問題児たちと一人の神が異世界から来るそうですよ?   作:異山 糸師

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なんてことはない、ただの茶番。
軽く読み流す程度でいいと思います。


第17話 魔王との人生ゲームが始まるそうですよ?

 始まってしまった人生ゲーム……本当の人生を掛けた熱き戦いが、今始まる!

 

「「「最初はグー、じゃんけんぽん!」」」

 

 俺とペストがグーでレティシアがパー。

 

「私からか…それでは、主殿、先にやらせてもらうぞ」

「どうぞどうぞ」

 

 レティシアは槍みたいなのを取り出し、ルーレットの端っこにある大きな板に向かって投擲した。これに当てれば回るようになっているのだ。衝撃波を生み出しながら突き刺さった槍により、ルーレットが凄まじい勢いで回り出す。そして出た目は四。

 運転の仕方も教えたので、レティシアはエンジンを噴かせてから四コマの所に走っていった。ちなみに持ち金は一人三万。

 

「レティシアー! なんて書いてある~?」

「えっと…ルーレットを回して、三が出れば二千円だそうだ!」

 

 そう叫んでから再び槍を投擲…だが、目は六、外れたようだ。次にペストなのだが、ペストは黒い風を渦上にして尖らせ、それをぶつけている。それによってレティシア以上の速度で回り出す。うん、流石は魔王、でもまだまだ早く回せるぞ? そのルーレット。

 で、進んだ数は五。そして命令は……

 

「宝くじで大当たり! 当たれば五万円! ですって」

「じゃ、その店で貰って当ててみろ」

 

 そう言って何もない空中からジャ○ボ宝くじの店が生成され、中の機械から自動で宝くじが出てくる。受付には人でもいいんだが、機械で済ませることにしたんだよね。

 

 それを受け取ったペストの結果は当たったようだ。何あいつ運良すぎだろう。これで持ち金は八万か。次は俺だな。

 

「ナイフでいいか?」

 

 いつもの黒いナイフを鞘から取り出してノーモーションで何気なしに投げる。一瞬で当たったナイフは轟音と共に地面にまで届く衝撃波を生み出し、街全土を震わせる。皆すっ転んでいた。跳ね返ってきたナイフをキャッチし、ルーレットを見ると、未だかつてないほどの速度で回っており、それによってルーレット上に竜巻を発生……次からは自重しよう。進む数は十、二人の横を通るとき、自重するように言われてしまった。俺もそう思うのです。

 

「なになに……ビルの解体工事を手伝う。お礼に十万貰う……ね」

 

 そして出てくるビル群。ニューヨークなんかにある巨大なビルが固まって十個出てくる。これを跡形もなく壊さないといけないんだが、普通に殴ると瓦礫の山と化す。もっと細かくしないといけないんだよね。

 

 空中に突如現れたビル群に戸惑いの声がする。大丈夫、今からお兄さんが壊してあげますからね。あ、壊したゴミなんかは地面には落ちず100メートルの所で全て留まるから。他のも同じ、マスより下に行かないようになってる。最も、瓦礫なんて出さないけどな。

 

 一つのビルを駆け上がり、80メートルほどで蹴って離れる。そして空中を再度蹴り、

 

「フタエノキワミアッー」

 

 二重の極みをブチかました。はい、これで粉々、粉となって消えていきました~。

 よし、十万円だ。

 

 スタン、と車の横に着地し、車に金を片手に乗り込む。これで十三万…無くならないようにしないと。さて、それからも順調に進み、レティシアが半分くらいまで来た。手持ち金は現在八万円というまあまあ良い金額だ。マスに書いてある命令には、

 

「ゴルフでホールインワン! 賞金二万円貰う。よし、行くぞ!」

「がんば~」

「打ち過ぎちゃ駄目よ~」

 

 俺とペストがそれぞれの車の中から応援し、レティシアは創造されたクラブを持ち、六百メートルは離れている所にある旗の下の穴に向かっておもいっきりフルスイング! しかし残念なことに大きく逸れ、ゴルフボールは下にいる黒ウサギに当っていた。ある意味良いコントロールだろ、これ。下に行かないといったが、当たるだろうなぁ…と思ってボールの部分だけ解除したんだよね。見事なり。

 

 しかしまぁ、本気で戦いのこと忘れてるし、楽しんでるからいいか。悔しそうに唸るレティシアの次はペストなんだが、なんとアレを当ててしまった。

 

「エベレストに登る。十万貰う、ね……登ってやろうじゃないの!」

 

 ペストがそう意気込んだ瞬間、広く開けた場所にエベレストの頂が現れ、下から生えてくるように思い地響きと共にその全貌を露わにする。最初に見えていた頂は既に雲の上、遥か上にあるんだが、魔王なんだからコレくらい直ぐだろ。俺も一歩で行けるし、ペストも走っていけるはず。飛んじゃ駄目らしいしね。

 

 ペストが車から降りて元気よく走りだした頃、下では超巨大な山に全員が全員大慌てで騒ぎまくっている。それでもこの場所に来れないのは、プレイヤー以外入ることのできない絶対の結界のおかげだったりして。十六夜だろうと俺の力は破れない。そして数分後、雪だらけのペストが帰ってきた。

 

「お疲れさん、どうだった?」

「なんかでっかいゴリラみたいなのが居たんだけれどね…倒して来た」

「ビッグフット!? マジで居たのか……よく頑張ったな」

「うん……なんか微妙に怖かった」

 

 俺の近くに降りてきたので雪を払ってやりながら頭を撫でて慰めてやる。いやぁ、あの猿モドキが居たなんてなぁ……一節では古代のホッキョクグマの生き残りが熊と子を成した、その子がビックフットだと言われてるらしい。本当かどうかは知らんがね。さて、ペストの顔色も良くなったことだし、続きでもしますかね。真っ赤になるまで良くなるなんて、さすが魔王、回復の力も伊達ではないということだろう。

 

 よし、次は俺だ。霊力弾を一つ創りだしてぶち当てる。ルーレットの目は六で、マスの命令が……うわ、まさかのこれかよ。どうしよう、本当に連れてきたほうがいいかな。

 

「結婚をする。妻を隣に乗せて三進む。あと二千円貰えるのか……」

「「「「「「結婚ですって!?(だと!?)(なの!?)」」」」」」

 

 あれ? 下からも声が聞こえる…なして?

 

「れ、零! 誰と結婚するのよ!? そんなことしたら隷属してあげないんだから!」

「いや、無理矢理にでもさせるし」

「主殿! 結婚ならずっとそ、側にいれる私なんかどうだ!?///」

「家族としてどうするよ。それに、これは既に結婚していたらって話で、実際に妻が居たら連れて来いってことだ。結婚するわけじゃないって」

「「「「「「ほっ……」」」」」」

 

 なんか目に見えてホッとしだしたけど、一人連れてくるんだよな? じゃあ永琳でいいか……いや、金はあるし今回はやめておこう。

 

「今回は連れてくるのやめよう」

「「「「「「えっ!?」」」」」」

 

 俺はそのマスから離れず、力を抜いて深く椅子に座る。その場に居たペストとレティシアが俺の発言に問い詰めてきたが、軽く流して窓を閉めた。で、それからも人生ゲームを進めていき、三人で楽しくゲームをした。動物の群れと会う、って時は大変だった。肉食草食関係なしに飛び付いてきたものだから揉みくちゃにされたわ。でももふもふふわふわ気持ちよかったし、満足だ。それで、金はというと俺が三十万でペストが十五万、レティシアがなんと五十万も獲得した。それはこの世界での金となり、実際に使うことができる。これがお小遣い代わりでいいか。

 

 ゲーム盤を解いて三人で地面まで飛び降りる。着地した俺達をなんとも言えない目で見る皆……こっち見んな。

 

「それにしても楽しかったわね。零が赤龍を瞬殺するのはびっくりしたわ」

「確かに。また機会があればやりたいな」

「そ~だな…また今度な」

 

 と、三人でそんなことをくっちゃべっていたら、突然の雷音。固まっていた皆さんは目を覚ましたらしい。

 

「ペストって雷は苦手か?」

「なによいきなり……別に大丈夫よ」

「そうか。俺ってさ、なんか雷が大きければ大きいほどテンション上がるんだよね。何でだろう?」

「なんか分からないでもないわ」

 

 雷の音って、なんでろう…俺的には落ち着くんだよね。雷は古来“神鳴り”って言われてたからか?

 

 発生源を見てみると、輝く三叉の武器を掲げていた。何アレカッコイイ。俺もほしいな。

 あれって確か軍神・帝釈天から貰ったっていうギフトだよな? 俺の配下じゃん、部下じゃん。何回かボコッたことあるはず。頼んだら貰えないかね?

 

「あの、“審判権限”の発動が受理されています。これよりギフトゲーム“The PIED PIPER of HAMELIN”は一時中断し、審議決議を執り行います。プレイヤー側、ホスト側は交戦を中断し、速やかに交渉テーブルの準備に移行してください。お願いしますから……零さん…」

 

 あ、これがギフトゲームだって忘れてた。

 ペスト見るとこいつもホストのくせに忘れてたっぽいな。そんな顔してやがるし。

 それと涙浮かべて俺を見ながら懇願しないでくれ。でも忘れてたのは謝らないからな。

 

 




もうちょっと書いていたかったけど、これ以上続けると終わらなくなりそうだからやめましたwww

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