気まぐれな神による英雄伝説   作:ガルGC

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まだしばらく、本編には入りません。
 


第2話

 

~side???~

 

 

さて、到着か

周りは………木ばっかりだな

年齢も確かに五歳ぐらいだ、手が小さい

 

場所が………わからんな、英雄伝説という作品自体

知らないからな、この後に何をすればいいかなんてわからん

地図でも貰っておけば良かったか? どの道わからんが

 

あ、そういえば特典でアイテム無限だったか

いま着ているコートにでも入っているか? ………あったよ

地図を広げて……っと、………よし、わかったぞ

 

……此処はどこだ? 俺は何処にいるんだ?

元々原作を知らないから地図見たって意味ないじゃん!

あの餓鬼(神)~……! 場所ぐらい教えておけよ!

 

ガサガサガサガサガサ

 

ん? 今茂みが揺れた気がするな、何かいるのか?

 

ガサガサガサガサ

 

正直言って、動物なら有りがたいな~今お腹減ってるし

 

ガサガサガサ

 

そう言えば、この世界の生き物って何だ? 現実と同じであってほしい

 

ガサガサ

 

そうだな~、できるだけスタミナが付くものが良いかな?

 

ガサ………

 

そうだ! この森なら猪ぐらいはいるかな? 熊は年齢的に倒せないと思うし

……って、茂みが揺れがなくなったな、おっ! 角が見えるあ……れ………は?

 

ギャァォォォォオオン!

 

「……………」

 

………あれぇ? ちょっとおかしいな、角から判断するに猪だろうが……何か違う

例えるなら、そうだな………まるで、突然変異でもして大きくなった猪みたいな感じ

――――のが目の前にいます

 

「ブルッ、ブルッ………!」

 

さてさて、目の前にいる猪? (よくわからんが猪の分類に入れておき)が

興奮しているのか鼻息荒いな………じゃない! どうするよ! どうするのよ!?

今の俺はアイテムしか出せない唯の五歳だぞ! 武器だって持ってな――

 

いや待てよ、もしかしたら俺が使っていた剣が入っているかもしれん

ごそごそっと………おし、剣の柄を掴んでいる感触がある

剣があれば、この突然変異の猪ぐらいは倒せるだろう

 

服の中に手を入れ剣の柄を掴んでいる時、猪が突進を仕掛けてくる

 

倒すのは簡単だ、剣を使い猪の突進の力を利用しカウンターで――切る!

ただ、それだけのことだ

 

俺と猪の距離は、俺が後ろに下がったためか三メートル弱の距離だ

距離は十分、後はタイミングだけだ! この猪に人間様(実年齢:五歳

精神年齢:ちょめちょめ)が教えてやる!

 

※精神年齢は本人たっての希望により表記できません

 

猪が突進してくることで距離が二メートル、一メートルと近付き

俺に角が当たる十数センチのところで、俺はその勢いを利用し

猪に剣を振り落とすと――――

 

バッキーン!

 

と、いい音を出しながら………剣……が?

 

「折れたぁぁぁぁぁ!!」

 

なに!? なんで!? それより猪の皮膚が金属より固いのがおかしくない?

どうして、猪じゃなくって俺の剣が折れてるの!? 俺の愛剣がああぁぁぁぁぁ!!!

 

「ブルッ、ブルッ…………!」

 

ヤバいでしょ、いきなりで会ったのが突然変異の猪で

退治して飯にするつもりが、逆に俺の剣が折られてしまい

打つ手がない………俺って転生したばかりだよね? 始めの相手が強すぎないか?

 

とりあえずは………!

 

「ブルッ!」

 

猪が突進してきたのを何とか避ける、身体能力に関しては引き継いでいるみたいだ

じゃなければとっくに死んでるしな『ドッゴン!』って、何!?

 

俺が避けた場所、もとい猪が突っ込んだのはどうやら岩らしく角が刺さっている

 

いやいや、角が岩に刺さっている時点でもう猪じゃないよな?

これだけの強度があるなら、俺の剣が折れるのも当然か?

今の内に何か対策をしなければ、このコートには何か入ってないのか………!

 

げっ! 猪がこっちを見やがった、突進の姿勢に入ってるし

なにか! 何かないのか!このポケットの中には何かないのか!

ヤバいよ、猪が突進してきたよ! えぇい、とりあえずこの手に掴んでいる物で……えい!

 

俺が投げたのは白くて程良く温かい………

 

 

おにぎり←投げた物

 

 

終わったあぁぁぁぁ!! なんで? 何でおにぎりが入ってるの?

回復アイテムじゃないの? 俺のピンチに変わりないじゃん!

投げたおにぎりが猪に当たり……………爆発が起きただと!?

 

何故だ! 何故おにぎりで爆発が起きたんだ!?

この世界は食べ物を爆発物と扱うのか!? おかしいだろ!

俺の剣はおにぎり以下だというのか!

 

あっ、猪はどうなったんだ………消えてる?

どういうことだ? 焼け焦げたりするなら分かるけど、ん~……わからん

現状だとさっぱりだな、とりあえずこの後はどうするか……

 

ピッ、ピッ! ピッ、ピッ!

 

ん、何だこの音は? 服の中からか……?

一番音が大きいポケットに手を突っ込み何かを取り出す

………携帯電話? これの着信音だったのか……この携帯、初期のタイプだ

 

ピッ!

 

「はい、も『もしもし~!! はぁい、皆の神様からの電話だよ!

 えっ? 誰かわからないって~? ならば答えよ~~っう!!

 僕の名前はアノウィン・ゴットって言うから、よろしく!

 えっ? 会った時に名乗って欲しかった?

 チッチッチ、君は分かってないみたいだね~?

 ……ドッキリをする気持ちがまったくもって分かってない!』黙れぇぇぇ!」

 

お前の名前なんてどうでもいいわ!

 

『も~う……なんで怒っての? わからないな……』

 

「殆どの原因がお前だろうが!」

 

『えぇっ!?』

 

「驚くな!」

 

いちいちウザいなお前は……!

 

『まっいーや、君がいる場所はゼムリア大陸の西部だから……

 クロスベル自治州で良いよね? うん、合ってる

 で、君のアイテムの中に地図が有ったと思うけど広げてくれる?』

 

言われたとおりに地図を広げる

 

『地図の西側にクロスベル自治州があるよね?』

 

「ああ」

 

『そのクロスベル自治州の中心がクロスベル市

 北東にアルモリカ村、北西に鉱山町マインツ

 南西に聖ウルスラ医科大学、そして西と東に

 それぞれに、ベルガード門とタングラム門がある』

 

「門?」

 

『そうそう、ベルガード門はエレボニア帝国

 タングラム門はガルバード共和国の国境に築かれた関所

 君が今いるのは鉱山町マインツとクロスベル市の中間……だよ?』

 

なんで疑問形なんだ! というツッコミは置いといて

 

「俺が頼んだ小屋はどこにあるんだ?」

 

『………小屋?』

 

コイツはまさか……

 

「てめぇ、忘れたのか?」

 

『ギクゥ! ……はぁっははぁー!

 忘れるわけないじゃないか? 僕は神様だよ? とても立派なのを用意しているさ!』

 

忘れるのに神様は関係ないと思うが、てか絶対に忘れてたな?

 

『えー……っと、場所はね――――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処か………」

 

あれから数分、言われた通りに移動すると

森を抜けたあたりで、目的の場所に到着した

 

確かに、そこには小屋らしきものが見えてきたが

 

おかしいな、目が疲れているのか?

俺の目に映ってるのは小屋じゃなくって店に見えるんだが

………まいっか、中に入るとしよう

 

中は…………ふむ、中々だな

外見は一見古臭く見えたが、内装はしっかりしているようだ

武器屋としては良いほうだ………何もないがな

 

奥に行けば部屋もいくつかあるな

こんなに部屋があっても困るものだ

適当に使わせてもらうか

 

ん? 机に何か置いてあるな

手紙と……何だコレは? ……懐中時計? にしては…

それについては後でいいか、手紙を先に読むとしよう

 

『 やぁ、こんにちわ

  始めまして、と言うべきかな?

  私の名はキノウェル・ゴットといいます

  これでも君の担当している神の兄です

  弟が転生した世界の資料を送るのを忘れていたみたい

  なので、部屋の本棚に置きましたので確認してください

 

  追伸:弟が何かしましたら遠慮なく私に伝えて下さい

     地獄に逝くのすら生ぬるいお仕置きをしますので 』

 

……弟思いなのか、そうでないのかわからん手紙だな

手紙に書かれている通り、この部屋には通常の本棚と比べると

かなり大きいものだが、その中には本がギッシリと入っている

 

「………多くないか?」

 

見た限り、少なくとも1000は超えてるぞ?

別に少なくともと言っただけで絶対に1000よりは多い

………普通、本棚が部屋の端から端まであるか? 六段ある本棚で!

 

これは全部読むのは大変だぞ、はぁ~………

それにあの餓鬼、場所だけ教えて後は投げやりだったのかよ

次に会った時は……………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side神~

 

 

「Σ(゚д゚;) ヌオォ!?」

 

な、なに!? 何か凄い殺気を感じた!

っは、まさか!……

 

「……何をしている?」

 

「あ! 兄さん! ちょっと、聞いて! 聞いて!

 実は、仕事の休憩がてらポテトを食べながら

 テレビを見て、ジュースを飲んでゲームをしてたんだけど

 そろそろ仕事に戻ろうとした時、急に殺気を感じたんだ

 それで僕は考えた、何故僕に殺気が向けられたのかを?

 ……考えた結果」

 

「結果?」

 

「そう………僕の熱狂的ファンという結果が!!!」

 

「……………」

 

「いや~人気者は辛いな(;^ω^A テレテレ

 ………あれ、兄さん? 頭を抱えてどうしたの?」

 

「……なんでもない、それよりも……」

 

兄さんはそう言って、懐に手を伸ばして一通の手紙を渡してきた

はて? この手紙はどこかで見たような…………?

 

「これって、確か………

『(*゚∀゚)/人間ダーツで逝かそうぜ☆編\(゚∀゚*)』の?」

 

「色々間違っている、早く中身を読め」

 

え? 違うの?

 

「え~っと…………本日の清算ポイント?」

 

「ああ、ポイントは初日と送った世界にもよるが、その物語の

 平均的な時間で、次から清算ポイントが送られることになっている」

 

「ふ~~ん……? 兄さんの清算ポイントはどれくらいなの?」

 

「まだ貰っていないから分からないな………それよりも、確かめないのか?」

 

「そうだね」

 

さて、本日の清算ポイントは…………

 

「転生者を危険地帯に送り込む

 転生者の希望に従わなかった

 転生者に送った世界の状況説明をしなかった

 資料の転送を行わなかった

 アイテムの………って、長いわ!

 無視、無視、無視、無視………

 え~、以上の結果から

 アノウィン・ゴッドのポイントは………-1978ポイント!?」

 

初っ端からマイナス!? 何この微妙な数値!

 

「しっかりと仕事をこなさないからだ」

 

「はぁー……いきなりマイナスなんて、幸先悪いな……」

 

「……フッ」

 

「笑った! この神、僕の不幸を見て笑ったよ! 実の兄だろ!?」

 

「では、私は仕事に戻るからな」

 

「都合が悪くなったからって帰らないでよ!

 ………え? 本当に行っちゃうの? アンタ本当に僕の兄さんか!?」

 

「実の兄だからこそだよ」

 

「最後だけ答えやがったよ、この神は!」

 

その後、餓鬼は一人でどうしたらいいのかと

しばらく悩む事になったのは、また別のお話……

 

 


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