気まぐれな神による英雄伝説   作:ガルGC

17 / 19

パッ!

「皆様、お待たせしました」

デュルン!テン!テーテッテッテッテ……!

「第十一回!武器講座の!」

ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ……!

「ヾ(*゜∇^*)ノ~開・始・だ・よ☆」

パァッーーーーーーーン!

「「痛っ~た!何するの!?」」

「今度は一体何だ!最初にスポットライトが光ったかと思えば
 次に流れるのはドラムの音!そして、次に待ち構えてたのが太鼓!
 最後に現れたのはシンバルだと!?此処は合唱コンクールじゃないんだぞ!」

「だったら何で私まで叩くの!!」

「お前が楽器を使って演奏したからだろ!」

「マドネス君!時には紳士的に行こうとは思わないの!?」

「お前の行動で一度も紳士的行動なんてないだろ!」

「嘘だろっ!?」

「気付いていなかったのか!?」

「よ~し、今回は私が武器を紹介してあげる♪」

「僕のポジションを盗られた!」

「今回の武器はグレネードランチャーだよ☆皆、用意できたかな?」

「できねぇよ!」

「グレネードランチャーは、手榴弾または同程度の威力の
 擲弾を発射する武器、口径20mm以上の火器は砲として扱われることが
 多いけど、グレネードランチャーは例外的に銃として扱われることがほとんどなんだ」

「なるほどな」

「うぅー……僕のポジションが」

「良し!締めの言葉に、行ってみよう!!」





「「「以上、役に立たない武器講座でした!」」」



第17話

 

 

~sideヴァン~

 

 

ダルモアが捕まってから、一ヶ月

ルーアン市に少しだけ変化が起きた

簡単に言えばルーアン市に市長代理が派遣されたこと

 

他には、ツァイスで全ての動力が急に切れたという情報だ

危なかった、このときバイクで移動中だったからな

運が悪かったら上空からバイクと共に落ちるところだった

 

それともう一つ、ツァイスにいたラッセル博士という

有名な博士が誘拐されたこと、情報ではまだ発見されていないらしい

 

まっ、そんなことが一ヶ月で起きたわけですよ

当り前の事だが俺は一ヶ月だらだらと日々を過ごすつもりはない!

 

「よって、特訓だ!」

 

「第一声がっ!?」

 

「第一声を特訓と言って何が悪い、いつもやってることだろうが」

 

「まぁ、確かに……」

 

ナギも納得したところで、今日も特訓を始める

 

 

~sideナギ~

 

 

「さて、今回も組み手をするわけだが

 攻撃のパターンを増やしていこうと思う」

 

「攻撃のパターンですか……?」

 

私は手に手甲を付けながら兄さんの言葉に頭を傾げる

 

「いつもなら一つの武器で組み手をしていたが

 今回からは、一度の試合で複数の武器を使用する」

 

複数の武器を使うってことは……

 

「嫌ですよ!兄さんが色んな武器を使ったら対処できませんから!?」

 

「それを対処するための組み手だろうが」

 

そうだった!

 

「なら、せめてハンデを!ハンデを下さい!」

 

ハンデがない限り私が兄さんに勝つのは難しい

 

「ハンデ?……次の三つの内一つを選ばせてやる

 

 一つ、使用する武器は格闘武器のみ

 

 二つ、使用する武器は射撃武器のみ

 

 三つ、使用する武器は五種類まで

 

 ……さぁ、どれにする?俺はどれでも問題はないぞ?」

 

「む……」

 

兄さんが出した三つのハンデについて考える

 

まず一つ目のハンデは、格闘武器のみだから接近戦になると思うけど

兄さんが言った格闘武器は色んな種類があり、槍や棍棒みたいな長い武器も

もちろん使ってくる、そうなると近距離で戦う私が不利になるのでこのハンデはダメ

 

二つ目のハンデは、射撃武器だから遠距離攻撃になるから近付けばいいが

兄さんなら迷わず銃でも近距離で放って爆弾も使うので近距離もダメである

遠くから獅子弾功で攻撃しても先に私の気がなくなってしまうのでこのハンデもダメ

 

そうなると、一番まともなハンデは……

 

「それじゃ、三つ目の使用武器は五種類までをお願いします」

 

「……本当にいいのか?」

 

「はい、それで行きます」

 

「今なら、一つ目と二つ目がセットだけど……本当にいいのか?」

 

「はい、三つ目でお願いします!」

 

一つ目と二つ目のセットなんて、全武器を使うってことじゃないですか!

間違っても絶対に選びませんよ!?

 

「良し、始めるとしますか」

 

私は、腰を落とし軸足を前に出して構えをとる

 

いつもなら最初から武器を出して待機する兄さんは

武器を多種使うためなのか、手には何の武器も持っていない

これじゃ迂闊に攻めることができない

 

「来ないか…………なら、こっちから行ってみますか!」

 

兄さんはポケットから銃を取り出して発砲してくる

私は手に気を込めて地面に手を入れると、地面を持ち上げて盾にする

 

「やっ!」

 

私は土の盾で銃を防ぎ、今度は土の盾に回し蹴りを加える

 

「断盾散攻!」

 

蹴りを加えた土の盾は、破片となって兄さんに向かって飛んでいく

 

「ふんっ!」

 

兄さんは銃を終うと、くの字型の武器ククリを取り出し

飛んできた土の破片を全て切り裂く、狙い通り!

 

「はぁぁぁっ!」

 

兄さんが土の破片を切り裂いているうちに

私は兄さんの横に回り込み、拳を突き出す

 

「ちっ!」

 

兄さんは舌打ちしながらも私の拳をククリでガードする

ですが、それは囮です!私は兄さんをククリごと蹴り上げる

 

「っつ!」

 

ククリは壊れませんでしたが、兄さんは蹴りの威力で宙に浮き

私は、その無防備な背中に向けて気を込めた蹴りを繰り出す

私の狙いは最初からコレです!くらえ、日頃の恨み!!

 

「弐転爪脚!!」

 

「……あまいわ」

 

 

兄さんは空中で体を回すと懐から鎖のようなものを投げ

私の右足に巻き付けると自らの体を回転させる

え?ちょっと待ってくだ――

 

「――いったっ!」

 

思いっ切り地面に叩きつけられた

うぅ……………決まったと思ったのに

 

「油断すると危ないぞ?」

 

「!!」

 

咄嗟に反応して体を起こすと

私が、さっきまで倒れていた場所に金棒が落ちている

 

「兄さん……?流石に危なくないですか?」

 

その金棒が体に当たってたら洒落にならないんですけど……?

 

「大丈夫、大丈夫……たぶん?」

 

「そこで首を傾げないでくださいよ!!」

 

全然大丈夫じゃないじゃないですか!

 

「まっ、気を取り直して……攻撃再開」

 

兄さんはポケットから再び銃を取り出すと発砲する、その技は通じません!

 

「断盾!」

 

最初に使った土の盾を作り銃弾を凌ぐ、このまま散攻に繋げる!

 

「散こ「遅い」なっ!?」

 

散攻を使おうとしたら土の壁が外側から砕け

私に向かって土の破片が襲ってくる、視界が遮られた!

 

「ほらよっ!」

 

「うっ!」

 

目に土が入らないよう腕を交差していたら

手を上げていた為、兄さんが出した六尺棒で飛ばされる

 

「~~~~っ!!」

 

もろに入った……!痛みを感じながらも

なんとか体を起こし、手を腰の後ろまで下げる

 

「獅子弾功ッ!」

 

拳を一気に突き出し獅子の気弾を放つ

 

「しっかり集中して技を出せ」

 

兄さんは金棒を獅子弾功に向けて縦に振り降ろすと

獅子弾功は金棒の威力に負けてしまい、あっさりと消え去ってしまう

 

「ならっ!」

 

最後の力を振り絞り、足に力を入れ距離を縮め

渾身の力を込めた回し蹴りを兄さんに向けて放つ

 

ダンッ!

 

鈍い衝撃が響き渡る、それは蹴りが直撃した音である

 

「~~~~~~~~~っっっ!!?!?!!?」

 

……兄の持つ金棒に

 

「~~っ!~~~っ!!」

 

痛い!痛すぎて声がでない!?

 

「あ~……大丈夫かナギ?」

 

「~~っ!!!~~~~~~~~っっっ!?」

 

大丈夫なわけがないでしょうが!!金棒で防御とか何考えているんですか!?

しかもスネ!当たった場所はスネですから痛みは倍増ですよ!?

 

 

「ごめんなナギ……何言ってるか全然わかんないや」

 

「~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっっっっっっっ!!!!!!!!!」

 

このバカ兄ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side神議の間~

 

 

「さぁあ、さぁあ、さぁあ、さぁあ!

 やって来たぜ、俺の登場!やっと来たよ、俺の出番っ!!」

 

「……うるさい」

 

「おっと、ちょっと遅めのツッコミが来たがまぁいいだろう!

 さぁ~って!皆さんのお待ちかねの「……ちょっと」ん?どうした!!」

 

「……話しを進めるのは…いいけど……誰もわかっていない…と思う」

 

「そうだった!?俺としたことがしっかり忘れていたぜ!」

 

「………自信満々で言わなくていい……」

 

「そうだな!」

 

「……もうやだ……死のう」

 

「おいおい、いきなりそれはないだろ?

 やるなら自己紹介が終わった後でやりなさい!!」

 

「……止めないんだね」

 

「もちろん!意見は尊重しなければいけないからだ!!」

 

「……疲れるからやめる……さっさと自己紹介を始める」

 

「おっし!一番手はこの俺だ!

 俺の名はジェイフ・ゴット!熱き魂を持つ男だ!」

 

「……ジェネス・ゴット……ジェイフとは双子の妹……よろしく」

 

「自己紹介も終わったところで

 この神議の間について説明してあげよう!」

 

「神議の間……それは、神たちの現状ポイントを報知するこーにゃー……死にたい」

 

「はははははっ!噛んじゃったぐらいで大袈裟だなジェネス!!」

 

「………黙れ」

 

「わかってる、わかってる!

 それでは!神議の間……開始だっ!!」

 

「……まずは、キノウェル・ゴット……84529ポイント」

 

「おっ!!最初から高得点!

 すごいじゃないか、流石はキノウェル・ゴット!」

 

「……次、バルドネス・ゴット……37462ポイント」

 

「こっちも高いじゃないか!

 キノウェルの半分以下だが、これでも上位だぞ!」

 

「……次、マドネス・ゴット……46381ポイント」

 

「おおおおっ!バルドネスよりポイントが高い!!

 順位で言えばバルドネス同様に上位に入っているぞ!」

 

「……最後……アノウィン・ゴット」

 

「おや?イマティイ・ゴットが入っていないじゃないか!

 ジェネス?もしかして、忘れてたのかい?」

 

「……イマティイ・ゴットは……大会に参加していない」

 

「?どうして?」

 

「……イマティイ・ゴットは……大会当日、参加登録をしなかった」

 

「そうだったのか!?意外な事実に心が爆発しそうだ!!」

 

「……気を取り直す……アノウィ・ゴット……1673ポイント」

 

「んんんんんんっ!?聞き間違いか?

 明らかに他のところと桁が違っていたが?!」

 

「……間違ってない……1673ポイントって書いてある」

 

「…………………」

 

「……ジェイフ?」

 

「はっ!俺ともあろう者が!

 あまりにも衝撃的なポイントを聞いてしまい言葉を失っただと!?」

 

「……そこは……驚くところじゃない」

 

「俺に言葉を失わせるとは……!

 アノウィン・ゴット!ただ者じゃないな!!」

 

「……皆、神ですから」

 

「そうだった!!!」

 

「……以上…神議の間……しばらくたったら…また、会えるから」

 

「俺に会うことを楽しみにて待つがいい!!」

 

「……最後の最後で………死にたい」

 

 





閑話みたいな感じで、ナギを鍛えるの修行話

ちなみに、王都の話はしません、参加しません
あくまでもしがない武器屋なので話はないです。

てなわけで、次はオリジナルの話ですのでお楽しみを。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。