風邪になった鹿目まどかが悪魔ほむらに看病されるだけ(完結)   作:曇天紫苑

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2話目以降は、雰囲気が穏やかになっていきます。
流石の暁美ほむらでも、看病しようって時に冷たい顔をしている訳には行きませんからね。


お布団に入って眠る貴女の事が、誰よりも何よりも尊くて

 鍵を開けて家に入ると、その中はとても静かだった。そこは暗かったし、誰も見当たらない。自分の家なのに、誰か他の家へ迷い込んでしまった気分にさせられる。

 

「ただいまー……誰も居ないみたい」

 

 声が返って来ない所を確認する限り、家には誰も居なかった。普段は太陽が入りやすいデザインの間取りだけど、雨の中では暗いだけだ。雨音が中にまで響いて、心が暗くなってしまう。風邪と雨の影響なのか、息苦しい。

 ほむらちゃんはわたしの鞄を玄関先へ置いて、靴を脱いで先へ行く。それから振り向いて、わたしの身体を支えながら、抱き起こす用に中へ運んだ。

 そこまでして貰わなくても、普通に歩けるんだけどなぁ。想像以上に心配性で、考えていたよりずっと献身的だった。

 

「パパはタツヤとお買い物に行ってるみたいだね……どうしよう」

「雨だから、きっとお父様も何処かで雨宿りしているわね」

「困ったなぁ……救急箱、どこに置いてたっけ……」

 

 玄関先で座って、頭を押さえる。確かに、心なしか普段よりずっと熱い。こんな頭の状態じゃ、考えられる物も考えられなかった。

 ほむらちゃんはそんなわたしの肩をそっと撫でて、「お邪魔します」と言ってリビングへ入っていく。慣れた様子で部屋に置いてあるタオルを取ってくると、わたしの頭に被せてくれる。雨に濡れた髪、首筋や顔を素早く拭いてくれた。

 自分は全然濡れたままなのに、ほむらちゃんは気にもしない。

 

「まどか、大丈夫?」

「へ、平気。ちょっとクラクラするだけだから」

「それを平気とは言わないわ」

 

 ほむらちゃんはわたしの頭を労る様に拭き撫でる。余りにも優しい手つきで、思わず眠気が押し寄せてくる。こんなに丁寧にされて、嬉しい。

 風邪になった事の不安感は、かなり薄れていた。むしろ、こうやって誰かに、ううん、ほむらちゃんに優しくして貰えるなら、少しくらい体調を崩しても良いかも、なんて思える。

 

「とりあえず着替えましょう。濡れたままじゃ悪化するわ」

「うん、そうするね……ほむらちゃんも拭いた方が良いよ?」

「確かに、そうね」

 

 わたしに使ったタオルを使って、ほむらちゃんは軽く顔や肩の水を拭う。とても濡れているのに、それ以上は拭かなかった。もう少しちゃんとしないと、わたしみたいに風邪になっちゃうかもしれない。

 でも、ほむらちゃんは有無を言わさずわたしを起こした。

 

「さあ、お風呂場に行きましょう」

「わっ……ほ、ほむらちゃん?」

 

 お姫様抱っこだった。わたしが歩けないくらい酷い状態だと思っているのか、膝裏と肩周りを両腕でしっかり固定して、強い力で支えてくれている。

 浮いている感じがちょっと怖くて、思わずほむらちゃんの首筋に掴まってしまった。苦しくないのかな、重くないのかな、と心配にはなったけど、平気そうだ。

 こうして持ち上げられているのに、自分の身体が浮かんでいる事が自然に思えてくる。ほむらちゃんの首は雨で少し冷えていたけど、決して嫌な冷たさじゃなかった。

 

「ど、どうして?」

「人前でこんな風に貴女を運ぶ訳には行かなかったから……ああ、背負っていけば良かったわね、ごめんなさい、そこまで頭が回らなくて」

「そ、そうじゃなくてね?」

 

 今一ズレた返事をしながら、ほむらちゃんは軽い足取りで歩いている。その歩く先は、言った通りにお風呂場の方向だった。どうして、家のお風呂場の場所を知ってるんだろう。

 別に良いや。頭がぼやけて物を考え難いから、忘れる事にする。きっと何となく間取りから予想したとか、そういう感じなんだ。別に気にしなくても良い。

 それよりも、ほむらちゃんの腕は本当に優しかった。わたしを落とさない様に、そして怖がらせない様に、かなり頑張って運んでいるのが分かる。

 普通に歩けるのに、と思いながらも、わたしは大人しくしていた。何だか、こうやって運ばれるのも嫌じゃない。

 

 お風呂場の前に着くと、ほむらちゃんはわたしを床へ降ろす。

 ほむらちゃんは上着を脱ぐとワイシャツの裾を捲り、襟を崩した。

 

「まどか、そこへ座っても平気?」

「足を拭くタオルだから、うん、平気だよ」

「じゃあ、そこに腰を下ろしなさい」

「う、うん……」

 

 命令されると、わたしの身体は勝手にタオルへ座っていた。自分の意志とは別に動かされている様な気がして、少しだけ戸惑ってしまう。

 そんなわたしの視線に気づいたのか、ほむらちゃんは首を傾げた。けど、それと一緒にわたしの体中へ舐める様に視線を這わせて、沈痛そうに口元を歪める。

 

「ああ、こんなに濡れて……ちゃんと拭いておかないと……バスタオルは何処?」

「え、あの、あっち」

 

 また、聞かれた通りに答えてしまった。ほむらちゃんは気にもしなかったのか、わたしが指さした方へ身体を向ける。

 

「少し借りるわ」

 

 洗面台の横に備え付けられたバスタオルを手に取ると、濡れていない事を確認しているのか、ほむらちゃんはその布地に触れる。

 やがて満足げに頷くと、バスタオルを持って、座っているわたしの傍へ歩いてきた。

 その目が何だか怖い。でも、怯える程の事でもなくて、大人しくほむらちゃんの言葉を待つ。

 ほむらちゃんがしゃがみ込む。そこで、何を考えているのか、わたしのワイシャツのボタンを外し始めた。

 

「えっ? ちょ……」

「じっとしていて。拭いた後で、パジャマを着せてあげるから」

「え?」

 

 テキパキとボタンを外していき、戸惑っている間にワイシャツが脱げる。

 止める暇も無い早業で、気づけば、下に着ていたシャツまで脱がされている。その犯人であるほむらちゃんは、全く表情を変えず、ただバスタオルでわたしの背中を拭いた。

 

「あ、あの。何?」

「何、って。言ったでしょう。身体を拭いているのよ。大人しくしていなさい」

 

 ほむらちゃんはわたしの肩を拭きながら、何を当たり前の事を、という顔をしていた。そのまま、バスタオルがわたしのお腹に触れる。人にされると、酷くくすぐったくなってしまう。

 身をよじって、逃げようとした。けれど、ほむらちゃんは腕をしっかり掴み、わたしが無駄に動かない様に固定してくる。

 

「い、いいよ! そんな事しなくたって……」

「暴れないで。体力を無駄に使ったら、身体の調子が余計におかしくなるわよ」

「だ、大丈夫だよ! 一人で出来るよ」

「いいえ、熱が有るんだから、私に任せておきなさい」

 

 ほむらちゃんは笑いもせず、真剣な顔つきのまま、わたしの足首を拭いた。何時の間にか、スカートまで何処かへ消えていた。

 

「は、恥ずかしいよ」

「同性だもの、気にする事でも無いわ」

「ふ、ふつうは、女の子同士でも、こんな格好をじっと見られるのは、恥ずかしい、っていうか……」

「つまり、見なければ良いのね」

 

 ほむらちゃんはわたしの後ろへと周り、前へタオルを回してきた。そのまま脇腹とか胸元を丁寧に拭き上げて、それから背中の拭き残しを綺麗に取る。

 

「腕を上げて。腋を拭くわ」

「じ、自分で出来るのに……」

「病人なんだから、少しくらい甘えなさい。ほら、早く」

「うー……」

 

 ほむらちゃんの言葉には、何となく逆らえない。大人しく腕を上げてしまう。

 わたしはもの凄く恥ずかしいのに、当のほむらちゃんは全然気にしてないみたいだ。もしかして、わたしが変なだけで、これくらいは気にする事でもないのかも。

 ほむらちゃんの手つきは本当に、必死と言っても良いくらいに周到で、極力わたしに痛い想いをさせない様な工夫をしているみたいだった。それが、腋だと逆にくすぐったい。

 

「ひゃっ……く、くすぐったいよ、ほむらちゃん!」

「……ごめんなさい。でも、余り抵抗しないでね。身体に良くないから」

 

 今までより少しだけ声音を小さくしたけど、ほむらちゃんの手はそれでも止まらなかった。

 ただ、タオルがちょっと遠慮がちな動きになった気がする。だからか、くすぐったいのが酷くなってきた。

 

「や、やるのは構わないけど、あの、緊張とかで、余計に熱くなっちゃいそうだから、その……」

「なら、目を瞑っていなさい。私なんか居ないのと同じだと思って、自分で拭いていると思う事。そうしたら、恥ずかしく無くなるわ」

「う、うん……」

 

 言い切られてしまい、わたしは思わず目を瞑る。こんな風にしたってほむらちゃんの好きにされるだけだって、分かってるのに。

 目を閉じていると、何か色々とされてしまった気がする。でも、優しくしてくれているのが伝わってくるから、嫌じゃない。

 

「……終わったわ」

 

 一通り拭くと、ほむらちゃんはわたしの体中を確認する。

 目を開けてみると、目の前でほむらちゃんがわたしのパジャマを持って座っていた。凄く真剣な顔つきでこちらを見ていて、とてもシュールな光景だった。

 

「さあ、パジャマを着せるから、ほら、ばんざい」

「ば、ばんざい」

 

 腕を上げると、そこからスッポリとパジャマが落ちてくる。ちゃんと洗濯して温められているのか、着心地は凄く良い。その中に、ほむらちゃんの良い香りが微かに感じられる。

 

「少しだけ腰を上げるわね」

「自分で……」

「力を抜いて、貴女は全部私に任せておけば良い」

 

 ほむらちゃんはたった一言でわたしの抵抗感を打ち砕いて、その隙に足を持ち上げて、ゆっくりズボンを履かせてくる。

 何から何までして貰って、申し訳ない様な、強引にわたしを看病しようとするほむらちゃんが、怖い気もした。

 でも、どちらにしたって、わたしを想って一生懸命に頑張ってくれているのは伝わってきた。

 

「……私とした事が、髪にドライヤーをかけるのを忘れていたわ。まどか、もう少しだけ辛抱してね、すぐに楽になるから」

「まだ、あるの?」

「ええ、ごめんなさい。少しの間で良いから」

 

 櫛とドライヤーを持ったほむらちゃんが、わたしの背後に立つ。

 わたしは、自然とほむらちゃんへもたれ掛かっていた。重くないかな、息苦しくなったりしないかな。そう心配している間に、櫛が髪を解かしていく。

 上手かった。ほむらちゃんは自分の髪のお手入れも凄く丁寧にやっているみたいだし、何時も自分でやっているより、髪が綺麗になりそうだった。

 

 

+----

 

 ドライヤーが終わると、普段より髪が綺麗になったわたしをお姫様抱っこして、ほむらちゃんはわたしを部屋へ運んだ。やっぱり、部屋の場所を知っている様だったけど、今更疑問にも感じなかった。

 わたしをベッドへ寝かせると、ほむらちゃんはわたしの腋に体温計を差し込んで、それから部屋を出ていった。

 

「……ぅ」

 

 急に一人になって、寂しさが迫ってくる。自分だけが何処か遠くに取り残された様な、言いようのない不安感と不安定さが心を少しずつ乱してくる。

 枕をギュッと握って、孤独感から身を守った。それだけじゃ足りなくて、シーツを掴んで握り締める。

 小さな電子音が鳴る。体温を計り終えたみたいだ。でも、そんなのはわたしの胸の寂しさを埋める物にはならない。

 

「ほむらちゃん、戻ってきて……」

「まどか、私を呼んだ?」

 

 わたしが呟いたのと同じタイミングで、ほむらちゃんが戻ってきた。片手に濡れタオルと、水の溜まったプラスチックの桶を持っていて、何だか不安そうに眉を寄せている。

 聞かれちゃったのかな。思わず口に出してしまった弱音がとても恥ずかしくて、布団で顔を覆う。

 

「あ、あの。何でもないよ、何でも」

「そう?」

 

 聞いていなかったのか、ほむらちゃんは首を傾げる。

 そこで、ベッドに座ると、わたしの頬を軽く撫でた。

 

「あ……」

「大人しくしていたのね、偉いわ」

 

 耳元で、優しく告げられる。

 ただ、それだけなのに。何でだろう、凄く嬉しい。

 褒めて貰えた事か、それとも、ほむらちゃんが来てくれた事か。どちらの意味で喜んでいるのか、自分でも分からない。けれど、風邪の熱さとは違う、胸がポカポカとした温もりを覚えた。

 よく分からない歓喜の中に居るわたしを一瞥すると、腋に差していた体温計を引き抜き、ほむらちゃんはそこの表示を見た。

 

「熱は……38.3℃。そんなに酷くは無いけど、とりあえず安静にしておきましょうか」

 

 布団の形を直すと、ほむらちゃんは床に置いてあった桶からタオルを取り出して絞り、わたしの頭へ乗せてくれる。適度な冷たさが気持ちいい。

 

「冷却シートの場所が分からなかったから、濡れタオルになってしまったけど、我慢してね」

「ううん、この方がシートよりきっと気持ち良いよ」

「そう。その言葉が何よりの励みよ」

 

 嬉しそうに返事をすると、ほむらちゃんはわたしの首筋へ手を置いた。人に急所となる部分を触られてるのに、ちっとも不快じゃない。

 何だろう。言う通りに大人しくしている自分が、何だか凄く不思議。少しくらい抵抗しても、逃げ腰になっても良い筈なのに。ほむらちゃんになら、首を絞められても許せる気がした。

 そんなわたしの内心には、きっと気づいていない。ほむらちゃんはずっと冷たい顔になっていて、でも、その瞳は凄く心配そうにわたしを見つめている。

 

「やっぱり、少し熱いわね」

 

 なんて言って、ほむらちゃんは床へ座る。わたしの手を握ったまま、傍に居てくれる。

 じっとわたしの顔を見つめている。何か、何か言わないといけない気がした。こんなに一生懸命頑張ってくれた子に、何も言わないなんてあり得ない。

 

「ほむらちゃん」

「なあに?」

 

 ほむらちゃんは首を傾げた。自分がどれくらいわたしの助けになっているかなんて、きっと分かってない。

 

「ありがとう、その、大分楽になったよ」

「……そう」

 

 わたしの言葉を聞くと、ほむらちゃんはほんのり、至近距離からじゃないと分からない程度に、顔を赤くした。どう見たって、照れてる。こんなに可愛らしい所も有る人なんだ、と、今まで抱いていたイメージが溶けていくのが分かった。

 照れ隠しなのか、ほむらちゃんはわたしから目を逸らす。そして、話題を逸らす先を見つけたのか、予備のタオルを取り出してきた。

 

「……汗を拭くわ」

「い、いいって」

「でも、そのままにしておくのは良くないから」

 

 何から何までさせるなんて、良くない。そう思っているのに、既にわたしの身体はほむらちゃんの手を許している。抵抗は微かな物で、あっさりと汗を拭かれてしまう。

 

「ん……」

「胸元を少し開けるわね」

 

 湿ったタオルで拭いて貰えるのが、気持ち良かった。嫌な熱が消えていく感じがして、気分が良くなっていくのが、分かりやすい。

 ほむらちゃんの顔が近くて、表情が見える。冷徹そうな顔をしているけど、その実はとても真剣にわたしの看病をしてくれる。

 こんなに頑張ってくれるなんて、ほむらちゃんは良い子だ。良い子過ぎるくらいに。

 

「汗が気持ち悪くなったら、何時でも呼んで」

「はぁい……」

 

 わたしが頷くと、ほむらちゃんは桶を持って満足そうに立ち上がる。それから、わたしへ背を向けた。

 ほむらちゃんが何処かへ行ってしまったら、また、寂しくなる。そう思うと、胸が痛くなる。

 

「じゃあ、私は下に居て、お父様の帰りを待つから、後は……」

「あっ……ま、待って」

 

 わたしは慌てた。とっさに、ほむらちゃんの手を掴んでしまった。

 振り向いたほむらちゃんの顔を見て、わたしは言葉に詰まる。勢いでやった事だから、詳しい説明なんか用意していない。謝れば良いのかと思ったけど、それじゃ、きっと納得して貰えない。

 だから、お願いだけを口にする事にした。ほむらちゃんに迷惑じゃないかと思ったけど、寂しいのは、嫌だったから。

 

「その、手を握っていてくれないかな。ちょっとだけ、心細くて」

「……良いわよ」

 

 ほむらちゃんは簡単に頷くと、要求通りにわたしの手を握ってくれた。

 座って、顔を近づけてくる。嫌じゃない程度の所で、静かに見守ってくれている。もしも何か怖い事が有っても、すぐに守ってくれそうだった。

 風邪で頭がふわふわ浮いているからか、ほむらちゃんがとても頼もしい。一人で居る時より、何倍も安らぐ。

 

「子守歌でも、歌いましょうか?」

「あはは……良いよ。ほむらちゃんが居てくれたら、安心して眠れそうだから」

 

 風邪の時は怖い夢を見る事も有るけど、今日は大丈夫そうだった。握って貰えた手の暖かさと優しさのお陰で、むしろ良い夢が見れそうだ。

 

「気持ちいい手だね」

「そう? 冷たいだけじゃないかと思うけれど」

「今のわたしには、これくらいが良いなぁ。冷たくも無いし、暑くも無いし……」

 

 握り返すと、ほむらちゃんの指は汗一つ浮かべていなかった。ほっそりとした真っ白い指先は触れているだけで満足してしまう程に綺麗で、心地良い。どれくらい丁寧に手入れをしたら、こんなに良い指になるんだろう。

 心も身体も安心して、ほむらちゃんに全部を任せた。すると、段々眠くなってくる。

 

「もう寝なさい」

「ん、分かった……」

 

 ほむらちゃんの存在を感じながら、わたしは静かに目を瞑る。瞼の先から漏れる光が不気味にうねっている。けど、仄かに感じる温もりが不安を打ち消して、胸を温めてくれた。

 ほむらちゃんの血の流れが、わたしの血の流れと一緒になった様に感じる。この一体感が、全身の筋肉の緊張を解した。

 もう限界だった。我慢出来そうにも無い、寝よう。それを決めると、わたしは自分が寝息らしき物を立て始めている事に気づいた。

 




今回は文章量をあまり考えていません。

 本作の暁美ほむらは、今までに比べて遥かに高圧的で、まどかに対しても強気に出ます。今までの私が書いた暁美ほむらは、最初から鹿目まどかと親友同前の関係を築いているからです。
 でも、本来、原作本編の彼女はこういう感じでしたよね。叛逆の物語の、まどかに好意を隠さないイメージが先行していますが、ループ中の彼女はずっと気持ちを隠して、高圧的に、あるいは威圧する様な口ぶりで鹿目まどかに要求を突き付けていました。それが周囲の誤解を煽る事になっていましたが、素直にやっても誰にも信じて貰えなかった彼女には、そうするしか方法を思いつけなかったのでしょう。彼女は扇動家の類ではなく、ただ弱いだけの少女だったのですから。
 多分、悪魔になってからの彼女は少しマイルドになったと思います(=無理に高圧的な姿勢となる必要が無いから)が、ループ中の事を忘れている筈も無いので、まどかの安全の為にやって欲しい事が有れば、彼女は強い口調で命令を口にするでしょう。

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