ガンダムSEEDーカズイ奮闘物語ー 作:SS好きのヨーソロー
アークエンジェルはラクス・クラインを人質にし戦闘停止を呼びかけていた。
ナスカ級はその報告を受け、速やかに戦闘停止。GAT-X303イージスは戦艦に帰っていく。
ラクスというプラントの重要人材を失うことは、ザフトにとっても害になること。それゆえに戦闘が終わったのだろう。
こちらも気力を失う中、唯一無事だった護衛艦モントゴメリーに帰還する。
ハッチに到着すると、機体はすぐに調整にかかる。
コクピットを開け、外に出る。
戦闘は終わった。けれどいまだに身体が震えている。
目の前で消えていった三人。
フォート中尉、ジェスター中尉、トータス中尉。
いわゆるやられ役なのだろう。しかしあの瞬間だけは・・・
光になる前までは自身と関係を持った1人の人間、一つの命だった。
それを思い出すたびに涙が溢れてしまう。
「・・・カズイ少尉、良くぞ生きて帰ってきてくれた」
その俺を暖かく迎え入れるのは彼らの上官で隊長、ムラマツ・サトー中佐だった。
「・・・・・・サトー・・・中佐」
「ははは、ひどい顔だ。まあ無理もない、さっきの戦闘はかなり激しいものだったからな。ルーキーは生き残ることがまず大切なのだし、良かった良かった」
そう優しく微笑んでくれるサトー中佐。しかし、目は真っ赤だった。
さっきまで泣いていた、それに気がついてさらに哀しくなってしまった。
「・・・まずは君の無事を喜ばせてくれ。さあ、着替えよう」
差し出された手を取り、着替えに向かった。
ロッカーを開け、パイロットスーツを脱ぐとハンガーにかけてあった地球連合軍の制服を取り出す。
そういえば、トールはザフトの制服の方が格好いい、って言ってたっけ。
俺は地球連合の方がかっこいいと思ったあの時のこと。
ほんのすぐ前だったはずなのに・・・。
あの時は、こんなことになるとは思ってもなかったな。
悔しい、悔しいよ。
俺は民間人だ。カズイ・バスカークは忌み嫌われる存在だった。
俺もテレビ越しでは好きじゃなかった、臆病者だと指を指してた。
そんな男に転生して、俺はよくやってきた方だった。
最初に教授に声をかけたあの時から、自分の中で活躍できた気がしていた。
変われたと自分勝手に思い込んでいたんだ。
その結果がこれだ!何も変われちゃいない!誰も守れなかった!!
自身に対する苛立ちを抑えられず、乱暴にも服を着替えた俺は手続きを済ませる。
「・・・艦長、中佐。伝言です。部隊で過ごした時間は短かったけど、すごく楽しかった・・・そう、です」
「・・・そうか。伝言、頂戴した。ありがとうカズイ少尉」
「・・・カズイ少尉!アークエンジェルに行っても忘れるな!私は君の上官だ!何かあれば是非、相談するといい!」
暖かい2人に、泣きじゃくりながら敬礼を行う。
そうして俺は、元のアークエンジェルの方へと帰還した。
「・・・・・・カズイ」
コクピットを開けて出向いてくれたのは、フラガ大尉だった
「フラガ大尉・・・」
「よう!大丈夫・・・じゃないよな」
気さくに声をかけようとしてくれるが、俺の顔を見て沈痛な顔になっていた。
そこに、キラが来た。
「フラガ大尉!どういうことなんです!!僕らは、僕らはあの子を人質にしないといけないんですか!?」
憤慨するキラ、確かに気持ちはよくわかる。
しかし、仕方がないことなんだ。
「・・・仕方がねえだろ。俺たちは弱いんだ、弱い結果がこれなんだよ。俺もお前も・・・カズイも。
艦長や少尉を否定する権利は、どこにだってねえんだ」
これが事実だ。どれだけ辛くてもな・・・。
そう呟くフラガ大尉の顔は、まさしく軍人の顔だった。
「それでも・・・っ」
それでも、卑怯だろう。そう言いたかったのだろうが、その言葉を俺は手で制した。
「やめろキラ!・・・フラガ大尉の発言は全て事実だ。
お前の気持ちはわかる、けれど・・・これが現状なんだ。
フラガ大尉だって喜んで言っているわけじゃないのはわかるだろう?・・・あまり、軍人にそんなことを聞いてやるな」
人殺しになれる、卑怯になれる。それは軍人にとって当たり前のことだろう。
しかしそれを快楽に、喜んでやるような落ちぶれた男じゃないのはわかる。
キラも俺の発言を聞いて考えたのち、申し訳なさそうにフラガ大尉に頭を下げていた。
「・・・フラガ大尉、すいません。フラガ大尉のことも考えずに」
「いいんだよキラ。・・・カズイも。子供は本来悩むべきだ。その反対意思は本来は大切なことなんだ。
今は我慢してくれ・・・けど、忘れちゃいけないぜ」
「・・・はい!!」
「・・・難しいかもだけど。割り切れない時は吐き出すのも大切なんだからなカズイ。
泣くことや怒ることは弱さじゃない。強くなるための下準備だ。・・・それも一つの戦い、一つの成長だってことを忘れるな」
「・・・ありがとうございます、大尉」
頭を下げて礼を述べる。
軍人として接するが、それでもやはりフラガ大尉は気にかけてくれている。
ほんと、あんたは格好いいよ・・・ムウさん。
自身の使っていた部屋に戻り、ベッドに横になった。
嫌気がさした時は、身体を伸ばして疲れを癒すに限る。
さっきの光景が、何度も脳裏にフラッシュバックする。
まるで忘れるなと戒めるように、ひたすらに思い出させてしまう。
「・・・・・・はは、こりゃ一種の呪いだな」
自嘲気味に笑う。
それからしばらく横になった後、ふと起き上がった。
そしてそのまま理由もなく艦内を彷徨う。
しばらくして、キラとすれ違った。
その様子を見て、そういえばと原作の展開を思い出した。
確か、この後嗚咽を漏らしながらラクスに会って慰めてもらったんだっけか。
あぁ、フレイを見た時に思い出したひどい光景の元ネタだったか。
せっかくだし、原作のイベントの近くに行くことくらい許されるのもありだろう。
原作カズイに似た行動をしていると、本当にキラは涙を流し、嗚咽していた。
「うぅ・・・う、ぁぁっ・・・カズイ・・・カズイ・・・!!」
「っ・・・・・・!?!?」
泣いている内容は、まさかの俺のことだった。
なんで、どうしてだよ・・・。
なんで、キラが俺なんかのことで泣いてくれるんだよ・・・。
ゆっくり地面に座り込むと、顔を伏せた。
そこを横切ったのは、ラクスだった・・・。
「・・・あら、キラ。戦いは終わったのですか?」
「え・・・、あ、はい。・・・あなたのおかげで、終わったような感じです、けど」
「ふふ、それはよかったですわ。役に立てたなんて」
「そんなことない・・・僕らは、あなたを人質に・・・!!」
悔しそうに声を出すキラ。気持ちはわかる、俺だってあの原作の気分はあまり良くない。
「・・・キラ?貴方、何か誤解していませんこと?」
そこに疑問のように首を傾げるラクス。この展開は正直予想していなかった。
「ご、誤解・・・?」
「ええ。・・・私を盾に戦闘行為を終える、それを提案したのはまさしく私ですもの」
当然のように微笑むラクス。
その展開は、本当に予想してなかったって・・・。
「なんで・・・なんで君が・・・」
「・・・フレイが、とても哀しそうな顔をしていましたの。怯えた顔をしていましたの。
あのモントゴメリー、という船はフレイの父が乗っていると仰っていましたわ。
身体が震えていた。そんな状態で走っていたんですもの。心配したから、サイと一緒に止めに行ったのです。・・・その時、外の光景が映し出されていました。
カズイの、叫びが聞こえたんです」
俺はそこで、ハッとなる。
連合の通信を開いていたからだ。状況確認をするために。
きっとその時の声がアークエンジェルに届いたのだろう。
「・・・フレイは、苦しそうでした。カズイが泣き叫びながら戦場を駆け抜けていき、目の前で倒されていくMAのパイロットの名前を叫び自暴自棄になる姿を見て。
私にとって、フレイは友達です。
もちろん他の皆もそう思ってますわ。だから、彼女が苦しそうにしているのを・・・カズイを見てるのが耐えられなかったのです」
「・・・ラクス、君は・・・君は・・・!!
僕は・・・僕は弱いんだっ!!
アスランと本気で戦えなかった!カズイが苦しんでいるのに、フレイが懇願していたのに・・・僕は・・・ちくしょう!ちくしょう!!」
事実、アルスター事務次官を救うという行為自体は成功した。
けれどキラは俺のことを心配してくれた。
彼が苦しんでしまうくらいには、俺の様子がおかしかったのだろう。
何とも、情けない・・・・・・俺はただ皆で笑いたかったのに、そんな俺がこんなザマなんだ。
「・・・キラ。戦えないことが悪いことではないのです。アスランは私の許嫁・・・。
本当は、2人には争ってほしくない。
戦争は・・・戦争は、哀しいものですね」
ラクスがキラを抱き抱え、そんなことを述べていた。
「・・・キラ」
「か、カズイ・・・!」
「悪いな。さっきの会話、聞こえちまったんだ。・・・・・・お前たちに、心配かけちまったな」
「ううん、違うんだ。・・・僕が、僕が本当はやらないといけないのに」
そう述べるキラに俺は待ったをかける。
「待てキラ。・・・それは違うぞ」
「えっ・・・?」
驚いた目でコチラをみてくる。
「確かに、お前は今はストライクのパイロットだ。お前の友人のアスランくんが乗るイージスは敵だからお前にとっては倒さないといけない敵だ。だが、お前の心を壊してまでやることじゃない。
戦争が嫌だという意識を捨てる必要はないし、親友を撃ちたくないと考える心を否定する必要はないんだ。
お前はストライクの現状パイロット。
その前に、1人の人間キラ・ヤマトだろ。それを忘れちゃいけない。ラスティだって捕虜になって今生きている。
お互い生きていれば仲間になることだって叶うかもしれない。
そのアスランくんがどんな人かは存じ上げないし、きっとナチュラルには敵対するだろうが、キラ・・・君と戦いたくないとは思っているはずだからな。
俺たちは死なないために、死なせないために戦わなくちゃならない。けどわかり合いたい・・・その考えを忘れちゃいけないんだと思う。
まあ・・・あんなズタボロの姿を見せた臆病者が偉そうに言えた義理じゃないがね・・・」
やれやれ、と頭を掻くがそれこそキラに否定された。
「カズイ!カズイは臆病者なんかじゃない。いつも真っ直ぐ物事を冷静に見極めてるじゃないか。それに僕にだって・・・僕だけじゃない、いろんな人にいつもアドバイスをしている。それって本当にその人たちのことを深く見てるってことだと思う。
それをできるのってすごい憧れるしかっこいい。カズイはそんなすごい人なんだ。僕にできない長所をいくらでも持ってるだから、そんな自分で否定しちゃダメだよ・・・!」
その言葉を聞いて、つい頬を掻いてしまう。原作というものを知っている俺は周りにアドバイスというか関係を持つよう心がけてはいた。
その姿をかっこいい、憧れると述べてくれるキラの目はとても眩しかった。
「・・・キラには勝てないな。君のおかげで俺はまだ頑張れそうだ」
「何言ってるのさ、僕こそカズイのおかげで戦えてるんだ」
「ふふ、お互い様というやつですわね。・・・2人はとても仲が良いようで」
俺たちのことを、優しく見守るラクス。
なんとも、あったかい空気だった。
「ラ゛ク゛ス゛ゥ゛〜!!!!」
フレイが、すごい顔で泣いている。
「フレイ、ちょっと顔がすごいことになってるよ」
「だって・・・だってぇぇ!!」
「あーもう、フレイ!ほら、鼻かんで!」
「うぅ・・・ありがとうサイ・・・チーン・・・」
ティッシュを渡されたフレイが鼻をかんでいた。なかなかにカオスな光景だ。
「カズイィィ・・・・・・」
「あーもう君は一旦落ち着けフレイ!ラクスから事情は聞いたから!」
「私の・・・私のせいで・・・」
「そう言ってやるな。ラクスはフレイのお父さんを想ってしてくれたんだろ?ならラクスの行動を感謝しないと。ラクスは君の友人として取りたいと思った行動に移ったってことだろう?」
「わかってるわよぉ・・・・・・!!わかってるけど・・・!!」
まあ、泣きたくなるのはわかる。
「・・・フレイ。そんなに泣いてくれるなんて嬉しいですわ」
「せっかく・・・せっかく友達になれたのにぃ・・・!!」
フレイが泣くことでミリアリアも釣られて泣きそうになってる。
「・・・やれやれ。俺たちはラクスに助けられてしまったもんなぁ。
でも、まだ時間はあるだろ?なら最後に写真だけ撮ればいいさ」
「写真?」
フレイがこちらを見る。
「あぁ、ラクスを入れて、みんなで写真を撮るのさ。
アークエンジェルからは離れ離れになってしまうけれども。
この写真がある限り、俺たちの心は一つだ。ってことでさ・・・思い出ってのはナチュラルもコーディネーターも関係ない、人それぞれに必要な大切な要素・・・だと思っているんだが、どうかな?」
「カズイ何してるの、早く撮るわよ」
「カズイ、ラスティ呼んできなさいよ早く」
ちゃっちゃかと準備を始めたミリアリアとフレイでした。
「2人とも切り替えが早いなぁ!?まあ気持ちは皆同じだろうからなんも言わんがね。・・・よし、準備に取り掛かるぞ!」
俺の掛け声と共に皆々が行動を始める。
「・・・わぁ、皆様嬉しいですわ」
「・・・・・・すごいな、本当に」
呼ばれたラクスとラスティは驚いていた。まあ無理もない
「おい貴様ら!何を騒いでいる!」
流石に騒ぎになったのかバジルール少尉が来た。
「あー・・・実は・・・」
というわけで状況を説明する。
「・・・まったく」
やれやれ、と頭を振る少尉
「まあまあ、いいじゃないナタル」
「・・・そうですが。
まあいい、おいカズイ!」
「あ、はい!どうしました?」
「こちらもこちらで忙しいんだ!・・・早く写真を撮れ、ブリッジは30分しか許可をしない、それ以外は認めないからな!さっさとしろ!」
そういうと、ブリッジに帰る少尉。
え?それって・・・
「ふふふ、ナタルも私たちもラクスさんにはお世話になったようなものだからね。彼女も思い出は残したいんでしょ。こういうことなら軍は関係なしにしたいし。・・・というわけで、できるだけ早くしてね、30分は時間を空けておくから」
「か、艦長!早く来てください!!」
「はいはい、わかったわよナタル。・・・じゃ、早くね」
顔を赤くするバジルール少尉に笑いながら歩く艦長。
「・・・っし、全員ブリッジ行くぞ!」
予想外に嬉しい展開となり、皆で突撃したブリッジ。
そこで撮った写真は、何者にも代えられない宝物になったのだった・・・。
『こちらGAT-X105ストライク、セッティング完了』
ストライクのコクピットの中でキラがつぶやく。
しかし、何も反応はない。
「あー、宇宙といえば寒いらしいわねぇ」
ブリッジのマリュー・ラミアス艦長がそう述べる。
『了解、待機します』
「え、ちょっ・・・あ、マードック曹長!すぐに離れて!」
『おいおいバジルール少尉、茶番が無駄になりますぜ』
「むう、し・・・仕方がないだろう!?こ、こういうのは慣れていないのだ!ぐ、軍人としてでしか動いたことがないのだし・・・」
そう、現在面白いことにアークエンジェルは茶番状態になっている。
ストライクのコクピットにはラクスが搭乗、これよりストライクがラクスを向こうに引き渡すということになったのだった。この絵面は原作と何一つ変わらず同じ状態。
しかし、何が違うかと言えばアークエンジェル側は一応人質にしてるので身勝手なことはできない。そこでラミアス艦長が茶番を打って見逃しているという光景だ。
これがなかなかにカオスで面白いことになっている。
ちなみに宇宙が寒い云々はエアロック解除に関してまだマードック曹長が退室してないのでそれを示唆する発言をしただけ。
そしてバジルール少尉はそういう茶番が苦手でつい反応したようだ。
「・・・前から少し思ってましたが、バジルール少尉てやっぱ可愛いっすよね」
「あぁ、彼女は前々からそういうところがあってね」
「ちょっ、カズイ!何を言っている!ノイマンも変なことを言うのはやめろ!」
我らが不沈艦の要、アーノルド・ノイマン曹長と話していたのである。やはりどこか抜けてるところがあるっぽいな
マードック曹長はいつの間にか退室完了したらしい。キラの通信だけが鳴り響いた。
『GAT-X105ストライク、キラ!行きます!』
「いやぁ、フライドポテトってやっぱりマクドナルドよねぇ」
「え、あちょっ・・・艦長!私はモスバーガー派です!」
ごめんなさい少尉、俺もマクドナルド派です。
「・・・なかなかに、面白い人たちでしたわ」
「あはは、ラクスも楽しんでくれてよかった」
「・・・・・・キラ、あなたはどうするのです?まだ、戦うのですか?」
その質問に、心臓が跳ね上がる感覚を抱いた。
「あ、ごめんなさい・・・嫌な質問をしましたね」
悲しそうに微笑むラクス。
違う、そうじゃないんだ。
「・・・・・・僕はまだ、戦うよ」
僕がそう言うと、ラクスは目を見開いた。
「・・・怖いし嫌だ。これは事実。アスランとも戦いたくない。
けど、それよりも・・・アークエンジェルのみんなが好きなんだ。みんなを守るためにできることをしたい。
だから、僕はまだ止まらないよ」
「ふふふ、キラは強いですわね。・・・辛い時はいつでも言ってくださいな。あなたの助けになりますわ」
「・・・ありがとう、ラクス」
イージスのコクピットが開かれ、ラクスが向こうへ行く。
「キラ!お前の正義はなんなんだ!あんな民間人を人質にするような奴ら・・・と・・・えっ?」
アスランが戸惑う。まあ無理もないと思う、だってラクスはキャリーケースのような物を持っているもん。
「ら、ラクス・・・これは?」
「向こうの友達にもらったお菓子ですわ。アスランの好みに合うものも見繕ってもらったのです。あとで食べましょう」
アスランの顔が面白い。表情がとても混乱している。
「え、キラ・・・え?」
「アスラン。形だけは人質ってなってるけど、みんなラクスとは楽しくしてたよ。・・・写真も撮ったんだ」
「しゃ、写真・・・?」
ケースに入った写真を見て、またアスランが驚いている。
「そこの、真ん中にいる男の子・・・正直、気弱そうな顔の子がいるでしょ?
彼がカズイ。カズイ・バスカーク・・・・・・青いメビウス・ゼロのパイロットだ。
アスラン、君はナチュラルを軽視する。
けど、カズイのように分け隔てなく交友してくれる人だっている。
・・・ラスティは君の仲間だったんでしょう?」
「・・・あ、あぁ。・・・捕虜になったとは聞いていたが、ここまで、楽しそうにしてたのか・・・えぇ?」
「これがあなたたちの敵ですわ。・・・アークエンジェル、この船のクルーは皆私に優しくしてくれました。
この赤髪のフレイ・アルスターって女の子とオレンジ髪のミリアリア・ハウって女の子は特に私と仲良くてですね・・・」
情報が多すぎて、アスランは戸惑っている。
「・・・君たちの誘いには乗らない。アスラン・・・構わないね?」
「・・・はぁ。まったく理解ができないがとりあえずわかった。だが、容赦はしないぞ。」
「こっちこそ」
そして次の瞬間、ストライクの横を何かが横切った。
『アスラン!すぐに下がれ、私のシグーで・・・ぬぉぉ!?』
「クルーゼ隊長!・・・クルーゼ隊長!?」
「・・・いやぁ、なんとかなったわ。ありがとうございます大尉、あなたの惹かれ合う感覚のおかげで特定できました」
「いやいいってことよ、それよりよく思いついたな作戦」
そう、展開としてはクルーゼの駆るシグーが襲うところだった。
だから先に攻撃をしたのだ。
と言っても火力攻撃ではない。武装を使えなくするための、トリモチランチャーだ。
弾丸をマードック曹長・カトウ教授(最近出番がないから待ちくたびれていた。とは本人談)の合同で用意してもらったのだ。
といっても一発しかなくチャンスは一度。
そこでフラガ大尉の惹かれ合う感覚をサポートに使い、弾丸を放った。そのおかげでシグーは腕が使えなくなり、重突撃機銃が腕から離れなくなったのだ。
「ちぃ!面倒な・・・」
「おやめなさいラウ・ル・クルーゼ」
「ラクス嬢!しかし・・・」
「ここを戦場にするつもりですか!それに貴方にその損害を加えたと言うなら、危険もあります!」
「・・・・・・チッ!帰投する!!」
「・・・ね、カズイはすごいのですわ」
「・・・・・・カズイ・バスカーク・・・か」
そうして、一難は去るとともに新しくできた友人は元の居場所へ帰って行ったのだった・・・。
皆さんは何派ですか?
僕は断然マクドナルドです(殴