今回は、とうとう束とお別れです。
SIDE:三人称
-どこかの倉庫
「あの雇った奴ら、やられたらしいな?」
倉庫内で、鋭いまなざしの女性が、もう一人の女に問いかける。
「ええ、そうみたいね。流石、ブリュンヒルデの相棒といったところかしら?」
仲間が倒されたにも関わらず、楽しそうな声色で零す、妙齢の女。
「確かに生身でIS粉砕するとはな……まあ、ブリュンヒルデを棄権させることには成功したんだし結果オーライって所か」
「ええ。……あの鋭い眼差し、異常な強さ……少し濡れたわ」
真顔でとんでも発言をする女性。
「おいおい……スコールもか」
スコールと呼ばれた女性を咎めるかと思ったら、自分も濡れていたととんでも発言をかます。
「ぜひとも、亡国企業に欲しい人材ね」
「いろんな意味でな」
そうして、二人は天の戦闘映像を舐めるように見た後……
「「じゅるり……」」
……その瞬間どこかの国で悪寒を感じた女性がいたそうな……
で、件の天たちはというと……
-束の部屋
「ぶるっ……なんだ、今、寒気が……」
「というわけで、私は国外逃亡します」
「……どういうわけだ?」
現在、天は束に呼び出されて謎の宣言を受けていた。
「うん。実は、そろそろ政府の勧誘がうっとうしくなってきたんだよね~……
というわけで、各地を転々としようかなって」
「……家族には説明したのか?」
「うん。お父さんは怒っていたけど、『お前が、決めたことなら止めはせん。だが、月に1回ぐらいは会いに来い。
箒が寂しがるからな……無論俺もだ』
だって。ちょっとお父さん照れてた」
「箒は納得したのか?」
「泣いていたけど、最終的に納得はしてくれたよ」
「……そうか」
しばらく沈黙が部屋を包む。
「私もお前が決めたことなら止めはしない。
だが、私にもたまには会いに来い。
その……寂しいからな」
そう言って、天は顔を背ける。
「……っ!! てっちゃんてばかわいい! ツンデレツンデレ!」
「うるさい! ツンデレではない!」
言うのではなかったと今更に後悔する天。
「天のツンデレが見れると聞いて!」
「うわ、バカが来た……」
どこから聞いたのか、変態がきた。
「天! ほらはやく私にもツンデレを見せてくれ! ハリーハリー!」
「ふんっ!」
天は一撃で千冬を沈めた。
「まったく……で、今日出るのか?」
「うん、そのつもり」
「そうか……」
再び静寂が包む。
「束っ! お前が出ている間に天は頂くからな!」
「急に起き上がったと思ったら……寝言は寝て言いなよ!」
千冬は気絶から立ち直り、束に宣戦布告した。
「……最後まで、これか」
それを見る天は、呆れた顔をしながらも、笑みを浮かべていた……
短くてすいません……