ガンダムSEEDーカズイ奮闘物語ー 作:SS好きのヨーソロー
地球連合軍第八艦隊。
それはデュエイン・ハルバートン提督が指揮する艦隊であり、その艦隊からアークエンジェルが捕捉されたのであった。
レーダーに補足したときは、アークエンジェルブリッジ内は歓喜に包まれていた。
普段気難しい顔をしているバジルール少尉やラミアス大尉でさえ、嬉しそうな顔が隠れていない。
ラミアス大尉はラミアス大尉で、友軍が来たというだけの喜びではなさそうだった。
「ラミアス大尉、ハルバートン提督とはどんな方なのです?その様子を見るに単なる友軍が来た喜び、ってわけではなさそうですが」
「あぁ、カズイくん。・・・ハルバートン提督は私の元上官なの、教官として様々なことを学んでいたのよ。
アークエンジェルとGの開発計画を推進していたのもあの人だわ」
「なるほど・・・つまりメカニックの知識をたくさん有している方と・・・是非ともお話をしてみたいものですね。
・・・バジルール少尉、ハルバートン提督はこちらへ来ているのですよね?」
「あぁ、その予定だ」
「ならば先遣隊が派遣されたりする可能性もありませんか?」
「先遣隊・・・まあ、そうだな。戦場の定石として基本友軍の中から先遣隊を派遣し、合流を試みる。どうかしたか?カズイ・バスカーク」
「いえ・・・今は何もありませんが、気になるのがやはり」
「ナスカ級・・・クルーゼ隊のことだな?」
「フラガ大尉!」
「おう、カズイ。おまえさんがなんでそう軍人らしく常に警戒を怠っていないのかはわからないが、その気持ちはわかるぜ。・・・確かに、あいつらならやりかねんよなぁ」
「カズイ少年、それにフラガ大尉、そうは言っても第八艦隊は大部隊ですよ?流石に攻めるなんてことは」
「ない、と思わせて一気に攻め立てる。・・・あの部隊と戦闘をしたのは少ししかありませんが俺はそう感じました」
「ヒュウ、理解度高いねぇカズイ!やっぱそうなるわな」
俺がそう持論を述べるとさすが!という風に指を鳴らしながら同意するフラガ大尉。
「えぇ、危険ですから。・・・バジルール少尉、確かに艦隊という名前を聞くに機体はたくさんあると思います。ただ・・・・・・ほとんどがTS-MA2メビウスでしょう?
MSとMAの性能差はメビウス五機分がジン一機、と聞きます。
それにそれは通常性能、武装・・・重斬刀や重突撃機銃 などの基本武器を積み込んだノーマルのジンです。
いわゆるD装備というものやそれ以外のミサイルやらなんやらを持ち出されればその機体差はさらに広がります。
それに奴らは面倒なことに出してくるじゃないですか、G兵器。
1番最初に開発されたストライクの下位互換に等しいデュエルでさえ脅威です。
Gが出てきた瞬間メビウスは手も足も出せませんよ」
「しかし、そんなの貴様のようにコクピットやらを狙えば」
さも当然、というふうにいうがフラガ大尉が顰めっ面になる。
「無茶言うな少尉、こいつの操縦は常識はずれだ。シミュレーションで自ら悪環境をやり続けたからできた芸当だぞ。・・・地球連合軍の俺が言うのはいけねえことだが、確かにこれはきついかもしれないな」
「・・・楽でない道のりなのはわかっているわ、けれど行かなければならない」
「あぁ、大尉、それはもちろん理解していますよ。俺たちアークエンジェルの行き先は変わらないはずです。そうではなくてですね・・・」
周りがこちらをみてくる。
奇想天外なことを言うのは理解している、ただ・・・
こちらもこちらで、やれることをやるしかないのだ。
「アークエンジェルから一機、合流させ状況報告、および危険時に先遣隊援護・・・って感じのことを考えてまして。そこで俺がその作戦を担当したいなぁ、と」
「せ、先遣隊と合流をしよう、っていうの!?」
「な、なんて無茶な事を言い出すのだ貴様は!」
「っはははは!!!やっぱおまえ面白えぜ!なんか理由は考えてるのか?」
三人がそれぞれ反応をする。もちろんそれに応える為に俺も話を続けた。
「ええもちろん。・・・先遣隊、第八艦隊としてはアークエンジェルと合流したいはずです。
ハルバートン提督はラミアス大尉の教官だと聞きました。部下が危険に晒されていて会いたくないわけありません。
ただ・・・会うことが叶わない可能性がある。それが襲撃です。
まず最重要機密がこのアークエンジェルとストライクです。これを落とされるわけにはいかないし、敵の手に落ちることもあってはならない。・・・バジルール少尉、投降はダメですよね?」
「無論だ!これを奴らに渡されるわけにはいかないのだ!」
気難しい顔で言い放った。そんな難しい顔したら美人が勿体無い気もする(殴
「でしょうね。流石にこれが渡ったらザフトと地球連合軍の戦力差が完全に埋められなくなる。
と言うことはですよ?第八艦隊としては自分たちの身の安全より、こちら側の安全を優先するはずなんです。これはラミアス大尉の人間性をみて推察したのですが、大尉が尊敬する教官がアルテミスのように腐った連合のような人間ですか?ありえないでしょう?」
「・・・やりかねないわね、ハルバートン提督ならば。あの人は昔から死者を常に憂いていたもの」
「なのでもし有事の際はアークエンジェルは逃げられる場合がある、けどアークエンジェルの状況を説明する必要もあるんですよね?だから俺が先行し状況説明、メビウスゼロは第八艦隊の部隊に編成してもらいアークエンジェルと合流と同時にそちらへ編成帰還、って感じで考えたのですが」
「・・・・・・カズイくん、時間をちょうだい、まずは第八艦隊に連絡を取るわ」
「ラミアス大尉!」
「・・・ナタル、わかってるでしょう?奇想天外な発言よ。軍人としては予想外、けど理にかなっているわ」
「・・・ですが」
「俺たちのことを思ってのことだって。まあ気にするなよ、カズイがいない間は俺たちの出番だしな」
「フラガ大尉、負担にはなりますがキラたちのこと、よろしくお願いします」
「おう!任せな、かっこいいところ見せてやんねぇとな!」
にっ、と笑うフラガ大尉に敬礼で返す。
もしこの考えが承認されれば俺は遠出をすることになる、今のうちにシャワーを浴びておこう。
キュッ、とシャワーの蓋を緩めると湯が出てくる。
それを全身に受けながら、かいた汗や身体の気だるげさをさっぱりと落としていく。
カズイ・バスカーク
SEEDの世界において嫌われ者として転生してしまった時はどうなるものかと頭を抱えていたものだ。
だから悲劇を起こさないよう気をつけ、今まで戦ってきた。
もう直ぐ、関門のうちの一つだ。
できることを、最大限やり続けよう。
シャワーから上がり、髪を乾かして着替えるとシャワールームを出る。
それと同時にラミアス大尉に呼び出された。
「カズイくん、先ほど第八艦隊と連絡を取りました。派遣要員としての向こうへの飛行許可を下ろします。
カズイ・バスカークはメビウス・ゼロ二号機に搭乗、第八艦隊先遣部隊と合流しアークエンジェルの状況説明と同時に有事の際に向こうの指揮系統に入り適宜行動しなさい。・・・頼めるわね?」
「はっ、カズイ・バスカーク、任務を了解しました!何か追加の連絡事項等がない際、これからメビウス・ゼロの調整に入ります!」
「あぁ、そのことなんだけどね・・・わかりやすいように、メビウス・ゼロを塗装しているはずよ」
「塗装・・・ですか?」
「ええ、フラガ大尉の機体と見分けできるようにするためにね。塗装はすぐ終わってるはずだから確認しなさい」
「わかりました、では失礼します」
ぺこりと頭を下げ格納庫に行く。
そこに行くと、目の前の光景に言葉が出なくなった。
目の前に鎮座するメビウス・ゼロ。その見た目はなんと青色に染まっていた。
「青いメビウス・ゼロ・・・これが、俺の機体、ですか?」
「よぉ、きたか坊主!塗装完了だぜ!」
「マードック曹長!・・・しかし、分かり易いのが理由とはいえ俺のような民間人が専用色と言うのも・・・」
「まあまあいいじゃないの。カズイ、お前もっぱら噂されてるんじゃないか?俺はそう思うぜ」
フラガ大尉が笑いながら声をかける。噂とは一体なんだろうか。
「噂ですか?」
「おうおう、低速のメビウス・ゼロがジンやGATシリーズを相手取るってな。目をつけられない方が変だろ」
「ちょっと待ってくださいよそれ。・・・まあキラや大尉の次くらいには注目されるかもですが嫌ですよ目立つの。頼むからブルーコスモスには目ぇつけられたくないですね」
「ぶほぉっ!?ぶ、ぶっこむねーカズイ」
「仕方がないでしょう大尉、あそこは悪い噂しか聞きません。・・・盟主殿はいいんですが」
「ムルタ・アズラエルだろ?・・・どこがいいんだよ」
「確かにあそこ、危ないことはやってるかもですが盟主殿は利益主義なんすよね、清々しいというか何というか。利益さえあればコーディネーターを雇うなんて聞きますし」
「えぇ・・・?」
「利用できるものはできるだけ利用する。それがどんな悪手でも。
これ結構名言ですよあの人の。悪手だと思ってももしかしたら利益になるかも知れない、って感じでね。
好きにはなれませんが、利益主義は信用できます。・・・下手なことはしませんから。
まあ、アズラエルグループの外様が何をやらかすかはわからないから怖いですが」
「・・・・・・やっぱお前ずば抜けて大人だよなぁ。まあいいや。
んじゃまあ補足だ。
フレイ・アルスターの父ジョージ・アルスター事務次官殿は若干のブルーコスモス主義寄りだ、それもお前さんの苦手なタイプのな。そこだけ気をつけな」
「ありがとうございます大尉。けどなんとかなるでしょ。そういう人は娘には弱いもんです。うちのフレイはとてもいい子でしょう?」
「あぁ、確かに彼女最初は険悪だったが今となっちゃコーディネーター容認だしな。ああ言うのは助かる。
というか、そのフレイ・アルスターをマシにしたのはお前じゃないか」
「俺は単なるきっかけですよ。あの子は俺の言った言葉を、その目で見た事実を、そして仲間を信じた。
だから今こうしてあの子は振る舞えている。
元々心優しい女の子だったのは想像つきます。
・・・だからこそ、父親のジョージ・アルスター氏だって変われる。
言い切るのはおかしいかもですけど、文句垂れるより希望を持った方が、気分もいいっしょ」
「・・・間違いないな。敵艦や戦闘は任せろ。こうみても俺は不可能を可能にする男なんでね」
「ふっ、そんな男になら任せられるものです。・・・頼りにしていますよ、フラガ大尉」
ニコリと微笑み敬礼をすると最終調整を終え、俺はストライクの方に出向いた。
ストライクの内部では、キラがキーボードを叩きOSの調整をしていた。
「やあ、キラ。順調かい?」
「あ、カズイ!うん。順調だよ。・・・・・・聞いたよ、メビウス・ゼロで先行するんだよね?あの青いメビウス・ゼロ、綺麗で格好いいね・・・」
「・・・ははは、あれじゃまるで俺の専用機だ。むず痒いことこの上ない」
「・・・カズイはすごいなぁ。僕は、いまだに迷うよ」
「それは、戦うことについてかな?」
「・・・・・・うん」
神妙な顔で悩むキラ。しかし、別に俺も悩んでいないわけではない。
「・・・キラ、俺は別に悩んでいないわけではないぞ?むしろ戦争に参加しなくていいなら今すぐ逃げ出したいくらいだ」
「・・・カズイも?」
「もちろんさ。俺たちがしているのは人殺しだ。決して慣れることはない。
けど俺はそれでも自分にできることを最後までやりたいと考えている。
だって、俺が頑張ればキラが戦わずに済んだり、フレイが戦争に巻き込まれずに済んだりするんだろ?
俺にとっては万々歳さ!」
「・・・やっぱり、カズイはすごいや。
だから僕も頑張れるんだ」
「・・・君が居れば心強いし、友達がいるって事実が強くさせてくれる。けれど無理だけはするなよ?」
「もちろん、カズイだって頼ってよね」
「・・・ふふ、そうだな。君と戦うなら俺も頑張れそうな気がするよ。
じゃあ、キラ。・・・そろそろ行ってくるよ」
「うん、わかった。・・・行ってらっしゃいカズイ。気をつけてね」
お互い軽い敬礼を行い、俺は服を着替えメビウス・ゼロ二号機に乗り込んだ。
電源を入れ、モニターが表示される。
すると通信が入る。その相手はラミアス艦長だった。
『カズイくん、これから貴方は出撃し先遣隊と合流、アークエンジェル誘導の任につきます。
その際は先遣隊の部隊に編入し活動しなさい。有事の際はこちらの事情を考慮した行動も許可されています』
「了解!カズイ・バスカーク、メビウス・ゼロ二号機!出撃します!」
ぴし、と敬礼をするとフットペダルを踏む。そしてメビウス・ゼロはアークエンジェルから出撃していくのだった。
飛行を続けしばらく。
先遣隊機体とは別に、もう一つの小型船がすれ違うように飛行していく。
識別は友軍、味方のようだ。
それを気にしながらも飛行していると通信がきた。
護衛艦モントゴメリーだ
『あー、聞こえるかね?こちらモントゴメリー艦長、コープマンだ。応答願う』
「こちらメビウス・ゼロ二号機、カズイ・バスカークです!」
『おぉ!君があのカズイくんか!』
『アルスター事務次官、少し落ち着いてください。
・・・すまない、取り乱したな。こちらモントゴメリー。バーナード、ロー共にアークエンジェル護衛の任を任されている。先にカズイ少尉はこちらに寄港し情報伝達をするように』
「はっ!了解いたしました!」
そういいフットペダルを踏む、どうやら俺もキラと同じ少尉の称号を与えたようだ。まあ機密に触れているわけだし仕方がない。
教授の伝手とはいえMSの情報すら認知しているまであるからな。
機体を戦艦に収容すると、兵士たちが何やら銃を持ち歩いてきている。
「・・・カズイ・バスカーク少尉、着艦いたしました」
「了解した、先に検査をしたい。誘導するのでこちらへきてはいただけないだろうか?」
兵士のうちの1人がそう述べる。
その言葉に頷き、俺は案内されるがまま、歩いていった。
「・・・すまんなぁ。こんな手荒な真似で」
先ほどの兵士が口を開く
「いえ、気にしないでください。・・・なんとなくわかりますよ、民間人がMAを操縦している。そのこともピリつく原因でしょうから」
「察しがいんだな。・・・改めて自己紹介しておくよ。
俺はムラマツ・サトー中佐だ。
このモントゴメリーにてメビウスのパイロットを務め、コープマン艦長の補佐をしている」
「改めてカズイ・バスカーク少尉です。気軽にカズイなどと呼んでください」
「ありがとうカズイ少尉。まずは身体検査をした後に、艦長らと合流してくれ」
そう言い案内した部屋に入ると、身体検査を行われる。
まるで前世の身体測定のようだった。
「驚いた、本当にナチュラルなのか?」
「ええ、間違いありません。・・・数値全て平均です」
医師らが話をしている。
よかった、これで隠れコーディネーターだったとか言われたら死にそうな気がした。
「・・・まさか、アズラエルのところのブーステットマンの疑いは」
「やめないか!カズイ少尉はわざわざこちらを考慮しきてくれたのだ、そのような俗蔑的な物言いは良くないぞ!」
「し、しかしですねサトー中佐」
「私からも付け加えよう。カズイ少尉はヘリオポリスの学生だ。
ご同行されているアルスター事務次官のご令嬢、フレイ・アルスター氏とも知り合いのようだぞ」
助け舟を出すようにサトー中佐、コープマン大佐が声をかけてくれる。
「失礼、私はコープマン大佐、この戦艦モントゴメリーの艦長だ」
「カズイ・バスカーク少尉であります。
こちら、アークエンジェルの情報をまとめた書類となります、ご確認よろしくお願いします」
「了解だ。失礼」
そういうと、書類を速読するコープマン大佐。おいおい、ちゃんと読めてるのか?
「・・・ふむ、なるほど。了解した。移動船に食料を詰めておいてよかったな」
「移動船・・・あ、もしかしてさっきすれ違ったやつ!」
「あぁ。あそこにMAのTS-MA2メビウス、そして食料を詰めて輸送したのだ。
先ほど文章で飲水がユニウスセブンで確保したという部分を読んだからな。食料の方を多めに詰め込んでおいて正解だったと思ってな。
あとは民間人の中にコーディネーター、捕虜にコーディネーターか」
そういった瞬間、空気が冷える。
「待て、気持ちはわかるが捕虜となった以上手荒な真似は許さんぞ。おおかた何かしらの問題はあちらのラミアス大尉がなんとかしているだろう。
ハルバートン提督から優秀な子がいると聞いていたしな。
とりあえずは少尉待遇であるヤマト少尉のケアが必要だろう。護衛する際はそちらを考慮してもらえるよう口添えする」
なんと、何が必要かを書類を見てすぐに判断したのだ。なるほど確かに速読のスキルがある。
声色からもわかるように軍人として模範的とも言えるだろう。
「そうか・・・我が軍の機密は友人、それもコーディネーターの子に渡ってしまったのか」
「・・・ええ、しかしキラはとても優しく」
「・・・君にも言える話だが、若い者が戦場に赴く。ヤマト少尉に至っては同族殺しをさせてしまっている。それはなんとも悲しいことなのだな」
「・・・中佐」
その顔は、なんとも憂いに満ちていた。
そして案内された場所では豪勢に、ステーキが振舞われていた。
正直久しぶりの肉なので食欲が止まりそうにもない。
「コープマン大佐、こちらは・・・」
「ん?見てわかるだろう?ステーキだ。・・・カズイ少尉、もしかして肉は苦手か?」
「い、いえ!そんなことは!むしろ好きな部類ですよ」
「そうか、それは良かった」
「しかし、こんな豪勢な・・・」
これ、一介のパイロットが食べていいやつなのか?
そう悩んでいると声がかけられた。
「是非食べてくれ!君には感謝だけでない、感動もいただいたのだ!」
その相手とは、謎にテンションの高いアルスター事務次官だった。
いやいや、本当に謎にテンション高いんだが。
「・・・いやいや、なんでそんなテンションが高いんですかアルスター事務次官殿」
「はっはっは!君の活躍はよく聞いていたからなぁ!
・・・あれ?なんで私の名前を?」
「あぁ、いや・・・なんかの雑誌か記事に載ってましたよね、確か。穏健派の・・・」
「・・・はぁ。よく見ているのだな。」
顔が顰めっ面になった。
なぜかコープマン大佐も気まずそうな顔をしている。
なんでだ?と思いながらもニュースを開くと、俺も申し訳なくなった。
[穏健派の一員、ジョージ・アルスター氏!まさかの反コーディネーター派か!?ブルーコスモスの一員か!?]
思いっきり、政治批判でした。
「す、すいません事務次官!侮辱するつもりはなくてですね・・・」
「構わないさ。そんな低俗な記事など・・・・・・まあ、低俗かはさもおき、反コーディネーター思想であるのは否定しないしな」
そう自虐的に笑う事務次官を見て、つい驚いてしまう。
元々のイメージや作中での雰囲気から感じた完全な反コーディネーター的思想とは少しイメージが異なったからだ。
「・・・アルスター事務次官、コーディネーターの俺の友達キラ・ヤマトはストライクってやつのパイロットです。
そして、フレイの命の恩人なんですよ」
優しくそう話し始める俺に、興味を抱いたのかアルスター事務次官は話を聞き始めた。