寝オチしたらギレンになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
休戦協定は南極で行われることになった。
不吉なのでこの場所は避けたかったのだが、どう他の場所を提案しても何だかんだの理由で南極になってしまった。
だが大丈夫、杞憂だな。
今回レビルは捕らえていない。ルウムでは敗北し逃走。今回の戦いではフェイク情報に騙されて北米に軍を集結させたまま一戦もしていない。原作の負けて英雄になったのと違い、負け続きの無能将軍のレッテルを貼られている。このまま戦争が終わったら責任を取らされて処刑される可能性すらある。
今は妥当な条件を詰める方が大事だ。
一つ。サイド7を除く全てのサイドと月の権利をジオンに委譲。
二つ。ジオンはスペースコロニーにかかった建設費用について地球連邦に返済する。
三つ。ジャブローはジオンの地球における拠点としてジオンに割譲する。
「どうかねこの条件は、なかなかの落としどころだと思うが」
「随分と謙虚ですな、てっきり宇宙の利権は全て寄越せと言うかと思っていたよ」
「宇宙から完全に閉め出されては地球は早晩破滅する。今度は地球連邦が引けない戦いを挑んでくる。それではスペースノイドとアースノイドの決定的な決裂になってしまう。
私は別に千年戦争も殲滅戦争も望んでいないのだよ」
「それで何を望みますかな」
「緩やかなる変革。いずれ全ての人類が宇宙に旅立てば良い」
「なるほど。随分と素直に言いましたな」
「腹の探り合いは時間の無駄だ」
「この条件、現状連邦がサイド2を抑えている以上、軍部が納得するか」
「その理論で行けば、ジャブローの割譲はすんなり認めて貰えそうだな」
「閣下には勝てませんな。
いいでしょう、その線で調整します」
「後条件2ですが、其方から提案されるとは思ってませんでしたな」
「いつの時代も暴力による借金の踏み倒しは禍根が残る。合法的に権利を手に入れ争いの種を後世に残すべきでは無いと考えるが」
原作で100年以上は続く戦乱の元はここで絶つ。
「結構です。閣下の目は既に未来を向けておいでだ」
「納得して貰えたか」
「最後になりますが、本当に私でいいのですか?」
「私の話が人類の為になると思えば君は実行する男だ。
私は私のプレゼンが貴方に届いたと信じるよ」
「分かりました。では私はこれで失礼させて貰います」
「うむ。
ゴップ大将が退室するお送りしろ」
彼はこの後解放されてジオン連邦双方の仲介役として南極に向かうのであった。
裏切られるだろうか?
だが私が出向くことが出来ない以上、連邦ジオンをまとめられる人物などジオンにはいない。後付けで地球の未来を憂う有能官僚になったゴップを信じるしか無い。