ガンダムSEEDーカズイ奮闘物語ー   作:SS好きのヨーソロー

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PHASE 1 偽りの平和、動き出す歯車

カズイ・キラ合作(友情協力カトウ教授)「SEED版ジオニックフロント」別名ザフニックフロントを始めてから、二ヶ月が経過した。

 

ザフト脅威のメカニズム(涙目)の言葉の通り、全ての相手機が連邦の白い悪魔並みに強い中、ひたすらに引きこもってはシミュレーショントレーニングをし続けた。

 

 

「っとぉ!!当たらないなっ!」

前方100メートル先、ZGMF-1017 ジンが佇んでおり、手に持つMMI-M8A3 76mm重突撃機銃 から銃撃を受ける。

呼吸を落ちつかせると、的確にレバーを握り、スラスターを展開。加速と同時に機体を斜め75度ほどずらし、回避に移る。

 

弾丸をスレスレで回避すると、すぐに方向を転換し機体正面に搭載している対装甲リニアガンの引き金を引く。

ジンに当たり、撃墜判定が出るとそのまま機体を上部へ動かし、その場を離れる。

 

次に、二体のジンの挟み撃ちだ。

正面銃火器持ち、後方MA-M3 重斬刀持ち。

銃撃と同時に小浮上とバレルロールで弾丸をスレスレに回避、こちらも対装甲リニアガンを撃ち込む。

撃墜判定確認と同時に後方が接近してきたのを確認、逃走するように飛行。

「今だ!いけぇっ!!ガンバレル!」

瞬時にガンバレル射出。上部二門をスラスター代わりにし、左右のガンバレルを方向転換させ黄色い光軸の実弾を浴びせる。

爆発と同時に撃墜判定が出ると、戦闘を終了させた。

「・・・よし、メビウス・ゼロで三体のジン撃破、被弾ゼロ。悪くないじゃないか」

自身の戦闘を振り返り、素直に自分を褒める。自惚れだと言われるのは承知だが、素直にシミュレーションとは言えメビウス・ゼロを用いてよくここまで操作に慣れることができたと思う。

まあ、メビウス・ゼロなんて乗る機会ないと思うけど。

 

だってそもそもエース専用に開発されたのがこのメビウス・ゼロだ、しかもほとんどがグリマルディ戦線に投入されエンデュミオンクレーターの攻防戦でムウ・ラ・フラガ機以外全滅していると聞いている。

あるとしたら、やっぱりミストラルだ。

まあメビウス・ゼロで慣れたからミストラルの操作もある程度は頭に入っているからまだ動かせるか・・・。

 

シミュレーションの情報をセーブすると、機械から下りる。

 

汗をタオルで拭いながら、浴室に行くとシャワーを浴びる。

汗を完全に落として着替えると、必要な荷物をリュックに入れ、家を出る。

 

中立国ヘリオポリス。

オーブ連合首長国に所属する中立国だ。

ガンダムSEEDの主人公であるキラ・ヤマトをはじめとする学生たちの住んでいるスペースコロニーであり、俺ことカズイ・バスカークもそこに滞在する学生だ。

コーディネーターとナチュラルの戦争。

それとは無縁のようにここに住む者たちは平和を享受している。

 

街を歩くとショッピングを楽しむ男女、犬の散歩やジョギングに勤しむ方々。

家族で公園でピクニックをする姿。

 

そのどれを切り取っても一つの日常として語れそうな平和を形にした光景だ。

この光景を平和と言わないなら、なんと言えばいいのだろうか。

その様子に癒されながらも、適当に歩く。公園の近くを通りかかると、屋根のついたベンチに座りながらPCを操作するキラ・ヤマトの姿があった。片手には何やら書類が握られている。

このポージング、この服装・・・まさかだが、今日だと言うのか?

「・・・あ、カズイ!おはよう」

「あ、あぁ。おはようキラ・・・」

気にはなるが、顔に出さないように落ち着こう。

「・・・ん?どうかしたの?」

「あ、いや。何もないよ。別に大したことじゃないし・・・」

「んー?・・・まぁ、カズイがそう言うなら気にしないけど」

「おう、そうしてくれ。・・・あ、横座ってもいいか?」

「うん、もちろん!」

そういうと、キラは俺の座る場所を用意してくれた。

「さんきゅー」と言いつつリュックを置いて、財布を取り出す。

「わり、俺ちょっと飲み物買いに行ってくるわー」

「うん、わかったー!」

 

そう言い、ヘリオポリス市内にあちこちある自販機の一つに立ち止まる。

「お、コーラあんじゃん。やりぃ」

お目当てはもちろん炭酸ジュースのコーラだ。やっぱ炭酸飲料の中じゃコーラは別格なんじゃなかろうか。

「お、ファンタグレープもあるわ、これキラに買っていくかね」

コーラを買った後、ファンタグレープを買う。

キラはこれが好きだとよく言っていたのだ。確かに美味いよな、わかる。

2本を取ると、元のベンチの場所に戻る。

「お疲れキラ、少し休憩にしたらどうだ?ほら、お前の好きなファンタグレープ買ってきてやったから」

「あ、カズイ!ありがとう!」

「おう、やっぱ炭酸飲料はいいよな!」

ペットボトルのキャップを開けると流し込む。爽快感はやはり言葉には言い表せないだろう。

「うん、美味しいよね!」

ファンタグレープを飲んだキラも嬉しそうに同意する。可愛いなこいつ。

「あぁ。さて、作業は順調かい?」

「うん、結構進んでるよ。けどほんと、教授の課題が多くてさー・・・カズイにも手伝ってもらってるし」

「あぁ、それは気にすんなよ。俺が教授に手伝わせろって言ってるだけだからな。俺にとっちゃいい経験になるから結構ありがたかったりするんだぜ?」

「あはは、僕もありがたいよ。手伝ってくれる友達がいるって、なんか負担が和らぐし」

「お、嬉しいこと言ってくれんねぇ。そんなお友達のカズイ君が手伝ってあげようじゃないかキラくん」

「じゃあ、そうだなぁ。早速こことか・・・」

と言うわけで、キラと共に課題の処理及び自身のデータの調整を行うことにした。お互い工科カレッジで情報技術を学ぶこともあり、不快感もなく作業する手は止まらない。

しばらくすると、声が聞こえた。

「あ、おーい!キラぁ!カズイぃ!こんなところにいたのかよー!」

「ん?おぉ、トール!それにミリアリアも!」

「ハーイカズイ!2人とも課題?」

「うん、教授・・・課題の量が多くてさぁ」

「あぁ、2人でやった方が良かったからな、手伝っていたんだ。あとは俺個人の作業もあったけどな。トール、さっきこんなところにって言っていたが何か俺たちに用事でもあったのか?」

「あぁそうそう、教授が二人を引っ張ってでも呼んでこい、って言ってたぜー?なんか、カズイには会わせたい人がいるみたいだ」

「・・・俺に、会わせたい人だって?」

その発言を聞き、顔が少しこわばってしまう。

確かに俺は原作とはかけ離れたムーブをしている。それは自覚しているし、なんなら本来原作ではここにおらず、キラやトール達とも深い交流がない。故にイレギュラーなことが起きるのは当たり前であり、それにとやかく言うわけではないがそれでも気になってしまうのだ。

 

「・・・わかった、キラ達は先に行っていてくれ、俺は俺で行っておく。連絡ありがとうな」

「え、あ、おう!!・・・・・・な、なあなあキラ、カズイって何かあったのか?あいつの顔、ちょっと怖かったぞ」

「う、うん。さっきまでは普通だったんだけど・・・」

「びっくりしちゃった、私もちょっと怖かったもん。・・・これに関係、してるのかな」

「あぁ、ザフトの?・・・流石にねえだろ、本国が近いって言っても、オーブだぜ?」

「うん、でもカズイは言ってたでしょ?そう言う油断が1番危ない、って」

「わかってるよ。・・・考えても無駄だし、俺たちも行こうぜ。もし何かしらの理由で不機嫌なら後で俺たちが何かしてやればいいじゃないか」

「うん、そうだよね」

「あ、それこそ前言っていたスシをご馳走するのがいいんじゃない?」

「ナイス提案ミリアリア!」

「あ、それすごく良さそうだね!」

 

 

 

 

そんな平和的会話が起きているのはいざ知らず。俺は自分のバイクを取りに家に帰っていた。

「・・・今日だ。今日起きてしまうんだ。とりあえずはシミュレーションのOSだけ持っていっておくか。媒体は余裕があれば回収、と同時に緊急時の備蓄品も持ち運ぶ、ってことで・・・最悪トレーラーでもパチって持っていけばいいか?」

念のために持ち運べるよう出すだけ出しておくとするか。

 

まとめた荷物をリビングへ置くと、バイクの鍵を取りガレージからバイクを出して鍵を挿すとエンジンをいれる。

 

 

ヘルメットを被ると、そのままバイクは目的地へと走り出した。

 

『以前から枯渇しているエネルギー関連でいまだに格差が起きており、ザフトの進軍は収まることを知りません。先週も前線は危険にさらされている状況で、油断できない状況が続いている状態です』

バイクに設置した電子端末からニュースが流れる。

原作1話にて、冒頭に流れたニュースだ。

本国・・・オーブは将来的に危機に瀕する。

先週でこれなら、おそらく今は落ちてしまっているだろう。

 

その前に、まずはこの中立国が危ない状態ではあるのだが・・・。

 

 

高速で動くバイク。それは一つの車を追い越した時だ。

チラリと横を見る。サングラスをかけた男2人に黒髪短髪のお姉さん。

これは、ナタル・バジルールさんにアーノルド・ノイマンさん、そしてダリダ・ローラハ・チャンドラ二世さんなはずだ。

一瞬目が合うが、気にせずに目的地へ向かう。

「・・・あの少年、普通の学生とは違う様子だったな」

「え?そうですか?」

「あぁ。・・・ヘリオポリスの学生なはずなのだが。何者なのだ・・・?」

 

 

 

 

バイクを運転し、目的地へ到着する。それは工科カレッジの奥の方だった。

「・・・見覚え、あるんだが」

まさかな、と思っているとカトウ教授がこちらに手を振っている。

バイクを降り、ヘルメットを取ると教授に向かい歩き出す。

「カトウ教授、お待たせしました」

「いや。構わないよ。急に呼び出してすまないな」

「いえ、気にしないでください。そして・・・会わせたいという方は?」

「あぁ、もう直ぐくると思うぞ」

 

そういうと、確かに人が来る。綺麗な茶髪の長髪に、グラマラスなボディ。そして作業着。

 

パッと見ただけでわかる。この人は・・・。

「紹介しよう。地球連合軍から来てくれている士官、マリュー・ラミアス大尉だ」

原作よりも一足先にまさかのマリュー・ラミアス大尉に会うとは思わなかった。

 

彼女と言えば、言わずもがな機動戦士ガンダムSEEDのアークエンジェル艦長である。そして意外なことに、ガンダムSEEDの中で有名な単語、フェイズシフト装甲の生みの親だったりするのだ。あと射撃技術が優れているらしい。というのはいい、それよりもなぜ彼女がここにいるのかが問題なのだ。俺は民間人、相手は軍人だ。一体どういう流れでこうなったんだ。

「・・・えっと、初めまして。地球連合軍所属、マリュー・ラミアス大尉です。カズイ・バスカークくんね?」

「は、はい。工科カレッジ学生、学籍識別番号11280、カズイ・バスカークです。・・・教授、なんでここに地球連合軍の、それも尉官がいるんです」

「あぁ、それはだな。・・・どうしてだと思うかね?」

完全に楽しんでるよこのおっさん。俺一応民間人やぞ。

「・・・はぁ、どうして、ですか。・・・・・・おい、まさか本当にMSの開発、っつーか作成してるんじゃ無いっすよね?」

「っ!?そ、それは」

「はははは!流石カズイ・バスカークだ!やはりわかるか!」

「そりゃわかるでしょ。キラのOS課題、ジン、メビウス・ゼロのOSの入手、俺に対してのデータ譲渡。そして極め付けはそこのグラマラスな地球連合軍のレディだ。

・・・そりゃあ、MSの開発の一つや二つ、行っていたとしても何も珍しい話じゃない。考えれば当然の話です」

「ぐ、ぐらっ・・・!?」

顔を赤くするとサッ、と身を隠すようにし睨むラミアス大尉。すいません可愛いです。

「ふふ、やはり君は先見の明がすぎるな」

「先見の明も何も、珍しいわけじゃない。ザフトのジンに比べてメビウス・ゼロの戦力はわずか20%。

五機でようやく一機相当だ。それにグリマルディのエンデュミオンクレーター攻防では投入された機体がほぼ全滅、確かムウ・ラ・フラガ大尉の機体だけが生還し、エンデュミオンの鷹という異名がついた、とかどうとか。

それを考慮すると地球連合軍が何か新しいものを開発するのは物珍しい話じゃない」

「・・・あなたは、いったい」

「・・・先ほども言ったでしょう?カズイ・バスカークという一般学生だと。

 

強いて言うのなら・・・今の大戦を警戒し、ヘリオポリスも危険に陥っていると考えるようになった、ってところでしょうかね」

お互いに見つめ合う。

相手は冷や汗をかいていた。まあそりゃそうだ、やってることは完全にグレーなのだから。

「・・・・・・教授、こういう時はコーヒーを飲むのが1番です。お借りしても?」

「ああ、構わないぞ」

「ありがとうございます。ラミアス大尉、ミルクと砂糖は必要ですか?」

「え、えぇ。ありがとう・・・・・お願いするわ」

コーヒーメーカーを操作し、コーヒーを淹れる。こういう施設にあるコーヒーは大抵がそこそこ本格的ゆえ、美味いコーヒーが飲めるというものだ。

 

注ぎ終えると、相手の前に置く。

「・・・そんな、身構えなくてもいいですよって、まあ無理な話か。連合的には秘密裏にしてることがバレている、しかもバレているのは一応中立国の国民だから始末するにもできない、拡散される可能性もある、ですもんね」

「な、さ、流石にそんなことは!」

「わかってますよ、貴女の顔を見れば。少しからかいが過ぎましたね。しかし事実他にバレると始末される可能性も少なくないでしょう?」

「・・・ええ」

「そして、そのような状況下にもかかわらず教授は俺をここに呼び出した。・・・教授ぅ、俺のこと利用するつもりですね?」

「利用価値があるからな」

「学生に利用価値があるとかって言葉を使うのはやめましょうよ。否定はしませんけど。

 

大尉、安心してください。別にこれを外部にリークするつもりなんてありませんよ。それにリークするメリットが俺になさすぎる。あぁ、デメリットは幾つでも浮かびますけどね。地球連合軍に始末される、とかザフト軍に疑われて始末される、とかそれをザフトが信用してヘリオポリスを襲ってしまう、とか」

「へ、ヘリオポリスを襲うって、そんな!」

「禁忌を犯し、一般人を血祭りにあげて。・・・そんな大罪をしてまでヘリオポリスを潰す価値がある、そういうことでは?

先ほど俺はメビウス・ゼロとジンの性能差の話をしました。

今地球連合軍ではその均衡を潰し、軍が有利になるようなものを開発しなきゃいけない。すると求められる機体の性能はやはりそこそこ良いものになってしまう。

それが仮にですよ?ザフトがその情報を仕入れることができたらどうします。ザフトとしては思わぬところから噛みつかれる狂犬です。

潰す理由としては、ありえるでしょう。

ザフトの・・・プラントでしたっけ?あそこの評議会も連合軍の兵器を破壊した、なんて活躍を耳に挟んだら罪の追求なんてその次になってしまうでしょうしね」

「・・・言っていることが無茶苦茶なのに、納得できそうな気がするのが怖いわね」

「はは、まあ単なる臆病者の無駄準備と笑ってください。

・・・教授、貴方が口添えするということは連合の機密に触れていいということだ。

大尉、外部に漏らしはしませんし、これを頭に入れるということはあなた方に命運を任せるということ。その覚悟はできています。

 

さて、詳しく見せてもらいましょうか」

そういうと、観念したのか相手はパソコンを取り出した。

 

 

その画面に出ていたのは、やはり見知った機体――

 

――GAT-X105 ストライクだった。

 

 

 

 

「・・・おい、地球連合軍。頭おかしいのかおい。これクッソ高性能じゃねえかよ。マジの戦争おっ始めるつもりだなこれ」

「・・・わかるの?」

「わかるも何も、俺工科カレッジの学生ですって。授業でパワーローダーの性能とか確認させられますって。この運動量やら推力、バランサーとか。・・・金にもの言わせてますねぇ、マジで。まあ国力あるから無理ではないか。ジンの素体自体既存技術の転用ですし、発展型くらいは容易に出来るか・・・」

「・・・誤魔化しは効きそうにないわね。この五機にはそれぞれ、特殊装甲を標準装備させてるの。

ザフトのMSは基本、実弾装備がメインでしょ?だから実弾攻撃に特化した装甲、フェイズシフト装甲を開発し、取り込めたのよ」

「・・・フェイズシフト?」

「ええ、相転移装甲ともいうわ。直撃時に一定の電圧の電流を流すことによって、装甲の材質を変えるのよ」

「エネルギーを消費することで無効化できると。・・・しかし、エネルギー問題が目立つのでは?」

「ええ、それは確かにその通りだわ。けれど今のところ、フェイズシフトが無効になる状態、フェイズシフトダウンになるまでにザフトのバクゥのミサイル76発耐えるわよ」

「わーお・・・継戦能力も優れている、と。なるほどなるほど・・・」

書類を見ていく。そこに書かれていたのは五機のGについてだった。

「・・・俺的には、やっぱり1番使いやすいのがコイツですね。GAT-X105、ストライク・・・でしたか。

このストライカーパックシステム、これが便利です。フェイズシフト装甲、そしてビーム標準装備となるとやはりバッテリーはすぐに尽きてしまうし、そういう観点でバッテリーの替えを積めるのはいいですね。

と言っても、1番使い勝手が良さそうなのはこのエールストライカー、だと思いますが」

AQM/E-X01エールストライカー。ストライクの代名詞的ストライカーだ。これが1番使い勝手の良いものだろう。

「そしてこのAQM/E-X02ソードストライカー。なんと言ってもこの対艦刀シュベルトゲベール、これの破壊力がいいですね。ただこれは場所を選びますねぇ・・・足がつく場所なら基本手に持つ必要がある、か・・・」

「そして最後に、AQM/E-X03ランチャーストライカー、これの超高インパルス砲アグニ、これの威力は強烈ですがこれこそ使う場所は限られますね。

宇宙空間はいいですが閉鎖的空間ですと周囲を巻き込んで破壊してしまう危険がある。・・・けどこのコンボウェポンポッドですか、これは使い勝手がいい。格闘用武装がないのが残念ですが緊急時の至近武器にはなりますね。

・・・ランチャーストライクという状態はエネルギー消費が激しいような気がします。

運用は難しいのでは?」

「ええ、その点は考えているわ。・・・本来話していいものなのか知らないのだけれど、新造艦にケーブルをつけているから」

「おいカトウ教授、俺マジで殺されない?連合の機密知ったから殺す!とかならない?

・・・・・・まさかそれ使って脅すつもりか!?」

「流石にそこまで酷なことは考えてなかったさ、しかしそれもありだな?」

「おい、やめろ、口角あげるなやめろ。悪魔じゃねえか・・・。

偽りの中立国だぞもはや。選択肢なくて詰み」

「まるでドラクエだろう?」

「それを嬉々として学生に押し付けるなよ・・・・・・ラミアス大尉はこんな人間になっちゃダメですからね?」

「な、ならないわよ・・・いやもうなってるようなものだけど・・・」

「・・・マジで平和に終わってくれることを願う。ここ襲撃なんてされたらマジで泣くからな。

あ、そう言う時って連合の機体ってパクっていいですか?」

「それを言われて簡単にいいわよって言えないわよ」

「ですよねぇ。まあなんかあったらミストラルか何か持ち出しますけど」

「だから宣言するのやめなさいよ。そしてミストラルなのね・・・」

「だってあれ使い勝手いいじゃないですか。カタログ見ましたけど分離するでしょ?避難用の備蓄詰めそう」

「・・・・・・まあ、本来それが主な用途だし」

「あんな兵装じゃ並の運転技術がないときついでしょ。正確に敵の攻撃を回避、そして正確に四門の射撃を叩き込む・・・・・・きつくありません?」

「まあ、否定はできないわね」

「まあいいや、そう言えばこのGATシリーズってMSですよね、敵の装備とかって使えるんですか?」

「ええ、使えるわ。コピーしたジンの兵装を使用した実験を行ったことがあるけど問題なく動いていたし」

「へぇ、なるほど・・・」

ふむふむ、と頷くと突如爆発音が鳴り響く。

 

次の瞬間、意識は突如消えてしまった。

 

 

 

次に目を覚ました時、外は真っ赤に燃えていた。

 

その場にいた俺は唖然としていた。

なぜなら、立ち込める炎を背に起き上がるガンダムを見たからだった・・・・・・

 

 

運命の歯車は、今動き出した


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