カードキャプターさくら&リリカルなのはA's〜Love in their hearts〜 作:1202155@
そのせいで投稿遅れました……
これからは、投稿するときは5に戻して書きます。
それじゃ、二章スタートです^_^
二章 序章
あの戦いから一週間が過ぎた。敗北を味わった2人の少女は手を繋いで、とある家に向かっていた。想也から指定された場所は、彼女達の住まいがある海鳴市の中心部からバスを乗り継いでようやく来れる場所に位置していた。東京タワーが見えるこの街の名前を、生まれてこのかた、海鳴で暮らすなのはは、知らないわけがなかった。
「フェイトちゃん、ここが友枝町っていうんだよ」
「ともえだ……ちょう?」
「そう!この街はね、海鳴市の中でもお金持ちがいっぱい集まる場所なんだって!」
友枝町は町という名前こそついているが、その実は、かなり高ランクな家が多い。それもそうだ。近くには友枝町が、バスを乗り継げば、なのはやフェイトも通うことになった、聖祥大付属少学校にもバスを乗り継げば通えるし、何より、東京や近くの温泉施設や商業施設にも電車一本で行ける。ベッドタウンとしても、余生を楽しむにしてもこの上ない場所なのだ。
閑話休題
暫く地図通りに歩いて行くと、鉄柵で囲われた庭が見えてきた。
「フェイトちゃん見て!お花が綺麗だよ!」
「本当だね。ここ、何かの公園かな?」
「帰りにちょっとだけ寄ってみようか?」
「そうだね。時間があれば寄ってみようか……って……あれ?」
なのはが地図を見て、首を傾げた。何故なら、自分がいる場所と目の前の公園のような場所の近くに、目的地を示す、赤い矢印が点滅していたのだ。不思議に思い、フェイトの手を引いて、なのはがその矢印の場所に向かうと……
「で……ここがその場所だけ……ど……」
「え?ここで待ち合わせなの?」
なのはとフェイトが驚くのも無理は無い。目的地と示された場所にたどり着いて見れば、出迎えたのが身の丈の何倍もある鉄条門で、しかも、帰りに遊びに行ってみようと思っていたのが、目的地なのだから、二重の意味でびっくりだ。
「……これ、どうはいればいいの?」
二人が戸惑っていると、突然、門が一人でに開きだした。それを見てなのはは門の周りを見渡す。すると、何かを見つけてニヤリと笑った。
(なるほど。そういうことだったんだ)
豪邸に住む人も大変だなぁ、と一人腕を組んで頷いていると、フェイトがなのはに抱きついてきた。
「ふ、フェイトちゃん!?どうかしたの?」
「なのは!あ、あの城門、勝手に開いたよ!?大丈夫なの!?」
「にゃははは……平気だと思うよ?っていうか、フェイトちゃん、幽霊とか苦手?」
「幽霊?」
「あ、幽霊わかんないか……えーっと……」
「ドッカーン!」
突然、2人の後ろで奇声が響き渡った。驚いて振り返ると、そこにいたのは、愛すべきバカだった。
「昼間からお暑いね。ここだけ、真夏日かな?」
「もー!想也くん!驚かさないでよー!」
現れた彼に驚いて、フェイトはなのはの後ろに隠れてしまう。その身体の後ろから、顔を覗かせている。想也は軽く笑うと、頭の後ろに手を組んで、外に門から中に入って行ってしまう。
その後を追いかけるなのは。フェイトもそれに続いた。
中に入ると、その豪邸の庭では、数人の男女がお茶をしていた。それはご存知、木之本桜と李小狼。それ以外に、彼女らの友達である、この家の住人の、大道寺知世だ。
「あ!そーやくーん!こっちこっち!」
「いま、お茶を用意させます」
想也に気づき、さくらが手を振り、知世がメイドに指示を出す。当然、彼の後ろにいる、なのはとフェイトの分も含めて。
「うふふ。随分と可愛いお友達ですね。さくらちゃん」
「うん!私と同じ、魔法少女なの!」
さくらにそう紹介され、それを聞いた瞬間、知世は目を輝かせて、2人の近くに駆け寄り、その手を握った。
「お二人とも魔法少女なんですの!ぜひ、変身シーンを見てみたいですわ!」
「あ、あはは……」
「おいおい。知世ちゃん。ここではこいつらは許可が無いと魔法つかえないの。だから、ワガママ言っちゃだめだよ?」
そう言って、知世を嗜める想也。知世ははーい、と笑いながら頷くと、一歩下がって自己紹介を始めた。
「初めまして。私は、大道寺知世と申しますわ」
「あ、高町なのはです!」
「フェイト・テスタロッサです」
2人も知世に習って、挨拶をした。それを見て、想也は微笑むと、手を叩いて注目を集める。
「さーて、集まったみたいだからな。とっとと用事を済ませちゃおうか」
その言葉にその場にいた全員が一様に頷いた。想也は要件を簡単に説明する。
「まず、これから次元転送で、皆さんを本局まで飛ばします。その後はなのはとフェイトは新デバイスのテスト。小狼、さくら、知世は本局の探検。その後は今回の事件の詳細について、クロノくんから話を聞きます。いいですね?」
「「「「「はい!」」」」
全員が返事をしたことに満足そうに頷くと、彼は全員を円になるように立たせた。そして、さくらを真ん中に来るように呼んだ。さくらは戸惑いながらも、想也の隣に立った。
「よし。そしたら、星の杖を出してみろ」
「杖を?うん。わかった!」
頭の中で杖を呼び出すと、鍵から杖へと姿を替えた。想也はそれを確認すると、杖を構えるように促した。さくらがそれに従うと、想也はさくらに何をして欲しいのか、要件を述べた。
「さくらちゃんには、皆を本局まで飛ばして欲しい」
「え!?私、その場所わからないよ」
さくらが狼狽えていると、想也は大丈夫さ、と言って頭を撫でた。
「自然とお前さんなら出来る。何せ、僕がそう信じてるから」
その言葉を聞いて、さくらは不安そうな顔を緊張で強ばらせながら、頷いた。その後、目を瞑る。どうやら集中するようだ。
その様子を尻目に、さくらのいた円の中に想也が入る。すると、知世が問いかけてきた。
「さくらちゃん、大丈夫ですか?あんなに緊張して……」
「大丈夫。撫でた時にあいつの頭の中に正確な場所とイメージを送っておいた。そこに行くための道筋は、あいつほどの魔力なら、自ずと掴めるさ……それに」
「?」
そう言って言葉を区切った想也は優しく笑ってさくらを見た。
「何があろうと、あの娘は自分で困難を乗り越えて行くタイプだからさ」
そう言うと、想也はにこやかに笑った。