どうやら俺は死神から魔法使いにジョブチェンジ()したらしい   作:サメ

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一年一話みたいなことになってました。いつの間にか私も受験生とかに。


死神()は魔法界へ一歩踏み出したようです

「よぉーしよしヘドウィグ。お前はいい子だな!」

 

ダイアゴンでの買い物から一ヶ月後。ダーズリー家を出た俺は白ふくろうのヘドウィグを入れた籠をカートに括り付け、キングスクロス駅にいた。

 

「……にしても、だ。」

 

 

9と4分の3番線って、何処だよ!!!!

 

 

 

 

 

......................................................

 

右には9番線ホーム。

左には10番線ホーム。

 

どこの看板をみても9と4分の3番線なんてないし、そもそもある方が不自然な気がする。

勇気を出して駅員に聞いたものの鼻で笑われて終わった。ちくしょう。ハグリッドめ。俺を残して行きやがって!!切符渡されても魔法界初心者の俺にはさっぱりだわ!!!ブラックオンスロートすっぞ!!今できないんだった!!!

 

 

「はぁ…………どこ……」

 

ホー、とヘドウィグが慰めるように鳴いてくれた。ありがとなヘドウィグ。

ヘドウィグを柵ごしに撫でながら適当に柱をペチペチ叩いていると、後ろから声がかかった。

 

「あら、あなたも初めてホグワーツに行くの?」

「ひゃっ!……は、はい……」

「あら!うちのロンもなのよ。」

「はじめまして。」

 

そばかすが特徴的な赤毛のひょろ長い奴がロンらしい。

 

「行き方はね、あの柵に向かってまっすぐに歩いて行けばいいのよ。立ち止まったり、ぶつかったりするんじゃないかって怖がっちゃだめよ」

「…………9と4分の3番線って、あの柵の向こうなんすか?」

「そうなの。ほら、あなたも行ってみて。大丈夫。手紙が来たならあなたも通れるわ。」

 

そっと背中を押される。

その優しさになんだかシスターを思い出す。

ぐっと手に力を込めて、ゆっくり助走をつけて、そして────!!

 

 

一瞬にして、景色は変わっていた。

たくさんのカート、見送りの家族、共だって歩く子供。

極めつけは、煙を上げる真紅の汽車。

 

そこは、紛うことなき9と4分の3番線。

ホグワーツ魔法学校への入口だった。

 

あっけにとられていると、後ろからロンも入ってきた。

 

「ところで君、その髪と目……まさかラグナ・ポッター?」

「えっと、あんたの考えてるラグナ・ポッターが生き残った女の子とか呼ばれてるならそれは俺。」

「うええ?!?」

「そんなに驚くことか?」

「だって!だって!!」

 

そんなこといいながら汽車に乗る。

座席がコンパートメントで別れていて個室になっている。適当に空いてる個室に入り込み、荷物をどける。

 

「あーーー!やっと落ち着いた!」

「ね、ねぇ、ポッター「ラグナでいーぜ。ファミリーネーム慣れてねぇんだ。」えっと、ラグナ。その髪と目ってやっぱり昔からなの?」

「おう。もう慣れた。」

 

前世からずっとこの色合いなのだ。ほかの色の方が不自然に思えるレベルで慣れてしまった。

 

「へぇ……綺麗だね。すっごく。」

「ありがとな。」

 

それから魔法界のことを教えて貰った。俺の知らないことばっかりで頭がパンクしそうになったし途中でロンの兄貴らしい双子の男がやってきた時はびびった。しばらくすると昼の時間らしく、カートを引いた女の人がやってきた。車内販売というものらしい。

 

「なんか食べる?僕はサンドイッチあるけど……」

「あーそういや腹減ってるわ。うん。……かぼちゃパイ二つと、その蛙チョコってやつとそこの板チョコ1個。」

 

そういってから代金を金貨で払おうとしたらロンに全力で止められた。何故だ。

 

 

 

 

「おい、ロン。」

「何、ラグナ。」

「俺はチョコが逃げるとか聞いてないぞ。」

「でもそういうシロモノだし……?」

「どーなってんだ魔法界……普通の人間だったらクレームつけてるレベルだぞ……」

 

窓から逃げた動くチョコを思いながら板チョコを齧る。めっちゃうまい。ロンと昼飯代わりにチョコやらパイやらサンドイッチを腹に収めていると、不意にコンパートメントのドアが開いた。

顔をのぞかせたのは金髪の女の子。

 

「ねぇ、あなた達。ヒキガエル見てない?ネビルのやつが逃げたんだって。」

「蛙?俺の蛙チョコなら窓から出てったけど。」

「ならいいわ。……ところであなた、その……まさか、ラグナ・ポッター?」

「そうだけど。」

「あなたが……!私、ハーマイオニー。ハーマイオニー・グレンジャーよ。ねぇ、私もここにいてもいいかしら?」

「俺はいいぜ。」「僕もいいよ。」

 

話を聞けばハーマイオニーはマグル生まれ、つまり一般人から魔女になったらしい。

 

「なぁ、その、マグルのほうでもその、生き残った女の子って呼び方は一般的なのか?」

「マグル生まれの魔法使いでも有名に決まってるじゃない!私、本を何冊も読んだわ!」

「……俺は自分の本とか書いたことねーんだけど……。誰が書いたんだそれ……」

「それくらいあなたは凄い人なのよ!」

 

自分が賞金首って言うことよりも複雑な気持ちになった。

 

「やぁ失礼。ここにラグナがいるって聞いたんだ。」

「……誰?」

 

ガラッとドアを開けてこっちを見ているのは見覚えのある金髪。

 

「あ、えっと、待ってな、覚えてる。覚えてる……えーっと……あ!フォイフォイ!!」

「マルフォイだ!!!!!!!」

 

間違えてた。悔しい。

 

「フォイフォイ……ブフッ」

「ウィーズリー!!!!!!」

「で、何のようだ?ドラ……ドラ……。」

「ドラコ・マルフォイだ!!」

「そうそう!ドラコ!」

「君がいるって聞いたから見に来ただけだ!……あと、友達は選びなよ。マグル生まれと仲良くするなんて君らしくない。」

「いやお前に友達選べって言われても困る。アレか!お前も友達欲しいのか?あぁ?」

「そ、そういうわけじゃない!ただ!」

「ただ?」

「ただ……」

 

言い淀むドラコにさっき蛙チョコで引き当てたダンブルドアのカードを差し出す。

 

「ん。やるよ。」

「……は?」

「友達だからこれをてめーにやろう。ありがたーく受け取るといい。ほーれ!!」

 

無理やり押し付けてからセットしてある髪をぐっしゃぐしゃに掻き回す。ジンみたいな奴でなんだか親近感が湧いてしまった。

 

「じゃ、また後で!」

「………………ハイ」

 

......................................................

 

とりあえずその後はローブに着替えておしゃべり……というよりは学校についてのレクチャーを受けた。そしてもう動く蛙のチョコとか一生食わないって改めて誓った。

 

「そろそろつくみたい。ラグナ、同じ寮になれるといいわね!」

「俺もお前らいなきゃ多分ストレスで死ぬ……」

「組分け帽子にお願いしなきゃ!」

 

そんなこと言ってると汽車は勢いを止めて駅に着いた。

降りると、なにやら大男が生徒を誘導している。

 

「あー!!ハグリッド!!」

「知り合いなの?」

「何にもわからない俺に切符だけ渡して駅に置いてった……」

「あぁ、それであそこに……」

 

とりあえずガントレットハーデスもどきをハグリッドにキメた。鈍い音したけど対してダメージ通ってなかったらしい。解せない。

 

「オー!ラグナ!無事に着いたか!」

「ちょっとは痛がれ!!」

「ほれほれ、イッチ年生はこっちー!お前さんもこっちだ。」

「へーへー。」

 

先導するハグリッドに続いて森を抜けると、その先には大きくて真っ黒い湖が広がっていた。どうやらボートで移動するらしい。

 

「そこは魔法とかじゃねーんだな……」

「ほら、4人一組だって!こっち来なよラグナ!」

「おう。」

 

人混みの中でハーマイオニーと分かれてしまったのが残念だったが、とりあえずボートに乗って湖を滑るように移動する。

しばらくすると、霧でよく見えなかった建物が現れた。

 

それは、巨大な城だった。

 

 

「あれが、ホグワーツ……」

 

 




夏休みまでには次書きたい(願望)

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