落ちこぼれの拳士最強と魔弾の姫君   作:柳之助@電撃銀賞5月10日発売予定

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第二章 鳥籠の巫女と銀氷の魔女
プロローグ「子供の作り方を教えなさい!」


「子供の作り方を教えなさい!」

 

「ハイターイムターイム、5分たったらまた入ってこい」

 

 神崎・H・アリアは病室に来襲してとんでもないことを言った。とりあえず部屋から追いだした。

 

「さて」

 

 まずは携帯の電話帳からキンジのアドレスを出して、発信。

 数コール置いて、

 

『蒼一か? どうし──』

 

「死ねロリコン」

 

 電話を切った。…………さて、どうするか。とりあえずは現状把握。武偵殺しの事件から数日後。未だに俺は入院中だ。と言っても傷はそれなりに回復した。日常生活にはさほど問題ないくらいに。あと何日かで退院する予定だ。今は病室に俺1人。レキはまだ学校だ。病室の外には神崎が。つまり。つまり──今この状況を俺1人で乗り越えなければならない。

 

「ふむ――いいだろう」

 

 ――遊んでふざけていじって弄んで楽しんでやんよ。

 

「入っていいぜ、神崎」

 

 神崎、再登場。彼女が何か言う前に、

 

「悪いが、俺はソレを教えるわけにはいかない」

 

「……なんでよ」

 

「いいか? そういうことはキンジに教えてもらえ」

 

「そのキンジが教えてくれなかったから、ここに来てるのよ」

 

 だろうな。そんなことだろうと思った。

 

「ああ、だから教えてもらう方法を教えてやろう」

 

「……?」

 

 神崎が首を傾げる。 

 

「いいか?」

 

 一度区切って、

 

「キンジの前で制服の胸元緩めて女の子座りして目を潤ませながら上目遣いで“教えて……キンジ……?”とでもいえば奇声を発しながら教えてくれるぜ」

 

「…………」

 

 神崎は言われたことを理解できなかったようで、少し怪訝そうに首を傾げ、

 

「……! な、なに言ってるのよ! この変態! 風穴開けるわよ!」

 

「落ち着け、いいか。これは変態的なことじゃあない――むしろ神聖なことだ」

 

「どこがよ!」

 

「わからないか? 子供ができることは神聖なことで嬉しいことだ。ならばそのための手段を問うこともまた----神聖なことだ」

 

「は、はぁ?」

 

「そうすなわち生命の神秘! だから神崎、気合いを入れて聞いて来い」

 

「い、いいのかしら……?」

 

「いいんだよ。お前シャーロック・ホームズの子孫なんだろ? そのお前がそんな誰でも知っていることを知らなくていいのか?」

 

「……! い、いい訳ないでしょう!」

 

 “誰でも”の部分に過剰に反応した。

 ……ちょろいな。

 

「あたしは神崎・ホームズ・アリア・よ! その名にかけて聞いて来るわよ! 今すぐ!」

 

 単純だ……。

 というより簡単だ。やっぱりちょろい。大丈夫かホームズ家? 神崎は脚を踏み鳴らしながらドアに手をかけて、病室に出る――前に。

 

「ああ、蒼一。いいかげんあたしのことアリアって呼びなさいよ。よそよそしいわね」

 

「……考えておくよ」

 

 出ていった。

 …………なんか、変なところでカッコイいヤツだな。まぁ、それはともかく。

 

「く。どうなるか楽しみだなぁ」

 

「なにがですか?」

 

「うおっ!?」

 

 いきなりレキがいた。いつの間に。

 

「レ、レキ? いつ来たんだ?」

 

「今です。アリアさんとすれ違いましたがなにかあったんですか?」

 

「あ、ああ。ちょっと質問されてな……」

 

「そうですか――ところで見て欲しいのことがあるのですが」

 

「ん、なんだ?」

 

 レキは制服の胸元を緩め。床に女の子座りした。目を潤ませながら上目遣いで、

 

「教えて、ください……蒼一さん」

 

 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。

 

「ちぇりおー!」

 

 奇声を上げてしまった。

 必殺話換え!

 

 

 


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