気まぐれな神による英雄伝説   作:ガルGC

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「このコーナーは突然やってくる!
 神の為の、神の行いによるコーナー!
 第二回!神の名前の由来コーナー略して神ナーの始まりだ!
 )w;゜ロ゜)w行くぜぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええ!!

「さて、今回も我が愚弟が騒いでいるが気にせずにコーナーを進める」

「えぇ~!何で愚弟が続いてるの!?兄さんって、そんな毒舌だっけ?」

「第二回で紹介するのは………私、キノウェル・ゴットだ」

「軽く無視ですか……そういえば兄さんの名前の由来って何?」

「それを教えてやるから少し待て
 私キノウェル・ゴットの名前の由来は……”知識の神”だ」

「えぇぇぇぇぇっ!!何ソレ!?ずるい!」

「現実だ受け入れろ」

「嫌だ!何で僕は”うざい神”なのに
 兄さんは”知識の神”なの!?不公平だ!不平等だ!訴えてやる!!」

「以上でコーナーは終わりだな、締めの言葉に入るぞ」

「最後の最後で無視ですか!?」





「「以上、神ナーでした」」
 


第16話

 

 

~sideヴァン~

 

 

黒装束の奴らを倒した翌日、俺たちはダルモアの市長邸にいる

 

「無駄に金掛けてるな……先に壊しちゃうか?」

 

「やめてくださいよ!?逃走生活なんて嫌ですからね!」

 

そうか?割と楽しいぞ逃走生活

 

「二人とも何やってるのよ?置いて行くわよ」

 

「へーい」

 

「はい」

 

エステルが急かすので、しかたないから冗談をやめる

あの後、エステル達が追いつき事の経緯を話したら『協力する』と言いだし

それで今の状況になったわけ、正直人数が少ないほうが動きやすいから嫌だったんだが

 

そんな俺の心境をお構いなしに、エステル達は市長邸の扉を開ける

 

「ルーアン市長邸へようこそ、申しわけありませんが

 只今、市長は接客中でして………また来て頂けますか?」

 

おいおいおい、それは勘弁してもらいたいね

 

「その来客のことなら僕たちも承知しています、デュナン公爵閣下ですよね?」

 

お、ヨシュアが対応してくれたか助けるな

てか、デュナン公爵?なんだったけな……………………………

………………………………………………………ああ、あのキノコ頭か

 

あまりにも印象が薄かったから忘れてた

まあ、富豪に売りつける計画だったからいても不思議じゃない

いかにもお得意さんみたいなもんだしな、キノコだからしかたないか

 

「ぼーっとしてないで行きますよ」

 

「はい、はい」

 

どうやら許可が貰えたようなので、市長のいる二階に行くことになった

 

二階の市長のいる大広間の前に到着、階段上がって目の前だし

中から会話が聞こえる辺り会談中かな?念のため録音しておくか?

 

「こんにちは~、遊撃士協会の者で~す」

 

………この馬鹿エステル、お前には行動しかないのか?

 

「君たちは……」

 

「ヒック……なんだお前たちは?どこかで見たような顔だが……」

 

「おお、いつぞやの……」

 

おい、何か一人できあがった奴がいるぞ

 

「困るな君たち……ギルドの遊撃士ならば

 礼儀くらい弁えているだろう、大切な話をしているのだから出直してきてくれないかな?」

 

「なにぶん緊急の話なので失礼の段は、ご容赦ください

 実は、放火事件の犯人がようやく明らかになったので……」

 

「その件か……仕方あるまい

 公爵閣下、しばし席を外してもよろしいでしょうか?」

 

「ヒック……いや、ここで話すといい、どんな話なのか興味がある」

 

「し、しかし……」

 

「いいじゃない♪公爵さんもああ言ってるし、聞かれて困る話でもないでしょ?」

 

何気にキノコを巻き込んでいやがる

 

「まあ、それはそうだが……そういえば夕べは

 またもやテレサ院長が襲われたそうだな、放火事件と同じ犯人だったのかね?」

 

「その可能性が高そうです

 残念ながら、実行犯の一部は逃亡している最中ですが……」

 

「そうか……だが、犯人が判っただけでも

 良しとしなくてはならんな、ちなみに誰が犯人だったのかね?」

 

「うーん、それなんだけど

 市長さんが考えている通りの人たちだと思うわよ」

 

「そうか……残念だよ、いつか彼らを更正させる事ができると

 思っていたのだが……単なる思い上がりに過ぎなかったようだな……」

 

市長が手で頭を覆うが、演技が下手だなコイツ

 

「あれ、市長さん

 誰のことを言ってるの?」

 

「誰って、君……《レイヴン》の連中に決まっているだろうが

 昨夜から、行方をくらませているとも聞いているしな…………」

 

「残念ですが……彼らは犯人ではありません

 むしろ今回に限っては被害者とも言えるでしょうね」

 

それだと、加害者は俺とナギになるな

一応、正当防衛として成り立つから大丈夫か?

 

「な、なに!?」

 

悪役らしい驚き方だな

 

「今回の事件の犯人、それは……ダルモア市長、あんたよっ!」

 

「秘書のギルバードさんはすでに現行犯で逮捕しました

 あなたが実行犯を雇って孤児院放火と、寄付金強奪を指示したという

 証言も取れています、この証言に間違いはありませんか?」

 

「で、でたらめだ!そんな黒装束の連中など知るものか!」

 

「あれ~、おっかしいな。あたしたち、黒装束だなんて一言も言ってないんだけど~」

 

「うぐっ……知らん、私は知らんぞ!全ては秘書が勝手にやったことだ!」

 

「往生際の悪いオジサンねぇ」

 

右に同じく

 

「高級別荘地を作る計画のために孤児院が

 邪魔だったと聞いています、これでもまだ容疑を否認しますか?」

 

「しつこいぞ、君たちっ!確かに、ずいぶんと前から別荘地の開発は計画されている!

 だが、それはルーアン地方の今後を考えた事業の一環にすぎん!

 どうして犯罪に手を染めてまで性急に事を運ぶ必要があるのだ!?」

 

ダルモア市長にとって切り札みたいな台詞だが

そんな切り札を俺がバラバラに砕いてやろう

 

「……借金だろ?」

 

俺の言葉にダルモア市長は驚きの表情するが、追撃をする

 

「一年ほど前、貴方は共和国方面に行き

 その時、相場に手を出してしまい大火傷を負った」

 

「な、何故それを………」

 

「しかも、その額は………一億ミラ」

 

「い、い、一億ミラぁ~!!」

 

うるさい、一億ミラ如きで騒ぐな

 

「ヒック、一億とはな……私もミラ使いは荒い方だがさすがにおぬしには完敗だぞ」

 

アンタも煩いよキノコ

 

「…………ふん、そんな証拠がどこにある」

 

証拠ね……

 

「証拠なら此処にあるぞ?一年前の相場のデータに

 アンタが共和国に行き相場に出た写真、秘書の証言

 おまけに、この場での会話を録音した録音機等々」

 

「な、なんだと!?」

 

お、その驚きの表情いいね

切り札を出したのに、全てが台無しになってさぞ悔しいだろうな

 

「どうやって証拠を集めたのですか?」

 

「知り合いに頼んだ」

 

「どんな知り合いなのよ……」

 

引き籠りで、ぐーたらで、面倒で、会話するのも嫌で

挙句の果てには人をホモだと勘違いするような情報屋だ

 

「よくぞ言った、小僧が……こうなったら後の事など知るものか!」

 

いつの間にか壁際にまで移動していたダルモアが

壁にあるスイッチを押すと、壁にある扉が開いた

てか、だれが小僧だ

 

「ファンゴ、ブロンコ!エサの時間だ!出て来い!」

 

ダルモアの呼び声に反応し

扉の中から二頭の巨大な魔獣が現れた

 

「ま、魔獣ううううう!?うーん……ブクブクブク……」

 

「こ、公爵閣下!?」

 

キノコが気絶した、邪魔だからどっか行ってもらいたい

 

「信じられません……魔獣を飼ってるなんて……」

 

「くくく……お前たちを皆殺しにすれば

 事実を知るものはいなくなる……こいつらが喰い残した分は

 川に流してやるから安心したまえ、ひゃ―――――――はっはっはっ!」

 

完全に狂ってしまったぞ

 

「こ、こんな屋敷の中で魔獣と戦うことになるなんて……」

 

「でも、これで現行犯として市長を逮捕することができる」

 

「あなたたちに恨みはないけれど……人を傷付けるつもりならば容赦はしません!」

 

エステルとヨシュア、クローゼがそれぞれの決意を言うが

 

「―――邪魔だ」

 

俺は、ポケットから取り出した釵を二頭の魔獣の足に投げ動きを封じ

更にポケットから方天戟を取り出し、二頭の魔獣ファンゴとブロンコを

切り伏せ二体を消滅させる、え?もう終わり?

 

「強すぎ……」

 

「早かった……」

 

「一瞬で終わってしまいした……」

 

「ただの化け物ですね……」

 

ナギ、後で覚えておけよ

 

「ば、馬鹿な……私の可愛い番犬たちが一瞬で……」

 

あんたのセンス疑うわ、てか弱すぎるよ

 

「遊撃士協会規約に基づき

 あなたを現行犯で逮捕します、投降した方が身のためですよ」

 

「ふふふふふ……こうなっては仕方ない……奥の手を使わせてもらうぞ!」

 

ダルモアが懐から一本の杖を取り出す、あれが切り札か……

 

「もーらい、っと」

 

「なっ!?」

 

新しく取り出した鞭でダルモアの取り出した杖を奪う

 

「貴様……!我が家の家宝を返せ!!」

 

「誰が返すか、対策しなかった自分が悪い

 大体、切り札を使わせるわけがないだろアホが」

 

「……完全に悪役ですね」

 

正義の悪役の間違いだぞナギ

 

「さて、切り札もなくなったことですし投降してくれますね?」

 

「うううううううううう……誰が捕まるものかっ!」

 

魔獣たちが入っていた扉に逃げやがったな

 

「追いかけるよ!」

 

「「はい!」」

 

エステルたちに付いて行こうとしたナギの肩を掴んでいた

 

「待て、俺たちは先回りするぞ」

 

「先回りですか?」

 

「ダルモアは、さっき川に流してやると言っていたからな

 この扉の先は川に繋がっているだろう、逃走手段としてはボートかな?」

 

「なら私たちは何で先回りするんですか」

 

「決まっているだろ?あれだ」

 

 

 

 

 

「こらーっ!待ちなさーいっ!!」

 

「くっ……しつこいヤツらだ」

 

ダルモアはヨットを操作し、屋敷を脱出したが

エステルたちは、その近くにあったボートを操作して追いかけていた

 

「これでも喰らえっ!」

 

ダルモアは後ろから追いかけるエステルたちに向け銃を発砲する

 

「とりゃあっ!」

 

だが、エステルは棒を回転させることで全ての弾を弾いた

 

「ふふん、遊撃士を舐めんじゃないわよっ!

 ヨシュア、そのまま右側につけちゃって!」

 

「了解……あれ?」

 

ヨシュアが船体を近づけようとすると

ダルモアのヨットが加速し、その差を開いていく

誰もがわからない現象をクローゼが冷静に分析した

 

「これは……沖合いを流れる風です!」

 

風が出るということは、帆を張っているヨットは風の影響により急激に加速する

 

「わはは、女神(エイドス)は私の方に

 微笑みかけてくれたようだな!それではさらばだ、小娘ども!」

 

ダルモアは、そのままエステルたちを引き離すことに成功した

するとダルモアは、今後の事について考えていた

 

「フン、逃げたはいいがこれからどうしたものか……

 やはり、軍の手が回る前に帝国に高飛びするしかないか

 なあに、しばらく我慢すれば『彼』が何とかしてくれる……」

 

「その『彼』について教えてもらいたいもんだな」

 

「なっ……」

 

ダルモアが声の聞こえた方に振り向くと、そこには

黒い物体に跨り空を移動しているヴァン・ソンブラと

顔が若干引き攣っているナギ・ソンブラがそこにいた

 

「な、なんだその乗り物は!?」

 

「教えるつもりはないな……ナギ!」

 

「はい!」

 

ナギはヴァンの声に応えると、手を構えて技の発射態勢に入り

 

「獅子弾功っ!」

 

手から獅子の形を成す気弾をダルモアの乗るボートに向け放った

獅子弾功を直撃したボートは水面に水柱をたて、その形は見るも無残な物になり

ダルモアはそれに吹き飛ばされる形になり、水面に顔面からダイブした

 

「ぷっは!」

 

水中に沈んだダルモアはなんとか水面に顔を出すが

そんなダルモアに更なる追撃が水しぶきと共にやってきた

 

「な、な、な……うわあああっ!」

 

ダルモアは水しぶきを浴び少し混乱したが

その水しぶきを上げたものを見て更に混乱した

 

「な、なんだこの飛行船は!王国軍の……いや、この紋章は……」

 

「……王室親衛隊所属、高速巡洋艦(アルセイユ)、それがこの艦の名前だ」

 

飛行船から聞こえる女性の声、その声は飛行船の甲板から聞こえていた

ダルモアは人物の服装を見ると顔が完全に真っ青になっている

 

「蒼と白の軍服……女王陛下の親衛隊だと!?」

 

「その通り、自分は中隊長を務めるユリア・シュバルツという

 ルーアン市長モーリス・ダルモア殿、放火、強盗、横領など諸々の容疑で貴殿を逮捕する」

 

「これは夢だ……夢に決まっている……うーん、ブクブクブク……」

 

ダルモアは目の前の光景に夢だと錯覚してしまい

泡を吹きながら海の上で崩れ落ちていた、いや、崩れ沈んでいた

 

かくして、孤児院の放火事件はこうして幕を閉じたのであった

 

 


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