黒子のバスケ ifストーリー 「もし、黒子が桃井の事を好きだったら」   作:和泉春

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第六話です‼

なんだかんだで、
自分的に一番書きやすいのは
黒子視点なんですよね…(笑)

他のやつも勿論頑張りますけどね‼



幼馴染みって、何なんでしょうね

放課後になり、

僕は荷物を持って第一体育館へ向かう。

 

一軍専用体育館だ。

 

まだ少し慣れていない。

 

一軍レギュラーだと言う実感が

未だに湧いてこないのだ。

 

でも、迷ってはいない。

 

僕は僕の役目を自覚しているから。

 

そして、それを誇りに思っているから。

 

 

青峰くんには感謝している。

 

感謝したりないくらいだ。

 

けれど、何故か僕は心のどこかで彼に嫉妬している。

 

それは才能になのか、人間性になのか、

恵まれた環境にいる事を自覚していない事になのか…。

 

思い当たる点がいくつかあって、

僕は嫉妬と同時に、罪悪感を覚える。

 

その自分の身勝手さに、時折、腹が立つ。

 

僕は歯を食いしばって、頭を大きく振った。

 

 

僕は、影だ。

 

「キセキ」の影だ。

 

忘れてはならない。

 

皆がくれた誇りを。

 

 

 

更衣室で着替えを済ます。

 

バッシュの靴ひもを強く結ぶと、

力強く扉を開いた。

 

 

「え!?青峰くんが倒れた!?」

 

 

扉をあけたすぐそばでは、

桃井さんが緑間くんに驚いた顔で詰め寄っていた。

 

レギュラーメンバーはほとんど来ていたが、

紫原と青峰の姿だけ見当たらない。

 

黄瀬は赤司と練習表を眺めていた。

 

あわあわしている桃井さんを目のあたりにして、

何だか放っておける気がしなかった。

 

 

「どうしたんですか?」

 

「あ、テツくん‼

青峰くんが倒れたっんだって‼

朝いつもより早く学校いっちゃったから、

風邪ひいてるなんて知らなかった…。」

 

「朝から体調悪そうでしたよ。

のど飴をあげたのですが…

効かなかったみたいですね。」

 

「そうだったんだ。」

 

 

僕達がそう話していると、

緑間くんが呆れて言った。

 

 

「あいつなら今、

保健室で寝ているのだよ。

倒れた時、

丁度紫原が居合わせたから

運ぶように言っておいたのだよ。」

 

「それでむっくんも来てないんだ。

いつも赤司くんと来てるから、

サボったのかと思っちゃった。

…もーしょうがないなぁ。

じゃあちょっと様子みてくるね‼」

 

 

桃井さんは体育館を出て、

保健室のある校舎へと向かった。

 

緑間くんはふうと息をつく。

 

 

「しょうがないと言いつつ

心配などするから、

あいつも真面目にならないのだよ。」

 

 

僕はすかさず

桃井さんのフォローへまわる。

 

 

「でも、

桃井さんのいいところでもあるじゃないですか。」

 

 

すると緑間くんはため息をついて、

メガネをあげる。

 

「まぁそうだが。

…世話の焼ける幼馴染みを持つと

ろくな事がないのだよ。

あいつらをみていると、

つくづく不思議に思うのだよ。」

 

 

幼馴染み…。

 

 

緑間くんの言う通りだ。

 

いやいやでも、

何だかんだ心配して、

うっかり手を差し伸べてしまう。

 

あの二人の間で、

無意識にそれが成り立っている。

 

他所からみたら不思議で、

でも二人にとってはそれが普通で、

当たり前なんだと、

改めて思い知らされる。

 

 

「幼馴染みって…何なんでしょうね。」

 

「は?」

 

「いえ、何でもありません。」

 

 

 

 

翌日、青峰くんは学校に来なかった。




第六話 幼馴染みって、何なんでしょうね
を読んで頂きありがとうございます‼

これからも頑張って行くのでよろしくお願いします‼

感想、評価などして頂けると嬉しいです‼

他の作品も是非読んでみてください‼

次話もお楽しみに‼

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