今回は鈴のキャラ崩壊が酷いレベルに達しています。
SIDE:弾
-弾の家への道
「あんたの家に行ったらなにしようかしらね~……」
こいつは、凰鈴音。レズだ。
……いや、何言ってんのって思うかもしれない。
だが、レズだ。
レズだが、一応友達だ。一夏も遊びに誘ったんだが、
「わりぃ! 箒とのデートがあるからまた、今度な!」
だとよ。リア充めが……
「まあ、適当にゲームでもやりゃあいいだろ」
「何気にあんたの家に行くのは初めてだからね~……何があるのかしらね?」
「そうだな~……」
こいつの転校初日の挨拶からしてぶっ飛んでたからな。
「男には興味ありません。この中にレズ、百合に興味がある人がいたら、あたしのところに来なさい。以上!」
だもんな。その挨拶に引いて、女の子はあまり近づかなかった。そりゃそうだ。
まあ、男も近づかなかったんだが。だが、一夏のコミュ力は半端ないもんで、鈴に近づいて、友達となったんだよな。
なってしまったというべきか……
「お、ついたぞ」
「へえ……料理屋なのね」
「まあな。入って、どうぞ」
「お、そうだな」
なんてことを言いつつ部屋へと向かう。
部屋に入る前に姉貴とばったりと出会う。
「ん? 弾、帰ってきたのか? ……その娘は?」
姉貴が鈴を見て首をかしげる。
「ああ、こいつは……「私、凰鈴音って言います!」……」
むっちゃ食い気味で鈴のやつが自己紹介する。
おい、まさか……
「ああ、私は五反田 天という。よろしく頼む」
「はいっ! よろしくお願いしますね! お姉さま!」
やっぱりだ……こいつ、よりにもよって姉貴にロックオンしやがった。
「おい、鈴」
「あによ! 私はお姉さまと語らうのに忙しいの!」
「おい、そのお姉さまって言うのやめてくれないか」
姉貴はちょっと恥ずかしそうにする。レアな表情だ……
「それで、この娘は? お前の彼女か?」
「それはないです」
鈴が無表情になり、死んだ目で告げる。
そこまで否定しなくても……いや、俺もさすがにお前は願い下げだけど。
「ふむ……ならば、友人か。こんな愚弟だが、よろしく頼むぞ」
「はいっ! どっちかっていうとお姉さまとよろしくしたいです!」
姉は「ではな」と言って去ってゆく。
「弾、あんな美人かっこいいお姉さまがいるなら早く紹介しなさいよ!」
「お前がそうなるから、紹介しなかったんだよ」
まったく、嫌になるぜ。
「私、決めたわ!」
「何を?」
「あんたのお姉さんをお嫁さんにもらうわ! もしくはお婿さん!」
「アホか!」
「私まさか一目惚れがあるなんて思わなかったわ……例え、天さんが百合に興味なくても、私色に染めてみせる!」
「鈴、お前というやつは……」
「鈴? ノンノン、お姉ちゃんと呼びなさい」
「死ね」
妹だけでもあれなのに、更にやっかいなやつが……
弾は空を見上げて嘆くのであった……
「ほら、呼んでみなさい? ワンツー!」
「言わねえよ!?」
うん、なんだ……すまん。