気まぐれな神による英雄伝説   作:ガルGC

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「((φ( ̄Д ̄)ノ今回もやるぞ!
 アノウィン君による、第五回武器講座を
 ≡≡≡ヘ(*゜∇゜)ノスタァァァァァァァァァァァト!!」

「講座のスタートより、走るスタートに見えるぞ」

「失礼な、講座も走りも両方スタートしてるよ」

「両方やってるのかよ!?」

「(-。-;)ふぅ~、走った走った」

「開始五行で終了だと!?早すぎるぞ!」

「( ̄o ̄)そー?
 ( ̄△ ̄)あまりそう感じないけど
 ( ̄o ̄)マドネス君の気のせいじゃない
 ( ̄△ ̄)あぁ~疲れた 」

「会話の中でそんな大きく深呼吸をするなよ
 しかたねぇから俺が代わりに紹介しておくぞ?」

「よろしく~ヽ(´~`;」

「その顔がムカつく…まぁいいだろう
 今回の紹介する武器は忍者が使うクナイだ」

「第4話で使ってたやつだね」

「クナイはサイズが13~15cmの物を大クナイ
 8~10cm程の物を小クナイと言って
 使用方法は様々で色んなことに使うことができる」

「箸の代わりに使用することも」

「無理だ、てなわけで俺の説明は終了だ」

「そっか、じゃあいつもので締めようか?」

「そうするか」




「「以上、役に立たない武器講座でした!」」
 


第9話

 

~sideヴァン~

 

 

あれから特に何も起きず一年が過ぎた、本当に何もないぞ?

武器の依頼や人形兵器の開発、バイクの魔改造など

この一年は特に何もなかった……要するに暇な時間が長い

 

武器の依頼は変わったところはないが

人形兵器の開発は…………もう少しだな

向こうで完成した奴と合わせればやっと三体目か

 

型は完成しているから、後は内部だな

基本である人型じゃないから難しい、それに組み込むシステムもあるしな

後は、アレとコレとアレを入れる予定だから……なんで自らハードル上げているのだろう

 

バイクに関してはようやく完成した

何が完成したかだって?ふっふっふっ……やっと走行が可能になったのだ!

これで空、陸の移動が可能になったバイク……嬉しさで涙が……

 

ただ、バイクを魔改造したことで一つ変わった点がある

それは、バイクのサイズが中型から大型になってしまったこと

まぁその分、時速が1000セルジュから2300セルジュになった

 

試運転したが……中型と比べるとやはり化け物だな

風と時のクオーツを組み込んでいるのだが、発動したら俺が耐えられない

時速が二倍どころではすまないし、周りの被害がでかすぎる

 

後は、武器にあるシステムを組み込んでの実験だな

最初はうまくできなかったが、最近になってようやくできた

まだ一部の武器にしか組み込んでないが、その内すべての武器に付ける予定だ

 

まっ、それでも暇ということには変わりないので

 

「暇だな~」

 

あ~、何か刺激的なことないかな~……面倒ごと抜きで

 

「そんなことを言いながら、何で私に向けて棒を振り回すのですか!?」

 

ナギが俺の攻撃を避けながら、そんなことを言う

ただの棒だと?ふっ………

 

「馬鹿者、これは六尺棒と言うのだ

 分類で言うならば確かに棒だが、棍にも含まれているから半分正解だ」

 

「どうでもいい情報ですよ!?」

 

どうでもよくないぞ?六尺棒は棍・棒の基本と言える物なんだ

………簡単に言えばただの棒なんだがな、別に手抜きじゃない。そういう武器なんだ

 

「ナギ、武器は避けずに捌くんだ!

 お前の武器は拳であるため、どうしても相手に接近しなければならない

 相手の攻撃を避けてばかりいたら、いつまでも相手に近づけないぞ?」

 

「わかっていますけど、難しいんですよ!」

 

ナギは棒に触れようとせずに足捌きだけで避けているが

それでは体力の減りが大きく行動は長く続かない、そのため……

 

「はっ………はっ……くっ!」

 

ほら、どんどんスタミナが減って避けれなくなっているぞ?

 

「相手の攻撃を捌くということは、攻撃を掻い潜り

 相手の懐に飛び込むことを可能にする、つまり―――」

 

ナギが突き出した右拳を左手で滑らせ、右手に持った棒をナギの喉元に突き出す

 

「――こんな風に相手の攻撃を防ぐと同時に攻撃することが可能だ

 また、柔術だとこのまま投げ技に持ち込め相手を投げることが出来る……わかったか?」

 

「ぅう………わかりました、だから棒を早く退かしてください」

 

本当に分かっているのか?とりあえず寸止めしていた棒をナギの喉元から離しておく

 

「はぅ……怖かったです」

 

ナギがヘナヘナ~と足から崩れて、その場に座り込む

そんなに怖かったか?確かに喉元に棒を突き出されたら怖いだろうけど

 

「ナギ、捌きを使えるようになれば一気に攻撃の幅が広がるんだ

 相手の力を利用し自らの力に加えて放つ、それだけで十分強くなれる」

 

「うぅ……わかっていますけど難しいです、簡単な方法とかないんですか?」

 

「こればっかりは簡単や難しいよりも感覚だな

 攻撃の方法は人其々だ、武器によって捌き方なんて全然違うからな

 それに捌き方なんて人によって違うから教えようもないんだがな」

 

「……ならどうやって覚えるんですか?」

 

「お前は話を聞いてたか?人によって捌き方は違うんだ、様は感覚を掴めば良い」

 

「感覚……ですか?」

 

「そう感覚だ、そのために俺は色んな武器を使って訓練を行った

 そうすることで慣れをなくし、お前自身の感覚を研ぎ澄ますことができるんだ」

 

「そうだったんですか……じゃあ特訓で、ハリセンやタライを使ったのって」

 

「それはただの遊びだ、実践とまったく関係ない」

 

「あの時の訓練は遊びだったんですか!?」

 

「正直に言えば遊びだったが、何か?」

 

「酷い!!」

 

何が酷い!!だ。ハリセンで何回も飛ばされたくせに

そういえばタライで戦った時は楽しかったな、ナギの攻撃をタライでガードしたら

ナギが痛さのあまりに手を押さえてたな、流石ゼムリア・ストーンで作った最強のタライだ

 

「何でタライをゼムリア・ストーンで作ったんですか!

 私、あの時あまりの固さに拳が砕けるかと思ったんですよ!?」

 

「ゼムリア・ストーンを十個使って何が悪い」

 

「開き直った!しかもゼムリア・ストーンを十個も使ったんですか!?」

 

「別に減るもんじゃないからいいだろ」

 

「あれって貴重な鉱物のハズですよね?!」

 

「何を言っている、俺の武器はすべてゼムリア・ストーンを使っているんだ

 それにゼムリア・ストーンはまだまだポケットに沢山入っているが、見るか?」

 

「何故ポケットに!?」

 

「それは言えないな」

 

「どうして!?」

 

ポケットのことに関しては餓鬼がしたことだから……ん?もうこんな時間か

 

「ナギ、時間は大丈夫なのか?

 確かテレサさんに呼ばれてなかったか?」

 

「あ!そうだった」

 

確か約束の時間が………うん、五分ぐらい過ぎてるな

 

「わわわわわっ!時間が五分も過ぎてる!?

 兄さんがタライの話をするからですよ!」

 

「いや、話し振ったのお前だし」

 

「そうだった!」

 

てか準備を優先しろよ

 

「兄さん、行ってきますね!」

 

「さっさと行け」

 

ナギが玄関の扉を開け、孤児院に向かって走って行く

さて、確か今日は依頼がない筈だから人形兵器の製作の続きをするか

完成させるには地道に頑張る以外ないからな

 

ん?電話が鳴っている……こっちの電話機の方か

 

「はい、こちら”裏”アーマメント・オール……………」

 

 

 

 

~sideナギ~

 

 

約束の時間から五分過ぎちゃったけど大丈夫かな?

テレサさんのことだから怒らないとは思うけど、何か罪悪感が……あ、孤児院が見えてきた

 

「テレサさん、すみません!約束の時間に遅れてしまって」

 

「ふっふっふっ、気にしなくていいですよナギさん」

 

テレサさん優しい……!兄さんだったら説教コースなのに

 

「今、ハーブティーを淹れたのですがどうですか?」

 

「いただきます」

 

ゴクゴク……美味しい、流石テレサさんが淹れたハーブティー

偶にお店で買う物よりも味の深みが違う、やっぱりテレサさんが育てたハーブだからかな?

 

「そういえばテレサさん?今日って何かあるんですか?」

 

「ええ、ちょっと貴方に紹介する人がいまして」

 

紹介する人………?

 

「クローゼ?ちょっとこちらに来てくれませんか」

 

「?どうかしましたか先生?」

 

テレサさんの呼び掛けで出てきたのは女の人で

制服を着ているがとても清楚な感じが見ただけでも伝わってくる

 

「あの、テレサさん……?この人は?」

 

「始めまして、私はクローゼ・リンツと言います」

 

「あ、私はナギ・ソンブラです」

 

軽く自己紹介したけど私は未だに状況がよく分かっていないです

 

「テレサさん……?私、状況がまだ分かっていないのですが」

 

「そんなに警戒しなくていいですよ、彼女は昔

 この孤児院にいた頃がありまして、近くの学校に

 入学をしてからは時々遊びにきているのですよ」

 

「ナギさんですよね?先生にお会いした時に

 あなたの話が出まして、気になってたんです

 子供たちや先生のために来ていただいてありがとうございます

 

「……ありがとうって言うほどの偉いことはしていませんよ

 私は此処に来てテレサさんや子供達と遊んでいるだけですから」

 

「お優しいんですね」

 

「い、いや~……照れます」

 

なんか、こんな風に言われたことがないから照れちゃうな

 

「二人とも、イスに座って話したらどうですか?立ち話はあまりよくないですよ」

 

「すみません……」

 

「ごめんなさい……」

 

「ふっふっふっ……」

 

その後、クローゼさんが焼いたアップルパイと

テレサさんが淹れたハーブティーを呑み、私たちは会話を楽しんでいた

 

……………

 

…………

 

………

 

……

 

 

「すみません、態々一緒に来ていただいて」

 

「気にしなくていいですよクローゼさん

 私も途中まで同じ道なのでついでだと思って下さい」

 

あれから三時間ぐらい会話をしていたが

学校の門限が近付いて来たので、お茶会は中断

私はクローゼさんを送るために一緒に行動している

 

「ナギさんはいつも何をなさっているのですか?

 見たところ何かをやっているかの様に見えますが」

 

「私は毎日と言っていいほど鍛練してますね」

 

「鍛練ですか………?」

 

「はい」

 

それはもう、兄さんと組み手したり、投げ飛ばされたり

棒を振り回されたり、吹き飛ばされたり、タライで防がれたり

ハリセンで叩かれたり、お・は・な・しされたり……あれ?目に涙が……

 

「ナギさん!?大丈夫ですか?目が虚ろになっていますけど!?」

 

「クローゼさん、大丈夫ですよ?大丈夫ですから……ハハハハハハハッ……」

 

「全然大丈夫じゃないですよ!?寧ろ悪化してます!」

 

大丈夫ですからクローゼさん、しばらくしたら戻りますので

 

「ハハハッ……はぅ!私は一体何を!」

 

「よかった元に戻ったみたいで」

 

「すみません、また迷惑をかけて」

 

「気にしていませんよ………あ、ここまででいいですよ」

 

話している内に学校の校門まで着いた

 

「わぁ~、本当にデカイ学校ですね」

 

「ふっふっ、もし良かったら今度案内しますよ?」

 

「本当ですか!?是非お願いします!」

 

「許可が下りましたらね、また今度」

 

「はい!」

 

私はクローゼさんを見送り、その後

家に向かうために森の中に入り真っ直ぐ向かう

 

学校か………確か勉強する場所なんだっけ?

勉強は苦手だな……でも、他の人と一緒にお話とかできるんだろうな

……今度兄さんに頼んでみようかな?駄目元でも頼んでみよう

 

「ただいま~」

 

扉を開けるが返事がない

あれ?人の気配がしない………いないのかな?

 

家の中に部屋を見てくがどこにもいなかった

……何か嫌な予感がする、この胸の中のモヤモヤは一体

 

「兄さん………」

 

一体どこにいるのですか?

 

 


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