※会話文形式
※ヤンデレ注意
【フルフルオネェさんは自由気ままなのよん☆】
「ひゃっ、ふ、フルフル、さん、風がぁぁぁぁ!!」
「………」
「うう……う?」
※眺めの良い所で羽を休めるフルフルさん。相変わらずドヤ顔です。
「わぁ…人間の姿で見ると、あの時よりもとても小さくて…繊細に見えますね?」
「……」
「ありがとうございます、また、連れて来てくれて……」
「………」
「………」
「………フルフルさん」
「?」
「…あの時、相談に乗ってくれて、ありがとうございました」
「……」
「私―――…あの後、フルフルさんが無事なのかどうか、ずっと………生きていてくれて、良かった…」
「…」
「フルフルさんが相談に乗ってくれたおかげで、咲さんと一緒になれました。ずっとずっと、一緒なのです……嬉しい」
「……」
「あ、今笑ったでしょう?」
「……」
「ふ、震える程笑わなくても…あっ」
※飛び立つフルフルさんの微笑む姿をご想像下さい。
「フルフルさん…」
「………」
「もう、会えないかも…しれませんが、その、」
「………」
「い、生きていてくださいっ。生きて…その……えっ」
※またも夜ちゃんを咥えるフルフルさんをご想像下さい。
※慌てて追いかけて来た咲ちゃん目掛けて放り投げられる夜ちゃんの図をご想像下さい。
「きゃあぁぁぁぁぁ!?」
「夜!?」
「あだっ……うう―――さ、…咲さん!お怪我は!?」
「俺が聞きたい…ん、だが」
「私は全然…ああっ頬が……」
「平気だって……」
(ほんっと、夜チャンって可愛いわよネ―――…オネェさん安心しちゃった☆)
※上空から初孫の成長を見届けるような顔をしたフルフルさんをご想像下さい。
【宿に帰ってから】
「ほら、今日は一日寒い所にいたんだから、もっと火に当たれ」
「熱いです…」
「焼け兎か蒸し兎になりそうだよ咲ちゃん…」
「うっせーな。…ほら、夜、手を出せ」
「?」
「薬を塗るから」
「え?もう治りましたよ?」
「あっ、それお姉さんたちに人気のハンドクリームだー」
「今まで散々酷使してきたからな…次は髪だ」
「椿油だー……」
「………なんだよ、文句あんのか豊受」
「無いです」
「…だいぶ毛先が痛んでるな……あ?夜…?」
「寝てるみたいだね」
「こんな所で寝たら焦げ兎になんぞ、まったく…」
「文句言いながらもちゃんとベッドに寝かせてあげる咲ちゃん優しー!」
「焼くぞ」
「ごめんなさい…」
「―――…そういえば、お前はどうすんだ?」
「何が?」
「お前はユクモには帰んないのか?」
「ああ、……うん」
「……」
「シェリーたんが待ってるしね。挙式は…どこで挙げようか迷ってるんだ―」
「あっそ」
「結婚式、ちゃんと来いよ!」
「場所によるわ」
「えー…」
【宿に帰ってから 2】
「咲はどうすんの?」
「何が?」
「夜ちゃんと。結婚」
「あー…」
「向こうについて即結婚とか?咲ちゃんしちゃいそうだよねwwww」
「……いや、結婚はしないな」
「えっ」
「……というか、出来ないな。今のアイツじゃあ村長も許可を下ろせないだろう」
「あー…確かにな、見かけはOKでも中身の問題か…」
「結婚の意味も分かってないからな。とりあえずしばらくは勉強してもらうわ」
「お前って頭良いもんな。家庭教師とか出来そう」
「ああ、今まで俺が出来る範囲の事を教えて来たよ。料理の味付けとか、服とかはまだ俺が選んでるけど……あとは裁縫とかも出来た方が良いから、スウィーツから習わせてる」
「へー」
「マナーとかはさっさと覚えてくれるんだけど、未だに俺の手から物を食べたがるし……何だ?」
「いやさ、楽しそうだなーって」
「あ?……まあ、否定しないけど」
「紫の上計画って言うんだろ、これ?」
「」
※一言多い、それが豊受。
【旅立ちの日に】
「(´・ω・`)」
「気を付けてな」
「おう!」
「……豊受さん……行っちゃうのですか…(´・ω・`)」
「うん……婚約者が待ってるからさ。そろそろ行かんと」
「(´;ω; `)」
「……夜を泣かせたな…?」
「ごめんなさい!だからその包丁仕舞って!!」
「(´;ω; `)」
「「………」」
「……豊、受さん、…また、会えますか…?」
「あ、会えるよ!俺の故郷はユクモだし!落ち着いたら帰郷する予定!」
「……」
「だから今は、…しばらくお別れ。また会う時まで、元気でね?」
「……はいっ」
「豊受さんと会える日を、ずっとずっと、待ってます!」
※キラキラと輝く夜ちゃんの背後で包丁を握る黒い悪魔から目を逸らして下さい。
【帰り道は寂しい】
「………」
「………」
「……」
「……夜、」
「はい…?」
「俺と一緒、ってだけじゃあ、駄目か?」
「……?」
「俺だけじゃあ寂しいか?……嫌か?」
「……いいえ」
「またこうやって咲さんと帰れる事が、とても。……とても、懐かしくて―――嬉しいのです」
【帰り道は危険がいっぱい!】
「咲さん咲さん」
「んー?」
「あの葉っぱ、食べれるのですよ、知ってますか?」
「……もうその手には乗らん」
「咲さん咲さん」
「おー?」
「あそこのお二人はどうしてあんなにくっついて…咲さん?」
「見るな。目が穢れる」
「えー?」
「咲さん咲さん」
「…今度はどうしたよ」
「リオさんがこっちに飛んでくる音がします!」
「嬉しそうな顔してんな!さっさと逃げるぞ―――あとどれぐらいでこっちに来る?」
「二分…?」
「よし、こっちに道を変えるぞ」
「咲さん咲さん」
「チッこっちに来たのか…!」
「いえ、…旦那さんが奥さんに蹴られて(´;ω; `)って」
「夫婦喧嘩は余所でやれよ!?」
※夜になりました。
「……ごめんな、夜…野宿させて」
「いいえ。咲さんとなら、何だって楽しいのです」
「…そっか…」
「……?」
「今お湯を入れるな」
「…咲さん咲さん」
「ん?」
「木の向こうから、身体が半分無い女の人g」
「場所、移すぞ」
*移動中
「……咲さんは幽霊が怖いのですか?」
「いや。ただ―――不快だろ。追い払うにもああいうものには首を突っ込まない方が、良い、…し………」
「咲さん?」
「グオォォォォン!!」
「リオレイア…何でこんなとこで寝てんだよ!!」←尻尾を蹴飛ばしたハンターww
「ぐおおおー?(´;ω; `)」
「何でレウスの方は今も泣いてんだよ!?」
「グオォォォォォォ!!」
「……チッ、夜、俺が二匹を相手にするから―――」
「(`・ω・´)きゅうぅぅぅぅぅ!!」
「うおっ!?」
「(`・ω・´)きゅおっ、きゅぅぅぅぅ!!きゅおっきゅきゅ!!」
「……(夜は何してんだ…!?)」
「(`・ω・´)きゅっきゅっ!きゅおー!」
「グオ?」
「(`・ω・´)きゅお!」
「グオ!」
「(`・ω・´)きゅお!」
「…え、見逃してくれた…!?」
※夜ちゃんの「えっへん!」と「どやっ!」が混じったお顔をご想像下さい。
「―――さ、ご夫妻の邪魔にならないうちに行きましょう?」
「おまっ…どうやって…」
「兎の頃を思い出して…片言ですが、なんとか説得してみましたのですっ」
「あれ兎語(?)だったのか…」
「とりあえず『ワタシタチコワイ、チガウ!コワイノ、メッ!ココ、トオルダケ!!』って」
「よくそんな事出来たな…」
「『ミンナナカマ!ミンナトモダチ!!トモダチ!!』ってずっと言い張りました」
「異国人への宥め方みたいだな…」
※出来る兎、夜ちゃん。
【やっとユクモ村に帰れたよ!】
「おかえりっ夜ちゃん!」
「チェダーさぁん…!」
「無事に見つかって良かった良かった」
「スウィーツさん…」
「―――そっちは何事もなく?」
「んー?…ん、色々あったけど、まあ問題無し?」
「何だそれ………って、お前ら、その指輪……」
「あ、気付いた?」
「私達、婚約しましたー☆」
「したんだ…」←頬を染めて照れ照れしてるスウィーツをご想像下さい。
「………」
「婚約?」
「そ!まだ恋人気分味わいたいから、結婚は遅くにしようって……綺麗でしょー?」
「……へえ。……どっちから?」
「「………私/イーシェから?」」
「何でそこで疑問符なんだよ」
「多分私かなー。『嫁に来て』って言ったの私だし」
「嫁……」
「俺、毎日イーシェに美味しいご飯作るんだ…」
「同居もしてるのー」
「なんか色々突っ込みたいが…まあ、おめでとう?」
「どーも。……んでんで、お二人は?恋人になっちゃったわけ?」
「ああ」
「へえ、私達の次に夫婦ハンターになれるといいねー」
「もちろんだ――――結婚前提の交際だからな。18になったら(無理にでも)婚約する」
「「えっ」」
「……何か問題でも?」
「いやいやいや!結婚前提って…!夜ちゃんまだ(中身が)幼いのにさ、重すぎじゃ……ていうかさっきから夜ちゃん咲ちゃんに引っ付いて何も言わないんだけど、本当に付き合ってるんだよね?騙してないよね!?」
「夜、咲のこと、好きなのか…?」
「…?はい、一番大好きです。…愛してます」
「「………マジで!?」」
「お前ら…本当に失礼な奴らだな…!」
「だってだって!…よ、夜ちゃん、本当にこんなドS男と結婚するの!?」
「やめとけ!毎日粘着質過ぎて泣かされるぞ!こいつ姑みたいに陰湿だからな!」
「おい菓子野郎、その口引き裂いてやろうか…?」
「その包丁どこから出したのよ!?」
「?」
「……ね、夜ちゃん、結婚って何のことか、分かってる?」
「はいっ帰り道で習いました!」
「よし、じゃあお姉さんに教えてご覧?」
「結婚は、咲さんとずっとずっと一緒にいれて、咲さん以外の男性と親しくしちゃいけなくて、支えて支えられて―――」
「(……あれ、意外と普通…?)」
「(……ちゃんと結婚の意味を教えてる…!?)」
「―――咲さんが一緒にいない時は、お買い物に出ちゃいけなくて、お家から玄関まででも出ちゃいけなくて、咲さんがお出かけする時と帰ってくる時にちゅー?」
「「………」」
「あと、おはようとおやすみも!喧嘩してもお外に出ちゃ駄目、お部屋に籠るのは良し、です。それが、結婚…?」
「「…………」」
「…正解だ夜。よく覚えてられたな?」
「えへへー」
「―――……ちょ、…ちょっと待ったぁぁぁぁ!!何それ後半おかしいじゃない!」
「どこが?」
「夜ちゃんの自由が無いじゃん!?監禁じゃん!!」
「夜がいいならいいだろ」
「良くねーよ!駄目駄目だよ!―――夜ちゃん、よく考えて?…一人でのんびりお散歩も出来ないんだよ?嫌でしょ?」
「…いいえ、私……隣に咲さんがいないと、駄目だから」
「…」
「それに、チェダーさんのお家に遊びに行くのは(送り迎え咲付きで)いいって、言ってくれたから。全然構いません」
「で、でもさ、咲ちゃんと私達との間だけの世界なんて、小さ過ぎて退屈でしょう?」
「私は、その小さい世界が好きです。大きい世界はとても怖くて―――、咲さんと一緒じゃなきゃ、耐えられないから」
「………っ」
「小さくても、咲さんが隣で笑ってくれる世界に、私はずっとずっと居たいのです」
※ポジティブな(自覚のない)監禁志望者。その理由はとっても温かいのでした。