ログ・ホライズン ~落ちた浮遊城アインクラッド~   作:マスカルウィン

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序盤の露天風呂は趣味で露天風呂入っている時に思いつきました。
特に書く必要ないけど書きたかった。
とりあえずこれで原作のストーリーに戻ります。
基本的にオリキャラは出てない……はず。

この作品ではユージーン将軍が滅茶苦茶頑張ります。
何か虐げられてるぐらいに頑張ります。
台詞ばっかりの回で少々読み難いかもしれません。


第十四話 アインクラッド編

 カポーン

 露天風呂にいい感じの音が鳴り響く。

 

「いやぁ、やっぱりここのお風呂は何度来ても気持ちがいいですね」

「そうねぇ」

「クラインの馬鹿がいないから、覗きに来る連中もいないしね」

「後はキリト君と一緒に入れたら最高なのに……」

「アスナさんそれはここでは思っても言わないで下さいお願いします」

「探索の疲れが取れるようだ、気持ちが良いな」

 

 アスナ、アリス、リーファ、シリカ、リズベットの女性陣は最近オープンした露天風呂にご熱心だ。

 

「んー、でもやっぱりSAOの時のお風呂とはやっぱり違うわね」

「違うってどう違うんです? リアルとは殆ど大差ないと思うんですけど」

「そこが違うの、SAOの時はやっぱり違和感があったんだけど、この世界のお風呂は違和感がまったくないもの」

「私は、SAOにログインしてないからその違和感がわからないですけど、つまりどういう事なんです?」

「アミュスフィア……ううん、ナーヴギアよりも情報量が多いのかな」

「アリスはどう? なんか違和感を感じる?」

「そうだな……。身体自体に違和感を感じる。 受け取るものが多いと言うか、説明が難しい」

「んー? なんだろ」

「感じる部分が増えたと言うか――、うんやはり難しい。 だが、なんとうか面白いな……ひゃっ!」

 

 アスナとアリスが真剣に話しをしている間、リズベットが後ろに回りこみ、アリスの胸を思いっきり揉む。

 

「ほほぅ、可もなく不可もなくといった具合ですかねぇ……」

「リ、リズベット! 何をする!」

「リズって呼ぶまで揉み続けますー」

「そんな事のために胸を揉むな!」

 

 そんな不幸なアリスを横目にシリカは考えていた疑問を吐き出した。

 

「どうして私達のアバター、現実世界に近い物になってるんでしょうかね?」

「そういえばそうよね、SAO帰還者のアバターってはっきり言えば成長する前に取ったやつだもんね」

「はい、そうなんです。 だから現実世界の身体より小さいはずなんですけど……」

「変わんないじゃない」

「むー、リズさんだって殆ど変わってないですけど私はキチンとこの数年で成長してたんです!」

「何よ! 私だって成長してたわよ!」

「あーあの、リズさんもシリカさんもその辺でー……」

 

 リズベットとシリカの目がキラーンと光る。

 あれは獲物を目標に定めた目だ。

 

「リーファちゃんはいいよねぇ……スタイルもいいし、 む・ね! もあるしぃ……」

「本当ですよぉ……アバターだけかと思ったら私より年下のはずなのに、背も高いし胸もあるなんてぇ……」

「「そんな人は! こうしてやる!」」

 

 リズベットとシリカは二人で勢いよくリーファに向かって飛び込む。

 

「こら二人共、やめなさいって!」

 

 アスナがそう叫ぶと、銭湯の入り口から人の気配を感じて振り向く。

 そこには黒髪のどちらかと言えば可愛い系列の女の子が立っていた。

 

「こんにちは、楽しそうですね」

「あはは、すいません。 リズ! シリカちゃん他の人の迷惑になるからストップ!」

 

 アスナがそういうと、リーファがようやく拘束から開放され、洗い場で倒れこんでいる。

 

「やりすぎちゃったかな……」

「やりすぎです!」

 

 知らない人の乱入によってか、その後は粛々と小さい会話があるものの、静かなお風呂になった。

 アスナが入ってきた人の名前を確認するとサチとなっていた。

 

「サチさん。 初めましてですよね?」

「はい、はじめましてアスナさん」

「えっと、血盟騎士団団長アスナさんにお願いがあってちょっとお風呂一緒にさせて頂きました」

「――、なんでしょうか?」

 

 アスナの声のトーンが一段階下がって、和気藹々としていた空気が一瞬で固まる。

 他のみんなも普通にお風呂に入っている様に見えるが、アスナとサチとの会話に耳を傾けている。

 

「そんなに難しいお話じゃないですよ、ただ、キリト達が試練を迎えるので助けてやって欲しい、との事です」

「……それは誰に頼まれたお願い事ですか?」

「貴方達をこの世界に招き入れる要因になった人物――『茅場晶彦』です」

「貴方は――何者?」

「茅場晶彦によって、貴方達より早くこの世界に来たプレイヤーですかね」

 

 

 その後風呂から出た、アスナ達は緊急会議を開いた。

 

「つまり――、キリト君達がいる大陸で何かしらの問題が起きそうになってて、それを解決して欲しいと?」

「と、茅場晶彦は言っています」

「――ここで茅場先生の言葉を聞く事になるとは、ちょっと予想外の展開だね」

「えぇ、あの人が原因か……まだまだ厄介ごとになりそうな気がするわ」

「茅場先生が直接キリト君を助けるわけにはいかないから、我々に協力を命じた、その上で君をここに寄こしたってことでいいかな?」

「それで合ってます。 前にユージオさんに会っていますよね? 私はあのユージオさんと似た境遇が私です」

「なるほどね。 ユージオ君も茅場先生に言われて我々を助けに来た、というわけだ」

 

 クリスハイトは納得をしたのか、サチさんにこれ以上質問がないといった風に手を広げて席に座った。

 

「でも助けに行くって言ったって、どうやって? アスナとキリトが共有しているドラゴンじゃ限界があるでしょう?」

「サチさんからそれも貰ってる、向こうの大陸の人たちが作ってる蒸気船……の小さいやつの設計図」

「茅場先生は凄いね、どうやってそんなものを――ってあの人なら作れそうではあるけど」

「それで、ここのメンバーに問いたい、この話しに乗るか、乗らないか」

 

 他の5人のメンバーにアスナは問いかける。

 ちないにアスナは言わずともわかるだろうが賛成側の人間だ。

 

「んー、私は賛成かな? 向こうの大陸には渡る術があるならさっさと渡っておきたいね」

「私も賛成側の人間だ。 しかし――向こうの大陸に私達の存在が知られるという事は、向こうの大陸の問題に巻き込まれる可能性があるという事も忘れないで欲しい」

「俺は勿論賛成だ。 キリトとはもう一度戦いたい」

「えー……そういう理由なんですか」

 

 アスナが少々困った風にユージーンに聞くと、大きく頷いた。

 

「あ、僕は反対だよ。 茅場先生がこの状況を作ったのならば彼の話しに乗り続けるのは正直怖いからかな? でも茅場先生の話に乗らないとこの状況が打破できないのはわかってるから……しょうがないから行ってよしって所かな?」

「私は――、私は反対だ。 向こうの大陸の問題に巻き込まれる可能性があるのはさっきも言ったとおりだが、何かこう嫌な予感がする流されたままと言うのは、やはり怖い」

「アリスのいう事はわかるんだけどさー。現状ボス攻略が上の階層も、下の階層も出来ない状態じゃ、打開策求めて行くしかないんだよねぇ……」

「それを言われると思ったので、とりあえず反対と言う言葉だけは言わせて貰った。 それに私もキリトに会いたい」

「そ、それを先に言うのはずるい! アリスさん! 私だってキリト君に会いたい! というか呼び捨て止めてくれます? 前にも言ったと思いますけど」

「アスナがキリトの恋人を宣言するなら、アスナだってキリトって呼び捨てにすればいいだろう?」

「そっ、それはっ!」

「あー、はいはいとりあえずその辺で終了で、この議会に選ばれた6人キリトに思いいれ多すぎるだろう、俺も含めて」

 

 ユージーンは大きくため息をつきながら言うと、アリスとアスナは大人しく席に座った。

 

「どちらにしてもキリト達とは遅かれ早かれ合流しないといけなかったんだ、階層攻略のためにも」

「え、えぇそうね、私もそう思ってたわ」

「絶対嘘ですよね」

「絶対嘘ね、キリトに会いたい一心だったわ」

 

 リズとシリカはしきりに頷きながら言う。

 リーファはそれを見ながら苦笑……複雑な表情を浮かべていた。

 

「これ以上ややこしくしないでくれ頼む……。 とりあず探索は後回しにして……というか階層ボスが突破できない以上探索に割く人数は少なめでいいだろう。 この小さい蒸気船の作成を急ピッチに行わせてもらう。 そして蒸気船に乗るメンバーは俺が一任して勝手に決めさせていただく。 正直こうなると思っていたからある程度人数は絞ってきた。 異論は認めん」

 

 ユージーンはブーイングが飛び交うなか、疲れた表情で淡々と議題を進めていく。

 

「そういえば、サチさんは同行するんですか?」

「いえ私はこの役目が終われば、茅場さんの元に戻ります」

「それならば話しが早い、メンバーを発表する」

 

 ユージーンが提示したメンバー一覧をいつの間に用意したのか、ホワイトボードに張り出す。

 

 先遣隊

 アスナ エギル サクヤ タカシ

 

 本隊

 アリス シリカ リズベット クリスハイト ルクス リーファ タカシ

 

 ※タカシは船の操舵として同行する。

 

 

「……なんとなく理由がわかる組み合わせなので文句が言えないです」

「私とシリカは後の方がいいよね、やっぱり邪魔になるしなにより人数乗ると船のスピード落ちるし」

「だとしても何で俺が先発隊に選ばれているんだ」

「そりゃ、エギルさんだからね」

「エギルさんですもん」

「俺ってなんなんだ――」

「私としては不服が残る組み合わせですが、ユージーン将軍、騎士タカシには一刻も早く帰ってくるようにお願いします!」

「お、おう伝えておく」

 

 アリスとユージーン将軍が話している間サチがゆっくりと出口に向かう、役目が終えたと言わんばかりに何も言わずに去ろうとする。

 その背中にアスナが声をかけた。

 

「サチさん! もう……行くんですか?」

「私の役目はもう終わりましたから、貴方達にコンパスと図面を渡すのが私の今回のお仕事です」

 

 静かに笑う彼女の笑顔には悲しみが感じられた。

 

「アスナさん、一つだけお願いがあるんですいいですか?」

「私に叶えられる事なら――」

「――キリトの事、お願いします」

「えっ?」

 

 サチはそれだけ言うと会議室の出口から外にでる。

 アスナも慌てて出かけるが、そこにはサチの姿はなかった。

 




ユージーン将軍「俺戦闘厨だったんだけど……」
サクヤ「頑張れ、応援しているぞ」
将軍「(´・ω・`)……」


ユージーンは間近でモーティマーの様子を見てたから、内政とか空気とか読める勝手なイメージ。
後領主だし、色々面倒事頑張ってもらう予定です。
アインクラッドに残るのは、ユージーンとアリシャです。
アリシャも連れて行って、キリトハーレムパーティーとか思ったんですけど、アリシャさんにはちょっと役目があるのでアインクラッドに居残りです。
会話メインになると誰が喋ってるかわからないんですよねー、難しいです。
正直読み辛い……。

※ルクスはガールズ・オプスに登場する彼女です。
※タカシは アリシゼーション(WEB版)で登場するモブAぐらいの立場のプレイヤーです。

ルクスに関しては使えるキャラはどんどん使っていこうって感じです。
タカシは――、なんかここでオリキャラ出すのもどうなの? って思ったので無理矢理引っ張ってきました。
カゲムネでもいいかなー? って思ったんですけど、普通の扱いやすいキャラ欲しかったのでタカシを(ry

次回からは、年少組みの合宿と、イースタルからの招待状……そしてゴブリン王の帰還をやっていきます。
全10話ぐらいで終わればいいですね(白目

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