うちはオビト憑依忍伝   作:asd

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一寸先は霧 ぱーと3

無音暗殺をする気もないのか、轟音を伴っての一撃。オビトはそれを受け流すようにして防ぎ、後退する。

 

はっきりいって鮫肌の一撃を完璧に受け流すのは不可能だ。霧があることも厄介だが、何より形状が特異すぎる。

 

大体の方角ではあるが、豪火球を放つ。手応えなし。

 

後ろの僅かな水音に反応して思わず印を組むが、水遁ならば神威ですり抜ければいいと思い直し、長巻を握る。

 

水鮫弾の術をすり抜け、次の攻撃に備えるがどこからも気配を感じない。両手に握っていたのを片手に直すのを見計らうように足元から鮫肌が突き上げられる。オビトはとっさの判断で顔への直撃こそ防いだが、腹のあたりを僅かに削られ、出血する。

 

「痛ってぇ」

 

神威を得て以降なかなかない痛みに思わず声が漏れる。腰に巻いてある蝦蟇の油を傷口に塗り出血を止める。これは蛙を口寄せにしていたときに得たものであり、オビトは戦争のレベルの戦いではよく、すぐに塗れる様に蓋もせず腰にぶら下げているものだ。

 

ちなみに、奈良家でも似たようなものを売っている。こちらはムカデが原材料らしく、売れてないらしい。

 

 

背後からの振り落としの攻撃を水面に片膝をついて両手を掲げるようにして防ぎ、足払いを放つ。水面において、忍の足はチャクラによって水と反発している。そのため、水上戦では足払いは極めて決まりやすい。

 

片膝をついたまま、あたかも投げるようにして長巻を鬼鮫の顔へと叩き込む。

 

「鮫の顎の力は凄まじいな」

 

全体重を乗せたわけではないにしても、そこそこの力はこもっていたはずなのだが、その一撃は口で止められた。

 

鬼鮫は寝転んだままの姿勢で、右足で鮫肌を蹴るようにしてオビトにぶつけに来る。当てた状態でそのまま引けば鮫肌はオビトを削れるだろう。武器の特徴をよく理解していると感じされる一撃だが、オビトは神威で時空間から刀を取り出し、左手のみで防ぐ。

 

そして、右手を長巻から放し、螺旋丸を鬼鮫の腹へと叩き込む。

 

鬼鮫は水の中へと逃げ込み、その一撃を緩和した。

 

オビトは追撃を行おうとするが、渦潮が発生し、水中の鬼鮫の姿を捉えられない。

 

水遁・渦潮隠れの術である。

 

はっきりいって最悪だ。何が最悪かって長巻を持って行かれた。

 

水中にあるものを探すのにどれだけ人員がいると思ってんだ、あの鮫やろう。オビトは次の手を打つことにした。何かって?

 

 

無視して先にいくことだよ。

 

 

はっきり言って相性が悪いし、水上じゃ土遁は使えないし、水遁でも勝てないし、火遁じゃ水遁に勝てないしと、これ以上戦う理由がない。

 

オビトは忍刀だけもってさっさと陸地に戻った。

 

 

 

 

 

 

しばらく走っていると川につく。水面歩行の業で渡ろうとして、この霧の秘密に気がついた。

 

波の国には川が多く存在する。水影は川の流れにチャクラを込めることによって広範囲に霧隠を発生させているのだろう。実際、川にはチャクラが流れている。となれば、目的地はひとつだ。すべての川の発生源となる河口の海。そこに水影はいるはずである。

 

オビトの記憶では川の入口は北にあるはずだ。オビトは北へと歩を進めた。

 

しかし、すぐにその足は止まることとなる。

 

(オビト。いのいちだ。今、通信機の準備が整った。すぐに水衆瀑布へと向かえ、既に火影様と水影の戦いは始まっている)

 

(え?河口じゃねぇの?)

 

(奴ら、川の分岐点のところまで新しく川を引いたらしい。その川自体はせき止めたからしばらくすれば霧は晴れるが、火影様はそのせいで孤立している。相手もかなりの数と質らしい。とにかく神威で飛んでくれ)

 

(了解)

 

オビトはそう言うと神威で水衆瀑布へと飛んだ。

 

 

 

 

そして、そこはまさに激戦区といった有様だった。




いつもより500文字少ないです。次の戦闘を考えるとここで切っておいたほうがいいと思いまして



そして、これから更新ペースが落ちます。モンハン4を友達からもらいまして・・・。

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