――― 篠ノ之箒 ―――
一夏が日本語で説明してくれるのにホッとしたのも束の間、説明が始まるとやはり一夏がISを持っていたことには姉さんが関わっていたことを確信した。
何しろ一夏が説明に使っている“
一夏の説明を聞いてみると一夏はISを持っていること持っているのだが、一夏は別にISコアに反応できるわけではないらしい。
それなのに何故ISを扱えるかというと、どうやらISを直接使っているわけではなく、一夏とISの間に“機械”というワンクッションを置いているとのことだった。機械が一夏の思考を読み取って、機械がISを動かす。
これが
単純なことだけれど、それだけでも男がISを擬似的に動かすことができるようになるらしい。むしろ一夏的には姉さんからISを受け取ってからもう既に4年も経っているのに、他にこの考えを実行した人がいなかったことが不思議だったそうだ。
機械を通せばそれだけで男がISを動かせるのか? と不思議に思うかもしれないが、実はそれはどこでも行なっていることらしい。
何でもいい。例えばとあるISメーカーが修理で指間接の動作試験をすることになったとする。そういう試験の際はわざわざ毎回毎回女がISを展開して動作試験するのか?
答えは否だ。事前にプログラムさえ組んでおけばパソコンでテスト動作の命令をISに送ればいい。あとは勝手にISがテスト動作をしてくれる。そしてパソコンを操作するのは男であろうと女であろうと構わない。
単純に言えば、一夏が姉さんから貰った
…………そういえば4年前といえば、姉さんが部屋に数日引き篭もっていた時期があったな。そのあとに引越しすることになったからよく覚えている。
それと一夏。この方法を今まで誰もしたことがないのを不思議に思っていたけど、これは“思いついたけどあえてやらなかった”類のものだと思うぞ。ISを特別なものと扱わずに、あくまで一つの機械として割り切っているようなものだ。
現に一夏の説明では、このASではコアと直接接していないので
それに動かすために機械をワンクッション挟んでいるので、ISを動かすことだけを考えたら普通に女が動かすより機械の分だけ無駄になっている。IS適正ランクでいうとSランクとAランクには遠く及ばず、Bランクには部分的に勝っているものの
AS方式ならCランクよりは動かせるとはいえ、ISの数が決まっている現在ではあまり役に立たない動かし方だ。
しかし逆にメリットも存在する。ISを男が使えるようになるのはもちろんとして、ISが反応するけど動かせないというDランクの女でも使えるようになる。それに私みたいなCランクならISで動かすのではなく、こっちのASで動かした方が使いやすいのかもしれない。
そしてもう一つのメリット。あくまで機械によるプログラム制御なので、逆に言えばプログラムを組んでおけばどんな難しい操作も命令を出せば実行できるらしい。
ただし扱いこなせるかは別。操作ミスををしたらそのまま明後日の方向に吹っ飛んでいってしまうらしい。
まさしく自動車の
しかし家庭用自動車程度を動かす素人ならATの方がより簡単により上手く動かせるだろう。
もし将来、姉さんが再びISコアを作り始めるか、ブラックボックスの中身を解析して姉さん以外の人間がISコアを量産し始めたら、ISコアの数は今よりも増える。
それこそ世界中の人間全てに行き渡るような数が揃ったら、男もCランクDランクの女もこのASを使うことになるだろう。将来的なことを考えるととても重要な技術だ。よくもまあ、こんなことを4年間も黙っていたものだな、一夏は。
普通の子供だったらISを持っていることを自慢したくなるだろうに、今までずっと黙っていたとは。きっと一夏のことだから千冬さんに対しても黙っていたんだろう。
それに加えて一夏は記者会見なんか始めてだろうに、物怖じの欠片も見せずに淡々と対応している。小学校のときは学級委員をやっていたし、私が転校してからもずっと学級委員やら学年委員をやらされていたとは聞いていたが、この状況は学校の比じゃないだろうに。よくもあそこまで冷静に対応できるものだ。
今だって女尊男卑っぽい女の記者が意地の悪い質問をしているが、一夏は平然とそれに対応している。
「あなたはこの女性優位の世界が気に入らないから、このASというものを作ってもらったのですか?」
「いや、それはあまり考えてませんでしたね。何しろ作ってもらった4年前は女尊男卑というものがまだ世の中にあまり出回っていなかったですから。
それにこれは女性のためにもなるものだと思いますよ。貴女のIS適正ランクはいくつですか?」
「C、Cランクでしたが……」
「そうですか。失礼ですがそのランクではIS競技者にはどう頑張ってもなれないですね。
でもよかったですね。このAS技術があれば、ISコアの量産が実現すれば貴女もISを使うことができるようになるかもしれませんよ?」
「…………」
「それに私にとっての大人の女性の基準は姉の織斑千冬とその親友の篠ノ之束ですからねぇ。あの2人の近くにいたら男尊女卑の考えは浮かんできませんよ。
もちろん女尊男卑主義者になろうとも思いませんが。女尊男卑については2人とも「馬鹿馬鹿しい」って言ってましたからね」
何だか女尊男卑主義者の間で内ゲバが起こりそうな発言だな。“ISを男に触らせるな派” VS “私達もISを使いたい派”みたいな感じで。
どうせ一夏のことだからわかってて言っているんだろう。きたない。さすが一夏きたない。
「さて、夜も遅いのでこれで説明を終わります。このフリップはPDF画像にしてIS委員会のサイトにUPされることになりましたので、ゆっくり見たい人はそちらにどうぞ。
最後に私がASを使っているだけであって、男がISを使えるようになったわけではないことをこちらのラファール・リヴァイヴを使って証明しておきます。もしかしたら、本当は私がISに反応するのに、それを隠すためにASの説明をしていると思われる方がいらっしゃるかもしれませんので。篠ノ之束に近い人物ですからね、私は。
あ、このラファールはドイツから今回のために特別に貸していただいたものなので、私個人の所有物ではないことは明言しておきます。そしてこの場を借りてドイツ政府の方に厚く御礼申し上げます。
それでは先ほど質問された貴女。はい、そうです。ちょっとこのラファールに触ってみてください」
そう言われた先ほどの女性記者がラファールに近づいて触ると、ISが反応してブォンという音と共にISの周囲に女性のバイタルデータらしきものが映った投影モニターが現れる。
そうだ。私がISランクを測ったときもこのようになった。
「はい、結構です。ご協力ありがとうございます。
それでは次に男性の方がISに触ってみてください。どなたか希望者はいませんか?」
一夏のその言葉に男性の記者が手を挙げて申し出るが、やはり男がISに触れても何も反応しない。
「はい、結構です。ご協力ありがとうございます。
それでは同じく男である私が触っても同様に…………「ブォン」…………同様に……あれ?」
…………オイ、一夏がISに触ったら反応したぞ?
「……反応、しちゃいましたね」
「「「「「…………」」」」」
「すいません。ちょっと電話失礼します。スピーカーにして皆さんに聞こえるようにしますので」
「「「「「…………」」」」」
誰も何も言わない。さすがにこれは皆が予想外だったみたいだ。
実験のためにISに触って協力した2人の記者がまだ近くにいるのがTVに映っているが、口を大きく開けてあんぐりとしている。
「……あ、もしもし
『ちょっ!? いきなり電話してきて何を言っているのさ、いっくん!?』
「どういうことだ束ぇっ!? 一夏を人体改造だとっ!?」
『ヒィッ、ちーちゃん!? いやいやいやいやいやコレは本当に知らないよ!?
中継見ていたけど、このことについてはさすがの束さんも予想外だよ!!! 何でいっくんがISに反応しているのさ!?』
「いや、俺にはわかんないよ。4年前は確かに反応しなかったよね?」
あ、姉さんの声だ。
一夏も姉さんと連絡を取り合っていたのか。姉さんとの電話が繋がると同時に千冬さんがドアを蹴破って乱入してきたが、きっと千冬さんも知っているんだろう。
私にもたまに姉さんから電話がかかってくる。当初は日本政府やIS委員会がそれを利用して姉さんとコンタクトをとろうとしたのだが、私の携帯以外からその電話番号にかけるとまったく違う電話番号に繋がってしまうのだ。というか私の携帯からでも、操作するのが私以外だったら違うところに繋がるというナゾの技術力を発揮している。姉さん、私のこと盗聴とかしてないよな?
そこで私が電話をかけて、そのあとに政府の人に替わって姉さんと話をしようとしたこともあるのだが「あ゛あ゛っ!? 誰だよ君は? 私は箒ちゃんと話しているんだから邪魔するなよ」というドスの効いた姉さんには勝てなかった。そもそもコンタクトをとっても姉さんの機嫌を損ねたら本末転倒だからな。
しかも私との電話の間に逆探知して姉さんの居場所を突き止めようとも、何故か逆探先が東京都千代田区○丁目一番地やホ○イトハウスやらバチ○ン宮殿やらバッキン○ム宮殿などの入れるわけがない場所から反応があるというオチだ。
そんなわけで日本政府もIS委員会も、電話を使ってコンタクトをとるのも姉さんの居場所を突き止めるのも諦めているらしい。
それにしても人体改造。
いくら姉さんでもそんなことは…………しないといいな?
『いやホント! コレは私も予想外! 箒ちゃんに誓ってもいいから!!!
っていうかいっくんは私のことをなんだと思っているのさ!?』
「そりゃ“目的のためには手段を選ばないマッドサイエンティスト”に決まっているでしょ」
『何それヒドイ!』
「え、違うの? ……ふーーーん?」
『そ、その意味深な笑顔は何かな、いっくん?
(……ア、アレ? もしかしてアクシズのことバレてる? ちーちゃんですら気づいてないのに?)』
「(さすがにアレは千冬姉さんにバレたら、いくら
相変わらず一夏は姉さんにセメントだ。世界的重要人物である姉さんが怖くないのだろうか?
まあ、姉さんの性格なら畏まられた方が逆に嫌がるか。
「おい、一夏! 何をそう平然としているんだ!?」
「落ち着いてよ、千冬姉さん。
……ねえ、
『は? いや~、さすがの束さんもそれは試したことないし考えたこともなかったかな?
…………でも確かに考えられるのは、それが一番“らしい”ねぇ』
「ASは機械を通してISを動かすとはいえ、実際には俺はISコアとも接しているわけでしょ?
俺はASをずっと展開し続けていた。そしてISは搭乗時間に応じて搭乗者のことを理解しようとする」
『うん、その通り。“いっくん⇔機械⇔IS”のような関係じゃなくて、実際には三角関係のように3つともお互いに接している。いっくんはコアに反応できないから、実質には“いっくん⇔機械⇔IS”になっていたんだけど。
IS適正は訓練や操縦経験で変化することもあるから、いっくんはIS稼働時間だけで考えたら4年間。つまり35,000時間というとんでもない時間を過ごしてきたわけで、さすがに“そこまでしたときはISが男性のことを理解できるようになるのか?”なんては考えたことないや。
でもそれだったら今までいっくんが持ってたASだけが反応するはずだから、そのラファールが反応したのはおかしいなぁ?』
「…………ISって、搭乗者のバイタルを調整できる機能があるよね? 要するにISが搭乗者の身体をいじる機能」
『え、それはあるけ……ど……アレ? もしかして?』
「“ISが俺を理解できるようになった”んじゃなくて、もしかして“俺がISを理解できるようになった”の方? それってやっぱり人体改造じゃんか」
「たぁ~~~ばぁ~~~ねぇ~~~っ!?」
『ヒイイィィッ!? ま、まだそうだと決まったわけじゃないよ、ちーちゃん!!!』
一夏の先ほどの説明では、姉さんからもらったASの能力は護身のための周囲のISに発する警報とシールドバリアーと絶対防御、それと少しばかりの
エネルギー補充は家庭用コンセントでの充電で行なっていた。そのために電気代が今までの倍になっていたようだが、家計のことは一夏が担当していたので千冬さんが気づくことはなかったそうだ。
そして護身のためなので起きてるときでも寝るときでもずっと展開しており、それが4年間もの間ずっと続けていた。
確かにこんなことは誰も試したことなかっただろうなぁ。
――― 織斑一夏 ―――
…………まさか本当にISが反応するとは。
4年前は確かに反応しなかったけど、この当時から反応するんだ。原作でも実はこれぐらいのときから反応するのかもしれない。
てっきり
それにこうなったら、予め考えておいた俺がISに反応する理由が本当に合っている可能性もある。
原作でもあのブラコンである千冬姉さんが一夏の護身のことを考えていなかったわけがないはずだ。
原作では
なまじ黙っておけば、千冬姉さんの弟である一夏を誘拐して何かしらの実験をしようとした悪党が最初に気づく恐れがある。それだったら多少強引でも箒と一緒にIS学園に入れた方がいい。有り得ないワケじゃないな。
「さて、これからどうしようか? さすがに人体実験の材料にされるのは嫌なんだけど…………
『え、なに?』
「俺が人体実験の材料にされたらどうする?」
『…………あ。“怒る”っ!!!』
「というわけで世界各国の皆さん。
もちろん無理じゃない程度には協力しますし、それ以前に私も一度自分の身体がどうなっているか知りたいですので、IS委員会との話し合い次第ですがある程度の情報は公開しますのでしばらくお待ちください」
『(……それ言い出したのいっくんで、私は賛同しただけなんだけど……まあ、黙っておこ)』
よし、これでテロリスト以外からの身の安全を確保。
俺に手を出したら下手をしたら自国のISを自爆させられる恐れがあるから、しばらくは余計なチョッカイを出してこないだろ。
つーかマジで俺の身体はどうなっているのかが不安だ。
それに
「えーと、千冬姉さん。とりあえずIS委員会と千冬姉さん立会いの下で健康診断をしてもらいたいんだけど、IS委員会の方に申し出てくれるかな?
日本代表である千冬姉さんに頼むのはなんだけど、日本だけで進めたら第惨事世界大戦が始まりそうな気がするから」
「勝手に決めるな……と言いたいが、お前がこの場でそんなこと言ったら日本も飲むしかないだろう。まさか当の本人が許可を出しているのに日本が独占しようなんてすれば、日本が他の国々から叩かれる」
「うん、知ってた。わざと言った。さすがに俺が発端で戦争始まるのも嫌だし。
それと護身をどうしようか? 今のASだったら攻撃能力がないからもしものときが不安だ。千冬姉さんとしばらく離れることになるんだし……」
「ぐ……そういえばそうだったな」
『え、なにそれ? ちーちゃんがいっくんから離れるって?』
「あー……その、なに?
今日俺が襲われたとき、千冬姉さんがスタジアムの壁をブチ破って助けにきてくれたんだけどさ。そのとき通る場所に人がいないことは確認して壁をブチ破ったんだけど、通る場所に置いてあるモノにまでは気が回らなかったみたいでさ。
ホラ、決勝前に大会歌を演奏していた楽団がいたでしょ?」
「…………」
『うわー、もしかして?』
「うん、この日のために楽団がドイツ政府から借りていたストラデ○バリウスが、壁ブチ抜いたときの瓦礫の下敷きになった。
演奏は予備のヴァイオリンを使ったみたいだけど」
『……おっほ。音楽に興味ない束さんでもそのストラ○ィバリウスぐらいは知ってるよ。○億円はする奴でしょ』
「その結果、千冬姉さんは弁償のためにドイツ軍にIS教官として出稼ぎに行くことが決定しました」
「ドイツの皆様方、そして世の中の音楽家の皆様方! 大変に申しわけありませんでしたぁっ!」
深々と頭を下げる千冬姉さん。
うん、これは予想外だったわ。ついでにさっき蹴破ったドア代も弁償してきてね。
いくら千冬姉さんが日本代表だからって、これを日本政府に払わせるわけにはいかないからねぇ。俺を助けるためとはいえISを展開していたことだって歴とした違反だし。これを日本政府が庇うわけにはいかない。
それに千冬姉さんの性格からして、俺のためにできた借り以上に自分の不始末でできた借りを他人に返してもらうのは嫌だろう。
さて、それと俺の護身についてだけど……。
「とりあえず量産機でいいからISを貸して欲しいな~(チラッ
貸してくれた企業か国には感謝しちゃうな~(チラッ
優先的に男性IS操縦者のデータを渡したくなるかもしれないな~(チラッ」
「あざとい」『さすがいっくん、あざとい』
自分でやっといてあざといどころかうざかったわ。もう二度とやらん。
まあ、世界中継でこう言っておけばどこか貸してくれるでしょ。それこそ経営に困っているデュノア社とか。
「それとドイツ軍には俺もついていっていいかな? ISの訓練して身を守る術を手に入れないと。
日本に戻ってもどうせマスコミ対策とかで学校に通えないだろうし、学校や周りの皆にも迷惑がかかる」
「ム、私としてもその方が安心できるが…………まあ、お前が決めたならそうしよう。
ドイツには私の方から頼んでおく。ただしお前だからといって訓練に手加減はせんぞ」
「了解。それと
『わかってるよ。私だってISのことで私がわからないことがあるのは嫌だからね』
「どうせならさっさと世間に戻ってきて落ち着いた状態で研究すればいいと思うけど、現在のISが本来の目的に使用されずに主に軍事力として利用されている状態じゃ無理かな? ましてやテロリストにISを奪われたりする国がある始末だし」
『さて、どうかな~?』
「俺としては
あ、それと会うといえば箒のことなんだけど……」
『箒ちゃんのこと? 箒ちゃんがどうしたの?』
「俺が
それに別口だけど俺が襲われたんだし、やっぱり重要人物保護プログラムで守られているとはいえ護身手段を用意した方がいいと思う。ここまできたら身を隠して身を守るより、積極的に力を手に入れて身を守った方がいいと思うけど。
というわけで、もし箒が虐められたら
『“怒る”』
「箒の身を守るのに力を貸してくれたら?」
『(借りは返すぐらいに)“感謝する”』
「箒へのISをすぐに用意できる?」
『ゴメン、すぐには無理かな』
「OK。IS量産機おかわり。箒、一緒にドイツ軍で訓練しよう」
何だか幼馴染の「勝手に決めるな!」という幻聴が聞こえてきたが、とりあえず無視する。
それに加えてIS委員会にも日本にもドイツにも了承を得ずに淡々と決めていっているが、特に反対はされないだろう。受け入れたらメリットはあるけど、断ったらデメリットしかないように提案しているつもりだし。
世の中はwin-winの関係が正しいよね。
「あ、ゴメン。もうすぐ携帯の電池がなくなりそう」
『わかったよ~。原因調べておくからね。ちーちゃんもいっくんも箒ちゃんのことお願いね』
「任せておけ。束、お前はさっさと原因を特定しろよ」
『わかっているってば、ちーちゃんは怖いなぁ』
「それじゃあ久しぶりに話せて嬉しかったよ、
『えっ? …………いっくんはそういうことは素直に言うよね。束さんもいっくんと話せて嬉しかったよ。もちろんちーちゃんとも。
それじゃあバッハハ~イ』
電話を切る。別にお世辞を言ったつもりはない。声を聞いたのは数ヶ月ぶりだったけど、普通に声を聞けて嬉しかった。
実際に
ただし“ISショック”がなければ。
あんなん起こされたら百年の恋も冷めるわ!
「ということです。現在、判明しているのはこれくらいですが、わかり次第に公開できる情報は公開しますので、その発表をお待ちください。
では遅い時間までお付き合いくださり、ありがとうございました」
呆然とした状態の記者達を尻目にさっさと記者会見場を千冬姉さんと一緒に出る。明日のニュースは凄いことになっているだろうなぁ。
とりあえずホテルの部屋に戻って携帯を充電して箒に電話しないと。まだ事情が理解できていないかもしれないから、早めに教えておかないとあとで俺が怒られる。もしかしたら学校に行ってるかな? 電話して通じなかったらメールにしとくか。
さて、これから忙しくなるぞぉ。
とりあえず書き溜めはこれで終了。投稿は不定期になりますが、これから原作開始前のドイツ編、フランス編、イギリス編を書いたら原作開始です。
一夏がISを扱える理由はこんなんにしましたが、他にこの理由使っていらっしゃる作者様はいますかね? 今まで見た覚えがありませんし、自分だけで考えたつもりですが、もし被っていたら申しわけありません。
もしよろしければ似たような理由を扱っている作品がありましたら、感想かメールにて教えてください。
それではこれからよろしくお願いします。
中華娘「…………中国編は? 原作開始前の私の出番は?」
そんなもの、ウチにはないよ……。