ネタバレにはならないと思いますが、注意してください。
4・1、加筆・修正
さようなら、エヴァンゲリオン ~14年後の彼ら~
2029年6月
気づけば28歳の誕生日がやってきていた。
俺が碇シンジになってからの14年は本当にあっという間だったような気がする。
使徒の襲来、ゼーレとの闘いが終われば再就職に結婚といろいろあった。
その間に身長は伸び、声も低くなってますます親父に似てきているなあ。
黄色い自衛官身分証の顔写真を見ると、ゲンドウと親子であることを実感できる。
物思いにふけっているうちに電車が駅に着き、5年ぶりくらいに第三新東京市の駅に降りた。
九州・東海道新幹線リニアと箱根登山鉄道を乗り継ぎ、ここまで6時間かかった。
そう、今日は第三新東京市立第壱中学校3年A組の同窓会だ。
「同窓会、みんな集まってるんだろうな」
俺はバックパックの中から封筒を取り出し、会場となってるホテルへと足を向けた。
中心部は再開発され、迎撃要塞都市を思わせるようなものは一つも残っていなかった。
思ったより1時間くらい早く着き、どこかで時間を潰そうとぶらりとホテルの周りを散策する。
かつて速射砲ビルと電源ビルがあったところには、ショッピングセンターが建っていて俺はフラフラと吸い寄せられていった。
6月の蒸し暑い外から、クーラーの効いた本屋に入ると戦史モノのコーナーに足を運ぶ。
そこには第2次世界大戦や、軍事関係の文庫本なんかが置いてあり結構面白い。
『最後の撃墜王』やら『わかりやすいベトナム戦争』、『兵士に聞け』といろいろある。
だが、使徒と呼称される敵との戦いや、その後の秘密結社との戦いになると一冊か二冊しかなくなる。
『使徒襲来!』という文庫本を手に取ったとき、後ろから声を掛けられた。
「ようシンジ、久しぶり!」
振り返ると、癖っ毛に眼鏡そしてカメラマンベストのケンスケがいた。
『使徒襲来!』は彼が出した本で、様々な観点から使徒との戦いを描いている。
一般人、自衛官、元ネルフ職員、そして知己の元エヴァパイロットと現役使徒への取材で出来た一冊はあの時のことを鮮明に描き出し、評価も高い。
「久しぶり、どう、売れてる?」
「おかげさまで、ボチボチだよ」
高校卒業後、俺とケンスケは二人で一般曹候補生を受けて陸自に入った。
俺は希望通り機甲科、ケンスケは第3希望くらいの野戦特科に配属になり、数年で退職してフリーの軍事ジャーナリストになった。
そして、雑誌やテレビ番組などにちょくちょく現れる有名人になっている。
いつも買ってる『月刊パンツァー』のコラムに“相田ケンスケ”の名前を見た時には思わず電話を掛けた。
“筆者撮影”の文字を見るに海外の防衛見本市なんかの写真は大概自分で撮っているようだ。
「シンジは今どうしてんだよ」
「九州で
「ああ、今は西部方面戦車隊か」
「うん、8戦無くなってしまったから……ってこないだ取材に来たばっかりだろ」
「いや、もう2年前だぜ。それにしても戦車の削減って時代の流れだよなあ」
対使徒戦でともに戦った第1戦車大隊に居たんだけど部隊の機動化という新大綱のもと、2曹になったくらいで九州の第8戦車大隊に転勤となった。
ついこの間部隊が再編されて8戦大と4戦大が統合され“西部方面戦車隊”になり、戦車も
もっとも、九州と北海道と富士以外は装輪の
「……ところで、嫁さんは?」
「アスカは国連の仕事で3日ほどパリに行ってる、ド・ゴール空港からこっちに直行だって」
「マジかよ。アスマ君はどうしてるんだ?」
「オヤジの家に預けてる。今頃爺ちゃん婆ちゃんに甘やかされてるよ」
俺とアスカの子で7歳になった“アスマ"は、京都にあるゲンドウの家にお泊まりだ。
戦後処理が終わって特災研が解散する直前にサルベージをしたところ、碇ユイが
俺もリツコさんもオヤジの所業とユイさんの浦島太郎状態に大丈夫かと心配したものの、なんだかんだうまくいってる。
スマートフォンが登場した時“ゲンドウさんとわたしです 写メというのを送ってみました”というメッセージが届いた。
本を読むゲンドウとその背中からスマホで自撮りをするユイさんのツーショット写真が添付されていたのには驚いた。
見た目が若くて新しいもの好きのユイさんと、釈放までに老け込んでしまって髪が真っ白になっているゲンドウが
「そういえば、ケンスケは子供作らないのか?」
「嫁さんが『もうちょい待って』って言ってる、俺も取材であんまり家に帰れないしな」
ケンスケは俺に続くようにスミレさんという別部隊の女性自衛官と結婚した。
スラっと長身の褐色美人さんで、陸教に行ってる時に出会ったらしい。
「そうか。お互い家庭生活大変だよな」
「俺はともかく、シンジって最近ずっと出動かかってるじゃん」
「この国にいる限り災害派遣は仕方ないよ……」
記録的な豪雨で川が氾濫したため数週間災害派遣に出ていたら、幼い息子に顔忘れられていた悲しさよ。
ケンスケと近況について話しながら店を出ると、俺の携帯電話が鳴り始めた。
「はい、碇です」
「ちょっとシンジ何処ほっつき歩いてんの? アタシ、もう会場に着いたんだけど!」
「ケンスケと本屋にいるから、今からそっちに向かうよ」
「早く来てね!」
アスカはどうやら第三新東京国際空港から新快速電車に乗ってきたらしい。
まだ開始まで結構時間あるけれど、会場に向かうことにした。
ホテルのロビーに見覚えのある人がチラホラといて、中でもアスカと綾波はめちゃくちゃ目立っていた。
綾波は去年の年末に会ったときよりも髪が伸び、ロングヘアになっていて中々いい感じだ。
「シンジ遅い! ケンスケと何やってたのよ!」
「碇君、ひさしぶり」
「ごめん、ちょっと立ち読みしてた。綾波、久しぶりだね、元気そうで何より」
「そうね、リツコさんもうちの子たちも元気にしているわ」
綾波はリツコさんと一緒に大手の有機化学薬品メーカーに就職して、そこの研究員をしている。
空気の澄んだ山梨の田舎にラボがあるので、二人は築120年くらいの古民家を改造して住んでいる。
毎年、写真入りの年賀状が送られてくるわけだけど、女二人に猫三匹の楽しい赤木一家という雰囲気だ。
「ニャーコはこの間、スズメを捕まえてきたの」
「へえ……あの毛玉、やるじゃない」
「山育ちだから、狩りを覚えたんじゃない?」
「キクが教えた。母猫が教えないと狩りはできないわ……」
第3東京で飼っていたシロの孫猫の
アスカは今年の年賀状を見て以降、キクの子のニャーコを“毛玉ちゃん”と呼んでいる。
ニャーコ以外の兄弟猫は狩りができる猫の子ということで近所の家に貰われていったらしい。
技を磨いた彼らは農作物を狙うネズミや鳥よけに重宝するんだとか。
赤木家の猫たちの話をしているところに鈴原トウジ・ヒカリ夫妻がやってきた。
「おっ! シンジ、ケンスケもおるやんけ。ひさしぶりやなぁ」
「碇くん、アスカも元気そうね」
「めちゃくちゃ元気よ! ヒカリこそ大変じゃないの」
「大丈夫よ、お父さんも見てくれるし」
トウジは中学校の教員になって第三新東京市に残っている。
まさか「センセ」といってたトウジが「鈴原先生」になるなんて……とよく言ったものだ。
ある程度の貯えがあって高卒就職した俺たちと違って、つい最近結婚したばかりで子供も小さく今が一番大変な時期だろう。
「トウジんちって同居なのか?」
「そや、
「やっぱトウジはそういうところ気が利くよな」
トウジが洞木さんのお父さんと暮らしているってことは、トウジの親父さんはサクラちゃんと暮らしてるんだろうか?
「そういや、サクラちゃんはどうしているんだ?」
「サクラはオトンの家から看護学校や、こないだ帰ったときはそらもう看護婦さんやったな」
「ハードな業務で、ゲッソリ疲れてるんだろうなあ」
救急看護師や病棟勤務の超ハードな現場か、小さな個人診療所の看護師さんかで変わるわけだけど、どっちも忙しそうだ。
「シンジが思っとるよりもだいぶ可愛いぞ」
「出たよシスコン」
「誰がシスコンや! 出会いも多いこの時期に、悪い男に騙されへんか心配で心配で……」
「そういや、よく合コンで看護婦さんと当たってたよなぁ」
「ああ、看護師さんと保育士さんな」
「お前ら人の妹やと思って、やめーや!」
ケンスケと同期たちで何回かコンパをやったわけだが、結構な割合で保育士さんと看護師さんがやってきていたらしい。
結婚前に俺も人数合わせで何回か呼ばれたけれども、そんな印象だ。
男三人で盛り上がっていると、後ろから肩を叩かれる。
にこやかに見えるけど目が笑ってないアスカがそこにいた。
「シンジ、ちょっとその話聞きたいんだけど、いいわね」
「……はい」
浮気はしていないし、俺のお仕事は同期たちの
「シンジってばモテモテだもんね~」
「ごめん、アスカ」
独身時代のこととはいえ平身低頭で謝り、機嫌が直るのを待つ。
それしか対処法はない。
そこに同級生の中で今一番の出世株二人が近づいてきた。
渚カヲル、霧島マナ。
戦略自衛隊の中でエリートコースをひた走る幹部自衛官と現場から三尉になった二人だ。
今日は私服なので、どこにでもいそうな若いお兄ちゃんとショートカットのお姉さんだ。
「やあ、シンジ君。アスカさん。元気にしていたかい?」
「カヲル、あんた随分と偉くなったじゃない」
「そうだね、でも時々シンジ君たちがうらやましく思う時もあるね」
「加持さんといろいろやってたからよ」
俺は幹部自衛官がキツイことを知っていたから、ほどほどに抑えたのだ。
一方、カヲル君は加持さんや情報職種の人々とゼーレとの最前線にいたが故に、気づけば幹部になってたらしい。
「シンジ君、聞いてよ!カヲルって大卒で入ったからいきなり曹長出発なのよ!」
「“いろいろ”ね。霧島さんも幹部になったって聞いたけど」
「私は士官学校を
「マナちゃんは僕の部下になってしまったんだ、先任なのに」
「でね、カヲルって伝説いくつも作ってるんだよ……」
使徒であることを隠してはいるものの、陸自の幹部候補生学校に相当する“士官学校”でカヲル君は有名人となってしまい二期くらい後のマナの時にも語り継がれていたのだとか。
「そういえばカヲル君って、今は何やってるの」
「今は新東京で
「我が国の平和を守ってます!」
どうやら情報職種の二人は第2東京の本省勤めで今も公に出来ない何かと戦っているようだ。
エヴァが解体されてしまったから、何かあれば“個人最強戦力”のカヲル君が出向いて制圧するようで、それも込みで異常なまでの出世街道なんだろう。
「シンジ君は今も戦車に乗っているのかい?」
「うん、
「戦車服装のシンジ君もいいね!」
「こんな写真もあるぜ」
ケンスケがカバンから月刊パンツァーを取り出した。
そこには74式戦車のキューポラから身を出し、敵陣を見ている俺の姿が映っていた。
筆者撮影とあり、駐屯地創立記念行事の紹介記事だ。
その場の皆がケンスケの写真を見て感想を言ってくれる。
「おっ、シンジ似合ってるやんけ! どうや? ヒカリ」
「これ、碇くん?本当に自衛官ね」
ヒカリさんは俺の戦闘服姿見たこと無かったっけ。
いや、披露宴で見てるから忘れてるだけだな。
「シンジ君、エヴァに乗ってる時よりイキイキしてる!」
「そうだね、やっぱりシンジ君は戦車乗りなんだねぇ」
マナとカヲル君は1戦大時代に何度か会ったことあるよね。
「去年の駐屯地祭の時に撮ったんだ」
ケンスケは躍動感のある写真が上手い、中学時代からカメラやっていただけあるな。
「来てたんなら声かけてくれたらいいのに」
「俺もスケジュールに追われてて、午後には電車で別現場だったんだよ」
「ああ、一般開放って午後からだもんな」
訓練展示の後片付けをやって、フリーになったのが13時半くらいだった。
フリーになった瞬間、アスカとアスマに拘束されて露店巡りをすることになったわけだが。
「アンタのことだから、もっと撮ってんでしょ?」
「そういうと思って、ほら。コッチは紙面に載せられないからさ」
ケンスケはアスカに数枚の写真を差し出す。
転勤してきた新米戦車長、碇二曹として舞台裏で打ち合わせしている様子や、出発前に戦車に手を合わせている様子の写真だった。
「シンジってば、変わらないわね」
「そうね、エヴァに乗る時からずっと手を合わせてたわ」
「日本人はモノに魂が宿ると考えている、シンジ君の話はためになるよ」
「私たちも3分間講話で部下に“武器や物品の愛護精神が~”って言ってるからわかるわ」
アスカと綾波はともかく、カヲル君とマナは講話で何話してんの!
ケンスケの著書や日本政府の情報開示によって使徒戦のことが徐々に知られているとはいえ、自分のあずかり知らぬところでネタになってるというのはどうもこそばゆい。
「シンジたちは関東圏の部隊では有名人だもんな。修了式はやばかったよな」
「あたしが駐屯地に行くと駐屯地司令が挨拶に来るから、どういうことかと思ったわ」
俺とケンスケが新横須賀駐屯地で前期教育を受けてたときも、富士駐屯地で後期教育やってた時もそういえば駐屯地司令が会食会場に来ていたな……。
エヴァも全機解体され、特災研すら無くなった元チルドレンなんて何の権力もないそこらの18、19の子と変わらないと思ってたから恐縮しっぱなしだった。
ケンスケやカヲル君たち現役戦自コンビと自衛隊話ばかりするのもちょっとアレなんで会場を回ることにした。
そうすると男女問わず色んな人に声を掛けられる。
「よう、碇、そういや惣流と結婚したんだって?」
「碇くん、ガッチリしたね! やっぱ自衛隊に行ったから?」
「後藤君も、佐藤さんも元気そうで何より」
「ぶぶー! 今は坂本でーす!」
話してみると、14年のあいだにみんな会社員や主婦になっていて、大きく変わった人もいれば、あれから順当に年を取ったなという人もいる。
何人かで立ち話をしている水色のカーディガンの女性がこっちに気づいたようだ。
「宮下さん、久しぶり」
「碇くんだ! こんなに小さかったのに大きくなって……」
「親戚の子供か!」
「ごめんごめん、でも、ほんとに大きくなったね」
「そりゃ、高校で一気に身長伸びたからなあ。今はどうしてるの?」
「新小田原信用金庫の事務やってるんだ」
「そうか、前に会ったのって高校卒業だっけ」
「うん、相田君と碇くんの壮行会だったよね!」
自衛隊に入隊し、第三新東京市を離れるということもあって中学と高校のメンバーを集めて壮行会をやったのだ。
あれから9年経ってるんだから、時間の流れって早いものだ。
「今の生活はどう?」
「うーん、大変だけど、自分の選んだ道だしね。碇くんが気にすることじゃないよ」
「……そうか」
「あの事故がなくても、いつまでも陸上やれるわけじゃないし。やりたいことをできるのはほんの一握り」
もし、宮下さんがエヴァに乗らずに陸上を続けていたら、どうなっていただろうか。
今となってはとりかえしのつかない過去の話だが、信金職員にはなってなかったんじゃなかろうか。
「それよりさ、アスカとはどうなの?」
「結婚8年目」
「うっそ! っていうこともないか……やっぱりいい男ってもう売約済みよね」
「どうしたんだよ」
「こないだ新人の子が来たんだけど、その子が彼氏持ちでね……」
宮下さんはミドリちゃんという新人の教育係として付いているわけだけど、ちょくちょく彼氏持ちアピールが入ってアラサー独身にはキツイらしい。
うーん、どっかで聞いたことあるような名前だけど思い出せない。
「碇くん、独身の自衛官でいい人いない?」
「大分にいるから、こっちのアテが思いつかん……ケンスケなら知ってるかもな」
俺の後輩はみんな結婚していったし、それ以外も部隊に残っているかどうかわからない。
離職率高いからなぁ……転勤後に連絡したら「アイツ、辞めたよ」っていうのもよくある話で。
ケンスケは取材とかでこっちにも顔が広いから誰か知ってるんじゃないかな。
宮下さんを連れて戻ると、ヒカリさんとアスカ、綾波といった女性陣は子供の話をしていたし、酒の入ったトウジが家庭の大切さをカヲル君に説いていた。
「このメンバーで食事をするのって、懐かしいね」
「そういえば、宮下さんは俺たちの壮行会に来ていたよな」
「そうそう、ところでケンスケ、こっちでいい奴知らない?」
「シンジ、また『お見合いオジサン』やるのか?」
「お見合いオジサンって何?」
「シンジを連れて行った合コンがきっかけで何組か結婚したから、シンジはそう呼ばれてるのさ」
「そんなことしてたんだ碇くん」
「いや、
「で、さっきアスカにその件で絞られてたんだよな」
「ええ……碇くん悪くないのに?」
「アスカの気持ちの問題だから、仕方ないよ」
「そ、浮気は即処刑ってのが碇家のルールらしいしな」
ケンスケが首をかき切るジェスチャーをする。
そう、「アタシ以外の女に手を出したら……」とアスカに念を押されているのだ。
拗ねるだけで済んだのは“婚前でなおかつ手を出してなかった”からで、もしも軽い気持ちで合コンの子に手を出していたら……何が起こるのかわからないところが怖すぎる。
懐かしいクラスメイト達との歓談、あと、数年前に鬼籍に入られた根府川の先生の思い出話。
最後に記念写真を撮って楽しい立食パーティー形式の同窓会は終わった。
会場を出て2次会・3次会をするグループと、しないグループに分かれた。
「また会える日を待っているよ、シンジ君」
「それじゃ、私たちは帰りまーす! シンジ君もアスカさんもおたっしゃでー!」
「私も帰るわ、葛城課長……ミサトさんによろしく伝えておいて」
明日仕事があるカヲル君とマナの戦自組は急いで第2東京に帰ってしまった。
田舎暮らしの綾波は終電が早く、第三東京市内に住む鈴原夫妻もまだ娘さんが小さいからここで解散だ。
「俺、帰るついでに二人を送っていくよ」
「そうか、シンジもアスカもまたこっちに遊びにこいや、いつでも待っとるで!」
「アスカも碇くん……旦那さんと仲良くね」
「おう。またな」
「ヒカリも疲れたらいつでも電話してね!」
「ケンスケ、奥さんにもよろしゅう伝えといてや」
「おうよ」
俺とアスカはケンスケのデリカD:5に乗せてもらい、加持家に向かう。
セカンドインパクト後の荒れた放置区画も走れるのがウリのオフロード仕様のミニバンだ。
色はマッドグレーでオプションパーツも組み込んでいるフルパッケージモデルだ。
「ケンスケ、この車新車?」
「そうだよ、430万くらいで買ったんだ」
「前のジムニーはどうしたんだ?」
「将来のことを考えると狭いから、売った」
「まあ、軽だもんな」
「ケンスケにしろウチのにしても、どうして男ってこんな車がいいのかしらね」
「使うかどうかはともかく悪路走破性とか、タフな感じって憧れるじゃん」
「なんといっても、カッコいいよね」
俺は旧型のディフェンダー110に乗っている。
セージグリーン、いわゆる灰緑色の角ばったボデーはミリタリー感あふれる武骨なデザインだ。
ネルフと特災研で得た給料でお金に余裕があったから、ちょっと趣味に走ってみたのだ。
アスカには古めかしくて背が高い、乗り心地良くない、乗りづらいと不評なんだけど、雨の日や雪の日に便利なんだよな。
舗装されていない駐屯地の私有車駐車場のぬかるみや深い雪を突破できるのだ。
そう言った理由からランクルとかハリアー、エクストレイルなんかも人気車種である。
「買い物と送り迎えにはデカすぎんのよ」
そういうアスカの赤いベンツEクラスのほうがデカいじゃないか……。
俺が新隊員教育でいないときに、アスカはポンと一括払いで購入したのだ。
初心者マークを付けた真っ赤な高級車が野太い音をさせて駐屯地に来た時にはビビったね。
__あのモデルみたいな子、碇二士の嫁さんだって
__めちゃくちゃいい車乗ってるなあ。
__区隊長、碇アスカさんって有名なんですか?
__馬鹿、あのネルフの元パイロットだよ! 赤い奴!
同期たちはアスカの容姿や高級車に、班長以上は使徒戦の記憶から騒然となった。
その様子にいつぞやの面談を思い出して「ああ、なんだかんだミサトさんの影響を受けてるんだ」と思ったね。
加持さんから旧車カスタム趣味について聞いていた俺は心配したものだが、あくまでアシという認識であって改造する方向にはいかなかった。
そんなアスカだったけど、チャイルドシートにはこだわっていて射出座席のようなゴツイシートが長いこと後部座席に鎮座していた。
だからアスマがチャイルドシート不適合のディフェンダーに乗るようになったのはつい最近だ。
「アスカが赤ベンツでシンジはディフェンダー?」
「うん、キャンプに通勤に便利だぞ」
「うへえ……金がある家は車選びも凄いな。てかよく中隊長許可出したな」
「“私有車保有許可申請”出したときに、よくわからん
「こっちは痛い思いして稼いだわけだし、どう使おうが勝手じゃない!」
「金銭事故とか交通事故を防ぐための仕組みだからなあ……正直、俺も通ると思ってなかった」
車トークをしているうちに第三新東京市郊外の加持邸に着いた。
ここでケンスケと別れる。
「じゃあ俺帰るよ、シンジ、アスカ、元気でな!」
ケンスケは窓から手をひらひらと振って帰っていった。
見送った後、インターフォンを押す。
「はーい、シンジさんとアスカさんが来たよ!」
「シンジくん、アスカ!」
「ミサトさん、お邪魔します!」
「アスカさんも入ってよ!」
ミサトさんと息子のリョウタくんが出てきてくれて、家に招いてくれた。
相変わらず車の部品が多い家だなと思いつつ、リビングに入る。
10歳の加持リョウタくんは、俺に影響されて「戦車乗り」になりたいといってるらしい。
バックパックの中に入れていた手土産の饅頭と迷彩のタオルを出す。
「これ、お土産。こういうの好きだろ」
「ありがとう、シンジさん!」
迷彩タオルをもらって上機嫌のリョウタくんにアスカが尋ねる。
「同窓会の後に泊っていくといい」と言ってくれた、当のリョウジさんが居ないのだ。
「あれ、お父さんは?」
「父ちゃんは仕事で帰れないんだってさ」
「そうか、寂しくない?」
「母さんがいるし、俺がしっかりしなきゃな」
「なにマセたこと言ってんのよ、この子はぁ」
胸を張って言うリョウタ君にミサトさんがニヤニヤとする。
「親思いのいい子じゃないですか」
「アスカがいるからってカッコつけちゃってぇ~」
「そんなんじゃねーよ!」
顔を真っ赤にして照れるリョウタ君。
イジリモードのミサトさんに対して、男の子の立場に立って抗議する。
憧れの人の前でただでさえ照れ臭いのに、母親にいじられるなんて少年の心にダメージでかすぎだろ。
「ミサトさん、そういうのよくないと思いますよ」
「だってシンちゃん、こんなうぶな反応してくれなかったじゃない!」
「そうねえ、シンジったらいつも涼しい顔してたもんねぇー」
「そういうことやってると、中学ぐらいで「おふくろ、恥ずかしいから離れて歩けよ」とか言われますよ」
「そうなの?」
「思春期の男子中学生は繊細なんです」
「アンタはそんなのなかったでしょうが!」
「いや、僕らは特殊例だから。ってか、そんな身内居なかったよね……」
「ヴッ……」
「そうね、シンジ君もアスカも私が行ったもんねぇ」
ゲンドウは収監中だったし、ラングレー夫妻はドイツ在住なのでアスカは中学卒業まで、俺は高校卒業までミサトさんのお世話になった。
フェラーリで学校乗り付けてきた話とか、走り屋気取りの高校教師を峠でぶち抜いた翌日に面談に来た話とかそういうエピソードに事欠かなかったな。
アルピーヌを見た担任が「昨日の青い外車……」って震え声になってるのを見た時は俺が慄いたね。
「アスカこそどうなのよ、アンタも参観とか面談に行ってるんでしょ?」
「アタシも行くけど、ミサトみたいに校内でスピンターンしたりしないモン」
そんな過去の話をしていると、リョウタ君は「母さんそんなことしてたの……」という表情だ。
アスカはというとミサトさんのような派手さはないけれど、なんとも言えない気迫があるのだとか。
真っ赤な高級車からスーツ姿のキャリアウーマンが降りてきて颯爽と校舎に入ってくると、「あれは誰だ」となる。
息子からその状況を聞いた俺は、かつての教師や級友の反応が頭によぎった。
さらに保護者会なんかでもアスカは圧倒的な強さを誇っているらしく、若いママとして絡んできたオバサマを逆に詰めていったとかって話を聞く。
元々、気が強くて実戦慣れしているゴリゴリの武闘派で、名声と財力という実弾持ったアスカは負け知らずでマウント合戦を制しちゃったのだ。
「シンジさん、FPSって得意ですか?」
「コントローラーの使い方がわかれば出来るよ」
既婚女性二人が生活あるあるなんかで盛り上がってる脇でテレビゲームをしていた俺とリョウタ君だったが、疲れたリョウタ君が寝るとミサトさんと特災研やネルフ時代の思い出話になる。
特務機関ネルフの解体から13年がたった、セカンドインパクトからなら29年だ。
「シンジ君と出会ってからもう14年がたったのね」
「そうですね」
「アタシとはもっと前よね」
「そうね、アスカがこぉんな時だったわよね」
「そこまでちっさくないわよ!」
「本当にぃ?」
ミサトさんの誇張表現にアスカがリアクションを返す。
懐かしい掛け合い、かつてアニメで見た疑似家族の姿。
「14年かぁ……」
「シンジ、どうしたの」
「もし、俺じゃないシンジ君だったらどうなってたんだろうなって」
『新世紀エヴァンゲリオン』というアニメの世界は原作を離れ、もう俺にとっての現実になった。
元の世界では新劇場版Qの続編が出ただろうか?
あの絶望的な赤い世界で、ろくな説明も受けられずに苦しんだシンジ君は救われたのだろうか。
それとも世界を作り替え、“エヴァの存在しない世界”を作れたんだろうか?
「アンタじゃないシンジがどんな奴か知んないけど、今みたいな生活はなかったんじゃない」
「そうね、前情報のシンジ君ってもっと内向的な子だったのよね」
「あの頃のアタシなら、ウジウジ悩んでるアンタ引っぱたいてたでしょーね」
「俺もボコボコ殴られたよ」
「でもアンタ立ち直んの早かったじゃない。ノーカンよ!」
そういや、アスカって出会いから手足が出るような子だったよな。
俺の考えていることを察したのか、ミサトさんは懐かしむような表情で言ったのだ。
「アスカもレイもシンジ君がいたから、変われたのよ」
「レイも最初出会ったときは、人形みたいに澄ました感じだったけどいつの間にかねえ……オタクみたいになって」
「最近、レイって燻製にハマってるんだって。あたしも誘ってくんないかなあ」
「ミサトが行ったら飲みっぱなしになるでしょうが!」
「そうね、スモークチーズとビール、豊かな大自然。これは飲むしかないわ」
「だからリツコさん誘わないんだろうなあ……」
命令以外の生き方を知らなかった綾波も、今やアウトドアもサブカルもイケる系の女性科学者でリツコさんと色んな事にチャレンジしている。
そういやレイのオリジナル、エヴァから帰ってきたユイさんもオヤジを引っ張り回してたな。
おそろしく不器用で、親戚の集まりにも顔を出さないような“まるでダメな大人”のゲンドウだったけどユイさんが色んな所に連れて行って矯正しようとしてるらしい。
エヴァの中に居て若返ってる分、ユイさん強い。
最近だと暇してる冬月先生も誘って岸壁に釣りに行ったんだとか。
真昼間に行ったんで、全然釣れなかったらしいけど。
電話で聞いた時、エヴァ2であった釣りエンドみたいな光景が頭に浮かんだよ。
「ただいま……おっ、シンジ君、アスカ、久しぶりじゃないか!」
「お邪魔してます!」
「アンタ、ずいぶん遅いじゃない」
「いやー、帰る間際に緊急の案件入れられちゃってね。まいったね」
この家の主人リョウジさんが帰ってきた。
内務省調査部のある部門の室長になったらしく、詳細は教えてもらえないけどカヲル君たちと組んでるらしい。
今日聞いた話から推測するにカウンターテロリズム作戦かな。
内偵、情報収集の後、特殊部隊でアジトを急襲してテロを未然に阻止するアレだ。
リョウジさんが室内着のスウェットに着替えて出てきたタイミングで、ミサトさんが晩酌の缶ビールを持ってきた。
「シンジ君、アスカも一杯どうだい?」
「ご相伴にあずかります」
「いただきます」
俺たちはエビチュビールを片手に世間話をする。
子供のこと、生活のこと、そして思い出話。
庭のプランターに植えられているスイカが、ジオフロントに植えられていたものだったということ。
程よく酔いが回ってきたころに、リョウジさんは言った。
それはセカンドインパクト以降、ずっと戦い続けてきた男の目だった。
「シンジ君、君は君にしかできないことをやり遂げた、今は、幸せか?」
「はい」
「……ここまで、長かったなぁ」
「そうですね、でも、どうして?」
「シンジ君ならいいか……先月、最後の聖遺物製エヴァ、通称Mk9がついに解体されたんだ」
「どこの情報ですか」
「
時に西暦、2029年。
使徒はカヲル君ただ一人となり、すべてのエヴァが存在しない世界となったのだ。
さようなら、すべてのエヴァンゲリオン。
翌朝、加持邸を出た俺とアスカは、第三新東京市郊外の慰霊碑に花を手向けて帰路についた。
十字の光の柱を模した慰霊碑には使徒襲来で命を落とした人々と、エヴァの魂が祀られているのだ。
犠牲者に思いを馳せてしんみりしたムードも新幹線の新京都駅に着いた昼前には雲散霧消し、碇家の門を叩く。
「あらシンジ、アスカさんも早いのね、もう少し羽根を伸ばしたらよかったのに」
白い3階建ての屋敷の中からユイさんが現れ、玄関から部屋にいるゲンドウを呼ぶ。
「あなた、シンジが帰ってきましたよ!」
「ああ」
「ああじゃないの、ほら、お昼ご飯にするからアスマちゃん呼んできて!」
「アイツならもう起きている、問題はない」
「そう、じゃあテーブルにお皿出してくださいな」
「ああ、問題ない」
靴を脱いで上がったわけだが、全体的に広いよな。
庭にはプールもあるし、昔の映画に出てくる資産家の家って感じだ。
碇一族の誰かが昔住んでたらしく、この家を買うときにややこしい親戚連中と交渉したのだとか。
ユイさん曰く、「あの人、口下手だけれど見た目は少し厳ついでしょ」とのことで、ネルフ司令職で培った威圧感と、実際に動くユイさんの手腕で屋敷を抑えたのだという。
そんな威圧感を出すだけの“見せ剣”ゲンドウも、普段はユイさんにべったりのちょっと情けないおじさんだ。
昔、碇シンジ育成計画とか、鋼鉄のガールフレンド2ndで見たような光景をくりひろげていると2階にある来客部屋から我が息子が降りてきた。
「じいちゃん! プレステDSどこ置いたか知らない?」
「昨日のゲーム機なら和室の床の間に置いている、充電中だ」
「サンキューじいちゃん……って母さん、帰って来てたの!」
「昨日の晩ね。アスマぁ、ゲームはいいけど宿題は持ってきてんでしょうね」
ゲンドウは寡黙な男だが、ユイさんによって日常会話くらいはできるようになったみたいだ。
そんなゲンドウは孫であるアスマに甘く、部屋に置きっぱなしにしたゲームをわざわざ充電してくれるくらいだ。
だからこそ、アスマはじいちゃんが大好きなのだ。
アスカを見た息子はビクッとしたあと、得意げに言う。
「も、持ってきてるよ!」
「『ただしやるとは限らない……』とか言ったらわかってんでしょうね」
「まあまあアスカさん、アスマちゃんだってこっちに来てまで宿題っていうのもね」
「お義母様、でも明日が提出日なんです」
「問題はない、まだ帰るまで時間はある」
「あなた、そうやって冬月先生に仕事を押し付けていたのね」
「アスマ宿題をやれ、でなければ帰れ……」
「えーっ」
ユイさんに痛いところを突かれて手の平を返すゲンドウに、思わず笑いそうになる。
いや、宿題持ってきてないならさっさと帰って間に合わせなければならないわけだけど。
結局、昼飯の後でアスマはしぶしぶ算数ドリルと英語の教科書を出して宿題をすることになった。
アスカが監視につき、英語の書き取りについては隣で教科書を流暢に読み上げていく。
最近の小学校低学年の学習指導要領には英会話が入ってるんだから、俺の子供の頃とは全く違う。
その間、俺はというとゲンドウとユイさんに呼ばれて世間話だ。
「シンジ、どうだ」
「どうって、なにが?」
「ゲンドウさん、それじゃシンジもわかりませんよ」
「九州は災害が多いと聞く」
「まあ、大雨やら口蹄疫やらで派遣はあるね」
「この人、ニュースを見てはシンジの部隊が出てないか気にしてるのよ」
「お気遣いありがとうございます、でも大変なのはそこに住んでいる人だから」
「ふっ……相変わらずだな」
ゲンドウは口角を上げて老眼鏡を指で押し上げるしぐさをする。
ユイさんはそんな夫と俺を見て微笑み、台所からお茶請けの菓子鉢を持ってくる。
隣の部屋からはアスマの「あーっ、だりー」とかアスカの「単語4回ずつ書くだけでしょうが!」という声が聞こえてくる。
「そういえばシンジ、こんな本が出ているの知ってる?」
「ああ、同期の相田くんが出してるやつです」
「シンジ、本当に頑張っていたのね」
「ユイもな」
「あの子が力を貸してくれただけですよ、シンジのことが好きだったから」
ユイさんはケンスケの『使徒襲来!』を読んで、自分がエヴァの中にいる時に外界でどういったことが起こっていたのか詳しく知ったらしい。
暴走したのは第3使徒と第12使徒の2回だけで、それ以外の時はずっと精神空間にいたんだとか。
同居していた初号機の意思のような子(ユイさん知覚で幼児シンジ君)が俺をずっと助けてくれたのだ。
初号機解体に至ってのサルベージで役目を果たした“彼”は、ユイさんに別れを告げてガフの部屋へと還り、転生することを選んだそうだ。
零号機や弐号機の意思も同じような選択をしたのか、初号機のサルベージ実験に呼応するようにコアが不活性化し、不可逆的な機能停止を起こした。
すなわち、エヴァが“死んだ”のだ。
弐号機の中のキョウコさんだが、精神だけが取り残されている不完全な形だったからサルベージできなかった。
それを聞いたアスカがしばらく落ち込んでいたけれど、ドイツに結婚の報告に行ったあと墓参りをすることで踏ん切りがついたようだ。
カヲル君が言うように魂がまた新たな地で受肉する……転生するのであれば、幸せになってほしい。
「アナタもお疲れ様」
「かまわん、すべては過去の話だ。今はこれでいい……」
「オヤジ、照れてるの?」
ゲンドウは老眼鏡に義手をやろうとして、やめた。
それを見たユイさんが、「こういうところが可愛いのよ」と言った。
このふたりは幸せそうで何よりだ。
夕方の新幹線リニアで俺たちは九州に帰る。
明日から学校や仕事があるのだ。
新京都駅までユイさんの車に乗せてもらう。
駅までの道中、助手席のオヤジは窓の外をぼんやりと見ている。
そして、ホームでお見送りを受ける。
「オヤジ、またお盆には帰るから」
「じいちゃん、ユイさんも元気でね」
「ああ」
オヤジは口角を上げて見せた。
「ええ、アスマちゃんも。アスカさん、シンジを頼むわね」
「もちろんですわ」
「シンジも、怪我には気を付けるのよ」
「了解……まあ職業柄、気を付けるよ」
『13番のりばより、新博多行き新幹線が発車します』
帰ろう、わが家へ。
俺は二人の手を引いて、新幹線に乗り込んだ。
_終劇
初日にシンエヴァ劇場版を見てきました。
ネタバレになるので多くは書きませんが、ああ、終わったなという感じになりました。
ところが不思議なもので1週間くらい経つと、創作意欲がわいてくるという。
用語解説
17式戦車:国連軍編入後初めて制式化された新戦車。74式戦車の後継で国産の44口径120㎜滑腔砲を搭載した第4世代主力戦車で市街地戦に適したC4ISR、戦術データリンクを持つ。
これらは使徒戦の経験や小型コンピューターの普及などから導入された。
元ネタはレオパルト2A7+(あるいはヱヴァ序のレオパルト2A7/A10)
西部方面戦車隊:大分県の玖珠駐屯地に所在する戦車隊。2028年夏に第4戦車大隊を母体に第8戦車大隊と統合改編され、17式戦車へと更新された。
実在の部隊は2018年改編、10式戦車を運用している。
聖遺物製エヴァ:中東のゼーレが開発していたエヴァっぽい何か。ニセ零号機Mk.9。
意味ありげなブツと共に、エヴァの続編・派生作品があったら登場してくるタイプ。
イラクの“オシラクベース”でN2リアクター動力を積んで起動する予定だった。
イスラエル軍の爆撃によって阻止されたうえ、モサド含む対聖遺物国際チームの突入により制圧された。
なお、とある筋とボカシているがカヲル君と加持さんは参加している。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。