ネタ晒し編   作:yoshiaki

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負けヒロインが主人公とメインヒロインに無理矢理挟まる話。
翠星のガルガンティア外伝・少年と巨人を読んでないとイミフですので注意
短いし続かないし書いてもいいのよ


イカに敗北するディストピアで負けヒロインのイカになったので3Pする話

人類銀河同盟の幼年学校、その最終試験の最中に私は絶望しかけていた。

レドは、私ではなくロンドの方を選んだ。

私は、負けてしまった。

 

「……なんでよ」

 

自分でも抑えきれないナニカを吐き出すように叫ぶ。

 

「なんでよ!」

「ミリイカ…」

 

レドが私を宥めるかの様に声をかけてくる。

今の私にはそんな彼の心遣いを受け入れる余裕すらなかった。

 

「どうして……」

 

どうして、あなたは…。

 

「……どうして、ロンドなんか」

 

本当に伝えたい言葉はこんなことじゃないはずなのに。

わからない。

形にならない。

レドの気持ちも、自分の気持ちすらもわからない。

ロンドを見捨てさせようとした私に、レドが怒りの視線を向けてくる。

 

…ああ。

私は、敗北者だ。

それを認めたくなくて。

 

「……私は行か」

 

決定的な言葉を吐こうとしたその時。

私の中に眠っていたナニカが解放された。

 

「い、いか」

 

そして私は。

 

「私は負けイカ…」

「え?」

 

自分と言う存在が何者なのかを思い出したのだった。

私って負けヒロインじゃないですかやだー。

 

 

 

 

 

 

 

永きに及んだ漂泊の時代は終わり、我ら人類はあまねく銀河に繁栄の世界を手に入れた。

 

それが、アヴァロン。

 

麗しき理想郷。

 

科学の叡智と開拓の意志が築き上げた楽園の輝きを見よ。

 

これこそが諸君の故郷。4億7000万の全市民が諸君の勇気と献身を讃え、栄誉ある兵士たちの名を胸に刻んでいる。

 

讃えよ。人類銀河同盟に約束された、久遠の未来を。

 

ここより、人類の飽くなき挑戦は始まっていくのだ。

 

だが諸君、忘れてはならない。

 

この非情なる宇宙の深淵には、時に容赦ない悪意が潜むことを。

 

我ら人類の前途を脅かす、ヒディアーズの跳梁を断固として阻止すべし。

 

かような下等生物に、人類の躍進を阻まれてはならない。

 

英雄たちよ。

 

大いなる試練のときに奮起せよ。無念のうちに散った幾多の犠牲を。

 

今なお危機に瀕している、未来の同胞たちを忘れるな。

 

 

 

 

 

 

 

私の名前はミリイカ。

翠星のガルガンティア外伝・少年と巨人の約束された負けヒロインである。

いやホントどうしてこうなったのか。

よりにもよってこんなディストピアに転生しちゃいます?

前世は男だったっぽいのに記憶戻った時には既にレドにガチ恋しちゃってましたし。

しかもレドの弟のロンド相手に恋愛と嫉妬と言う言葉すら知らなかったゆえに、無自覚に修羅場るというね。

私の感情ぐちゃぐちゃですよもう。

 

前世の記憶が蘇ったあの後いたたまれなくなった私は適当に誤魔化してロンドに謝罪し、彼の提示したルートを進んで最終試験に合格した。

ロンドはなんか複雑そうな目でこっちを見てきたが別に気にしなくてもいいのにって思ったな。

まともな情操教育すらない末法の世のせいとは言え身勝手なことを言ってしまった自覚がその時の私にはあった。

死にゆく彼に何もできない申し訳なさで鬱になったが逆に慰められてしまいさらに情けなく思ったのも今や過去の話。

 

その後も未来への布石の為に進路変更してレドと同じ部隊を希望したりいろいろ準備した。

危惧していたマザーコンピューターの介入も特になかったのは僥倖だったとしか言いようがない。

敗北続きで人手不足のせいか希望どうりレドの僚機になれたことと言い、全てが順調だった。

 

それはある種の現実逃避でもあったのかもしれない。

私が起こした行動の結果、マザーコンピューターに不要と判断されたジェンドは消された。

レドを護るためだったから後悔はないが、私が自分の意思で人間一人を消した事実に変わりはない。

そして今もまた、全てを捨ててレドと共にこの救い無き地獄の宙から抜け出そうとしている。

未来を知る私だけが戦友も何もかも捨て、好いた男に張り付いて意図的に地球へ逃げ出そうとしている。

 

私は、卑怯者だ。

 

『くそっ…このままヒディアーズを連れて戻るわけにはいかん!レド、ミリイカ、お前達だけでも着艦しろ。奴らは俺が足止めする』  

『クーゲル中佐!?それでは軍機違反です!』 

 

ああ、中佐。

あなたも私が見捨てた一人ですね。

風土病はさすがにどうしようもないので真っ先に諦めたんだっけ。

 

「…ごめんなさい」

 

言い訳の様に言葉を漏らした私に、私達にクーゲル中佐は微笑んだ。

 

『気にするな。お前達はまだ若い。俺よりも多くの敵を殺せる。それが軍人の判断だ』

『…っ!』 

『人類銀河同盟に栄光あれ!…達者でな』 

『中佐!』

 

クーゲル中佐の機体が反転していくのを尻目に私の心はどこか高揚していた。

やっとこの地獄から抜け出せる。

私は何が何でも幸せになって見せるんだ。

見捨てた人たちの分まで。

 

だから私は。

 

私は!

 

離脱しようとする空母に齧りつこうとするレドの機体にアンカーを打ち込んで固定する。

 

『ミリイカ!?何をっ』

『ごめんね、レド』

 

私って本当は汚い人間なんだ。

この宙は地獄だ。

私は私が生き残る為にあらゆることから目をそらしてきた。

あらゆるものを捨てて生き抜いてきたんだよ。

そんな私にとって、あなたは唯一の道標だったんだ。

 

だから。

 

だから私は。

 

あなたを…。

 

『うわああああァっ!!』

『ずっと、離さないよ』

 

ワームホールに機体が吸い込まれていく。

待っててね、メインヒロインさん。

いまアナタの旦那様と寄生した負けヒロインがそっちに行くから。

仲良くしよう、ね?

 

 

 

 

 

…翠の星の船上にて。

とある少女は理由のわからぬ悪寒にぶるりと肩を震わせたのだった。

 

 

 

 

 

おまけ サーッ!(迫真)

 

 

 

とある日の夜。

ガルガンティアの一室にてレドは人生最大の危機を迎えようとしていた。

 

「れどお~仲良くしよ…」

「みんなで幸せになろ?ねえ…」

「え、エイミー、ミリイカ、どうして…」

 

生まれたままの姿で妖しい雰囲気を纏ったエイミーとミリイカがこちらに覆い被さってくる。

 

(どうしてこうなった!?)

 

ベッドに拘束されたレドはこうなるまでの経緯を回想する。

夕食後にミリイカに大事な用事があると言われて部屋に呼び出されたレドはホイホイついていった。

散々ミリイカにメンヘラの片鱗を見せられているはずなのにこの少年、不用心である。

 

「…おまたせ!アイスティーしかなかったんだけどいいかな、レド?」

「ああ、ありがとうミリイカ」

 

よく冷えた液体が喉を潤す。

そんな彼を瞳孔ガン開きの目で見つめるミリイカ。

ちょっとしたホラーである。

 

「それで、大事な話って…うっ」ガクッ

「ふふふ…」

 

で、気が付いたらこれである。

 

「薬か、どうしてこんなことを…ってほわあっ!?」

「睡眠薬だけじゃないわ。同盟で上級市民が生殖時に使ってる興奮剤の一種よ。裏で流れていたのを取っておいたのが役に立ってよかった」

『レド少尉のアドレナリン分泌量の上昇を確認。性欲を持て余しているものと推察する』

「やかましい!?」

「れどお~れどぉ~。しよぉ?ねええ!」

 

エイミーもなんだか呂律が回っていない。

こっちも何やら盛られているようである。

 

「レド、大丈夫よ。ちょっと3人で仲良く生殖するだけだから安心してね」

「安心できない!?チェインバー!助けてくれ!」

「レド少尉の生殖活動の妨害は当機の任務に含まれない」

「くそっ!」

 

このAI役に立たねえ。

逃げ場のないことをようやく分からされたレドを余所に、情愛に濁りきった瞳で彼を凝視するミリイカ。

 

「私はアナタが好き。エイミーもあなたが好き。後は子供をつくるだけでしょう」

「レドのいたところではこれが普通だってぇ。ミリイカが教えてくれたんだよお」

「ふふ…そう、人口の減った人類銀河同盟ではこういうことは普通なの(大嘘)。ね、レド」

「オレの知ってる同盟と違う!?って、ちょっエイミー!?」

 

置いてきぼりのレド君をスルーしてレド君のレド君を弄り出す二人。

 

 

「二人でいろいろ『練習』したからぁ、レドも一緒に『本番』しようねぇ~」

「人口増やしてみんなで幸せになろうよ…」

「ちぇいんばー!たすけてくれちぇいんばー!!」

『レド少尉が性欲を持て余す』

『ミリイカ少尉の生殖活動を記録中』REC

『ナーサリーにデータリンクを接続。こちらでもレド少尉の生殖活動の記録を開始する』REC

 

 

「ちぇいんばああああーーーっ!?」

『性欲を持て余す』

 

ガルガンティアの夜は更けていく。

なんやかんやでできちゃった二人と宇宙から来た少年の爛れた女性関係が船団中の噂になる日はそう遠くない。

 

 

 

 

 

おまけ サーッ!(迫真) エイミー編

 

 

 

とある日の夜。

ガルガンティアの一室にてエイミーは人生最大の危機を迎えようとしていた。

 

「ね、一緒に仲良くレドの子供を産みましょう…」

「ひええ…」

 

瞳孔ガン開きのミリイカに押し倒されたエイミーは現実逃避するかのようにこれまでの経緯を回想する。

ミリイカにこの辺においしい麺料理を出す屋台が出来たらしいと聞き、ホイホイついていったのが運の尽きであった。

食べ終わって彼女が勧める食後のお茶を飲んだらなんだか急に眠くなったのでミリイカにちょっと休んでいきなさいと連れ込まれて目が覚めたら拘束されて迫られてました、以上!

 

「はぁ、はぁ、うう…どうしてこんなことぉ」

 

お茶にナニカ入れられたのか体が熱い。

下が大分アレなことになっているのは気のせいではないはず。

 

(わたしそういう趣味はないはずなのに~おかしいよ!)

 

エイミーはミリイカのことを友達だと思っていたし、同じ人を好きなライバルとも見ていたがまさかこんなことになるとは思っても見なかった。

時々ドロリとした目で舐めるようにこちらの身体を見てくるのはそういうことだったのだろうか。

 

「わたしはレドが好き。エイミーもレドが好き。ならもうこうするしか、ないじゃない」

「こんなの普通じゃないよ~…」

 

恨めし気な視線を向けるエイミーに幼児を諭すような口調で語りかけるミリイカ。

ちなみに舐めまわすような目で見ていたのはちゃんといい子が産めそうな身体か観察していただけである。

生々しいわ!

 

「私達のいた場所では戦争で人が減って、これが普通だったから(大嘘)」

「えっ。そ、そうなんだ…」

 

悪いことを言ってしまったとばかりに申し訳なさそうな表情をしながらあっさり騙されるエイミー。

汚いさすが負けヒロイン汚い。

 

(あなたからレドを奪いたくはないけどこのまま負けたくないのも本当。だから…)

 

例えAIに刷り込まれた願いだったとしても、この胸の想いは私だけのモノのはずだから。

 

「…ごめんね」

「ふぇ?」

 

呆けた顔の彼女の頭を撫で、『練習』を再開する。

無知シチュでエイミーが完全調教される日は近い。

 

(早く子供が欲しいなあ…)

 

負けヒロインの介入により、この世界の未來は正史から道は別たれた。

強引にルートを修正されたレド君が人生の墓場入りするまであと…。

 




外伝小説・少年と巨人のの負けヒロインが負けヒロイン過ぎたので勢いで書きました、後悔はしていない。

レド君は負けイカのせいで外伝小説・「遥か、邂逅の天地」の頃には子持ちになってます。
ハッピーエンドや…。

ミリイカはぶっちゃけ頭おかしなってます。
人を殺したり(分解されて食料行)不毛な戦争の中で滅亡確定の地獄から抜け出せる唯一の希望のレドに依存してます。
もともと無自覚初恋で好きだったのが前世の記憶で変な方向に沈んでいった結果です。
一番の被害者はエイミーかな。
負けイカはレド君に捨てられたくない(冤罪)けど原作であんなに仲睦まじい二人の未来を奪うのは絶対嫌だったので思い詰めてとち狂ってメインヒロインと主人公の二人とも昏睡レイプしました(爆)
レド君はまあ、役得ってことで(酷
ナーサリーはミリイカ付のAIです。

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