黒子のバスケ ifストーリー 「もし、黒子が桃井の事を好きだったら」   作:和泉春

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第十七話です‼︎

今回の投稿は新シリーズである
「黒子の人狼」第二話と同時更新ということで、
これを機に他の作品にも
目を通して頂けると嬉しいです^_^

これからも頑張りますので、
長い目で見守って頂けると嬉しいです^ ^




好きでしたよね

翌日、僕は熱を出して学校を休んだ。

 

そう高くなかったのだが、

あれから柄にもなく号泣してしまったので、

目が赤く腫れ上がってしまっていた。

 

 

どうしようにも、

このままでは学校に行けるわけもない。

 

学校では、嫌でも桃井さんや青峰くんに会うことになる。

 

昨日、泣いているところを

黄瀬くんに見られていることもあって、

顔を合わせるのがなんだか気まずい。

 

会ったらきっと、根掘り葉掘り聞かれるんだろう。

 

それはさすがにキツイものもあって…。

 

また柄にもないことをしてしまいそうで…。

 

 

失恋して泣いて学校に行けないなんて、

なんて情けないんだと、

ベットで自分を卑下していると、

薬とタオルを持ってきてくれたおばあちゃんが

僕の部屋のドアをノックした。

 

 

「哲也…熱はどうだい?」

 

「おばあちゃん…。

はい、大分引いてきました。すみません。」

 

「謝らんでいいのよ。家族なんだから…。」

 

「………はい。ありがとう、ございます…。」

 

 

失恋して、おまけに熱もある。

 

そんな時の人の優しさは、

どうも心に染みてきてしまうもので、

僕は涙を堪えた。

 

 

「おばあちゃん…。

今度、お散歩にでも行きませんか。

今の時期はきっと、

運動公園の金木犀が咲いていると思います。

好きでしたよね、金木犀。」

 

 

濡らしたタオルで

僕の背中を優しく撫でならがら

おばあちゃんは小さく返事をした。

 

 

「そうだねぇ。」

 

 

背中を拭き終えて、僕の服を交換する。

 

何もかも慣れた手つきで僕の世話をするおばあちゃんと、

青峰くんの看病をしていた時の桃井さんを重ねた。

 

一緒にいた時間が長ければ長いほど、

募るものがある。

 

そのことを、改めて感じた。

 

 

 

「…………。」

 

「哲也、もう少し寝てなさい。

あとでお粥、持ってきてあげるからねぇ。」

 

「……はい。」

 

 

おばあちゃんが部屋を出て行ってから

1分も経たないうちに、僕は眠りに落ちた。

 

 

 

どんなに辛くても、

やめることなんて出来やしなかった。

 

例え叶わないことだったとしても、

僕は本当にどうしようもなく、

彼女に惹かれていったんだ。

 

 

こんなに溢れて仕方のない思いは、

一体どうしたら消すことが出来るのだろう。

 

 

「……………………。」

 

 

でも、消すことが出来るかどうかが

問題なのではないのだと、

自分でも、分かっているんだ。

 

このままでは、いけないのだと、分かっている。

 

 

だから、僕は自分にきちんと、

けじめをつけなければならない。

 

 

次、彼女に会ったら、告白しよう。

 

僕の全てをさらけ出して。

 

そして、きちんと振られよう。

 

 

今までずっと、誤魔化してきた。

 

僕はもう、逃げない。




第十七話 好きでしたよね
を読んで頂きありがとうございました‼︎

黒子がついに決心しました‼︎

これからもよろしくお願いします‼︎

評価、感想などして頂けると嬉しいです!!!!!

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