処女作の駄文ですがよろしくお願いします。
「ふむ、6巻ではこうなったか」
ライトノベルや漫画が壁一面にしまわれる部屋のベットの上で、大学生の男が買ってきたばかりの小説を読み終わり、感想を考えていた。
「櫃間に木更が寝取られるのはないよなぁと考えていたけど、あのヘタレな蓮太郎がまさか最後でキスをしに行くとはなぁ。これは考えが及ばなかったな。」
小説の最後のキスシーンの挿絵を見ながらそんなとりとめのないことを考えていると、男の中で「もうちょっと木更の状況がよくならないと破滅だよなぁ」という思いがわいていた。
「他にも延珠はガストレアウイルスの浸食率が大変なことになっているし。このままいくと木更との決闘エンドとか十分考えられそうだよな。」
どうすれば木更が悪堕ちせず、延珠の浸食を同行できるかを考えていく。
「もうちょっと蓮太郎に包容力がないとダメなんだよなぁ。天童の家に預けられたとき、木更は蓮太郎の妹として扱われているわけだから、そこで木更をうまく慰められればここまでひどくはならないと思うんだが。」
と、あれこれ考えているうちに急に眠くなってくる。
「まぁ、またあとで考えるか……」
男はそのまま眠りにつき、目覚めることはなかった。
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「起きてください」
ふと聞こえてきた優しげな声に男は目を覚ます。
すると目の前にとてもきれいな女性が佇んでいた。
「目が覚めましたか、ここがどこであるかわかりますか」
男は部屋で寝た記憶しかなく、目の前にこのような美女がいることに困惑しながらも「覚えていない」と答えた。
「ここは極楽浄土。あなたは眠りに落ちた後、脳梗塞にかかりそのまま帰らぬ人となったのよ。そして私は弥勒菩薩。本来はこのように人を助けるのはもっと後の事であるのだけれど、あなたが先ほどまで読んでいた作品の世界があまりにも悲しみに満ち溢れていた。それをどうにかしようと考えていた時にあなたが亡くなったの。あなた、その作品がどうしたらよりよくなるか考えていたでしょ?だからここに連れてきたの」
男は呆然としながらも自分がなぜここにいるのか、目の前の美女がだれであるのかを把握した。
「私に何をさせようというのですか?」
「あなたにはあの作品の世界に転生してもらいます。とはいってももともとその世界にいる里見蓮太郎に生まれ変わってもらうことになるというのが正確ですが。そして、あなたの考えるよりよい世界を目指してください。そのための力も授けようと思います」
弥勒菩薩はそう言って、男の前で座り込んだ。
男は先ほどまで考えていたよりよくするために必要な要件を話し始めた。
その内容をまとめると
1.里見蓮太郎の年齢を本来より7歳引き上げる
2.「エア・ギア」に出てきたすべての技術、エア・トレックの知識・技能、身体能力・適性
3.工学(兵器関連も含む)、医療(再生医療や遺伝子医療を含む)知識と応用力
4.バラニウム関連の知識、技術(四賢の生み出した技術、応用も含め)
5.鍛えれば鍛えるほど強くなれる肉体
の5つとなった。
「これでいいのですか?本来の作品とは年齢差がありすぎる気もするのですが」
弥勒菩薩は口元に手を当てながら首を傾げた。
「いいんですよ、これで。木更や延珠を助けることもそうですが、他にも菫も助けたいと考えていますし、呪われた子供たちを救おうと思うと少しでも社会的地盤を持てていないと難しいと考えたんです。それに、私が回避したいのは木更が本当に好きな人と結ばれない可能性と、生まれたときに目が赤かったというだけで捨てられて、酷い目にあっている子供たちを保護してあげることですから原作が始まった時にある程度自立している必要があると感じたんですよ」
「わかりました。それでは、あなたを次の世界に送りましょう。あなたの来世に幸あらんことを」
弥勒菩薩がそういうと男の目の前が真っ白になっていきやがて心地よい眠りについたかのようにして消えていった。
「あの方は子供の運命も救うといっていましたが、それには大きな障害があるでしょう。また、元の話と同様に進んだ場合、彼は同じような怪我を負うかもしれませんね。…………先ほどの5つ以外にもう一つ『思考速度がどれほど上がろうとも廃人にならない』耐久力を付けておきましょう。そうすれば、あの義眼が手に入ったとしても危険にはなりえず、最大限に活用できるでしょうし」
そういいながら弥勒菩薩もまた光の中に消えていった。
週一話を目標に投稿していけたらと思います。
読んでいただきありがとうございました。
感想をお待ちしております。
要望した技能について一部追記をしました(4/13)