やおよろずっ!!   作:グラゼロ

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連続投稿三話目、
ふん、今日はこれくらいにしといてやるよ……


幼なじみは良く分からん

それは次の日の朝のことだった。

今日も学校か……なんて小さく呟きながらキッチンをめざす。

ふと気づいた。ダイニングルーム(兼キッチン)から明かりが漏れているのだ。

もしやと思って急ぎ足でダイニングルームに入る。すると案の定、

「や、おはよう!天万。」

レイが飯を食っていた。

一応恐る恐る聞いてみる。

「おう、おはようレイ、ところでお前、何食ってる?」

 

「昨日の残りのご飯だよ。炊飯器に入ってたから、」

 

「そ、それならいいが、」

良かった。冷蔵庫なんかを漁られてなんかいいもん食ってたら怒り狂うとこだったと思う。

だが、レイがご飯に何かをかける。なんだろうと思い覗いてみたら、

「やっぱご飯には明太子だよね!」

そう言いながら昨日俺が少し贅沢をして買った、明太子がかけられていた。

それを見た俺はたちまち声を荒げて言う。

「お前何して腐っとんじゃ!!」

 

「な、なに!?」

貴様、よくも今日の朝の楽しみを……

「今の明太子は高かった……高かったぞー!!」

 

「フリ○ザ様!?」

そのご飯に置いている分はもらおうと奮戦するがいかんせん、消しゴムに逃げられた。

「こんのクソガキが!!」

 

「クソガキ?こんなナイスバディーがガキですか?」

 

「なぁにがナイスバディだ。胸も中途半端なサイズだろうが。」

俺が反論するとどこからかプチッと聞こえたような気がした。

あ、消しゴムから出てきた。

「今のは(精神的に)痛かった……痛かったぞー!!」

 

「台詞そんままじゃねーか!!」

俺は少しひねったのに……

「なら、天万!君だって腕長いじゃん!!」

 

「ごはぁ!!」

俺は少し腕が長い。友達は便利そうでいいなとかほざくが俺にとってはコンプレックス極まりない。

「なんで知ってんだよ……」

 

「仮にも神よ。ハ○ゴッグ君?」

 

「いくらなんでも腕長すぎだろ! しかもマイナー!?」

俺は好きだけど、ハイ○ッグ

「けど、大丈夫! 私が君の分作っといたから、」

 

「マジか!」

 

「マジよ」

良かった。飯作れるやつがいてくれたら幾分かは楽になる。それにこんな奴とはいえ女の子に作ってもらった料理っていいじゃない。

「ところで何作ったんだ?」

 

「えーと、なんでもアメリカの料理らしくてね」

外国料理ですか、良いですね

「ミソスープって言うらしいの。」

 

「ただの味噌汁じゃねぇか!!」

俺は好きだけど、味噌汁

家は味噌汁とお茶をすする音で包まれた。

 

 

「ということがあったんだ。」

 

「ふーん、大変だね。」

現在、俺は学校で我が幼なじみと話していた。

やっぱ休み時間は癒されないとね! そうしないとやっていける気がしない……

「で、どこまでがホントの話?」

 

「おう、『家は味噌汁とお茶をすする音で包まれた』って所まで……って、疑うなよ!」

 

「こやつ、さり気なく最後までをホントと言い張っておる……」

やはり信じてくれないか……

薄々そりゃあ、そうだよな、とか考えてたけど、

「ちっ、めんどくせ……」

 

「自分から話を振っておいて……ダメだよ、それ天ちゃんの悪い癖!」

 

「うるせぇよ美恵、人の苦労も知らんと……」

こいつは赤土美恵(せきどみえ)一応幼なじみだ。なんやかんやで幼稚園の頃から一緒だ。今までもよく一緒に遊んでいる。

「俺も胡散臭いと思ったけどさ、消しゴムの中に入るんだぜ、認めざるを得ない。」

 

「なら、証拠を見せてよ。」

 

「ホント、お決まりのセリフだよなぁ。」

 

「そこ、こんなこと言わない! 私 だってそう思ったんだから。」

こんなやりとりどっかで見たかもしれん。そうか、昨日か……デジャブ、

「と、ところでその女性ってどんな人なの?」

美恵が首をかしげながら聞いてくる。信じてなくても気になるものなのか? まあ、これも証拠の一つだし言っておくか。

「人のお楽しみを奪うような奴だよ。むだに見た目はいいけどな。」

そう言ったら両頬をぷくっと膨らます。おお、両頬引っ張りてぇ……ていうか、なんだなんだ?

「……綺麗な人なんだ、」

 

「あ、ああ、無駄にな。」

なぜもう一度確認する、俺のことがそんなに信じれないか?

大事なことなので二回確認しました。ってやつか?

とりあえず話を逸らしておこう。

「もうすぐ授業だ。ほら、席に戻れよ。」

 

「はーい、分かりましたよーだ!」

少し不機嫌な返事をして俺の後ろから立つ。…………何故? 何かあったのか?

「綺麗な人だからってデレデレしてるんじゃないわよね……」

 

「あんだって?」

 

「何もないよ、バーカ!」

よく聞こえなかったから聞き返しただけなのに酷い言われ様だ。

あいつはそんなに俺のことが信じれないのか、幼なじみだろお前……少しくらい信じてくれても、ってそれは無理な相談か、

ったく、幼なじみは良く分からん。


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