寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第18話 ようこそジオン側へ

 ギレン自ら艦隊を率いてザーンへ侵攻。

 このニュースは宇宙中に駆け巡り一番騒然としたのはルナツーであった。

「あそこにギレンがいるんですよ。今すぐ全軍を持って進撃すべきです」

「あからさま過ぎる罠だ」

「罠でも何でもここでギレンを倒せば終わりなんだぞ」

「だが今のまま攻めてもルウムの二の舞になるだけだ」

「全軍で攻めて負けたら今度こそ後がないんだぞ。

 要塞に籠もっている限り負けはない。今は宇宙軍が再建されるのを待つんだ」

「そうだギレンは宇宙軍が再建されるのを恐れている。だから自ら囮になって再建される前に要塞から艦隊を引き剥がして潰すつもりなんだ。今は待ちの一手だ」

「少数とはいえザムがいる。ザクに対抗できないわけじゃない」

「それにだ。わざわざ機動戦に付き合う必要は無い、あれを使うべきだ」

「あれを使うだと。その意味が分かっているのか?」

「ギレンさえ倒せばもう戦いは終わりなんですよ。報復など恐れる必要は無い。

 このルナツーにある分だけでもギレンをザーンごと消滅させることは出来る」

「おい、その発言危険すぎるぞ」

「いいえ、ギレンを放置することこそ危険です」

 紛糾に紛糾、結論は出ることはなかったという。

 

「やあ、ザーンの諸君」

 ザーン会議室の巨大スクリーンに椅子に腰掛け足を組み片肘を突いているギレンが映る。

 とてもじゃないが人に挨拶する格好じゃない。

「これはギレン閣下、何かご用でしょうか?

 会談は明後日のはずでは」

 雁首揃えたザーン首脳部の一人が尋ねる。

「我が軍がこのザーンに向けて連邦の艦隊が向かっているのを発見してね」

 ザクが強く連戦連勝とはいえ慢心は駄目絶対。

 旧日本軍の失敗を糧に周囲の偵察に抜かりはない。

「そっそれは・・・」

「まさかとは思うが外交交渉に来ただけだけの我が艦隊に対して連邦に援軍要請などしてないよな」

 ここで眉無し三白眼で睨み付ける。我ながら、そこらのヤクザに絡まれるより数倍怖い自信がある。

「もっもちろんでございます」

 この狼狽えよう嘘ではないようだな。まあここが主戦場になって困るのはザーンの連中だからな。此奴等としては適当に会談を終わらせて、さっさと立ち去って欲しいのが本音だろう。

「そうか。ならば不当にザーンの領域に侵入する連邦艦隊を我がジオン軍が排除してやろう」

「そっそれはありがとうございます」

 適当に話を合わせているつもりだろうが、今ので言質を取ったぞ。

「なに遠慮することはない。

 さあ、遠慮無く我が軍に要請を出すが良い」

「要請!?」

「そうだ連邦艦隊の排除要請だ」

 さあ踏み絵だ。

 この踏み絵踏むか否か。

 と言ったところで、ジオン艦隊が既に駐留している以上現状踏むの一択しかない。

「・・・・・・・連邦艦隊の排除要請をします」

「了承した」

 仕方ないとは言え、これは大きな一歩、ズルズルと引きずり込まれる一歩。

 済し崩し的にジオン陣営にようこそだ。

 

 


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