※会話文形式じゃないけれどもたまに会話文形式
※色々中途半端
※安心の咲さん。ブレない咲さんにご注意
※夜ちゃんがツンツンしてる
※夜ちゃんが突っ込まれてぐちゃぐちゃされる
※エロも話も中途半端。
以上、ご注意ください。
【アレ?これもう喧嘩じゃ無くて意地の張り合いじゃね?】
「―――とにかくさ、もう夜も遅いし他の人の迷惑だし(※今更)寝ちゃおうよ。…ね?」
「「………」」
「とりあえずアレ…明日アレしてアレにしよう。うん」
睨み合う二人にやんわりと言えば、二人はそっぽ向いて刺々しい声を出す。
「……私、咲さんと一緒に寝たくないです」
「………俺も」
「……………だから廊下で寝ます」
「…………………じゃあ俺ベランダで寝るからお前が部屋で寝てろよ」
「結構です。凍土育ちですので寒いのには慣れてます。咲さんじゃあ風邪引きますよ」
「はっ、俺をそこらのもやし(※菓子ハンターをチラ見)と一緒にすんな。俺は小さい頃に雪が降る中母親に家から叩きだされて二日間過ごした事が有るんでね」
「私は年中お外ですから。咲さんとはレベルが違うんですっ」
「今のもふもふしてねーお前が耐えられるかよ。貧弱っ子は黙って部屋で寝てな」
「もうお前ら爆発しろ」とイーシェが溜息をついて座り込めば、彼女の
視線の先で頬を膨らませ、だぶついた咲のシャツの裾をぶんぶん振る夜の生足を見て癒されながら、イーシェは言わせるだけ言わせようと傍観する事に決めた。
「ホットドリンク飲んで寝ますから大丈夫です!」
「ホットドリンクなんて持って来てねーだろ」
「買ってくればいいんです!」
「もう店閉まってるに決まってんだろ!第一こんな時間に外に出るな馬鹿!」
「馬鹿じゃないです!む…む、無知?なんです!」
「一緒じゃねーか!てか分かんねーのに使うんじゃねーよ!」
「わ、分かってますもん!向こうで働いてた時、娘さんによく言われてました!」
「………ッ」
「ぴっ」
元々目つきの良くない咲に凄まれて、夜はフルフルのぬいぐるみを中身が出るまできつく抱きしめる。
傍観してるイーシェから見れば、固まっちゃうのは例のご家庭だけじゃなかろうかと思うのだが―――ジリジリ後退する夜にこれまたジリジリ迫る咲に「兎狩りかよ」と内心思いつつ、イーシェはとりあえず
「あーあー!もういいからさっさと寝ますよ!夜ちゃんは私の隣で寝て、イリスが咲ちゃんの隣で寝ればいいでしょ!」
「はぁ!?ふざk」
「殺されるぅぅぅぅぅぅ!!!」
…怖がりなくせに今の咲の言葉を遮って挑発(彼的には拒否)出来るイリスは案外凄い子なのかもしれない。
「…こんの菓子野郎、本当に殺してやろうか…!」
「だから喧嘩しないのー!……あんまり言う事聞かないと、チェダーさんお手製睡眠薬が全員に降りかかりますよ!」
―――牙でも剥きそうな咲に指を一本指し、紫で虫の頭とか手がごぽごぽと(何故か)泡立つ液体の中で揺れているのを全員に見せた。→沈黙の魔法が完成した。
「……ちっ」
「ね、寝よっかー…」
「…寝ます…」
「よろしい。では明りを消すぞ諸君!」
両腕を腰に当ててそう宣言すると、イーシェは明りを消して強制終了させる。
――――が、
「………」←超不機嫌に寝床に入るヤンデレ
「………」←限界まで離れて寝る駄犬
「………」←両隣りの震えてる子を宥めて寝かしつけるお姉さん
「………」←ぐずつきながら真っ二つのフルフルさんとギアノスさん(※無事)を抱きしめる兎
……何故に寝る時まで冷戦状態をしでかすのか。
というかこの中で一番の年長者なのにどうして大人になれないのか…しかしここで「咲ちゃんってば駄目な子―!」とか言ったら剣士対ガンナーの血みどろの戦いになる事間違い無しなので、イーシェはとことんスル―してやろうと寝返りを…
「ひっ」
…咲が寝返りを打ったのにビビったイリスがひしっと抱きついて来て、出来ない。
いや、別にそれはもうしょうがないとして―――咲が静かな部屋にはっきり伝わる舌打ちをしたせいで本格的にぐずついてしまった事が問題だ。このままだと美容に良くない。
「……次、寝かせなかった人はお姉さん特製の睡眠薬コースだから」
ゴッと枕元に睡眠薬を置けば、全員が布団の中に潜り込んだ。
※お姉様は皆のオカンでオトン。ちなみに得意技は強制終了←
【何こいつら可愛い】
※真夜中
「………」←お姉様の胸に顔を埋めて寝ちゃったリア充
「………」←抱きま…犬に引っ付いて暖をとるお姉様
「…ん……、水…」
涙の匂いがするフルフルさん上半身を下半身の隣に並べて、夜はもぞもぞと布団から顔を出す。
喉の渇きのままに水を求める夜のせいで浅い眠りにいた咲はパッと目を覚ました。……ちなみに、これが夜でなくイリスであった場合、彼は間違いなくシメていただろう。
「…水、水……あうっ!」
―――まあ、よろよろと歩く夜がイリスの足に躓いてしまったので結局蹴られるのだが。
「ふがっ…んん」と鳴いたら寝惚けたイーシェに頭を撫でられるというどこまでも幸せなイリスのせいで咲の苛々がどんどん上がる中、「お水…ぷはー」という夜の寝惚けて呑気な声が遠くで聞こえ―――危うい足音が迫って来る。
布団に足を乗せた所で「ばふっ」と音がし、のそのそと、
「………………………………夜?」
「んー」
咲の隣までもそもそと四つん這いで来ると、夜はそのままいつもの通り咲の広い(けど狭い)胸に頬をすり寄せて眠る。
すぴーと寝始める顔に少しイラッとして、咲は顕わになった首筋をなぞった。…もう一度言おう、イラッとしただけでムラッとした訳ではない。
「み゛っ」
「……おい、お前が寝る所ここじゃないだろ」
「……?」
「………」
「……、………!」
ぼけーとした顔からはっとした顔になると―――夜はもぞもぞと咲から離れる。……ほんの少し、後悔した。
「もふーっ」
……のも束の間、やっぱり目覚め切ってなかったらしい夜が咲の太腿に頭を乗せて寝た。
少し身じろいだら夜がずるっと落ちて、今度は猫のように丸まって寝始める。―――咲が無言で夜を布団の中に引き入れるのに、時間はかからなかった。
「………おやすみ」
「みぅー?」
「……ん、」
抱きこんだ夜の髪を梳いてやって、彼は今日やっと充電出来た。
(………起きたら駄目っぽい……!)
―――その隣で、豊かなお胸様に顔を突っ込んで死にそうな駄犬が困っていた事にも気付かずに。
※あれ、本当にこいつら喧嘩してたの?
【朝は弱い嫁たち】
「―――夜、…夜。起きろ」
「んん…葉っぱ…葉っぱ…」
「……夢の中の葉に放火されたくなかったらすぐ起きろ」
「ふあっ?」
「"ふあ"じゃねーよまったく…」
「イーシェ、朝だぞ朝。あーさー!」
「……………うっさいな。朝は静かに無言で起こしてって何度言ったら分かるの…?」
「ご、ごめんなさ」
「静かにって言ったでしょ」
「えっ」
…以上、両カップルによる起こし方だった。
酒もあってだいぶ機嫌のよろしくないイーシェに涙目で水と薬を与えるイリスの後ろで、咲は跳ねまくった夜の髪を手直した。……つい、癖で。
夜は寝惚けながらも嬉しそうにされるがままで―――手が止まり、少し悲しそうな顔をして、…ハッと思い出した顔になると急いで咲から離れた。
「何で、私…!?」
「お前が夜中に寝惚けて俺の所に潜って来たんだろうが」
「そ、そんなこと…!」
「冷えた足先擦りつけてくるし、雪女かと思ったわ」
「雪女じゃないです。雪兎ですっ」
「そういう問題じゃないだろ。…ていうか今のお前は人間なんだよ。そこんとこ肝に銘じとけ馬鹿」
「そんなの分かってますよ!馬鹿にしないで下さいっ馬鹿って言う方が馬鹿なんですってスウィーツさんが言ってました!」
「お前が危なっかしい馬鹿だから言ってやってんだろ!くだらない事ばっか覚えやがって」
めそめそイリスが泣いている傍で寝っ転がりながら煙管を吹かすイーシェの隣で、やっぱり二人は言い合いを始め――――
「つーかさ、お腹空いたからさっさと着換えるよ」
カンっと高い音を出して灰を落とすイーシェの低い声で、あっけなく終了した。
※二日酔い+起きたばっかりのお姉さん=いつ爆発するか分からない危険物。
【食事の席でラブロマンス?…いいえカオスです】
「御注文はー?」
「……………………………」←二日酔いヤバイ
「モーニングセットとお茶漬け(※イーシェの)」←介護中の犬
「サラd」
「おまかせサンドウィッチと朝の和膳で」
「了解しましたー」
「―――~~っ、咲さん!」
「うるさい。サラダだけ頼まれたら金無いみたいだろうが」
「朝なんですからそう思う人なんていませんよ!」
「とにかくサンドウィッチでも食ってろ!」
「やです!だって、残しちゃうし…無理すると吐いちゃうし…お店の人にだって……」
「食えなかったら俺が食ってやるからギリギリまで腹に詰め込め」
「……加減が分からなくなって、吐いちゃったら?」
「そん時は俺が面倒見てやるよ」
「……本当に?」
「本当に」
「はーい、サンドウィッチとお茶漬けお待たせしましたー!」
「………」
「うーい、いただきまーす…うっ……おいひい…うぇ…」←客として最低なお姉さん
「ちょ、イーシェ、吐き気が酷いなら一旦待ちなよ」
「食う気がどんどん無くなってくんだが…って、おい。さっさと食えよ」
「………咲さ―――…いえ、まだ食べたくないんです」
「あっそ」
「うっぷ、…ちょ、何かヤバい。何か召喚出来そう」
「食事の席で絶対すんなよ」
「ちょ、うっ……!」
「お願いだからトイレ行ってぇぇぇ!!」
「………」
「………」
「お待たせしましたー、モーニングセットでーす」
「………」
「………」
「……いい加減に食わないと、パッサパサになんぞ」
「まだ食べたくないんです」
「あっそ」
「―――あー、スッキリしたー!」
「ああうん、それは良かった…」
「あ、イリス」
「何だよ」
「そのスクランブルエッグちょーだい」
「良いけど…食ってスクランブルすんなよ」
「………」
「………」
「………あ、あの」
「……………何」
「………さく、」
「はーいラストでーす、以上でよろしかったですかー?」
「(´・ω・`)」
「…ああ、これで全部だ」
「それではごゆっくりー」
「(`・ω・´)」
「………」
「「いただきます」」
「………」
「(`・ω・´)」
「………お前って、可愛いな」
「(`・ω・´)!?」
※喧嘩中でも一緒に「いただきます」って言いたかったのです。
【だってこの子達に長期戦の喧嘩は向いてないんだもの】
「あー、何か微妙だったー…ケーキ頼もうかな」
「お茶漬けの後にかよ」
「うん―――ねぇ、夜ちゃんもケーキ…」
「野菜だけ抜いて食うような兎根性丸出しの奴には、このサワラを食わせてやる」
「う゛っ…不味……(´;ω; `)」
「米食え」
「(´;ω; `)」
「…出し巻き卵、食うか?」
「(´;ω; `)!」
「………あれ、仲直りしたの?」
「え、分かんない」
「……ありがとう、ございます」
「…………別に」
「………(´・ω・`)」
「………」
「……咲さん」
「あ?」
「……あの、昨日の…フルフルさん、殺害事件で、…その、我儘言っちゃって、…嫌いとか、嫌いとか、嫌い……うっ(´;ω; `)」
「"嫌い"の所で泣くなよ…」
「……酷い事、言っちゃって…あの、ごめんにゃさい゛っ」←噛んだ
「………」
「((´;ω; `))」←痛くて震えてる
「………大丈夫か、舌見せてみろ」
「……ん、」
「ん、」←朝の食事時で人がいるのにも関わらず舌を甘噛みしたナチュラルな変態
「「(゜Д゜)」」←空いた口が塞がらないチーズ菓子
「ん、んん…んー!」
「………」←公衆の面前とか気にしない変態
「ん、ふ、…む……ゃ…」
「………」←散々突っ込んで満足した変態
「((´;ω; `))」←ディープ怖い
「………これで許してやるよ」←泣き顔可愛いと思う変態
「(´;ω; `)!」
「ただし、また嘘でも"嫌い"って言ったら…分かるよな?」
「((´;ω; `))!?」
「これより凄い事、お前にするから。……嫌がっても無理矢理するから」←念を押すヤンデレ
「((´;ω; `))……」
「……でもまあ、なんだ…今回は俺が悪かった。ごめん」
「(´;ω; `)!」
「あのフルフルは俺が直しとくし、嫌なら買ってもいい。詫びに今日はお前の欲しい物全部買うし、何でも言う事聞くよ」
「咲さん………」
「…ねえねえ、夜ちゃんって何であんな明らかに重くてヤバいのがデレただけでころっと騙されちゃうのかな?」
「それが夜の良い所で悪い所っていうか…うーん」
「……じゃあ咲さん、今日は一緒にのんびりしましょう?のんびり…一緒に、居てくれるだけで良いんです…」
「夜……」
「咲さんのこと、大好きです。ずっと、ずっと」
「……俺も。…ごめん、酷い事言って…最低だった。……だけど、あんまりフルフルの話ばっかりしないでくれ。お前が実は後悔してるんじゃないかって、不安になるんだ」
「はい。…不安にさせて、ごめんなさい」
「…それから、あんまり他人に愛想良くしないでくれ。不安になるんだ」
「は…はい」
「あと俺以外の奴の事を見ないでくれ。話にも出さないでくれ。むしろ他の奴と喋るな。俺から離れるな。俺の――――」
「注文多すぎるんだよヤンデレが!!お姉様の指導(今回はキツめ)入ります―――よ!!」
※兎ちゃんが従順なのを良い事に欲を出す狼の口に、お姉様による
【これよりオペを開始しまーす】
「…まあ、こんなもんだろ」
「フルフルさん…!無事に治って良かったのです…!」
咲の膝の上で治したばかりのフルフルを抱きしめる夜をそのままに、咲は慣れない裁縫に疲れて大きく息を吐いた。
彼の直したフルフルは――――縫い目が解れてて、だいぶ荒い。
「ありがとうございます」と微笑む夜が縫った方が何倍も良いだろうし、女の真似事が好きな(現在、尻尾を振って恋人の荷物持ちをしているだろう)彼に頼めば気の効いた事でもしてくれたかもしれない。
それでも夜は、とても嬉しそうにぬいぐるみを抱きしめた。
「…本当に外に出なくていいのか?」
「はいっ。たまにはゆっくりしましょう」
「ふーん…ああ、そう言えばこの街、少しばっかし有名な公園があるぞ」
「公園…?」
「おう。……行ってみるか?」
「あぅ…でも、でも―――行きたいです!」
「じゃあ上着取って来い」
「はぁい!…あ、」
ひょっこりギアノスのぬいぐるみが顔を出す袋の、解かれた赤いリボンに目を付けた夜があやしい手つきで―――フルフルの白い首に、なんとかリボンを結んだ。
「ずっと。リボン、解けないといいなぁ…」
「いつかは解けるに決まってんだろ」
「でもっ……折角、仲直りした、記念に。なのに…」
「………」
「これが解けたら、咲さん、何処かに行ってしまいそう…」
しょんぼりと言えば、咲は夜の頭をポンポンと叩く。
見上げた夜に、呆れたような、何とも言えないような、不思議な顔のまま口を開いた。
「俺は何処にも行かねーよ。ずっとお前と結ばれててやる」
「咲さん…」
「変な事考えてないでさっさと準備しろ。連れてかねーぞ」
「えっ。…そ、そんなのは嫌です!」
慌てて上着を羽織り、フルフルのぬいぐるみをそっと置く。
―――――その隣で、ナルガとウルクススが寄り添い合って日の光を浴びていた。
「………まあ、つまりはお前が逃げたくても逃がさないし離さないってワケだが」
「ふまー?」
「いや、一応言っただけだから。…お前はそのクレープを黙って食ってろ」
「ふまー」
※以上、偶にはツンツンしてる兎ちゃんもどーよ、なお話でした。
追記:
・本当はぐっちょぐちょの暗い話にしようかと思ってたのですが、ほのぼのタグ詐欺はやめようと思って…作業時に志.方.あ.き.こ.さんの「EXEC_EP=NOVA/.」を聞いてたら喧嘩が半端な感じに…きっと歌の魔法にかかったんだと思います。喧嘩良くない!←
・サブタイは咲ちゃん側の意味にすると何か怖い。夜ちゃん側にすると何か明るいという不思議。
・そして最後に。最初の注意で「突っ込まれてぐちゃぐちゃされる」にアレな妄想をした方は腹筋でっせ!