ゼロの使い魔・再び   作:駄文帝

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序章
プロローグ


何も変哲のない野原……そこに一人の青年と少女が向かい合っていた。

そして青年の後ろには光の扉がそびえている。

 

「……これでお別れだね……」

 

「……ああ……」

 

真っ白なで絹のような髪を腰に届くまで伸ばし、深緑の瞳をした少女の言葉に黒髪の青年が答える。

青年がそう答えた後、しばらくその場は静寂につつまれる。そんな中、青年が口を開いた。

 

「最初にこの世界に呼び出された時は戸惑ったけどさ……お前と一緒に居れて楽しかったよ」

 

「そう言ってもらえると嬉しいな……」

 

「なあ……リア。お前も俺の世界に来ないか。生活の事なら……」

 

「無理だよ」

 

青年が話している言葉を遮ってリアと呼ばれた少女は断る。

 

「サイトだって分かってるでしょ……私はサイトの世界にいけないって」

 

才人と呼ばれた青年は俯く、彼自信わかっていたことだが、やはりつらい。

 

「それじゃあ……さよならリア……デルフもリアの事を頼んだぞ」

 

「オレはお嬢ちゃんより相棒の方が心配だがな」

 

リアの持っていた日本刀が青年の言葉にそう答えた。

 

「……サイト左手の包帯……解いちゃだめだよ……」

 

「わかってるてっの……じゃあ今度こそさよなら」

 

「うん。さようならサイト……」

 

才人はリアの言葉を聞いた後、リアに背を向けて門の方に走り去ってしまった。そして門と中に入ると門は消え去ってしまった。

リアその方向を向いて立ち尽くしている。

 

「リア!!サイトは何処じゃ!!」

 

彼女の後ろから現れた黒い髪を短く揃え、真っ赤な瞳を持った少女がリアに問い詰める。リアからの返事はなく顔を俯かせている。

 

「返したのか!!お主それがどういう意味かわかっておるのか!!」

 

女性がリアの胸元を掴み上げ睨み殺さんばかりに睨みつける。

 

「フィア……サイトはね……私が言ったら残ってくれたと思う……」

 

「なら残せばよかったじゃろう!!」

 

フィアと呼ばれた女性の怒号が木霊する。そして彼女は自分の手になにかの液体がかかっているのに気づく。

 

「それはダメなの……サイトには家族がいるのに……私が離しちゃったから……だから……私はっ……帰さなきゃ……」

 

「リア……」

 

フィアが言葉を失う、なぜならリアの顔を見れば目から大量の涙を流していたからだ。

 

「サイト……サイト……サイト!サイトぉーーッ!!」

 

泣き崩れるリアを、フィアは悲しみを分かち合おうとするがのように、彼女を抱きしめた。

 

「相棒も罪作りな男だね」

 

その光景を見ていた刀はひっそりとそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソ!クソ!クソォ!!」

 

光の扉を抜けたサイトは両目から零れ落ちる涙を片手で拭いながら、がむしゃらに走っていた。

だからこそ気づかなかった、目の前に先ほどと同じ様な光の扉が現れたことに、そしてサイトはその扉に入り込んだしまった。




どうも駄文帝です。
ゼロの使い魔の小説を書いてみました。
メインはFEARY TAILの方で、こちらは気晴らしに書くのでストックがなくなったら、更新がかなり遅くなると思います。

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