問題児たちと一人の神が異世界から来るそうですよ? 作:異山 糸師
よろしくお願いします!
幻想郷にある永遠亭の一室で俺は今、永琳とお茶を飲んでまったりとしていた。
「毎日のんびりと過ごす………やっぱり歳だねぇ」
「何言ってるのよ。昔からそんな性格だったじゃないの」
「100億も経てば性格も変わるさ……ズズゥ…ふぅ、お茶が美味い」
「……ちょっと待ちなさい。あなた私と同い年じゃ…「零さ~ん。お手紙ですよ~」……」
鈴仙が手紙を持ってきたけど、手紙とは?
取りあえず受け取る。
「ありがとう、鈴仙。まあ座ってお茶でも飲め」
「はい。ありがとうございます」
鈴仙にお茶を渡して片手で鈴仙の頭を撫でながら手紙とやらに目を通す。この子は俺に頭を撫でられるのが好きなので、ついつい撫でてしまう。
目の前で睨んでくる永琳と撫でられて顔を真っ赤にする鈴仙を無視して手紙を見てみると、
『月神 零殿へ』
いやいや、誰だこれ?俺の名前は天城零なんだけど……。
「なあ、鈴仙?」
「ふぁ、ふぁいっ!?」
可愛らしいお返事で。
「この手紙ってさ、名前は最初からこうだった?」
「は、はい。月神って書いてありましたけど、零さんのお名前が書いてありましたし……なにより『月神』ですし……」
ん~…確かに俺は月神だ。あと太陽神と軍神。その三つの神々を支配下に置く神だ。
名字変えてないんだけどなぁ……。爺に聞いてみるか。
「(糞神~?聞こえてるだろ~?)」
「(なんじゃ?今、Good endなんじゃけどな)」
こいつ、ギャルゲーしてたな………
「(んなことはどうでもいいんだよ。エロ爺が)」
「(誰がエロ爺じゃ!!)」
「(お前だ。それより手紙が俺宛に来たんだよ。『月神 零殿へ』ってさ。なんか知らないか?)」
「(あ、それなら儂が名字を変えておいた。所謂偽名ってやつじゃな。『天城』の名は今ではどの世界にもお主以外おらぬから名乗れば直ぐにアマギ神とバレる。慣れぬと思うが、異世界なんかでは月神と名乗るが言いじゃろう)」
へぇ~…でも、月神なんて珍し過ぎるだろう。ま、いいか。
「(りょーかい。そうするわ。じゃあな)」
「(うむ。またの)」
爺との会話を終えると、永琳と鈴仙の2人が不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。
「どうした?2人共」
「いえ、零さんが難しそうな顔をして動かなくなったのでどうしたのかな、と」
「それで、どうしたのかしら?」
「んにゃ、何でもないさ」
温くなったお茶を飲み、手紙の中身をみる。そこに書いてあった文は、どこかで見たことあるような……?
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを投げ捨て、我ら“箱庭”に来られたし』
これ、「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」じゃないか?
ていうか悩みとかないし、少年って歳じゃないし、全てを投げ捨てるとかあるけど、俺にはたいして関係ないし。
「永琳、鈴仙。俺はこれから少し出かけるから。アマテラスにも伝えといて」
「どこに行くのかしら?」
「内緒♪」
まあ、行きますけどね!
立ち上がって外に出た瞬間、俺の体は上空4000mほどに放り出された。
基本、こんな感じで自由を売りに書いていきます。