AS オートマティック・ストラトス   作:嘴広鴻

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第4話 フランス編 泥棒猫

 

 

 

――― 篠ノ之箒 ―――

 

 

 

 終わった。ついに終わった。ついに地獄が終わった。

 ついに地獄の訓練の日々が終わった。

 

 私は今、一夏と千冬さんと一緒にフランスのパリ東駅に到着したところだ。もうすぐ新しい年がくる季節なので結構寒い。

 ドイツでの地獄の訓練が終わったので日本に戻ることになったのだが、その前に一夏がラファール・リヴァイヴを借りていたデュノア社にお礼の挨拶に行くためにフランスに来た。

 ちなみにフランスの次はイギリス、アメリカと続く。

 

 

 イギリスについてはお礼の挨拶などではなく、むしろお礼を言われに行く。

 “ASショック”で一夏がテロリストからISコアを取り返した。そしてそのコアのNoからすると昔にイギリスから盗まれたものだったのだが、それでも取り返したISコアの帰属先には世界各国が争ったらしい。

 イギリスは「元々は我が国のものだ!」といい、他の国は「盗まれたくせに何言ってやがる!」と反論。姉さんの失踪した理由が、ISを本来の目的ではなく自国の利益のために好き勝手利用する世界に絶望して、という噂があるが、それの意味が良くわかった気がする。

 一夏の歓心を得たい……というよりイギリスの力を削ぎたいのか「一夏君が取り戻したんだから、一夏君のものでいいじゃないか!」とまで言う国があったのだが、最終的には「普通にイギリスでいいでしょ」という一夏の言葉で終わった。

 

 ま、良くも悪くも問題のない終わり方だっただろう。

 実際のところ他の国としても、テロリストに盗まれたらISコアは自国のものではなくなるのは困るはずだ。テロリストはもちろんのこと、他国の工作員に盗まれてもアウトなのだから。

 このことについては、同じくテロリストにISを盗まれているアメリカが特に反対に回ったらしい。

 

 一夏の所有にすることについても「ではイギリス(ウチ)がこのコアを使って一夏君に専用機をプレゼントしよう。あ、男性IS操縦者のデータはもちろん貰うからね!」とイギリスが提案したことで立ち消えになった。

 転んでもタダでは起きないのがイギリスらしいと一夏は笑っていたな。

 

 

 アメリカについては純粋に観光だ。

 一夏が宇宙に興味を持っていることを知ったアメリカが「NASA見学しない?」と聞いたところ、一夏が「マジでっ!?」と普段を見せないような顔で喜んだからだ。

 普段はまったくワガママを言わない一夏が珍しく望んだことなので、千冬さんもむしろ喜んでアメリカ旅行を計画し始めた。

 どうやらこの冬休みは3人での海外旅行三昧になるようだ。

 

 

 それと結局、一夏の専用機は日本の倉持技研が製作することになった。

 正確には日本がIS委員会に貸与して、更にIS委員会から一夏に貸与する形になった。一国による男性IS操縦者のデータ独占を避けるためだろう。

 それでも日本としては自国の会社で専用機を製作するので面子は保たれるし、一夏としても千冬さんの専用機である“暮桜”を製作した会社でもあることから不満はないそうだ。微妙に千冬さんも嬉しそうだった。

 

 

 

 あの“ASショック”のあと、日本政府との話し合いが私の知らないところで勝手に終わったらしく、一夏から呼び出しをされて私はドイツにISの訓練のために渡欧することになった。

 そこで一夏と共に、千冬さんが教官を務めるドイツ軍IS部隊シュヴァルツ・ハーゼの訓練に参加することになったが、一緒に訓練することになったシュヴァルツ・ハーゼの皆はさすが軍人というべきで、私も一夏も訓練に追いついていくだけでやっとだった。

 

 しかも運の悪いことと言うべきか運の良いことと言うべきかはわからないが、シュヴァルツ・ハーゼの持っているIS数は3機。だが所属人数はもちろん3人以上いる。

 つまりシュヴァルツ・ハーゼではISの搭乗訓練を行なうときはIS3機を持ち回りで使用して訓練を行なうのだが、私と一夏は量産機ではあるがそれぞれ打鉄とラファール・リヴァイヴを暫定専用機として貸与されていたので、搭乗訓練は毎回毎回強制参加だったのだ。

 シュヴァルツ・ハーゼという軍人集団が持ち回りで行なう訓練に毎回参加する私たち。無茶と言う他ない。

 もちろん体力づくりやその他の訓練も大変だったが、IS搭乗訓練が一番大変だった。

 

 ドイツに来て一夏と4年振りに再会出来たのはとても嬉しい。

 電話ではこの4年間、毎週のように話していたとはいえ、やっぱり直接顔を合わせて話をするのとは違う。小学校のころから大人びた奴だと思っていたが、中学に入ってからはますます大人びているように見えた。

 だけど訓練のために呼んだのは正直恨む。おかげで地獄を味わうことになった。

 

 確かに一夏がテロリストに襲われたことから篠ノ之束の妹である私も狙われるかもしれないので、姉さんに迷惑をかけないためにも自分を守る力を手に入れなければならないのはわかる。

 わかるけど、もう少しこう……手心というか……。

 どういう手段か知らないが姉さんが私の惨状を知って、千冬さんに電話をかけてくるぐらいのスパルタ形式だった。

 

 ただし姉さんは千冬さんの「痛くなければ覚えないからな」との言葉に引き下がってしまったけどな。出来ればもうちょっと頑張って欲しかった。

 まあ、そのおかげで“代表候補の候補にはなれるだろう”という千冬さんのお墨付きを頂けたので、苦労した甲斐はあったとは思う。

 

 

 

 それにしても……いったい姉さんはいつになったら帰ってくるのだろうか?

 

 世間の話では“姉さんの望んだISの宇宙開発利用がされないことに絶望して”となっているが、一夏の話では“良心の呵責”で失踪したんじゃないかということなのだ。

 別にそんなこと気にしなくてもいいのに。

 

 確かに姉さんの作ったISのせいで私は生家から引っ越す羽目になり、一夏とも父さんとも母さんとも離れることになった。

 しかし、そもそも姉さんがISを作っていなかったとしたら、そのままアクシズは地球に激突して私たちは皆死んでいたはずだ。

 だから姉さんのことを誇ることはあっても、恨んだりなんてするはずがない。

 

 でも姉さんは私のことを本当に愛してくれているからなのか、私の本心を告げれば告げるほど姉さんは気に病むようだった。

 4年前、引っ越しをして姉さんとも離れ離れになってからだったけど、私は電話でちゃんと言った。姉さんのおかげで私たちは助かったんだと。姉さんのことを誇りに思っていると。姉さんのことを尊敬していると。姉さんのことが大好きだと。

 

 だけど私がそれを言った翌日、姉さんは失踪してしまったらしい。

 最後に千冬さんが姉さんと会話したときに「箒ちゃんが天使のように純粋すぎて辛い」と言っていたらしく、どうやら私が気にしていないということを言い過ぎてしまい、逆に辛く感じてしまったらしい。

 確かに自分に置き換えてみると、私は悪いと思っているのに相手から「気にしていない」と言われ続けるのは辛いだろう。ちょっと反省。

 

 それからは一夏の助言通りに、姉さんから電話があったとしても“ISショック”の話は避け、世間話や学校での話や私が一夏とどんな話をしたのかとかだけを話すようにしている。

 おかげで最初の頃は気遣うような感じだったのが、だんだん昔の姉さんに戻ってきたんだ。

 だからきっともうすぐ姉さんは私たちところに帰ってきてくれるだろう。そしたら姉さんと離れ離れになっていた間のことの話をたくさんするんだ。

 

 

 それと姉さんにはドイツで出来た友達の話もしないとな!

 名前はラウラ・ボーデヴィッヒ。シュヴァルツ・ハーゼ所属で同じ訓練をして同じ釜の飯を食べた友だ!

 同い年で私や一夏よりも身体は小さく、私たちが来る前からスランプに陥っていたそうだが、千冬さんの訓練を受けたおかげか成績がスランプ前より向上したそうだ。

 幼い頃から軍人として鍛えているからか私や一夏よりも強く、彼女から色んなことを教わった。

 引っ越し先ではあまり馴染めずにろくに友達が出来なかったから、本当に久しぶりに出来た友達だ!

 

 …………ウン。本当に久しぶりだ。

 一夏は中学の友達と頻繁にメールしていたのに、一方の私に届くメールはゼロ。一夏に剣で負けたときより惨めな気分になった。

 

 ただし、例え友達といっても一夏にチョッカイを出すのは認めんがな。

 ラウラはどうやら同じ隊のハルフォーフさんから変なことを吹き込まれているらしく、パンを咥えつつ廊下角で出会い頭に一夏とぶつかったり、一夏のことを“お兄ちゃん”と呼んだり、一夏のことを嫁にすると言ったりと、まるでハニートラップのようなことをしているのだが、本人に悪気がないのが困りものだ。

 ハルフォーフさんに文句を言っても「可愛いは正義!」と言って取り合ってくれない。確かにゴスロリという衣装を着ていたラウラはまるで西洋人形のように可愛かったのだが……。

 

 というか、一番の懸念事項は一夏が“お兄ちゃん”に反応したことだ。

 実際、ラウラから“お兄ちゃん”と呼ばれているときの一夏は心なしかラウラに甘い気がする。他にも“お兄さま”だとか“兄チャマ”とか12種類ぐらいの呼び方をされていたが、一番反応していたのは“お兄ちゃん”だ。

 

 アレか? 千冬さんという姉がいるから、妹というものに逆に憧れていたのか?

 千冬さんが泣くぞ。というよりラウラのことをたまにジッと見てたぞ。逆に怖い。

 

 もしかして一夏は“妹萌え”という分類なのだろうか? ハルフォーフさんの話では日本人男性の半分以上が“妹萌え”らしい。

 確かに姉がいても妹がいない私も、年下の弟妹が欲しいと思ったことがないといえば嘘になる。弟がいたら剣道を教えていただろうし、妹がいたら姉さんが私を可愛がってくれたように私も妹を可愛がっていただろう。気持ちはわからないでもない。

 だから私も姉がいるからには実質的には“妹キャラ”なので、その方面から挑もうと思わないでもなかったが、残念ながら私の方が一夏より誕生日が早い。

 

 “年上の妹”……ハルフォーフさん的にはアリらしいのだが……。

 

 くっ、ラウラが一夏のことをどう思っているのかわからないのが困る。本当に兄と思っているのか、それとも一夏を落とすために妹キャラで媚を売っているのか?

 一夏的には幼い妹を相手しているような気分らしいし、私から見てもラウラは恋愛感情を知っているとは思えないので、おそらくはアレが素なんだろうけど。

 

 しかしハルフォーフさんがラウラの後ろにいるのが怖い!

 あの人はフリーダム過ぎて、何を仕出かすかわからないんだよ!

 

 

 ……まあ、あまり焦る必要ないか。

 何しろ日本に戻ったあとは、私は一夏の家にお世話になるのが決まったのだから! もちろん一夏と同じ学校に転校もする!

 

 私と一夏はテロリストに身を狙われる恐れがある身。警備対象者は一纏めにしておいた方が、警備をする警察としては楽だろうから日本政府の反対はなかった。

 家の外は日本警察が警備をし、家の内は私の打鉄、一夏のラファール・リヴァイヴ、そして千冬さんの暮桜とISが3機揃っているという、テロリストが私たちを狙うのは無謀と言うべき布陣になっている。

 

 ……アレ? 下手したら日本の総理官邸とかより安全なのでは?

 そもそも軍の一部隊であるシュヴァルツ・ハーゼと同じIS機数を所持している一般家庭というのは、安全を通り越してヤバイ域に入っている気がしないでもない。

 

 しかし千冬さんは今年度限りでISの日本代表を辞めて、日本のIS学園の教師となることが決まっている。

 それに伴い暮桜は政府に返還することになるはずなので、一般家庭にIS3機という狂った事態は来年の3月までのようだ。なお“IS2機でも充分狂っている”という指摘は却下する。

 

 でもこの数ヶ月、学校の勉強はおざなりだったから、向こうの学校で勉強についていけるか不安だな。

 一夏は元から頭が良いから平気なんだろうが。

 

 

 

 

 

「デュノア社から迎えが来ると聞いているんだけど……」

「人が多すぎてわからんな」

「どうします? 私たちも軽くとはいえ変装しているので、アチラも見つけ『織斑千冬さんに織斑一夏さん、そして篠ノ之箒さんでしょうか?』……ム、ISのプライベート・チャネルか?」

 

 

 列車を下りてデュノア社からの案内人を探そうと思ったが、人が多すぎて探せなくて困っていたところISのコア・ネットワークを用いた通信が来た。

 

 なるほど。デュノア社はISの開発をしている企業。

 私たちの送迎のために自社所有のISを派遣したのか。

 

 

『織斑千冬だ。デュノア社の人かな?』

『はい、お待ちしていました。デュノア社のシャルロット・デュノアです』

『そうか、出迎えありがとう。しかし“デュノア”?』

『ええ、私の父が社長を務めています。私はデュノア社でテストパイロットをしております。大事なお客様ですので、ISを持っている私がお出迎えに上がりました。

 西側の改札口、番号が小さい番線側の改札口付近でお待ちしています』

『わかった。そちらに向かう』

 

 

 わざわざISが迎えに来るなんてVIP扱いだな、我ながら。

 さて、迎えの人を待たせるわけには行かないからさっさと行くとしよ…………そんなしょっぱい顔をしてどうしたんだ、一夏?

 

 

 

 

 

「……デュノア社の社長に娘はいない」

 

 

 

 

 

 え? でも今の相手はちゃんとデュノアって……。

 

 

「おい、一夏。それは確かなのか?」

「訪れる会社のことぐらい軽く調べるよ、千冬姉さん。そうでなくても政略結婚とかそういうのを警戒しているんだから。

 親戚筋までは調べていないけど、少なくともデュノア社の社長に子供はいなかったはず」

 

 

 政略結婚!? 確かに一夏の重要度から考えるとそうい……じゃない!

 あ、でも考えてみたら姉さんの妹である私にもそういう話が出てきてもおかしくはないのか。

 

 それはともかくとして、相手はそのデュノア社社長令嬢を名乗っているんだが…………もしかして?

 

 

「……向こうもISを持っている。この人がたくさんいるところで戦いになったらマズイ」

「ならここから移動するか、ISを展開させる前に仕留めるしかないね。幸い対人用装備もドイツ軍からいくつか貰っている。

 やれやれ。前のはイギリスから奪われたISだったから、今度はアメリカから盗まれた奴かな?」

 

 

 そう言ってASの拡張領域(パススロット)から3人分のテイザー銃式とロッド式のスタンガンを量子化解除する一夏。

 

 ……こ、これが初めての実戦か。緊張してくるが、今まで千冬さんに教わったことを発揮してみせる!

 見ていろ、テロリスト共め。私たちを甘く見たことを後悔させてやろう!

 

 

「あそこに警備の人がいる。警察官かな?

 事情を話して協力してもらおう」

 

 

 

 

 

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「違うんです違うんです違うんです違うんです! 本当にデュノアの娘なんです!

 ただ本妻の子じゃないから籍が入っていないだけなんです! お願いですから信じてください!!」

 

 

 そんなとってつけたような嘘に騙されないぞ、このテロリストめ!

 

 

 

 

 

――― シャルロット・デュノア ―――

 

 

 

「この織斑一夏。こと自らの発言に限り虚偽は一切言わぬ。

 出す……! 出すが……今回、まだ“男性IS操縦者のデータ”を渡すと言っただけで“AS稼動のデータ”まで渡すとは言っていない。そのことをどうか貴方も思い出していただきたい。

 つまり……私がその気になれば“AS稼動のデータ”の受け渡しは断るということも可能だろう……ということ……!」

 

 

 

 

 酷い目に遭った。うう……捻り上げられた腕がまだ痛い。

 

 織斑千冬さん御一行が改札口から出てきたと思ったら、何故かテロ対策に配備されている警察官と一緒だった。

 どうやら持っていた護身装備を警察官が見咎められたらしく、職務質問をされたらしい。

 そこで織斑千冬さん達は自らの身分を明かし、本物かどうかはデュノアの使いが外にいるので彼女が証明してくれると警察に言ったらしく、確認を取りに一緒に出てきたようだった。

 

 VIPに対して何てことを!? と血の気が引いたよ、あの時は。

 織斑さん達が気にしていなかったので助かったんだけどさ。

 しかしまだ問題は続き、私が確かに彼女たちはデュノアが招いた紛れもない織斑千冬さんたちで、護身具の携帯もフランス政府から認められていると警察官に言っても、逆に私が若すぎることで不審に思われたらしく、ちょっと警備室まで来てくれとまで言われた。

 

 ここで4人がISを展開したら信じてくれるのだろうけど、さすがに一般人が多くいる改札口付近ではそんなことは出来ない。かといって警察相手に無理に押し通すことも難しい状況になった。

 わざわざ招いたVIPの前でこんな醜態。ますます血の気が引いておそらく顔が真っ白になっていたと思う。

 騒ぎを嫌った織斑さんたちが警備室に行くのを了承してくれたのはよかったけど、心の中では警察に向かって酷い言葉で罵倒していたよ。

 

 それでも織斑さんたちは気にせず、織斑一夏君なんかはその警察官のことをむしろ職務に忠実な立派な警察官だと言ってた。

 

 サムライとかってこういう人なのかな? 自分たちに無礼なことをされても、そういう風に考える人って素敵だな、と思っていたのも束の間。

 警備室に入り、織斑さんたちが待機状態のISを取り出した。

 自然に3人に倣うように私も待機状態のIS、胸に下げていたペンダントを取り出したところ、織斑千冬さんから声をかけられた。

 

 

「それが君のISか?」

「はい、そうです」

 

 

 この「そうです」の「す」を言い終わるか終わらないかの瞬間、織斑千冬さんの右手が目の前で掻き消えた。

 いきなりのことで「え?」と驚く暇もなく、ペンダントの紐を手刀で斬られ、ペンダントを奪われた。

 いったい何なのか理解出来ずに「あ」と織斑千冬さんに声をかけようとした瞬間、織斑一夏君と篠ノ之箒さんに左右から両腕を捻り上げられて取られ、そのまま床に叩きつけられた。

 痛みに涙を滲ませつつ、いったいどういうことなのかと顔を上げてみると、そこには戦乙女(ブリュンヒルデ)がいた。

 

 

「誰だお前は?」

 

 

 TV中継越しとはいえ、第二回モンド・グロッソで見た暮桜を纏った戦乙女(ブリュンヒルデ)。そして私の首にはその戦乙女(ブリュンヒルデ)の象徴とも言える“雪片”が添えられている。

 そこからの記憶はない。どうやら戦乙女(ブリュンヒルデ)の殺気を受けた私は気絶したらしく、目が覚めたときにはデュノア社の社長室にいた。

 

 …………ついでに言うと下着とスカートが変わっていた。気づいた瞬間は本気で死にたくなったよ。

 

 あとで篠ノ之箒さんはバツの悪そうな顔をして「わ、私がやっといたから心配するな!」と慰めてくれたけど、お願いだからもう傷口に触らないで欲しい。

 織斑一夏君にも「いや、そのせいで「アレ? 違う?」と思って事後の対応がマイルドになヘブッ!?」と慰めなのかトドメかわからないことを言われた。織斑千冬さんと篠ノ之箒さんに殴られたのを見てイイ気味と思ったけど…………うう……もうお嫁にいけなくなっちゃったよぉ。責任とってよぉ。

 

 

 そしてそのあとは単純だ。

 警察がデュノア社とフランス政府に電話をかけて真贋を確認。紛らわしい真似をするなとデュノア社が怒られて終わりだった。

 確かに織斑さんたちの立場からすると警戒しなきゃいけないのは理解できたけど、どうにも釈然としない。

 

 うう……お母さんが死んじゃうし、お父さんに会えたと思ったら本妻の人から“泥棒猫の娘”呼ばわりされるし、デュノア社のテストパイロットになるように強制されるし、終いにはこんな目に遭うし、今年は悪いことしか起こらないよ。

 

 

 

 

「まあ、真面目な話。ドイツで取得した“男性IS操縦者のデータ”もそれまでの“AS稼動のデータ”もIS委員会と束姉(たばねー)さん……篠ノ之束博士に渡したんですけど、まだ何もわかっていないみたいなんですよね。

 正式に“男性IS操縦者のデータ”を渡したのは、訓練が終わったつい先日なのでまだ解析が終わっていないだけかもしれませんが、“AS稼動のデータ”を渡したのは数ヶ月前ですし。

 ドイツの訓練で得られていた“男性IS操縦者のデータ”は随時デュノア社に送ってましたけど、何か判明したことはありましたか? 他にデュノア社へは何かIS委員会から通達とかありましたか?」

「いや、まだ何も判ってないし、IS委員会からも何もない。

 しかし我が社としても、IS委員会とは別に独自に解析を試みたいのだが……」

「そりゃあ……かまいません。貴方の要望に答えること。それ自体は容易い。簡単です。

 データを渡す条件はこれこれこう。こういうデータを渡し、見返りに報酬を頂く。現金で……? 便宜で……? IS関連で……?

 そんな話はいくらでも出来る。しかし今、私がそんな話を仮にしたとしてもそのデータの真偽はどうします……? 真偽などどうでもいいから貰いたいと言うのですか……?」

 

 

 

 現在、お父さん……社長と織斑一夏君が交渉をしている。

 確かにあの記者会見では“男性IS操縦者のデータ”を渡すと言っただけで“AS稼動のデータ”まで渡すとは言っていなかったけど、そんなのアリ?

 

 私たち女性陣は応接テーブルでお茶を飲みながらその交渉を見守っているんだけど…………目の前にはホンモノの織斑千冬さん(ブリュンヒルデ)。緊張して味がわからないよ。

 あくまで命令でテストパイロットになっただけで特にISに拘りはないと思っていたんだけど、こうして緊張するってことはISに対して愛着を持っていたってことなのかな。

 

「……しかし君も大変だな、デュノア嬢」

「あ……シャ、シャルロットで結構です」

「じゃ、じゃあ私のことも箒と呼んでくれ。一夏のことも普通に呼び捨てでいいぞ」

「うん。ありがとう、箒」

 

 篠ノ之さん……箒の気遣う視線が逆に痛い。

 

 それにしても一夏が1人で社長と交渉しているんだけど、千冬さんはここでお茶を飲んでいていいのかな?

 同い年の男の子が大人と交渉しているのに、そのお姉さんはリラックスしてお茶を飲んでいる。そこまで一夏のことを信じているんだろうか。

 

 

 

 

「とりあえず“何もわからなくても文句は言わない”という保障が欲しいですね。ドイツ軍のみならず篠ノ之博士にもわからないものですし」

「ああ、それについては確約しよう。誓約書を書いてもいい」

「それとそのデータが本物かどうかは私を信じて頂くしかないんですよ。篠ノ之束博士ですら「これホントにASのログ?」って言ってくるぐらい平坦なデータらしいですから。

 もちろんASログデータの対価は頂きますので、もし私が出鱈目なデータを渡していたらデュノア社が損するだけになりますが…………私を信じて頂けますか?」

「……信じよう。君は良い意味でも悪い意味でも嘘はつかなさそうだ。それに嘘のデータを渡すメリットは君にないはずだしね。

 とはいえ、役に立たないデータと知っているなら、対価の方を安くしてくれるならそれに越したことはないが」

「ま、それは確かに。

 私の立場はとても微妙なものですからね。少しの利益のために嘘をついて信用度を落とそうとは思っていません。下手をすればモルモットとして研究所送りですから。

 どの国にもどの企業にもどの団体にも“危険な橋を渡って私を独占しようとする(ハイリスクハイリターン)より私から自発的に発せられる情報(ローリスクローリターン)”を選んでもらわないといけません。

 それと対価を安くするのは無理ですね。あまり安い対価にすると、民間の小規模の研究所まで相手にしなくてはいけなくなりますから。

 むしろ「デュノア社はここまでしてくれたけど、貴方たちは何をしてくれますか?」と言えるよう、ドーンと対価を弾んで欲しいぐらいです」

 

 

 

 

 ……凄いなぁ、一夏は。大人に一歩も引かずに交渉している。

 立場上、一夏が有利な状況で交渉が始められたのは確かなんだろうけど、それでも私だったらあんな風には出来ないや。

 私なんてお母さんが死んで父に引き取られてからは、ずっと周りの状況に流されてるだけで、私自身の言いたいことなんて言えたことはない。

 

 ……でも、そもそも言いたいことなんてあるのかな? 今日を入れてもたった3回しか会ったことのないあの人に。

 

 そりゃあ母さんが死んで引き取ってくれたことには感謝している。あのまま1人じゃ生きてはいけなかったし、孤児院に入るよりはマシな生活を送れているから。

 むしろ贅沢具合でいったら母さんと一緒に暮らしていたときよりも上かな。

 何だかんだでテストパイロットをしていたら、いつの間にか基本給とか危険手当とかで貯金の残高が凄い額になってたし。

 

 でも会ったのは、お母さんが死んで引き取られたときと、つい先日に一夏たちを迎えに行けと言われたときと、そして今このとき。たったのこの3回。

 だから父と言われても、ハッキリ言って実感が湧かない。

 

 ……あえて言うならデスマーチを強いてくる雇用主?

 

 

 

 

「それとなんですが、私の専用機は日本の倉持技研が作製することになりました。

 専用機作製を申し出てくれたデュノア社には申し訳ありませんが、今回は縁がなかったということでお願いします。

 まあ、IS委員会から聞いていると思うのですが、礼儀として私の口からも伝えておいた方がいいと思いまして」

「それについても承知している。残念なことではあるが、君が気に病むことではない」

「ええ、そうなんですが、私としては一社独占というのは良くないと思うのですよ。増長と腐敗の温床になりかねません。

 ですので、専用機とは別にこんなことを考えてみたんですが、どう思われます?」

「ん…………こ、これはっ!?」

 

 

 

 

 ? 社長が驚いている?

 箒たちも何が起こったのか一夏たちの方を見ているし、どうしたんだろう?

 

 

 

 

「何というか…………ズルいというかゲスい」

「えっ!? 誰でも一回ぐらいは考えたことありません?」

「考えることはあっても、現状では君以外は実行出来ないだろう。

 というより、これではすぐにルール改正をされると思うのだが……?」

「別に構いませんよ。私はIS競技者として生きていくつもりはありませんし、これは未来を考えたら必要な技術だと思っています。

 “ASショック”の会見で私が言ったように、ずっと今の状態が続くとは限りません。

 むしろ他の団体が出来ないことにチャレンジすることで、私の存在価値を高めようという考えです。

 デュノア社としても、これに興味はありませんか?」

「もちろんあるとも。こちらとしてもそれなりの人員と開発費を出さなければいけないが、それ以上の利益が期待出来るだろう。

 正直な話、噂されているように我が社の第三世代ISの開発は遅々として進んでいない。他国がもうすぐ第三世代ISのテスト実機を完成させる、と言われている状況でだ。

 しかし、アプローチ方面が今までとは違うとはいえ、これは将来を見越しての売りになるだろう。

 君はこれを我が社に……?」

「はい、そうです…………と思っていたんですけどね。今日のことでちょっと不安なことが。

 まあ、ぶっちゃけシャルロット嬢のことなんですが、本妻の方の子ではないということですが?」

 

 

 

 

 !? な、何で一夏がそれを知ってるの!?

 

「いや、君が気絶する前に聞き出してしまって……」

「覚えていないのは無理はない。あの千冬さんの前だったら……。

 忘れろ。むしろ忘れるんだ、シャルロット」

 

 ええっ!? 気絶する前に私はいったい何をしたのさ!? どこまで話しちゃったの!?

 

 

 

 

「……君には関係ないことだと思うのだが?」

「いや、この女尊男卑の世の中でそれはマズイでしょう。

 ただでさえ私は“IS”という女尊男卑の源に土足で踏み込んだ男ですよ。そりゃあ女尊男卑主義者にとっては不愉快極まりない存在でしょう。

 そんな男が愛人を持っていた社長の会社と付き合いがあり、しかもその社長がちゃんと娘の面倒をみてたならともかく、育児放棄(ネグレクト)だったなんて世間に知られてみてください。

 狂信者がどんな非難をしてくるかわかりません」

「う、それを言われると確かに……」

「さっきも言った通り、私としては今の状況でどこかを敵にすることは避けたいと思っています。

 ですのでお付き合いするところは出来るだけ身奇麗なところだけにしたいのですが……ああ、別に他人の家庭に口を出すつもりはありませんので、仲良くしろと言っているわけではありませんよ」

「……では私にどうしろと?」

「というよりデュノアとしてもバレたら普通にダメージありますよね。

 むしろ普通にスキャンダルなんで、普通にどうにかしろってことですよ」

 

 

 

 

 ご尤もなご意見でございます。

 

 

 

 

「しっかしこんなこと興味本位に聞くのは何ですが、普通だったら愛人さんの方の子供を可愛がるんじゃないんですか?

 物語とかですと、意にそぐわない結婚を強いられた男が最愛の女性と別れられずに子供を作った、とかそういうストーリーになるんじゃないかと思いましたけど……」

「い、いや……最愛というか何というか……」

「? まあ、何でもいいですけど、流石にお家騒動起きそうな会社とは距離を取らせて頂きますよ。

 そもそも愛人作って子供も作ったというのなら、最初からリスクも承知しておくべきでしょう」

「………………」

「? いや、そんな微妙に不本意そうな顔をされ…………待って、ちょっと待って。

 …………もしかして、シャルロット嬢のことを知らなかったとかじゃないですよね?」

「ッ!?」

「え?」

 

 

 

 

 え? 何その反応?

 

 

 

 

 

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 若い男がいた。

 その男はデュノアという会社の御曹司であり、デュノア社の将来を担うべく日々努力を重ねていた。

 その努力は実を結び、男は周囲からも期待されていた。この男なら立派に父の跡を継いで、会社を発展させるだろう、と。

 その将来性から良家の令嬢との婚約も決まり、まさにエリートコースを歩んでいた。

 

 そんなある時のこと、もうすぐ大学を卒業して大人の世界に入り込むのを待ち望んでいた時のこと。

 友人の女性と洒落たバーで酒を飲みながら、今までの大学生生活を懐かしみながら語り合ったことがあった。

 

 その女性は男と同じ大学の同窓生であり、エリートの男とも話を合わせることが出来るぐらい優秀な女性であった。

 優秀でありながらそれを鼻にかけることもなく、むしろ困っている友人がいるなら手助けをする思いやりを持っており、尚且つ物腰も柔らかかったので周りの男性から人気があった。

 ただし同じ女性からは若干「あざとい」と思われていた。ホントあざとい。

 

 御曹司として数々の女を見てきた男の目にも魅力的に映ったその女性とは仲の良い友人であり、男が自らの婚約者についての相談をするぐらいに親交を持っていた。

 そんな2人だからこそ、大学の卒業も決まって別々の道を歩んでいくことになった友人だからこそ、卒業を記念して軽く2人でお祝いをしようという話が出るのは不自然ではなかった。

 今までの共に歩んだ大学生活を語り合い、これから別々の道を歩んでいくことになってもお互いの友情は変わらないと笑い合い、充分に酒も進んで夜も更けた頃に女性が「本当は言うつもりはなかったのだけれど」と前置きをしてからこう言った。

 

 

 

 

 

「貴方が好きなの」

 

 

 

 

 

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「アカンやろ(婚約者がいたのに)」

「私たちは本当に仲の良い友人だったんだ!

 その友人からいきなり告白されて頭がパニック状態になって、彼女の口の上手さにあれよあれよという間に……」

 

 

 

 

 …………小さい頃からずっと不思議に思ってたんだ。何故、私にはお父さんがいないのかって。

 お母さんはずっと一緒にいてくれたけど、周りの子供たちと違ってお父さんは一緒にいなかった。

 

 私がそれをお母さんに言ったら、お母さんは悲しそうな顔をして私を抱きしめて「お父さんは遠い所にいるの」と言った。

 そのお母さんの悲しそうな顔を見て、子供ながらに聞いちゃ駄目なことなんだと思った。それに「お母さんはシャルロットの傍にいるわ。ずっとね」と言ってくれて嬉しかった。

 

 だからこそ、お母さんが死んじゃった時は悲しかった。

 

 

 

 

「それでもアカンやろ(責任取らないのは)」

「次の日に会った彼女は今までと同じで、何も言ってこなかったんだ!

 だからその夜は酒も入って酔っていたし、もしかしたら夢なんじゃないかと思って……」

 

 

 

 

 それからお父さんに引き取られて、本妻の人に「泥棒猫の娘がっ!」と詰られて、ISのテストパイロットにさせられて、息をつく暇もない毎日を過ごしていた。

 何も言ってくれなかったお父さんを恨んだこともある。

 私を詰った本妻の人を恨んだこともある。

 ISのテストパイロットの激務で疲れ果て、何度も辞めたいと思ったこともある。

 

 だけどお父さんには何も言わなかったし、本妻の人にも反論をしたりしなかったし、ISのテストパイロットも辞めたりはしなかった。

 苦しければ苦しいほど、忙しければ忙しいほど、お母さんが死んじゃった悲しみから目を背けられたから。

 

 そんな日々をずっと続けてきて、そして今日……。

 

 

 

 

「それでもやっぱりアカンやろ(女性の『今日は大丈夫な日だから』を信じたら)」

「私も若かったんだ……っ!」

 

 

 

 

 そして今日、衝撃の事実が発覚。

 本当に私のお母さんは泥棒猫だった……っ!

 

 そういえばそうだよねぇっ! 私とお母さんはずっと一緒にいたもんね! そしたらお父さんとお母さんは会う暇なんかないよねぇっ!!

 よくよく考えてみたら私とお母さんはずっと都会から遠く離れた田舎暮らしだったけど、普通の愛人だったら男の人の近くに住むよねぇっ!!

 というかお父さんとはお母さんが死んじゃうまで会ったことなかったけど、そもそもお父さんが私のこと知らなければ会いに来たりしないよねぇっ!!

 

 

 

 

「……まあ、遺産狙いとかそういう女性じゃなかっただけ良かったんじゃないですか」

「ああ……結局、大学を卒業してから彼女が死ぬまで会ったことはなかった。

 共通の同窓生から彼女が死んだことを聞いて、そしてシャルロットがいることに驚いて、そして更にシャルロットの誕生日に驚いて……」

「逆算したらピッタリ?」

「…………ピッタリ。

 急いでDNA鑑定してみたら確かにシャルロットは私の娘だったけど、シャルロットにどう接すればいいかわからなくて……。

 妻も激怒するし立場上援助もしにくいから、ちょうどよくIS適性が高かったからとりあえず高給取りのテストパイロットにして、将来の金銭的不安がないようにだけでもと……」

 

 

 

 

 そりゃわからないよね。

 私もいきなり現れたお父さんにどんな風に接すればいいかわからなかったもん。

 

 そういうことなんだー。お母さんが1人でやったんだぁ。

 きっとお父さんのこと本当に好きだったんだろうなぁ。

 けど婚約者がいるからその恋は成就しないと思ったんだろうなぁ。

 それならせめて一夜だけでも。せめて子供だけでもと思ったんだろうなぁ。

 それで私を身籠って、お父さんの迷惑にならないように田舎に帰ったんだろうなぁ。

 お父さんの迷惑にならないように、私にはお父さんのこと何も言わなかったんだろうなぁ。

 

 

 ……うわー、ヘコむ。

 何て言っていいかわからないけど、とにかくヘコむ。

 

 …………あ、本妻の人に謝らなきゃ。

 お母さんが仕出かしたことを謝らなきゃ!

 

 

「落ち着け、シャルロット!

 凄いことを聞かされて気が動転しているのはわかるが、目が危ないぞ!」

 

 

 あははー、どうやって謝ろうかなー?

 あれかなー。ジャパニーズドゲザかなー?

 どうやるんだっけー。箒知ってたら教えてくれな「フンッ!」オグフッ!?

 

 

「箒、鎮静剤持って来い」

「千冬さん、手加減! 手加減忘れてる!!」

「ちょ!? 人の娘に何を!?」

「俺もそういうのには気を付けないとなー」

 

 

 

 ウフフフフ…………やだなぁ、お母さんったらそんなことしてたなんて。

 私は絶対そんなことはしない。そう心に決めたある日だった。

 

 

 

 

 

 






 ウチのシャルロットはお母さん似です。


 ……いや、デュノア家の話を考えていた時に

「そういえばシャルロットの母親ってことは、あざといさん(シャルロット)の母親だよな」

 って思ったんですよ。思ってしまったんですよ。
 そしたら何故かシャル母が本当に泥棒猫になってしまいました。


 でもアレですよね。
 もし原作ヒロインが何らかの理由で一夏と絶対結婚出来なくなったとしたら、ヒロインの中で「せめて子供だけでも」って一番言いそうなのってシャルロットじゃないでしょうかね? あざといわー。
 書いててなんですが、シャルロットがマジでこういうことやりそうなのが怖いです。



 それとウチの束姉(たばねー)さんは良心回路が後付装備(イコライザ)で備わっていますので、原作よりも若干マイルド仕様です。
 そしていつ“ISショック”の真実が箒に知られるかについてガクブルしてます。あまりの箒の尊敬度合に、自らの仕出かしたことの重大さに気づいたようです。
 知られたら嫌われるどころじゃすまねぇ。

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