雪の中からこんにちは、飼い主さん!   作:ものもらい

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※ヤンデレ変態ストーカーの日記

※安心の咲ちゃんストーリー

※R-15.5くらいのエロ(多分)

※病院で別れた後、同居に至るまでのお話

以上の注意がございます。





この人だけーはー大丈夫だなんーてー

 

 

――――これから書くのはあいつと俺の生活。…いや、どうにかして兎を手に入れる為の日記。書く事で少しは改善点も見つかるかもしれないし、進行具合も分かるから丁度良いだろう。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

一日目。

 

やっと病院から夜が出て来た。

顔色は良いが、今会いに行ってまた病院送りにしてしまうのもあれだし、とりあえず遠くから見て置く事にする。

 

あいつの家は北側の赤い屋根の家。ここの連中の中では珍しく、お手伝いに猫を雇っている。…まあ、しょうがないか。

 

 

 

 

二日目。

 

あいつの長い黒髪はとても綺麗だ。散歩中に何度かあの揺れる黒髪に触れてみたくてしょうがなかった。

あと、あの靴はヒールが高過ぎてあいつには合わないと思う。イーシェに懐いていたようだし、あいつから言ってもらうか。

 

わくわくした顔でクレープを食べるあいつはとっても可愛かった。

 

 

 

 

三日目。

 

今日は食料を買っていたが…野菜や果物ばかりだ。肉料理が嫌いなんだろうか……。

 

もっと調べたかったが今日は仕事が入ってるし、あいつが買った物と同じのを買って食うだけにしとく。

 

 

 

 

四日目。

 

今日は男二人と話してた。一人はイーシェの家政婦野郎だから手を出すのも面倒だし、しょうがないからもう片方のギアノス野郎を夜道で襲った。

手にはあいつから貰ったクッキーがあったから、踏んで粉々にしといた。本当は持って行きたかったけどそしたら強盗になるしな。夜道で襲う程度だったら人間も何も言わねーし。だからあいつの作ったものが食えないようにしてやろう。

 

 

 

 

五日目。

 

昨日の事件は特に話題にもならなかった。…まあ色んなモンスターが住んでるからな。こんなもんか。

 

そんなことより今日のアイツはちゃんとヒールの低い靴だった。新しい靴を履いて楽しげに散歩するあいつは本当に可愛い。

だけど今度はスカート丈が短いな。恐らくイーシェのババアがいらんことしたんだろう。今度はきつく言ってみるか。

 

 

 

 

六日目。

 

…イーシェに巴投げをされた。ババアをババアと言って何が悪いんだ。

 

しかも最悪な事に、あいつは人間と楽しそうに……苛々したから仕事先でケルビをいっぱい殺してヤケ食いした。帰りにアホ面下げて漬け物持って来た同期のジンオウガ、豊受に腹パンした。……が、あいつ勝手に滑って頭打って気絶した。しょうがないから水ぶっかけて起こしてやった。

 

 

 

 

七日目。

 

やっぱりあいつは、あんな目に遭ったのに人間に会いに行く。色々習っているようだ。……別に、人間から教わらなくても、俺が手とり足とり教えてやるのに。

 

俺は浅漬けを持って来た豊受にそう愚痴を吐いたら、あいつは何故か兎の事を知っていた。

「可愛いから」何とかと言おうとしたあいつの首を絞めたら、兎の情報を吐いた。案外こいつ使えるかもしれない。

 

とりあえず、

・兎は異性とはワンクッション置かないと駄目。

・静かな所が好き。

・花は派手な物より可憐な物が好き。

・肉は食えない。

 

あとやたらとガッついてくる奴には怖がっている、と。………不味いな、今から矯正して間に合うか…。

 

 

 

 

八日目。

 

少しの世間話程度なら良いだろうと思って、声をかけてみたが……やっぱり駄目だ。怯えて逃げてしまった。

 

しかも俺も追いかけてしまったし…まあ、アレはナルガの性だ。しょうがない。

持ち帰ろうとして兎の足を噛んだが、今まで食べたモンスターの中で一番甘く感じた。弱弱しく泣いている兎は見てて興奮した。

 

結局ヘタレウスとイーシェのせいで監禁出来なかったが…兎と落ち着いて話をする事は出来たし、会いに行く許可も得た。

 

豊受から聞いた兎の好きな花と、よく買っているクッキー(恐らくもう食べきった筈)を手に、明日会いに行こう。

 

 

 

 

九日目。

 

我ながら足を狙った自分を褒めてやりたい。

 

動き辛い兎の代わりに色々世話を焼けば少し心を開いてくれたようだし、外に出て他の奴らの目に触れる事も無い。

 

今回は試しに極力触れずにいたが、それも安心の元になったのか目に見えて怯える事は少なくなってきた。

 

どうやら好きな食べ物は林檎のようだから、朝一で一番良い林檎を選ぼう。

 

 

 

 

十日目。

 

豊受に林檎を切ってやるなら兎にでもして可愛さアピールでもしてみたらどうかと提案されたが、案外反応が良かった。

林檎の兎を見て可愛いと頬を染めるあいつは世界で一番可愛かった。緊張が溶けかかっているのかあいつからも話をしてくれるようになったし…お礼に豊受にきゅうりをやった。嬉しそうに漬け物にし始めた。単純な奴だ。

 

豊受が言うには、兎は寓話が好きらしいから、今日は異国の寓話を読んでネタにしとく。

 

 

 

 

十一日目。

 

兎は話に夢中で知らず知らずのうちに俺の所に寄って来た。

腕に胸が当たっても気にしないあたり心配だ。あと着痩せしてるのか案外胸はあった。あいつは肌が白いから、きっと脱いだら綺麗だと思う。

 

それから色々話を強請られて夕方まで残ったら夕飯を作ってくれた。俺に気を使ってか大豆でハンバーグを作ってくれて、俺と食う飯は美味しいと言ってくれた。本当に可愛らしいと思う。

 

俺もお前とこうして過ごしたくて、あの研究所で血を被りながら生きて来たんだ、と思わず言いたくなったが、パニックを起こすと悪いからやめた。

とりあえず言いたい事は黙っておいて、兎の口元に付いたご飯粒を食った。一々初な反応をするあいつは本当に愛らしい。

 

 

 

 

十二日目。

 

今日は茶の葉と睡眠薬を持って会いに行った。

 

別に変な事をする気はない。ただあいつの寝顔が見てみたいだけだ。もし出来るなら唇も奪ってしまおうか位は思っているが。

 

兎は俺の淹れた茶を嬉しそうに飲んで温まって―――寝た。俺に縋りついて寝る兎は可愛かった。いっぱい匂いを嗅いだり頬にキスしたりしてみた。あと、あいつの胸はBより大きいくらいかも。太腿はぷにぷにしてるし肌触りも最高だった。

 

ああそれから、兎は薬が効くの早いみたいだってのも、覚えておくといいかもしれない。

 

 

 

 

十三日目。

 

幸運な事に、夕方頃に土砂降りの天気になってくれた。

 

兎は優しい奴だから、俺が濡れるのを嫌がって泊めてくれた。だから書いているのは十四日目だがそんなことはどうでもいい。

 

兎は照れながら、俺用にと肉を買っていたらしく、肉じゃが作ってくれた。可愛過ぎて死にそう。手伝うと言ってわざと手を切ったら優しく処置してくれた。

 

風呂は兎の後が良かったが気を使われて先に……いや、そういうのもアリか。風呂が天国に思えたの初めてかも。洗髪剤の香りを覚えておいた。…イーシェのと同じか。

 

 

寝る時にソファで寝ると言ったら案の定ベッドを誘われた。何度か断った後、兎に腕枕して寝た。この重みにとても幸せを感じる。

 

夜中に魘されて起きたりしていたから、髪を梳いたり背中を撫でたりしてやった。俺の心音を聞いていたら安心したのか寝始めるも、俺の胸から離れる事はなかった。

 

寝間着の兎は俺の想像以上に可愛かった。

 

 

 

 

十四日目。

 

朝食はサラダと卵にパンだった。

 

兎がパンを齧る姿を見て、これが豊受の言う「萌え」ってやつなのかと思った。夜中の事を謝りながら恥ずかしがっている兎可愛い。

 

俺は一旦家に帰ると言ったら、初めて兎がまた来てくれるかと聞いてくれた。俺は即答して兎の頭を一撫でして(嬉しそうだった)俺を見送る兎から見えなくなるまで歩くと、後は全力疾走で家に戻った。一分もしないうちに着替え終わった。

 

兎が昨日読みたいと言っていた本を引っ掴み、急いで兎の家に行ったら抱きつかれた。

 

兎は無邪気に「いらっしゃいませ!」と笑っていて、そこは「おかえりなさい」が良かったと思いながら抱き上げてソファの所に連れてった。

 

「逞しいんですね」と二の腕やら胸を触って来る兎可愛い。

 

 

 

 

十五日目。

 

一か月も半ば。だいぶ兎からも慕われてきた頃だと思う。もうそろそろガッついてもいいだろ。

 

とりあえず抱き上げて膝の上に乗せてみたが、……兎はくすぐったそうにする位だった……くそ、今度の敵は天然か……。

 

でもまあ首に痕付けれたから今日はいいか。

 

 

 

 

十六日目。

 

兎と日向に当たりながら(当然俺の膝の上に座らせた)のんびりしていたら、俺とこうして過ごす時間がとても好きだと言ってくれた。

 

例の天然かと思ったが、少し恥ずかしそうに言っていて。照れて俺の服に顔を隠すとかヤバ過ぎて死ねる。

 

思わず口を滑らせたって感じだったが……ああもう食っちゃいたいな。

 

 

 

 

十七日目。

 

兎は俺が帰ろうとすると腕から引っ付いて離れない。俺が帰ろうとするのを遮るようになった。

 

しかも今日なんて膝枕してもらったし…後ろから急に抱きついてもビビらなくなったし、ああもう食い散らかしてやりたい。

 

 

 

 

十八日目。

 

今日は具合の悪そうな兎の足に初めて薬を塗らせてもらえた。

あいつの足は本当に華奢で、少し力を入れたら壊れてしまいそう。思わず緊張してしまった。

 

風邪気味らしい兎は保護区に住むモンスターの中でも一番実験されてないせいか、それとも体質なのか分からないが、身体が弱いようだ。

 

温かくして、卵の粥も作ってやったら雛みたいに甘えてきた……が、寝てる時に魘されて、パニックに陥りそうだった。頻りに「ごめんなさい」と謝っていて、擦る俺の手に怯えて、怪我をした足に爪を立てていた。…傷の治りが悪い理由が分かった。

 

泣き疲れて寝てしまった兎を放っておけないという名目でその日は泊った。俺に縋りついてくる兎が可愛くてしょうがなくて、俺は食いつく代わりに兎が爪を立てた足から流れる血を舐めて我慢した。

 

やっぱりお前の血も涙も美味しいな。

 

 

 

 

十九日目。

 

兎は完全に俺に心を許したらしく、自分からくっついてくるようになった。

 

今日も兎の足に薬を塗って、膝の上に兎を乗せて、風邪気味のあいつにショールを巻いて。とにかく大事にしてみた。そしたら珍しく我儘を言ってきた。「林檎の兎が食べたい」なんて可愛いおねだりを我儘と言うものかは知らんが。

 

あとそれから、そろそろ良いだろうと思って、夜中に適当に男を殴った。

 

 

 

 

二十日目。

 

兎は今日は体調が良いようだ。すっかり薬を塗る役にもなれたし、首を甘噛みしても少し嫌がるだけで俺の腕から離れようとしない。少しずつあいつがやる事を奪って代わりにやってみる。

 

外に出るかと聞いたら今日はいいらしい。代わりに傍に居てと言われた。死んでも居るわ。

 

あ、もちろん今日も夜中に男を襲った。

 

 

 

 

二十一日目。

 

兎が急に名前が欲しいと俺にねだった。

 

俺は名前とかどうでもいいんだが、兎は名前がないといつか離れた時に俺に忘れられるんじゃないかって思ってるらしい。……離れる気は無いんだが…。

 

しかしまあ、ずっと「ナルガさん」って言うのもな。名前も特別感があっていいかも…。

 

今日はまたギアノスの男を殴ってしまった。

 

 

 

 

二十二日目。

 

保護区では通り魔の噂がちらほら出て来た。

 

だけどまあモンスターの集まりだ。被害者が殺されてないだけにあんまり感心を買えてない。それに【喧嘩に割り込むな】っていう規則もあるしな。……そもそも【喧嘩をするな】っていう規則もあるが…。

 

あと名前だが、難しくてまだ決まっていない。

 

 

 

 

二十三日目。

 

昨日殴ったのは豊受だった。なんで兎の家近くを歩いてんだあの野郎。

 

それから、兎は俺の起こしている通り魔事件に怯えているようで、外に出たがらなくなった。

 

 

計画通り。

 

 

 

 

二十四日目。

 

俺の胸で昼寝をする兎を見て、もういいかなと思う。

 

帰らないでと泣きそうな顔で言う兎の額にキスしても逃げない兎に内心舌舐めずりしてしまった。

 

帰りの足で豊受の家によって、福神漬を投げつけて「俺の家を燃やしてくれ」と言ったら吃驚しつつも承諾してくれた。……お前にとって福神漬はそれだけの価値があるのか。

 

必要な物だけまとめて豊受に預けて、六時頃にでも雷落としてもらおう。

 

 

 

 

二十五日目。

 

最終確認で今日はギリギリまで兎に触れてみた。

 

兎はガッつく気満々の俺に怖がりつつもすり寄ってきて、初めて(あいつが起きてる時に)唇を奪ったら、固まった後に恥ずかしそうに微笑んでくれた。

 

結局俺らの根はモンスターだから、言葉にするより行動なんだよな。…って思いながらそれ以上何もしなかったら、すりすりして来た兎が「だいすき」って言ってくれた。兎超可愛い。

 

で、夕飯食って強引に帰ったら予定通り燃えていた。幸運な事に雨どころか雷も降ってたから、豊受だとバレる事もないだろう。

 

 

ちなみに今、俺の隣で兎が寝てる。

 

 

 

 

二十六日目。

 

俺の故郷に祀られていた神様の名前を、二人で分け合うのはどうだろうと思った。

 

一つの名前を二つに分けたら、何か繋がってる気がするし。「耶」を「夜」に変えはしたけど、俺の提案に兎…じゃない、夜は嬉しそうに抱きついた。

 

いっぱい名前を呼んでとねだるから、俺は夜を腕に閉じ込めて、ずっとずっと呼んでいた。

 

 

 

 

 

 

「―――咲さん咲さん」

「んー?」

「……呼んでみただけです」

「…………夜」

「はい?」

「……呼んでみただけだよ」

「!…えへへ」

 

 

「……公衆の面前でイチャつくなって、後何百回言えば分かるんだあの馬鹿ップル…!」

「えー、いいじゃん別に。微笑ましいっしょー?」

「見てるこっちg」

「じゃあお姉様とイチャイチャしちゃおうぜー☆」

「そういう問題じゃ……む、胸!胸がっむぐぐ―――!」

「お姉様の胸の中で死んじゃえー☆」

 

 

 

 

 

以上、変態ヤンデレストーカーの日記でした。

 

 






追記:

咲ちゃんが通り魔してたのは怖がりな兎ちゃんを外に出さない事と、もし「住ませて」って言った時に断られた場合、「守ってあげるよ」のカードとして。
あと兎ちゃんに親しいからって、嫉妬で…。


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