リメイク版の『星屑の竜の軌跡』、楽しんでもらえると嬉しいです。
それでは本編いってみましょー。
プロローグ
デュエルモンスターズの聖地とも言われるネオ童実野シティ。
その街のとあるガレージ前で銀髪に蒼いメッシュの入ったロングヘアの青年が3人の男性と向き合っていた。
「まずは礼を言わさせてもらいたい。助けてくれてありがとう、チーム・ラグナロク」
そう言って頭を下げた青年に淡い水色の髪の青年―ハラルドは青年に「顔を上げてほしい」と言った。
「私たちは当然のことをしたまで。むしろ、もう少し早く来ていれば彼女が連れ去られるのを阻止できたかもしれない」
「いや、今回の事は私の落ち度だ」
ハラルドの隣にいた赤毛の青年―ブレイブは青年をジッと見て、
「なあ、お前これからどうすんの?」
「……奴の誘いに乗って過去に、行こうと思っている。今はそれしか方法がない」
「わずかな可能性に賭けるしかない状況ということか」
黒髪の男―ドラガンの言葉に青年は俯きながらギリッと歯を食い縛った。
本当に彼女を攫った奴の言葉を信用していいのか?
そんな疑問を持ちながらも、その言葉の中にある僅かな可能性に賭けなければならないこの状況が悔しかった。
だってそれは大事な人を攫った奴の掌で踊らされてるようだったから。
けれどその悔しさを胸の内にしまい込んで、青年は3人に言った。
「私は必ずマスターを助ける」
そして青年は過去に旅立った。
すべては何よりも大切に思っている主を救うために。
『推薦番号2番の
「――やっと俺の番か」
自分の名を呼ぶその声に銀髪に蒼いメッシュの少年は意識を思い出の世界から現実へと引き戻した。左目には眼帯を着用している。
少年、不動竜星がいるのはデュエルアカデミアの入学試験(実技)の会場である海馬ランドのデュエル場。
今日ここにはデュエリスト育成学園、デュエルアカデミアを受験した受験生達が大勢やって来ている。不動竜星も勿論その一人だった。
竜星はフィールドに立つと姿勢を正し、直立不動の状態で90度ほど腰を曲げ、礼をした。
「すみません、遅れました。推薦番号2番の不動竜星です。よろしくお願いします」
その謝罪に試験官の男はうむ。と頷く。
「なかなか来ないから心配したよ。私が君の試験を担当する」
「そうですか。じゃあ先生、よろしくお願いします」
「うむ。それでは始めようか」
「はい」
竜星と試験官は互いに腕に着けたデュエルディスクを起動させた。
そしてデッキから5枚のカードをドローし、始まりの言葉を叫んだ。
「「デュエル!」」