ログ・ホライズン ~落ちた浮遊城アインクラッド~   作:マスカルウィン

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シロエの目線? のお話をイメージして書きました。
早速キャラ崩壊していますね。
あとがきに独自設定を少々書かせていただきました、参考にしていただけると嬉しいです。


第二話

「じゃぁ、さくっと帰ろうか」

「了解した」

 

 シロエの言葉に反応して、直継と、アカツキは身支度を始める。

 シロエは周辺警戒をしつつ、敵がいないかチェックする役目だ。

 本来ならばアカツキにやってもらったほうがいいんだろうけど……

 そんなことを少し考えながら、あたりに敵の気配がないか見る、幸い敵は居ないようだ。

 

「こっちは準備ができたぞ 主君」

「こっちもあらかた終わったぜシロエ」

「それじゃ、戻ろうか」

 

 シロエは二人の言葉を聞いて、アキバへの帰路に着いた時だった。

 

「なぁシロエ、あれ何だと思う?」

「あれ?」

 

 直継が空を指差しながら何かを言ってきた。

 シロエとアカツキが目を凝らすと、そこには空中に浮かんだ城が浮かび上がった。

 シロエは自身の知識の引き出しと言う引き出しを開け、過去に似たようなイベントがなかったか考える。

 しかし、思いつく限りでは存在しない、つまり今回初めて遭遇した事だ。

 

「――城かな? 凄く大きな……少しずつ大きくなってる?」

「なぁ、シロエそれって落ちてきてるって言うんだよな? 大丈夫か?」

「たぶん……あの位置から落ちても……」

 

 シロエは鞄から地図を取り出して、位置を確認する。

 

「とはいっても、あの空飛ぶ城の大きさがわからないから、なんともいえないけど……多分海に落ちると思う」

「そうか……しかし聞いたことも、見たこともないイベントだな、これもノウアスフィアの開墾のせいか?」

「わからない……けど確立として一番高いのはそれだと思う」

 

 シロエの出した結論はそれだ、ここは異世界なので、何が起きてもおかしくはない世界だが、基本的にはエルダーテイルと一緒である、ならばあれもそうだろう。

 

「けど……ハーフガイア・プロジェクトをやっている運営とは思えない、なんとうかファンタジーな感じではあるけどね……」

「確かに……なんつーか、こう……別世界の城が紛れ込んだみたいだぜ!」

 

 そういう話をしていると、少しずつ落下しつつある城が、真上を通り過ぎていった、それでもかなりの高度があったが。

 

「まぁ、ヤマトに落ちなくて助かった祭りだな」

「そうだね、一応これで一安心ですね」

「主君、城が通り過ぎたところに小さな光点が一瞬見えた気がしたのだが――」

 

 アカツキが空を見上げて言うので、シロエも空を見上げる、が光の点なんてシロエには見えなかった。

 目を凝らしてみる、やっぱり光点なんか……ってあれ?

 空に薄く光が走ったように見えた、ほんの一瞬だったが……

 

「見えたか主君」

「みえたけど……一体何の光だろう……何かのイベントのフラグでも手に入れたのかな?」

「まぁ行ってみればわかるんじゃないか? おそらくこの近くだろうし」

「それもそうか……ちょっと帰るのが遅くなるけど付き合ってくれるか二人とも」

 

 シロエがそう聞くと、二人は頷いて答えた。

 

「確かこっちのほうだった気が……アカツキさん、何かあるかわからないんで、一応姿隠してもらってもいいですか?」

「訓練にもなるだろうしな、心得た」

「それでその、その主君ってのやめない? 普通に「シロエ」って呼んでほしいんだけど、仲間なんだし」

「じゃぁ、私のことも『アカツキ』って呼び捨てにして?」

 

 見上げてくる視線にため息だけを吐くと、横で直継が笑っていた。

 

「直継笑うな……」

「……それじゃぁ、いくぞ主君」

 

 そういうと音も立てずにアカツキは姿を消した。

 

「さすが……」

「あのちみっこは、強いちみっこだな!」

 

 そう直継が言うと、音もなく視覚外から飛び膝蹴りが直継にヒットし、今度こそアカツキは姿を消した。

 

「大体この辺りだと思うんだけど……」

 

 茂みをひとつ越えると、そこには二人の<<冒険者>>と思わしき人物が居た。

 

「君たちは、さっき落ちてきた城の関係者ですか?」

 

 できるだけ、警戒心を煽らないような言葉で声をかける。

 シロエの言葉をどう受け取ったのか、黒を主体とした防具を身につけている少年は、もう一人を庇うように前に出た。

 

「あんた達は?」

 

 この反応を見る限り、NPC……大地人ではないらしい、とはいえ、完全にNPCではないと否定できないのだが。

 ステータス画面を開き、名前を確認する、黒いほうが「キリト」緑の女の子は「シノン」となっていた。

 

「僕はシロエ、そしてこっちは……」

「俺は直継。よろしくな! 時にキリト君は……オープンなのか、むっつりなのかどっちなんだい!」

「直継……、ごめんねこういう人なんだ」

「こういうってどういう事だよ! シロエはむっつりだからな! もっと開放的にオープンにならないと!」

「はぁ……」

 

 直継の話を聞いた後、キリトが纏っていた警戒心が幾らか解けた気がする、直継に目配せをして、喋る主導権を渡してもらう。

 

「それで、君たちはあの城から落ちてきたんですか?」

「そうです、浮遊城アインクラッドから来たんです、ここはどこですか? メニュー画面も違うものになって非常に使いにくくて」

 

 ……どうにも話がかみ合わない、確かにあの事件の後メニューは使いにくくなってる、けど「アインクラッド」なんて名前聞いたことがない――

 考えられる可能性は……

 

 一つ、このキリトとシノンというプレイヤーがノウアスフィアの開墾によって導入されたNPC

 二つ、あの城とこのプレイヤーが何らかの方法でログインした別のMMOプレイヤー

 三つ、僕たちと同じように、事件に巻き込まれた別のMMOプレイヤーとその場所

 

 この辺りか……共に行動する方がデメリットよりも、メリットのほうが間違いなく多いだろう。

 知らない場所の情報、そして見たことのない種族……この世界になってからは攻略サイトや、情報サイトなんてみれなくなったし……

 情報を手に入れれる手段は、やはり多いほうがいいのは間違いない。

 

「なぁ、シロエ俺は数年このゲームを離れていたからわかんねーんだけど、アインクラッド、なんて場所ないよな?」

「うん……そもそも空を飛ぶ城なんてこのハーフガイヤ・プロジェクトが採用されている、エルダーテイルの世界には……」

「エルダーテイル? ここはアルブヘイム・オンラインの世界じゃないのか?」

 

 シロエがその言葉に反応する、間違いない彼らはこの世界に巻き込まれた別のMMOプレイヤーだ。

 

「キリト君、とシノンさんよかったらこの数日の話をこちらからしたい、そのかわり……」

「俺たちの話をしろってことだな?」

「頼めるかな?」

「……わかった」

「それじゃ、僕たちから話させてもらうよ」

 

 シロエは近日に起きた出来事をキリト達に話をし、ついでにメニューの使い方を教えた。

 するとキリトはインベントリから剣を一本だし、背中に装備した。

 シノンは弓を装備している。

 

「なるほど……この世界はエルターテイルというゲームの世界だと……」

「キリト、でも私たち……」

「わかってる、可能性としてはありえなくもないけど、そんなゲームやアニメみたいな話が……」

「と思っていたんだけど、現実問題僕たちの意識はゲームと一体化してるから……、それでキリト君そちらの話も教えてもらってもいいかな?」

 

 キリトは頷いて、キリトがすごしていた世界の話をし始めた。

 

「なるほど……VRMMOが確立した世界か……少なくとも僕が知っている現実ではないね、直継は?」

「そんなものあったらMMO祭りだな!」

「というわけです」

「なるほど……少なくとも俺たちが知っている世界ではないのか……」

「そういえばお仲間とは念話はできませんか? できるようでしたら一度していただいたほうが……」

「ね、念話?」

 

 シロエが念話について解説すると、キリトは慌ててメニュー画面を開いて、フレンドリストを確認する。

 キリトとシノンは少し離れたところに居て、会話の内容は聞こえてこないが、表情から見ると無事のようだ。

 

「ありがとうございます、シロエさんおかげで仲間と確認が取れました、しかし……海の上に落ちたらしく、今どこにいるかぜんぜんわからないそうです。いく手段もありませんし……」

「そうか……」

「参謀! キリト達をアキバの街に招待しないか?」

「え?」

「このまま分かれても後味悪いし、何かすべきごとがあったほうが俺はいいと思うんだけどな!」

 

 ――直継言葉を聞いて、シロエは考えた、確かにキリト達を仲間の下へ案内する、導くというのは人助けにつながるし、何より僕達なら出来るかもしれない。

 

「申し出は嬉しいんですけど、仲間の一人……クラインというプレイヤーがススキノという街で復活したらしいので、俺とシノンはそっちに向かいたいと思います」

「ススキノに……? 確かに歩いてはいけなくはないだろうが、425キロあるぞこの世界では、準備なしで行くのはちょっと厳しいぞ!」

 

 直継が代弁して言ってくれた、するとキリトとシノンの表情が一層暗くなった気がした。

 

「とりあえず、二人とも一度アキバの街にきませんか? ススキノに行くとしても、一度準備してからじゃないと、クラインさんって方は念話が通じてるところを見ると、無事みたいですし」

「そ……そうですね、すいませんがお世話になってもいいですか?」

「もちろん、パーティー結成祭りだぜ!」

 

 シロエは一歩踏み出して手を差し出す、キリトはそれを握り返し、握手をした。

 

「改めて、僕の名前はシロエ、職業は〈付与術師〉《エンチャンター》レベルは90」

「俺は直継、職業は〈守護戦士〉《ガーディアン》同じくレベルは90だぜ!」

「そういえば自己紹介がまだだった……、名前はキリト、ステータスを見る限り職業は……アインクラッド流剣士? レベルは90」

 

 アインクラッド流? とシロエが口に出しそうになるが、まだシノンの自己紹介が終わっていない。

 

「私はシノン、職業は……〈暗殺者〉《アサシン》になってるわね、レベルはキリトと同じ90、っていうかキリトアインクラッド流剣士って何?」

「お、俺が聞きたいよ」

「少なくとも、キリト君に関しては、公に職業は言いふらさないほうがいいね」

「だな、嫉妬祭りになるぜ!」

「あぁ……やっぱりそういう扱いなのね……」

 

 キリトがため息を吐くのを見たシノンが笑っている。

 

「どうやら、悪い連中ではなさそうだな」

 

「僕達冒険者とほとんど変わらないみたいだね」

 

 お互いが、お互い聞こえないように会話する。

 キリトの職業については少し考えることが必要かもしれないが、プレイヤーとしては気になったところはあまりない、どちらかといえば好印象な感じだ。

 

「そういえば、シロエさん、俺のことはキリトで呼び捨てで構わないよ」

「僕もシロエって呼んでくれたらいいよキリト」

「わかった、それじゃすまないけど、あんない頼めるかシロエ」

「わかった、話をしながらアキバの街を目指そうか」

 

 シロエ達はキリトを引き連れて、アキバへの帰路についた。




キリトからすれば、シロエや直継は見た目年上なので、丁寧そうな口調で話すのかな?と思って書きましたが、
MMOの中なのでそんなことはないかも? とか思いつつ……
敬語使わないかなぁ……やっぱり。

SAOのメンバーって基本的にログ・ホライズンのメンバーより年下なんですよねー

独自設定云々
Q&A

Q.職業アインクラッド流剣士とは?
A.ソード・アートオンラインの時代から使われているアバターを使用した場合出現できる職業、スキルスロットが二つ開放され、攻撃用のスキルと、補助スキルをセット出来る。
 ユニークスキル持ちは、三つのスキルスロットを持ち、二刀流 片手剣 隠蔽 といったスキルスロットになる。この場合 片手剣と隠蔽は自由に変更できるが、二刀流は固定である。

Q.アインクラッド流剣士にはなれないの?
A.アインクラッド22層に出現したNPCに話しかけると、サブ職業「アインクラッド流見習い」を所得することが可能、それを使い込むことで「アインクラッド流剣士」になることが出来る。
 ただし、セット出来るスキルは一つ、尚且つゾーン保有者が、「アインクラッド流剣士」及び「アインクラッド流師範」でないと、「見習い」はスキルの使用は出来ない。
 その代わり、浮遊城アインクラッドでは、見習いでも自由にスキルの行使が出来る。
 見習いは、エルダーテイルの世界の住人でもなれることは可能。

Q.ALOで使えた魔法は?
A.サブ職業「スプリガン」「ウンディーネ」等の場合は種族専用の魔法は可能、威力はエルダーテイルに合わせている。
 エルダーテイルの住人は浮遊城アインクラッドに赴き、NPCからクエストの達成報酬で、「スプリガンの弟子」「ウンディーネの遣い」等のサブ職業を取得できる。
 
Q.現在のキリトの職業は?
A.職業:アインクラッド流剣士 スキルスロット 二刀流 片手剣 索敵 サブ職業:スプリガン 種族:妖精族

Q.妖精族?
A.空を飛べることが出来なくなった妖精と言う設定です、しかし空は飛べませんが、推進力を得ることは出来るので、壁走り等が練習すれば出来るようになります。

次はPK戦を経て、ススキノに向かう原作に沿って行きたいと思います。

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