問題児たちと一人の神が異世界から来るそうですよ? 作:異山 糸師
お久しぶりでございます。ええ、ええ、分かっていますとも。
前の投稿から四ヶ月近く間が開いているなんて、分かっていますとも!
正 直
/ ̄ ̄ヽ ̄ ̄\
∠ レ | ⌒ヽ
\__ノ丶 )|
(_と__ノ⊂ニノ
す ま ん か っ た
これから新しい章に入ります。久しぶりに投稿したのにまだ謝らなければいけないことがあります!
これから魔のテスト期間だ!
再試だけは受けたくない…金がかかるからな!
故に皆様、また期間が空きますが何卒お許しを!
第33話 変わった野球とサッカーをするそうですよ?
――――“アンダーウッド”東南の平野。
なんか、見たことあるグリフォンや兵士みたいな奴らが俺と十六夜のことを見ていた。最前線を埋めるのは大群を率いて押し寄せてきた巨人族と、無尽蔵に生み出されようとしていたが、俺が阻止したことにより少しばかり減った魔獣の群れ。デカイ蠍だなぁ……食えそうにないな、うん。
さて、清涼で壮観な水舞台を謳う“アンダーウッド”は、再起願って行われた収穫祭のくせして既にボロボロとなっている。収穫祭? 惨劇祭の間違いだろう。
「アレだよな……巨人って言うから、神話で暴れまくった巨人化と思ったら……なんだよ、進撃の巨人かよ。十六夜」
「あん? なんだ?」
「進撃の巨人はな、うなじを切り取ればいいぞ。もしくは頭を吹きとばせ」
「いやいや、普通に倒せばいいだろうが」
「何言ってるんだよ、普通に倒しても修復されるぞ? 立体機動装置は何処だ? あれ一回使ってみたかったんだよなぁ……人類最強とか言われてる兵長連れて来いよ」
「お前は一体何の話をしているんだ……」
進撃の巨人だろう? 現に進撃してきてるし。人間は食わないけどな。ていうかなんで進撃を中断してるのだろうか……名前負けじゃねか。もっと根性出せよ。エレンとミカサは居ないのか? エレン・家がァァァァとミカサ・アッハーン?(威圧)
誰だ、エレンに家がァ!なんて報告したの。巨人に壊されたのだろうか。ミカサにいたってはヤクザかマフィアになってんぞ。怖いわ。
それにしても雑魚ばかり…なぜこんな奴に苦戦しているのか理解できないわ。十六夜でも対処できるんだから、だれでも出来るだろうが。
どうも一挙一動に動揺し、巨人もそうだけど味方でさえ下がっているじゃねえか。恐怖して下がった時点で、そいつの負けは決まってるんだけど、いいのか? 死亡フラグ立ててしまっても。
そして舌打ち混じりに罵倒する十六夜。そう言えば、十六夜と一緒に巨人を投げたんだが、投げた先は大丈夫だろうか。なんか黒ウサギの気配があったんだが。
十六夜は普通に投げて、俺はこう……縦回転? を掛けながら投げてみたんだけど、見事に空気摩擦と衝撃波で皮膚が裂けて肉が千切れ、汚い達磨状態で血をまき散らしながら飛んでいった。黒ウサギに怒られそうだな。
「一度だけ言う。今すぐ失せろ、木偶の坊。こっちは本気で収穫祭を楽しみに来たんだ。マジで余計な手間をかけさせんな…本当に頼むから余計なことするな。さっさと消えろ。じゃないと零が暴れまわっちまうから」
「おいコラ、確かに遊ぼうとは思ってるが、お前にも付き合ってもらうぞ」
「え、マジで?」
何故困惑する?
「嫌なのか? 俺と“遊ぶ”のが。グロいのは嫌いか?」
「あ~……いや、そんなことはないぜ? 零がするんだもんな…面白く無いはずがない!」
「それじゃあ行くか?」
「おうッ!!」
「ウオオオオオオオオッォォォォォォォォォ―――――!!!」
俺と十六夜が一回、顔を見合わせてニヤリと笑ったあとに進撃してみる。進撃の小人…でいいのか? まあいい、それと同時にあちら側も進撃の巨人をしてきた。日本語がおかしいけど気にしない。
先陣切って突っ込んできた巨人の手には武器が持たれていない。武器は通用しないと思って徒手空拳で来たようだ。だが、俺達がそんな鈍い動きに捉えられるわけがない。
十六夜がそれらを掻い潜って跳躍し、巨人の頭を踏みつけてジャンプする。それだけで頭は地面にめり込むほどの威力があり、俺の隣で顔面ダイブした。
「頭が良い位置になったな」
少しだけ高いのでちょっとジャンプし、足を振り上げて踵落とし。踵の下では頭が甲高い音とともに爆ぜて、中身を空高く飛ばして雨のように降ってくる。勿論、地面もただじゃすまない。俺を中心に地面が一瞬盛り上がり、戻ると同時に轟音を立てながら陥没してクレーターを形成した。衝撃はアンダーウッド全域に渡り、大きさは隕石が落ちた時のようになっていた。
「少し力入れすぎたか?」
周りでは殆どの奴らが転んでおり、脆くなっていた建造物は根こそぎ崩壊している。俺知らねえからな~。
お、転けても十六夜に向かって鎖を投げているな。何重にも重ねがけされていく鎖の束。そして背後の巨人が止めを刺そうと、雷を放つ杖を掲げている。へぇ…面白そうなもの持っているなぁ……貰ってこよう。
鉄を溶かすほどの熱量を放出する雷球に、十六夜のところまで跳躍すると同時に拳大まで圧縮して創りだした霊力弾を撃ち放つ。当たった瞬間、雷球は凄まじい光を発しながら爆発して消え去った。
足元に霊力を固めて空中に立つと、周りの奴らが大きく口と目を開けて固まっているのが見えた。ついでに十六夜の足元に霊力を固めて立たせてやる。
「サンキュー」
「ん、それよりなんであいつらは動かない?」
「そりゃ、あれだろ。あんな小さな弾で打ち消されたのが不思議で仕方ないんだろう」
アレだけで驚くのか? そんなに弱いのに、よく攻め込んできたな。逆に感心するわ。おっと、十六夜から解けた鎖は回収な。これらを繋げて一本の鎖にして、両端にナイフを付けてっと……よし、完成。
「おい零、それで何するんだ?」
「ああ、あの杖持っているやつを拘束しておこうと思って」
「はぁ? 何の意味があるんだよ」
「あの杖面白そうだし、後で奪おうかと思って。その前に他の奴らで遊ぶんだよ」
「なるほどな」
鎖の中央を持ってブランと垂らしていたのを、頭上で振り回し始める。ブオンブオンと低い唸りを鳴り響かせながら、大気を盛大にかき乱す。少し回し過ぎたらしく、俺を中心として巨大な竜巻が出来上がり、瓦礫やら死体やらを巻き上げて空に踊らせている。
鎖は既に一つの黒い円にしか見えないし……他の奴らは吹き飛ばされないように必死だし……忙しい奴らだなぁ。
あ、そこの巨人、逃げるな。
「背中を向けると死ぬぞ」
手持ち無沙汰な左手に、ナイフを四本挟んで持ち下から上へと振り上げるように投擲。俺の声に気づいて振り返った巨人は、四体とも顔面にナイフを喰らう。俺が投げたナイフの勢いは顔面を拉げさせて陥没させ、ナイフを減り込ませたまま勢い良く地面に頭を減り込ませてしまった。
顔面崩壊とはこのことだろうな。あ、今回は手加減して原型は残してやったぞ? 頭吹き飛んでないだろう?
「えげつないなー……俺にはナイフ使うなよ?」
「死ぬもんな」
「全くもってその通りだぜだからやめろよマジで」
「はいはい……よっ、と」
十六夜のそんな懇願を受け流して鎖を投擲すると、見事仮面を着けて杖を持っている巨人に巻きついた。そして短くなっていくと先端に付いているナイフが地面に刺さって動けなくする。なんか…モンスターを捕獲した時みたいだな。
竜巻も収まって空からは瓦礫と死体がぼとぼとと落ちてくる。よし、そろそろ十六夜と遊ぶか。
地面に降り立ち、十六夜にも降りてくるように言う。そして隣に降りてきた十六夜に、俺は笑顔で語りかけた。
「磯野! サッカーと野球を同時にしようぜ! お前ボールな!」
「い、いやいやいやいやッ!! 言ってることがわからないが、俺がボールになるということがもっと分からないぞッ!!? というか止めてくれ、死んじまう!!」
「分かってるって。冗談だ……半分は」
「もう半分は本気だったのか!?」
十六夜ボールにして他の奴ら薙ぎ払おうと思ったんだけどな。必死だから止めてやろう。面白いと思うんだけどなぁ……。
「まあいい、巨人サッカーに巨人野球な」
「だから、それがどういうことだと………あぁ、なんとなくわかってきたわ…」
「そいつは重畳だ。さぁ、やるか」
俺が背後に居た巨人の頭上まで跳躍し、蹴り砕かない程度の力で十六夜に向かって蹴り飛ばした。
「十六夜、パス!」
「おぅわっ!? 要るかこんなもん! 返すわ!」
「いや、俺もいらない」
「じゃあ蹴るなよ!?」
そいつは出来ない相談だ。今度は殺る気で蹴り飛ばす。地面を盛大に削りながら吹き飛んでいった巨人は、見事ボーリングの玉のように転がっていき、他の巨人を巻き込みながらニキロ先まで吹き飛んでいった。転がっていくたびに足と手と頭が空を飛んでいるが、問題ないだろう。あ、脊椎付きの頭だ。抜けたんだな。
「じゃあ次は野球な~。ピッチャー第一球、振りかぶって………」
「ちょ、待て待て待て! 打つもの無いんだぞ!?」
「投げました!!」
「緊急回避ィィィィッッ!!!」
脚を蹴って転ばせようとしたんだが、勢い余って蹴り斬ってしまった巨人の頭を掴み、十六夜に向かって投げたんだが……なかなかやりおる。モンハン式緊急回避をして避けた。でもな、十六夜。これは野球なんだから打ってくれなきゃ、お兄さん悲しんだけど。
件のボールはというと、頭が取れてぎりぎり脊椎で繋がってる状態で一番最初に投げたところにブチ当たった。黒ウサギの声が聞こえたような気がしたが、気のせいだということにしておこう。
「ぜぇ…ぜぇ……あ、危なかったぜ…」
「十六夜、今度は投げてくれないか?」
「ふぅ……あん? 全く、仕方ねえな。全力で行くぜ!」
「おう!」
十六夜が逃げ出そうとした巨人の脚を掴んで転ばせて、頭をしっかりと掴む。俺は転がっていた巨人が持っていた、巨大すぎる剣を片手でヒョイッと持ち、腹で打つことにした。そして構える。
「ピッチャーびびってる! ヘイヘイ!」
「ハッ! 誰がビビるかよ! ドラァッ!」
十六夜の全力投球! なんだかんだ言って笑ってるし、楽しんでるんだよなぁ……俺に毒されてないか? あれ。
そして、俺はホームランを狙う! 病室でホームランを打つと誓った、あの病気の男の子のために!
「目指せメジャーデビュー!!」
ゴッッッシャァァァァァァッッ!! という音と共に俺は巨人を打ち、吹き飛ばす。おーっと? 少し低いなぁ……これはヒットか。すまない、病気の男の子よ。ホームランは無理だったよ。
そして再びぶち当たる巨人。勿論場所は再三突っ込まれた場所。どこかで悲鳴が(ry
「次来い」
「おう。なんか周りから居なくなってきたし、最後の一球だな」
「そうだな。しかし、なんで俺たちはこんなことしてたんだっけ?」
「遊んでたからじゃねえのか?」
「確かにそうなんだけど……元はといえば、巨人に立ち向かわない臆病者の雑魚どものせいだけどなぁ」
「それもそうだな。故郷を傷つけられ、屈辱を受けて尚怯んでいる臆病者共のせいだ。まあいいじゃねえか。“名無し”風情の背中に隠れて怯えてました。って、後世まで嘲笑れ続けるんだからな」
俺が折れた剣を捨てて、代わりに巨大なウォーハンマーを持ちながら問うと、十六夜はそう返してきた。ぶっちゃけ、そろそろ飽きてきたのでガキ共を奮い立たせて戦わせようと思ってるからだ。十六夜もその意図がわかったらしく、乗ってきてくれたしな。
『………ッ………言わせておけばこの小僧どもッ………!』
『所詮は爪もなければ牙もない猿ではないかッ!』
『応よ! 我らの角は小奴らの倍は貫いてきたッ! 決して劣るものではないッ!』
そう言いながら雄叫びを上げるのならば、最初からそうしてくれたのならいいのにな。お前らが言う小僧に言われてやっと気づく程度の力なら、それは小僧よりも劣る力なのだろう。そう思われたくないのなら、しっかりと守ってみせろよ。
「ま、最初から遊ぶこと前提で来てたんだけどな」
「ヤハハッ、確かにそうだな。そいじゃまぁ……行くぞ! オラッ!」
「ほいさっ!」
最後の一投を、俺はウォーハンマーで叩いて吹き飛ばそうと思っていたんだが……ハンマーだからだろうか、粉々に爆ぜて血を辺り一面にぶちまけてしまった。勿論、そこに居た幻獣たちは真っ赤に染まる。
それを見ながら俺はハンマーをブォンと振るいながら肩に担ぎ、一言だけ呟く。
「それで……小僧がなんだって?」
『『『いいえ……何でもありません……!』』』
「そうか」
何でもないなら別にいいよな。
さて、杖でも貰おうかね。仮面の巨人の元まで行き、問答無用で手刀により首を飛ばして殺してから杖を奪う。ふむ……少し大きいが、叩き潰すのに使ってもいいかもしれんな。雷は……ミヅチの雷よりも遥かに劣るが、巨人程度なら黒焦げか。肩に担いで行くか。
十六夜のところに戻ろうとしたら、ふと、黒ウサギのゲーム中断だという声が聞こえてきた。それと同時に龍が動き出す気配までする。やれやれ…俺は静かにしろと言ったんだが、約束を守れないのか?
そう思いながら、龍にだけ俺の威圧を放ち、行動を一時停止させる。その巨体がビクリと動いて、実にゆっくり動き出した。
「GYAUUUU…………」
「そうそう、ゆっくりな」
「GURUUaaa…………」
本当に、空気の乱れすら気にするかのようなゆったりした動きで上空に向かっていく。これならいいだろうと思い、威圧も解いてやった。少しだけ安心したかのように身体の強張りが弛緩したのは見間違いじゃないだろう。
「ふむ…行こうか、十六夜」
「そうだな。黒ウサギとかにいろいろ言われそうだなぁ……」
「大丈夫だろう、おそらくだが」
「ハリセンは覚悟だな」
「確かにな」
二人で顔を見合わせ、苦笑しながらこの場を去っていく。敵はすっかり消えてしまっているが、後はこいつらに任せればよかろう。
いい運動になった。また十六夜と遊ぼう。お前と居るのは中々楽しいからなぁ…ノリがいい。
あれがああしてああだから、生物で遊ぶんじゃねえだと?
(´・ω・`)知らんがな
どうせペストとかにぬっ殺されるんだからこれくらいいじゃないですか。相手は巨人で敵ですし。
それにしても、この作品覚えてくれる方とかいるんですかね? 前から伸びも悪いし、不安だ…。
それでは皆様、お久しぶりだったのに、次会う時も土下座をせねばならないようですね。
いいのか…?私の土下座を見た時、最終的に謝ることになるのはお前だぜ…?
恥は捨てた! 土下座は仕事だと受け入れ、誇りに思う!
エアトラックス・トーマス・キップアップ土下座とバタフライ・ツイスト土下座…どちらがいいか選んでおくのだな!
じゃあな!