問題児たちと一人の神が異世界から来るそうですよ?   作:異山 糸師

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待ってくれていた方が要るのかはわかりませんが、お待たせしました!
やっとパソコンが直って帰ってきたので、設定やら何やらをしてました。

短すぎますが、どーぞです。


そう……巨龍召喚
第22話 魚釣りをするそうですよ?


 ―――“世界の果て”。トリトニスの滝の近隣。

 

 俺は黒ウサギとペストと共に岸の岩に腰かけていた。左手の中には亜麻色の小さな華の蕾。右手には釣竿。口には煙管。

 もうこれ完璧にお爺さんスタイルじゃね? まあ、両手に華状態だが。手の中にもあるしな。

 

「おっ、また掛かった」

 

 ピシッと右手の釣竿を上げれば、糸の先についている針には立派な魚が喰らいついていた。

 魚を外してクーラーボックスに入れる。

 

「これで101匹目」

「………ホント釣りすぎよね、マスター」

「クーラーボックス、何個目でしょう……?」

「101匹フィッシュちゃん(笑)」

 

 いやぁ、入れたら釣れるんだからしょうがないよな。ちなみにペストはあの戦いの後に俺が回収したんだ。元々俺の物になるかは考えていたみたいだから簡単に隷属してくれた。

 

 呼び方がレティシアが主殿、だから洋風にマスター、にすると言ってきたからこれで。ノーネーム諸君には説明というか説得というか………とりあえず納得してもらった。

 

「あ、私も釣れたわ」

 

 ペストも順調に釣れているな。ん?俺もまたきたか。

 

 

 グイ…グイィィィィイイイイイィイィイイッッッ!!!!!

 

 

「おおっ!?」

 

 竿が物凄いしなっている! これは大物だ! 主か!?

 少しの拮抗のあと、思いっきり引っ張る。そこには………………!!?

 

 ザバァンッッ!!!

 

「……………………………おい」

「なんだ、食えねえな。リリース」

「おぶっ!?」

 

 バシャアンッ!!

 

 チッ、十六夜が釣れやがった。食うところないじゃねぇか。ウホッなアニキしか食わねぇよ。

 即効水の中に突き落してやったわ。

 

「マスター……」

「零さん……」

 

 二人が少し引いたような目で見てくる。それと同時に十六夜が水の中から上がって来た。

 

「零……てめぇ……」

「ヤハハ! 気にするな、十六夜」

「真似るんじゃねえ!!」

「おいおい、そんなに水を撒き散らしながら寄るなよ。煙管の火が消えるだろうが」

「消えてしまえ!!」

 

 なんでそんなに激おこなんだよ。

 

「それより蕾は?」

「ああ、獲って来たぜ。これが水仙卵華か? 黒ウサギ」

「YES! その通りです! でも、零さんの手の中に既にありますけどね」

「マジか……なんで零は濡れてねぇんだよ?」

「俺か? 俺はこう……ピシッと」

 

 そう言って釣竿を上げる。魚が釣れた。

 

「ありえねぇ………」

 

 詰まる所、蕾を一本釣りしたわけだ。潜らずに済んだ。これで二人ともスタート地点に立ったわけだ。

 十六夜が隣の大岩に腰かける。後はこの蕾の開花だ。ペストに持たせた“契約書類”にはこう書かれている。

 

 

 

『ギフトゲーム名“湖上の華”

 

 ・プレイヤー一覧  “ノーネーム”月神零、逆廻十六夜

 ・ゲームマスター  “トリトニスの滝の主”白雪姫

 

 ・クリア条件  水仙卵華の蕾を入手し開花させよ。

 ・敗北条件  正午までにプレイヤーが勝利条件を満たさない場合。

        プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 ※舞台補足

 ・参加者は鉄則として、トリトニスの滝から半径1kmから出てはいけない。

 ・主催者は鉄則として、ゲームテリトリー内に水仙卵華が群生していることを保証する。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、“ノーネーム”はギフトゲームに参加します。

                              “トリトニスの滝の主”』

 

 

 

 今、俺と十六夜はこのゲームをしている。ちなみに、どちらが先に開花させるかを二人で勝負している。

 

 黒ウサギは審判なので教えられないし、十六夜は勝負しているので声に出せない。大岩に寝転んで考え込んでいる。

 さて、俺は開花させますか。俺の勝ちだ。

 

「黒ウサギー、ちょっと竿代わりに持って釣っておいてくれ」

「え? あ、はい! 分かりました! 今晩は魚パーティーです!!」

 

 俺から竿を受け取った黒ウサギは、ムフー! と意気込んで釣り出した。でも悲しいかな、ペストの方が釣れている。

 

「マスター、クーラーボックスが一杯になったわ。空いているのをくれないかしら?」

「はいよ~」

 

 収納の腕輪から新しいクーラーボックスを出してやる。ペストはその中に結構大きなヒラメみたいな形をした魚を放り込んだ。

 

 少し嬉しそうなペストの顔を見ながら煙管を離し、煙を吐く。

 そもそも、何故俺達がこのゲームをすることになったのか……蕾を掌で転がしながら数日前の事を思い出した。

 

 




そろそろ文量上げなければ……

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