転生クックは人が好き   作:桜日紅葉雪

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南極海鳥様より、クロス許可をいただきましたので人化と一緒に番外編としてレンド君とランちゃんを登場させていただきました。
個人的に好きな、この二人の登場する「モンスターハンター 鳥竜種な女の子」も面白いので皆様も是非にどうぞ。大まかなあらすじはあとがきに乗せさせていただきます。

後、前後編に分けてしまいました。申し訳ないです。多分今日中に後編と本編を上げると思いますのでよろしくお願いします。


番外編 流石〇〇〇キノコ。何でもアリだぜ…(前編) ※擬人化・クロス要素あり

森丘と呼ばれるフィールド。大きな川が流れ、気温も風も穏やかな場所。

小型の肉食竜もいることにはいるが、彼らの巣に深入りしなければ特に襲われることも無い。

危険性が少なく、採取依頼などで初心者ハンターがお世話になる場所だ。まあ、火竜が住みつくこともあり、まったく危険がないわけではない。

そんなフィールドに、一人のハンターと一人の少女が竜車から降り立った。

 

「レンドさん、今日は何をしにここへ?私を誘うことなんて今までなかったのに…」

 

「ああ、今日は仕事じゃないからな。今日はピクニックだ。ランもずっと村の中にいるのも辛いだろうからな」

 

そういって、ベースキャンプの出口へと歩いていくレンドと呼ばれたハンター。

そのハンターを待ってくださいよーと声を出しながら追いかけていくランと呼ばれた青い髪の少女。

二人は何の気負いも無く歩いていった。

 

 

――――――――――――――――――(ハンター's prologue end)――――――――――――――――――――

 

 

おはよう。突然だが聞いてくれ。今日は俺的一大イベントがあるんだ。準備期間なんと2週間!

その間俺は森丘中を駆け回った。…基本移動手段は飛行だったけどな。んなこたぁどうでもいい。それが昨日ついに準備が整ったのだ。内容?それはまあ、その時になってからのお楽しみだ。

さあ、ますは水を飲んで来よう。楽しみはそれからだ!!

翼を広げて飛び立つ。今日の水飲み場は…アプトノスさんのところでいいかな。

行ってきまーす。

 

 

――――――――――――――――――(先生 prologue end)―――――――――――――――――――

 

 

 

水飲み場に到着。いつものように水を飲み始める。

今日もアプトノスさんがのんびりしている。和むね。

本来ならここで食事に入るのだが、今日は無し。喉も潤ったし帰ろう。

そう思い、後ろを向く。同時に、俺から見て左側奥の方から、足音が聞こえてきた。

音的には、ハンターだ。大穴で鳥竜種。

暫くその場で音の方を眺めていると、1組の男女が現れた。女性(…見た目的には女の子?)は、装備を付けていない。手にバスケットを持っている所を見ると、ピクニックだろう。まあ、ここまでなら風景もいいし危険もまずないからね。とりあえず男の方は爆発すればいいと思うよ。

そんなことを思っていると、男の方が硬直から脱し、女の子を背に庇い武器を構えた。別に襲うつもりなんてないんだけどなー。それでも武器を向けられる。

 

(解せぬ)

 

思わず漏れた声。唸り声となってハンターに届き、ハンターは警戒をさらに深めた。

 

女の子「レンドさんレンドさん、あの大きな鳥さん、武器向けられて『解せぬ』ですって。どういう意味なんでしょうね??」

 

なぜわかったし!?

女の子の方をまじまじと見ていると、レンドと呼ばれたハンターの方がこちらを警戒したままに、女の子の方に向かって声をかけた。

 

レンド「ラン。こいつ変な色してるけどどう見ても怪鳥だぞ?そんなことを本当に考えているのか??ちなみに、訳が分からないって意味だ。」

 

どこか、気の抜けた会話。それでも警戒を続けれるあたり、このレンドと言うハンターは真面目なのだろう。

なんでかは知らないけれど、俺の言葉がわかるらしい少女に向けて翻訳を願いながら声を出す。

 

(そりゃあ、俺は怪鳥だけど、別に襲いかかるつもりはないぞ?これでも何度かハンターを助けているはずなんだけどな)

 

どうでもいいことだが、この長文。文字にすると「Gugya」とこれだけにしかなっていない。法則なんて欠片もわかんねぇ…。

 

ラン「こちらを襲う気はないみたいですよ。あと、何回かハンターを助けたって…」

レンド「そうはいっても、信じられないぜ…」

 

警戒を解かないハンターの後ろから、ランと呼ばれた女の子がトコトコとやってくる。

あわてて止めようとしたハンターだが、俺の体に楽しそうにじゃれつくランちゃんをみて、後ろ頭を掻いた。

 

レンド「俺じゃあ、手も足も出ないモンスターなんだけどな…」

ラン「レンドさん!この鳥さん、面白いです!!」

 

耳に捕まったランちゃんをグイッと持ち上げて首に乗っけてみる。響く笑い声と、あわてるレンドさん。……なにこれ楽しい。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

しばらく時間がたち、昼。いつしかレンドさんも俺への警戒を解き、ランちゃんと一緒に俺の体を玩具にしていた。というか、玩具にするランちゃんに付き合わされてるだけだけど。

かくいう俺は、楽しみながらも本日のイベントをやれないことにちょっとだけもやもやしていた。普通に帰ればいいとも思うのだが、ランちゃんが可愛くて無理。

 

(まあ、たまにはこんな日もいいかな。)

 

なんて考えていた。ふと気づくと、はしゃいでいたランちゃんがいつの間にか大人しくなっていた。意識をランちゃんに持っていってみる。俺の背中ですやすやと眠っていた。レンドさんは疲れて寝転がっている。本当にお疲れ様です。寝転がるレンドさんの横でやることも無く突っ立っていると、話しかけられた。

 

レンド「なあ、お前は人を襲ったりしないんだよな…人の家畜を襲ったりしたこと、あるか?」

 

唐突な質問だが、俺はそんなことはしていない。のんびりとした動きで首を振った。そうか…と答えるランドさん。そんな彼の鼻に、水滴が散った。

 

レンド「ん?」

 

目を開いたレンドさんは空を見て口をひくつかせた。俺も空を見る。どんよりと暗く、今にも振り出しそうだった。というか、振り始めた。

俺はあわててレンドさんを背中に乗っける。意図を理解したのかしていないのか、ランちゃんをしっかりと背中で抱え込んでいた。多分傘代わりになるつもりなんだろう。なんだかんだ言って優しい人だ。

俺は翼を広げて飛び立つ。レンドさんが驚いていたが、既に飛んでいる俺から落ちるのはまずいと感じたのか、何も言わずに俺の体にランちゃんごとしがみ付いた。

少しだけ飛んで巣穴に飛び込む。洞窟内なので雨はしのげる。ゆっくりと着地して足を曲げる。これで降りやすいはずだ。レンドさんは不思議そうな顔をしながら俺から降りた。

何か言いたそうな顔をしていたが、俺はそれを無視して壁に向かう。予定はだいぶ狂ったが、イベント開始だ。ていうか、腹減った。まだ朝から何も食べてないからな…

床に置いてあるものにかぶりつく。視界がぐるっと一回転するが構わずにまたかぶりつく。それを3回ほど繰り返したところでそれは起こった。俺の体が光り、だんだんと小さくなっていく。

羽が無くなり、くちばしが消え…ほいっ!人化完了!!…あるぇ??

人化してしまうとは思ってなかったが、感動を覚えるより先に、薬草と解毒草を一気に口に含む。当然苦い。ものすごく苦い。けれど、体が軽くなった。

落ち着いたところで種明かしでもしようかと思う。俺が最初に食べまくったのは、この辺では珍しいドキドキノコ。食べれば不思議な効果がランダムで現れるという訳の分からないキノコだ。簡単に一例をあげると、毒になったり力が強くなったりスタミナが減らなくなったり、ダメージを受けたりはたまた回復したり。その効果は多種多様。ゲームだけでも5つ以上の効果がランダムで出てくるのだ。現実ならそれはさらに増えるだろう。そのキノコを100個単位で何度も口に入れた。その結果、俺の体はいかなる効果からか人化したという訳だ。ちなみに、大量に食べたせいで何度も毒になり、ダメージも受けた。だから終わった後に薬草と解毒草を食い漁ったのだ。

 

レンド「なっなっなっ…」

 

レンドさんがすごい混乱している。ごめん。俺にもわけわかんねぇわ。まあ、だからって取り乱してるわけじゃあないが。

 

鳥「いやいや、いきなり済まんね。…言葉分かる??」

 

レンド「わ、わか、わかっ…」

 

目を見開きながら何度もうなずく。

にしても流石に驚きすぎじゃない??

 

鳥「そうかい、いや、わかるならいいんだけどさ。んで、レンドさんでいいよね。大丈夫?」

 

声をかけると、暫くあわあわ言って、深呼吸を始めた。いきなり目の前で怪物が人間になったようなものなので、っていうか、実際そうなので大人しく落ち着くのを待つ。何度かやった後、ようやく落ち着いたのか最後に大きく息を吐いて口を開いた。

 

レンド「あ、あんたは、さっきのイャンクックで…あってるよな」

 

開口一番、当然の質問。そりゃあそうだろう。俺がレンドさんだったとしてもまずそれを聞くし。

 

鳥「おう。そうだぞ。ランちゃん風に言えばおっきな鳥さんだ」

 

レンド「あ、いや、すまん。あとで言い聞かせとく」

 

別にいやだったわけでも皮肉を言ったわけでもなかったんだが。ただのウィットにとんだジョークってやつだ。

 

鳥「別にかまやしないんだけどさ。んで、なんだ」

 

レンド「いろいろ聞きたいんだがとりあえず…なんで人間に?」

 

まあ、だよね。誰だってそう聞く。俺だってそう聞く。

実際俺もできるとなんて思っていなかった試みだったし。

 

鳥「いや、ドキドキノコってあるじゃん?」

 

レンド「あ、ああ。食べるたびに味やらなんやらが変わるっていうキノコだろ。たまに毒になるからめったに食べたりしないけど」

 

鳥「そうそれ。それを一気食いしたらこうなった。本当はどんな味になるのかが気になってただけなんだけどな。まさか、本当に人になれるとは…自分でびっくりだよ」

 

んで、一口食べて体が内側から変わっていく感じを感じて行けるって思ったんだよな。

ちなみにレンド達を無視して食べ始めたのはただ単にお腹が減ってただけ。まあ、紛らわしかったのは認めるけど。

 

鳥「さて、外は雨だし…飯でも食うか?」

 

レンド「は?」

 

鳥「世にも不思議な、怪鳥料理だ」

 

レンド「…食えんの?それ?」

 

 

 

 

 




小説書く時間がない…ていうか、来年のイベントの準備がもう始まってる件について。今年は営業部長だぜ!!

ということで、クロス先のモンスターハンター 鳥竜種な女の子について少し。
まず、レンド君ですが…ランポス数匹と死闘を繰り広げる片手剣使いのハンターです。わりにあまり危ない場面が少なく、期待のルーキーなのでしょうね。
次にランちゃん。ランポスです(!?)。ある日レンド君がクエスト中にランポスと戦っていると、いろいろあって窮地に立たされました。そんな彼を救ったのが、彼女…に落ちた雷様。確かに雷が落ちたはずなのにこれといったケガも受けなかった(人外確定)レンド君の脇に倒れていたのが人間形態のランちゃん初登場シーンです。全裸なんてなかった。
こんな二人の織り成すラブコメ。シャワーでお湯が出ることに驚いたランちゃんに半裸で強襲されたり、ランちゃんは肉を焼くことにカルチャーショックを受けたりとわりとドタバタしています。今現在はシリアス方面に傾いて、ランちゃんは一人、人の姿のままランポスの集団へと走ります。果たして、彼女の運命は…
ッと、こんな感じでいかがでしょう?気になって読んでみようと思ってくだされば幸いです。さて、続きはまだかなーっと。

では、また後で。

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