寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第34話 胃が痛い

 戦いは続いている。

 宇宙での戦いは終わったが、ジャブローでは連邦ジオン両軍入り乱れての激戦が続いている。

 正直言えばすることが無く、一報をただ待つというのは辛い。

 サッカーで贔屓のチームの応援するのとはプレッシャーが違う。

 正真正銘、チームの負けが己の負けに直結しているのだ。

 きりきりと胃が痛んでくる。

 気晴らしでもしたいが俺以外の部下が忙しそうに働いている中ゲームをするわけにもいかず、偉そうに椅子に座り続けるのは辛すぎる。

 きりきりきりきり、胃が溶けて無くなってしまうのでは無いかというときに一報が入った。

「総帥。地上軍からの通信です。

 我、ジャブローの地図の入手に成功です」

「やったか」

 俺は椅子から立ち上がりガッツポーズをしてしまった。

「地上軍より、レーザー通信でジャブローの地図及び我が軍の現在の配置が送信されてきます」

「イエスイエス、よっしゃー」

 あまりの歓喜に気勢を上げる総帥を周りのオペレーターガールズがこのオジサン何?とキモイ者を見る目で見てくるが、今は構うものか。

 早く早くデータの受信よ終われ。

 そわそわそわそわ、そわそわが止まらない。

「総帥、落ち着きなさい」

 セイラさんが小さい子供を相手にするように叱ってくる。

「うむ、そうだな」

 気を取り直して椅子に座ったが、今度は貧乏揺すりが止まらない。

 早く早く終われ。

 実際にはものの数分程度だったのだが、一日にも感じる時間が流れ告げられる。

「総帥。受信終わりました。映像に出します」

 ヤマト艦橋の正面の大スクリーンにジャブローの地下マップが映し出され、現状での勢力分布が赤がジオン、青が連邦として光点が映し出される。

 あれが宇宙港、あそこがMS工場、あれは格納庫かとIQ240のギレンの頭脳が唸りマップ情報を直ぐさま読み取っていく。

「よし、神の杖スタンバイ。ジャブロー司令部に宙爆する」

 えっどこ?という目を周りの部下達は向けてくる。

 確かに入手した地図程度では司令部の位置は隠されたままだが、ギレンの頭脳が配置から司令部の位置を推測していたのだ。普通ならここで推論をつらつらと説明しなくてはいけないが、一番偉い人なのでそんな必要は無い。

 そしてコロニー落としほど大規模な破壊は出来ないがピンポイントに優れる神の杖なら味方に損害を出すこと無く攻撃出来る。

 独裁者パワーで反論を許すこと無くスムーズに作業は進み、俺が指定したポイントに神の杖は射出され、邪魔をする者はいない状態なら狂わされること無く計算通り神の杖は指定ポイントに突き刺さったのであった。

 ほどなく連邦の各部隊に連携は失われ個別に撃破されだした。

 予想通りの位置に司令部はあったようだ。良かった。独善で出来る代わり全責任を負うのが独裁者。外れていたら面目丸つぶれだった。

 ほっと胸を撫で下ろす内に宇宙港の奪取成功の知らせが届き。

 歓喜に湧いている内にMS工場制圧の知らせが届き。

 完全に緊張が緩みだした頃にゴップ等連邦軍首脳部を多数捕虜にすることに成功しジャブローが降伏したと連絡が届いた。

 ジャブロー攻略戦は成功したのであった。

 

 そして三日後。

 宇宙拠点ルナツーに続き連邦軍本部の陥落。それ以前から続く敗戦の積み重ね。

 もはや連邦に戦う気力など残っていなかった。

 歴史は流れ南極にて休戦協定について話し合われることになったのであった。

 


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