完全には開放されなかったが、二度三度と繰り返せば必然縄は切れる。

 

体に他の違和感がないのを確かめてから部屋を出ようと扉に近づくが、足元からキュっと音が聞こえ、とっさに両手で顔と心臓をかばう。

 

すると頭をかばったほうの手に千本が突き刺さる。

 

「こ、殺す気か…?」

 

思わず呟いてから手に刺さった千本を引き抜き、毒が塗ってないのを確かめる。

 

いや、まて、それよりも音が聞こえたぞ・・・?

 

オビトは違和感を覚え、千本を指で弾くが、やはり音はしない。

 

 

どういうわけか、は分からないが、どうやらトラップが仕掛けられた修行場らしい。それも、おそらく致死性が仕掛けられている。

 

写輪眼を発動させ、扉を閉じたまま覗くとチャクラのこもった札が、扉の向こう側に張られている。

 

オビトは千本を器用に扉の間に刺し、ちみちみと札を扉からはがし、爆発などがしないのを確認してから扉を開けた。

 

起爆札だった。

 

たまったものではない。確実に殺る気だ。

 

オビトは顔を青くしながら起爆札を拾い。暗い道を進んでいく。

 

当然、チャクラがすぐなくってしまっては困るので写輪眼は引っ込めてだ。

 

十字路の近くに行くと気配を感じ、足を止める。それに対して気配の持ち主もやはり、気配を消す。

 

パターンA・・・母の仕掛けた幻術。実はなにもない。これが最善。

 

パターンB・・・敵。これが最悪

 

そして、オビトにはこの二択しか思いつかない。

 

どっちかは分からないが最悪を想定して、千本に起爆札をまきつけ、頬利投げる。爆発と同時に突っ込み、敵と思わしき気配に襲い掛かるが、相手も手練。というよりか、オビトと同レベルよりも上。僅か三手で不意打ちの優位性を失い、地面へとたたきつけられた。

 

煙が晴れ、そこにいたのは

 

 

 

 

 

…カカシだった。

 

 

 

 

カカシもまたオビトを認識し、開放する。

 

お互いに何かをしゃべっているが、何を言っているか分からず、仕方なくオビトは唇を噛み切り、血の文字を壁へと書く。

 

『なにやってんの?』

 

カカシもまた、クナイで手のひらを切り、字を書く

 

『なんか、目が覚めたら拉致監禁されてた』

 

『お前もか…』

 

『たぶん、これは修行だと、思いたい』

 

『うちの母親だな。間違いなく』

 

『父さんも噛んでると思う』

 

二人そろって項垂れる。なかなかに哀愁さそう姿だった。

 

 

 

 

 

わざわざバラバラに動いても意味がないので、一緒に移動することにした。

 

再び十字路に出たところで、前を歩いていたオビトをカカシがつかんだ。そして背中に字を書く。

 

『匂い、有り、残香。花?』

 

『花?』

 

『花。おそらく』

 

オビトは写輪眼を発動させて前方を見渡す。そこには四つほどチャクラのこもった札を見つけた。

 

『札、四つ』

 

『四つ?方陣罠』

 

『方陣?』

 

『範囲指定罠。入る、危険』

 

方陣トラップとは言わばいくつかの札を貼って、範囲を指定し、対象が中に入ったら発動するタイプの罠である。面から立体まで指定でき、そこそこ厄介な代物である。

 

カカシはオビトの服を引っ張って引き返そうと伝えるが、オビトはカカシの手を解いた。

 

『待機』

 

オビトは神威を発動させて、壁をすり抜け、札を一枚一枚はがしていく。

 

驚いているカカシに近づき札を見せる。

 

『爆破』

 

オビトとカカシは札を二枚づつ持った。何かに使えるかもしれない。

 

それからもいくつかのトラップを解除しながら進むが、利用できそうなものはなかった。

 

それでも二人で協力しながら確実にすすみ。

 

ついに一つの扉の前にたどり着いた。

 

『首の裏、ちりちり』

 

『俺も』

 

二人でせーので扉を開き、前方にいた存在をみた瞬間、高速でしめる。

 

『いた。やばいのいた』

 

『舌。長い』

 

『変態で変体がいた』

 

ふたりで振り返り、そっと道を戻ろうとすると、二人の方に手が置かれた。

 

「さっさと入りなさいよ」

 

「「は゛い゛」」

 

 

そこには大蛇丸がいた。

 


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