魔法少女リリカルなのはStrikerS-King Seong clone of another-   作:炎狼

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今回は戦闘とか訓練とかはないです
ではどうぞ。


デート?

「たくっ……なんで買出しなんてしなくちゃなんねーんだよ……」

 

「まぁまぁ……落ち着いて聖。確かに文句言いたいのはわかるけど」

 

 毒づく聖をフェイトが優しくなだめる。しかしフェイトの顔も若干苦笑いといった感じだ。今二人がいるのは街にある大型のショッピングモールの中だ。

 

 二人はその中にあるベンチに腰掛けコーヒーを飲んでいた。二人の服装を見るといつもの制服ではなく私服に身を包んでいる。

 

 そもそも何故こんなところに二人がいるのかと言うと時間は1時間前に遡る。

 

 

 

 聖とフェイトは部隊長室に集められていた。机についているはやては神妙な面持ちのまま語りだした。

 

「二人に極秘任務があるんよ」

 

 瞬間二人の体がこわばった。はやての真剣なまなざしといつもとは違うトーンのせいだろう。

 

「極秘任務って……?」

 

「レリックがらみか?」

 

 はやては首を横に振る。

 

「いや……」

 

 そしてはやては高らかに宣言した。しかも椅子から立ち上がり天に指を衝きたてた状態で。

 

「二人には今日の夜新人達の初任務成功を祝っての宴会の買出しを頼みたいんや!!」

 

 その刹那はやての喉元に安綱がつきたてられた。はやてはぎょっとした顔をするがその安綱を持った聖の顔を見た瞬間顔が青ざめる。なぜなら聖は笑っていたからだ。その屈託ない笑みはなにやら不吉な凄みが感じられた。

 

 フェイトもその様子を見て少しビクついたが、聖はそんなことを気にもせず笑みを浮かべたたままはやてに聞き返す。

 

 

「はやてー。それでなんだってー?お兄さんよく聞こえなかったなーもう一度言ってくれる?」

 

 口調こそ優しいものの聖の後ろには鬼神が見えた。さすがに焦ったのか手をわたわたさせながら説明する。

 

「い、いや!?あれやん!あのこの前のモノレール襲撃事件のときに新人達活躍したやんか!!それのお祝いをしとらんなーおもたんや!!!」

 

「ふーん。だったら普通にそう言えばいいんじゃねー?なんでこんなことする必要があるのかニャー」

 

 未だに笑みを絶やさない聖にはやては縮み上がるがおずおずと続ける。

 

「それはそのー……サプライズ的な?……テヘッ?」

 

 ウインクするはやてに聖はさらに安綱を押し付ける。その様子にさすがにフェイトがフォローに入る。

 

「ま、待って聖!はやても悪気があってやったわけじゃないんだから……ね?」

 

 必死のフォローに聖は安綱を鞘に収め待機状態に戻す。だがそこで今度は安綱がもらした。

 

〈おや?もう終わりですか?もう少しやっていても面白かったのですが〉

 

「もう!安綱も悪ふざけしちゃダメだよ!」

 

〈おや失敬。今度から気をつけます〉

 

 若干の含み笑いを残しながら安綱は黙る。その後聖が放心状態のはやてに話を聞いた。

 

「ホレ。戻ってこーいはやてー」

 

「はっ。私は一体何しとったんや」

 

 少し頭のねじが飛んだようだったが二人の顔を見ると思い出したように話し始めた。どうやら先ほど言ったことに嘘偽りはないらしく、本当にやりたかったようだ。

 

「だったらなんで俺たちなんだ?他にいくらでもいるだろ?」

 

「まぁほんとーはなのはちゃんなんかと手分けしてやりたいんやけど……。なのはちゃんには教導があるやろ?それにシグナムやヴィータに頼もう思うても二人は今日おらへんしなー」

 

「それで俺達に白羽の矢が立ったわけか」

 

 頷くはやてに対し聖は溜息をつくとフェイトに聞いた。

 

「どーするよフェイト?」

 

「んー……。でも誰も行く人がいないならしょうがないかな。行く?」

 

「しかたねーかぁ。わかったよはやて行ってやる」

 

 渋々と言った感じで了承する聖だが嫌そうな顔はしていないように見えた。

 

「ホンマか!?いやーたすかるわーありがとうな聖君、フェイトちゃん!じゃあメモ渡すからこれだけこうてきてや」

 

 はやてから渡された紙を見た聖はめんどくさそうに顔を歪ませる。

 

「……もう何もいわねー。いくかフェイト」

 

「うん。そうだね」

 

「あ、そうや!二人とも私服で行くんやでー!平日真昼間から管理局員がショッピングしてたなんて知られればシャレにならんからなー」

 

 ……お前がそうさせてんだけどな。

 

 そして二人は隊舎から出るためハンガーに向かった。ちなみに目的地まではフェイトの車で向かった。なぜならばいくら聖のバイクが大型だからと言っても荷物と人を1人乗せるのは危ないからと言うことらしい。

 

 

 

 そして現在に至るというわけだ。

 

「後買ってないのはー。肉と野菜か?」

 

「うん。生ものなら多分一階じゃないかな?」

 

 二人は立ち上がると袋を持つが、フェイトが持ったものを聖が奪い取った。

 

「聖?」

 

「荷物持つのは男の仕事だ。フェイトは先導してくれ」

 

 両手と両肩に荷物を持った、聖は軽く笑いフェイトに大丈夫ということを伝えるがフェイトは納得していないようで。

 

「いいよ聖私も持つから」

 

 言いながら袋に手を伸ばしてきて袋を取ろうとするが聖はそれを避ける。そしてこの前の訓練と同じようにそれを繰り返すうちにフェイトがバランスを崩した。だが聖はそれを冷静に抱きとめる。

 

「ほら。あぶねーぞ?大丈夫かフェイト?」

 

「う、うん。ごめん、ありがとう聖」

 

 そういうフェイトの顔は恥ずかしいのか真っ赤になっていた。だがフェイトはそこから離れようとしなかった。

 

 ……聖に守ってもらうのってこれで二回目だっけ。でも聖の体って結構鍛えてるんだなぁ。

 

「おいフェイト!」

 

「ふにゃ!?にゃ、にゃに!」

 

 いきなり声をかけられ焦ったのか素っ頓狂な声を上げたフェイトは聖の顔を見上げる。

 

「あのさ、周りの目が痛いから離れてくんね?」

 

 聖の言葉に我に返ったようにフェイトは周りを見渡すと周囲には一般のお客がおりフェイトたちのことを遠巻きにチラチラと見ていたのだ。

 

 それに気付いたフェイトは目にも留まらぬ速さで聖から離れるとねじまきが切れ掛かったブリキの人形のようにかくかくとした動きで近場にあるエスカレータに向かっていった。

 

「フェイト!?おい!大丈夫かお前!」

 

「ウン、ダイジョブダイジョブ!!」

 

 ……ゼンゼン大丈夫そうに見えないんだけど。

 

 聖はフェイトを追いかけるとその横に並んだ。その後は何とか持ち直したフェイトと共に残りの食材を買いに行った。

 

 

 

 メモの内容を買い終えると二人はショッピングモールの中を歩いていた。無論全ての荷物は聖が持ってるが。

 

「これで買うものは全部買ったね」

 

「ああ、そだな。つってもまだ時間まで結構あるな。どうする?ついでに何か他のもんでも見に行くか?」

 

 時刻を見るとまだ新人達の訓練が終わるには時間がある。

 

「うーん。でもみんなに悪いような気もするけど……」

 

「大丈夫だろ。それにいざってなったらタヌキ部隊長のせいにすりゃいいさ」

 

 ニヤリと言う聖にフェイトは苦笑いしながらも頷く。

 

「まぁ少しくらいならね……」

 

「よし。じゃあこの荷物だけ置いてくっからキー貸してくれ」

 

 車のキーを受け取ると聖はフェイトといったん別れた。

 

 駐車場に戻った聖はフェイトの車に荷物を積み込んでいた。

 

〈早く戻ったほうがいいと思いますよ聖様。レディを待たせてはいけません〉

 

「わーってるようっせーな。それにこんなところなんだ変なこと考える奴なんていねーだろっと」

 

 トランクを閉めると聖は小走りにフェイトの元へと向かった。

 

〈ですがそういった輩もたまにはいるものです。ましてやフェイトさんはあのようにとても美人です。そのような人を飢えた男共が放って置くとお考えですか?〉

 

「おまえ……少しは容赦しろよ」

 

 そして聖がフェイトとの待ち合わせ場所に行くとものの見事にフェイトがチンピラ風の男達に絡まれていた。

 

〈ホラね?〉

 

「……はぁ。やーな感じだよまったく」

 

 毒づきながらも絡まれているフェイトを助けるため聖は走り始めた。

 

 

 

 フェイトは困っていた。理由は単純明快今の現状にだ。只今フェイトはガラの悪い男に絶賛からまれ中である。

 

 先ほどから男達は安っぽい言葉をフェイトにかけてはいるもののフェイトは断りの一点張りだ。

 

 ……どうしよう。勝手に魔力を使うわけにもいかないし。かといって組み伏せるのもどうかと思うし……。

 

 だがそのときフェイトの前にいた男が仰向けに倒れこんだ。

 

 その場にいた全員が男の方を見ると男の顔面は誰かに踏まれた。

 

「たくっ……。ミッドにきてからこの風景に出会うのは二回目だぞ」

 

 男の顔面をぐりぐりと踏みつけながら言うのは荷物を置いてきた聖だった。

 

「聖!」

 

「なんでお前はこんな簡単にとりかこまれちゃうわけ……」

 

「しょ、しょうがないよ!だって一般人に手を出すわけにもいかないし」

 

 フェイトはあせったように言うが聖は溜息をつくと一言述べた。

 

「臨機応変な対応をしろよ。なんもしねーでお前が痛い目見たら馬鹿みて-だろ?」

 

 未だに男の顔をぐりぐりとしている聖は呆れ顔だった。すると痺れを切らした周りの連中が聖に聞いた。

 

「さっきから何なんだテメーは!!」

 

「そこにいる子の彼氏だよボォケ。わかったらさっさと散った散った。俺達はこれから買い物なんだ行くぞーフェイトー」

 

 軽く流した聖はフェイトの腕を引っつかむとずんずんと歩き始めた。男達の方もあっけに取られているのか追いかけることをせず素直に帰っていった。ちなみに顔面を踏まれていた彼は気絶していたようで仲間の1人が背負っていった。

 

「わりと物分りのいい奴らだな。普通なら追いかけてきて喧嘩になるかもしれねーんだけど」

 

 帰っていく男達を見ながら聖はつぶやくがフェイトはブツブツと何かを言っていた。

 

「彼氏……聖が……私の彼氏……いやいや……そんな……でも結構」

 

「おーいフェイトー。もどってこーい」

 

 数度聖がフェイトの頬を叩くとフェイトははたと我に帰り聖の顔を見ると、先ほどと同じように顔を真っ赤にして俯いた。

 

「さっきは悪かったな彼氏なんて嘘ついちまって。でもああいった輩にはこういうのが一番効果的なんだよ」

 

 聖は言うものの果たしてそれがフェイトの耳に届いているかどうか怪しいものではあるが。

 

「って聞いてんのかフェイト?」

 

「え!?う、うん。モチロン!」

 

 フェイトが反応したのを確認すると聖はフェイトの手を離そうとしたが今度はフェイトが聖の手を掴んできた。と言うより胸に抱きこんできた。

 

「お、おい!何やってんだ」

 

 予想もつかなかった行動に聖が焦りの声を上げるがフェイトは力のこもった声で言った。

 

「ひ、人がいっぱいいてはぐれちゃいそうだから……ね?」

 

「……わーったよ。だけどせめて胸に手を抱きこむのはやめてくれさっきからその……当たってるし」

 

 聖が言うとフェイトもそれに気付いたのかあわてて手を離すと。

 

「……聖のえっち」

 

「……何でそうなる?」

 

 呆れ顔のまま聖は手を出すとフェイトもそれに答えるように聖の手を握り返し。二人は帰る時間まで手をつなぎながらショッピングモール内を散策した。

 

 

 

 

 六課に変えるとはやてが二人を出迎えた。

 

「おかえりー!いやーありがとうなー。でもなんやえらい時間かかったなぁ?」

 

「まぁ、結構でかかったしなフェイト?」

 

「う、うん!ちょっと迷っちゃって」

 

 二人の返答に若干ひっかかったような顔をするはやてだったが納得したように頷く。

 

「まぁええわ。ほんなら準備開始やね」

 

 はやての号令と共に新人達初任務の宴会の準備が始まった。まぁ準備と言っても六課の敷地のなかでバーベキューをするための準備だが。

 

 そして訓練が終わった新人達を迎え宴会は始まり。みんなでわいわいと食べたり飲んだりした後宴会は終了した。




以上です。
これでフェイトとのフラグはたったはず!!……と思いたい。

感想、アドバイス、ダメだしなどおまちしております。

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