【校長室】
バーソロミューを校長室から返した後、ダンブルドアはヴォルデモートの魂を『火消ライター』の中に入れた。
『火消ライター』はダンブルドア自ら設計した物であり、
確かに、闇の帝王を理想に近い形で封印することが出来た。にもかかわらず、ダンブルドアの顔色は優れない
「セブルス、お主はどう考える?」
何を、とは言わなかった。しかし言わずとも、それがバーソロミューについてである事がわからない者はいないだろう
「……まだ何とも言えませんな。何分、彼とは話したことすら有りませぬゆえ」
そうは言ったものの、セブルスはある種の予感のようなものを感じていた。しかしセブルスの頭に浮かんだ
(何を馬鹿な事を考えているのだ、僕は。
自分でも何故そんな考えが浮かぶのかわからなかったが、セブルスの頭にはその考えが頭にこびりついてしょうがなかった。
ダンブルドアはスネイプが何かしらを隠している事を直感したが、それを決して明かさぬだろうとも直感した。
故に、ダンブルドアはスネイプ以外を頼る事にした
「モラルに反することじゃが、そうも言っておられんじゃろう。組み分け帽子よ、彼に何を見たか話してくれるかの」
組み分け帽子に助言を乞うことは、生徒のプライベートを全て明かしてしまう事になるので褒められたことではない。しかし、できないわけではないのだ。
事実、ダンブルドアはトムとスネイプに被られた時、組み分け帽子が何を見たのか聞いていたし、渋々ではあるものの、組み分け帽子も答えを返してくれていた。
しかし、今回は違った
「すまんが、それはできない。彼の心の内を明かすなど、私にはとてもできない。何と言われようと出来ないのだ!」
それはそうだろう。なんせ、彼の目的は究極のラブドールを作ること。それを人前で言うなど、御年1023歳になる
それに今は帽子とはいえ、グリフィンドールも元は男。同じ男として、バーソロミューの欲望はとても良く分かったし、それを
しかし、その事情を理解していないダンブルドアはより一層畏怖した
(組み分け帽子が口を閉ざすとは、帽子の心まで掴みおったのか!いやもしや、帽子が恐れる程のものを……)
トムの時でさえ、こんなことにはならなかった
「ならばせめて、何故彼の組み分けを変更したのかだけでも教えてはくれぬかの?」
組み分けを変更したのは組み分け帽子の意志であり、バーソロミューの心のうちはそこまで関係ないはず。なれば答えてくれるのでは?ダンブルドアはそんな淡い期待を持った
「それも言えぬ」
「そうか……」
しかし、帰ってきた答えは沈黙。
ダンブルドアは知る由もないが、グリフィンドールが沈黙を保ったことにバーソロミューは関係がない。
では何故グリフィンドールは沈黙をのか?それは──
(
──単なる見栄だった。
しかし先ほども言ったが、そのことをダンブルドアは知らない。ダンブルドアにしてみれば、組み分け帽子がバーソロミューに関する何かを必死に隠している様に見えた
「……セブルス、お主に頼みたいことがある」
「何用ですかな?」
「お主にはクィリナスの代わりに、闇の魔術に対する防衛術を担当してもらいたいのじゃ」
その役職はセブルスが長年希望していたモノだった。しかし、この状況で任されて素直に喜べるほど、彼は考えなしではない
「バーソロミューが闇の魔術に興味を示すかどうか、見張れという事ですかな?校長」
「そうじゃ」
組み分け帽子ですら魅了するバーソロミュー。しかしセブルスの心のうちはリリーの愛のみが溢れており、
「しかし、それでは誰が魔法薬学を為さるので?まさか、闇の魔術に対する防衛術の教師と彼の監視を命じておきながら、魔法薬学教師まで兼任せよ、とはおっしゃられないでしょうな」
「勿論じゃよ、セブルス。もう魔法薬学の後任は考えておる。しかしそれには、準備が必要なのじゃ。すまんが後一週間だけ兼任してもらえるかの」
セブルスはその言葉に、バーソロミューに負けず劣らずの不快な顔を作った
* * *
「「お疲れ様でした、ご主人様」」
『きゃあ!』
バーソロミューが『寮まで案内する』というダンブルドアの申し出を断り、ロウェナと共に校内を歩いているとアンとメアリーが
二人によると、歓迎会はとっくの昔に終わったらしく、今は各寮に案内されそこで二次会を楽しんでいるようだ。アンとメアリーはバーソロミューを待つために、天井に張り付いて隠れていたらしい。
ロウェナが天井を見上げてみると、四本のフォークが深々と突き刺さっていた
(まさか、あれに捕まって天井に張り付いていたんでしょうか?)
天井に突き刺さっているフォークをよく見ると、持ちての部分にちょうど指先くらいの大きさのへこみがついていた。ちなみに、ホグワーツの食器は金で出来ている。
ロウェナは何も見なかったことにした
「そういやあ、この動く階段と廊下は貴様が作ったらしいな。なんでこんなめんどくさい作りにしたんだ?」
階段が目的の階に行くのを待ちながら、バーソロミューがそんな疑問を投げかけた。
ロウェナはバーソロミューに何かを教えられるということがとても嬉しいらしく、またそれが自分の作ったホグワーツも事となればなおさらで、人差し指をピンと立て、見事なドヤ顔を披露しながら説明しだした
『それはですね、一重に“魔法感”を出すためです!どういうことかというとですね──』
「ああ、もうわかったから説明しなくていいぞ。マグル生まれが魔法というものを実感するためだろ?神秘的であり、それなりに危険であり、良く観察すれば規則性が見えてくる。魔法の本質を良く表してるな」
『はやっ!貴方は本当に、教えがいというものがないですね』
しかしロウェナ・レイブンクロー渾身のドヤ顔も束の間、すぐにバーソロミューが答えにいきついてしまった。ロウェナはバーソロミューの優秀さに一瞬喜んだが、それよりも知恵を説く機会を失ったことを悲しんだ
「しかし、本当にめんどくさいな」
バーソロミューはこの動く城の規則性を既に把握していた。そんな彼の考えによれば、次の階段がこちらに来るのが三分二十四秒後、そのあと廊下を現すために同じ場所を四往復し、廊下を渡ったらまた五分十八秒ほど階段を待たなくてはならない。
それでもまだ、ホグワーツで一番高いところに位置するレイブンクロー寮の談話室まで後半分といったところだ。
“高みより全てを学ぶ”とかいって西の塔の天辺に談話室を作ったレイブンクローを真剣に殴りたい、とバーソロミューは思った。
しかし、作ってしまったものは仕方がない。ならば自分でどうにかするだけだ
「メアリー、俺様を抱えて飛べ」
「かしこまりました。では、失礼します」
メアリーはバーソロミューの首に手を回し、バーソロミューの顔が自身の胸に当たる形で抱きしめた
「飛びます」
バーソロミューの耳元で、メアリーが甘くささやいた。
そのままメアリーが予備動作なしで跳躍し、ほとんど全ての階段と廊下を飛び越えた。その距離、おおよそ15メートルといったところか。
その二歩分ほど後にアンがいる。
そしてメアリーが四回ほど跳躍すると、あっという間にレイブンクロー寮の談話室にたどり着いた
「到着いたしました」
「ご苦労」
「まあ、滅相もございません!」
バーソロミューの労いの言葉に、メアリーは遠慮して見せたが、明らかに嬉しそうだ。
言葉は弾んでるし、目じりが下がっている。
さて、他の寮と違い、レイブンクロー寮に入るのに合言葉は要らない。更に言ってしまえば、そもそも肖像画がない。
その代わり、レイブンクロー寮に入るには、鷲のノッカーがだす問題を解かなければならない。問題の難易度はまちまちで、下は幼稚園児レベルから上はダンブルドアレベルまで。最高で二週間寮に入れないことがあったらしい
バーソロミューがノッカーを叩くと、彼がよく知っている声が出題してきた
『彼は全ての頂点に立つ。山も、海も、大地も彼の足元にも及ばないでしょう。もしも彼を超えたのなら、その先には死と闇が待ち受けています』
「答えは空だ。というかレイブンクロー、これは貴様が一つ一つ録音したのか?」
どうやら答えはあっていたようで、扉が開いた。
しかしバーソロミューはこのノッカーに興味があるようで、レイブンクロー寮へは入らず、再び鷲のノッカーが出題するのを待つことにした
『ええ、ついでに言うと問題を作ったのも私です。大体三千問ほど作りましたね。しかし恥ずかしながら、後半は疲れていたので、かなり難しい問題を作ってしまいました』
良問というのは、ただ難しければよいというものではない。
生徒の力量を正確に見極め、適当な問題を出さなければならない。そうしなければ生徒の成長が見込めないからだ。
しかしレイブンクローの頭脳は優秀すぎるため、ついうっかりすると常人には難し過ぎる問題を作ってしまうのだ
「そういえば、何故貴様のシンボルは
『それはですね、レイブンは
一番は勿論、ホグワーツだ
『私は自分が使役していた鷲に知恵を授けました。それまでの鷲といえば猟に使うくらいのモノでしたが、私の鷲は実に多くの事が出来ました。料理の手伝いをしてくれたり、相手を見つけて手紙を届けてくれたりです。そしてそれを見た私の弟子達はその術を教えてくれと懇願し、私は教えることにしました。しかし昔は今ほど師と弟子の距離が近くありませんでした。私は別に構わなかったのですが、私と同じ“知恵ある鷲”を使役することは恐れ多いと、弟子達は言いました。そこで、弟子たちは鷲の捕食対象であるフクロウを使役することにしたのです。そう、これがフクロウ便の始まりです。これが出来たおかげで、ホグワーツにより多くの生徒を招くことが出来ました』
「なるほど……。では今現在魔法使いが飼っている賢いフクロウは、貴様の弟子達が知恵を授けたフクロウの子孫というわけか」
『そういうことになりますね』
確かに、これは偉大なことだ。
もしフクロウがいなかったら、新聞も届かないしホグワーツの入学書も届かない。恐らく、大半の魔法使いが孤立していたことだろう
「ということは、他の創設者達のシンボルにも意味があるのか?」
『ええ、勿論ありますよ。サラザールは人類史上初めてのパーセルマウスでしたし、当時いくつもの国を滅亡させたバジリスクを使役したことで蛇がシンボルとなりました。ゴドリックは昔、大変臆病で大人たちから“
正直に言ってしまえば、サラザールとゴドリックに関してはそこまで意外性はない。
むしろ、温和な印象が強いヘルガが何故クマなのか。そして何故クマではなく“アナグマ”と一人だけ限定されているのか。バーソロミューは多分に興味が沸いた
『最後にヘルガなのですが……。恐らく、彼女の話が最も偉大で、最も古く、最も面白いでしょう。あれはそう、まだ魔法族が杖を持っていない頃の事です──』
* * *
『そしてイギリス国王はヘルガにこう言いました“お前はアナグマの穴にある傘立てだ!”とね』
「ハハハハハハッ!そいつは傑作だ!……フフフ、だ、ダメだ。笑いを堪えフハハハハハ!」
ロウェナの言葉に、バーソロミューは今夜何度目になるかわからない爆笑をした。
いつもの不機嫌そうな顔はすっかりなりを潜め、腹を抱えながら歳相応な顔つきを見せた。恐らく、これだけ彼が笑ったのは初めてだろう
『するとサラザールがこうも言いました“いえ国王様、こいつはアナグマの靴ベラの方が似合っているかと”と。あの時のイギリス国王の“しまったそれがあったか!”という顔といったらもう!』
「それはそうだろう!ハーハッハッハ!ハハハハハ……はぁ、はぁ、はぁ。ひ、久しぶりにい、息をきらしたぞ」
『……まあ兎に角、こうしてヘルガはアナグマの女になり、魔法族は杖を持つよになったのです』
「それはそうだろうな。ハッフルパフとアナグマ以外でそれを成し遂げるのは不可能だっただろう。悔しいが、俺様でも無理だ。まあそれにそんなことがあったのでは、魔法族が杖を持つのは当然のことだろう。しかし、アナグマの女ヘルガ・ハッフルパフか。会ってみたいな、そいつに」
バーソロミューは久しぶりに、他人に興味が沸いた
『それは私もです。千年前の約束通りなら、ゴドリックの様に姿を変えてこの城のどこかに居るはずです。少しずつ探していきましょう』
「うむ!……珍しく、意見が一致したな」
『ですね!』
バーソロミューの言葉に、ロウェナは満面の笑みを浮かべた。
この後いくつかの問題を解いた後入ったレイブンクロー寮で、弟子達がロウェナに秘密で建てたロウェナの像を見た彼女が赤面するのは、また別の話
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『私が長年追いかけ、真実をお伝えしてきた彼、バーソロミュー・フラメル氏がボーバトン魔法アカデミーの首席生兼特待生を辞退し、ホグワーツ魔法魔術学校に入学した事は記憶に新しい。この真実をお伝えした時、多くの方々がこう思われた事だろう“彼の才能が枯れた”と。本当は辞退したのではなく、辞退させられたのだろう、と。事実、彼は四年前に学会からパッタリと姿を消し、新たな本を出版する事もなかった。
しかし、それは誤りだった。大きな誤りだった!
彼は入学初日、かのアルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア氏の目を欺き、潜伏していた
私は今、確信に満ち溢れている。これは彼の伝説のほんの序章であり、これからも数々の偉業を成し遂げるだろうと。
これからも、彼の真実を常に伝えていこうと思う
シエラ・レイントン』
「チッ!つまらねえ事書きやがって」
クィリナスが捕まった次の日の朝刊、もうすでにあの事件は次の日の朝刊に掲載されていた。バーソロミューは新聞を数秒で読み終えると、くしゃくしゃに丸めて長テーブルの上えと放った。
顔はいつもの倍以上不機嫌そうだ。
今は朝食の真っ最中で、ハーマイオニーをはじめとした新聞を取っている生徒達がバーソロミューの活躍を広めていたせいか、彼は今噂の的だ
『まあそう怒らないでくださいよ、バーソロミュー。むしろ私の手柄を自分のものに出来た事をよろああああああああ!これダメェ、本当にダメェ!抜いてえええぇぇぇ!!!』
バーソロミューは人の手柄を横取りするといった行為を何より嫌う。
過去、そういった目的でバーソロミューに近づいて来た人間は悉く叩き潰してきた。
ここ最近で言うなら、子供だと思い迂闊に近づいてきたギルデロイ・ロックハートを完膚なきまでに痛めつけ、『頭皮永久凍土呪文』を施して聖マンゴ送りにした後これまでの悪事を全て暴いた。ロックハートは聖マンゴを退院後、アズカバンに収容される予定だ。
勿論、未成年であるバーソロミューが外で呪文を使ったことで『臭い』に感知され、魔法省のお世話となった。結局ギルデロイ・ロックハートが『忘却呪文』を使おうとしていたことにより正当防衛が成立し、無罪となったが。
しかし仮に有罪となるとしても、バーソロミューは何度でもロックハートをぶちのめしていただろう。
兎角、不正を誰より嫌う彼がそれを自分で成してしまった。レイブンクローが捕らえたヴォルデモートを、望んでいないとはいえ、自分が捕らえたものとして新聞に掲載してしまつたのだ。
バーソロミューにとって、それは何よりの恥だった。
恐らく、ここまで彼を不快にさせたのはニコラスを除けば初だろう
「……一つ貸しにしておくぞ、レイブンクロー」
『はい!』
珍しく自身の功績を認めてくれた言葉に、レイブンクローは満面の笑みを浮かべた
(しかし、こいつは妙だ)
昨日の出来事がすぐに新聞に掲載されることもそうなのだが、バーソロミューが気になったのはこの記事がダンブルドアを乏している点だ。
日刊預言者新聞は魔法省、つまりはファッジと繋がりが強い新聞だ。そしてファッジはダンブルドアに恩を感じているし、また恐れてもいる。不用意にダンブルドアを乏す様な記事を書き、ダンブルドアとその信者の怒りを買うような真似はしないはずだ。
しかし事実、ダンブルドアがバーソロミューの引き合いに出されている。これはつまり
(このネタを流し、記事を書くよう指示したのはダンブルドアだ。しかし何のために?)
バーソロミューが疑問に思ったのも束の間、ダンブルドアが前に立ち、話を始めた
「おはよう諸君。昨日はよく眠れたようじゃの。尤も、よく眠りすぎて今もまだ夢見心地の生徒が少なからずいるようじゃが。その気持ちは大変よくわかるが、今はしばし老人の話に耳を傾けてもらいたい。何人かの生徒はすでに知っていることと思うが、昨日クィレル先生が死喰い人であることが分かった」
ダンブルドアのその言葉に、新入生と二年生は『噂は本当だったんだ!』とはしゃいだ。
しかし、クィリナスの指導を受けていた三年生以上の生徒たちは『授業中何かされたんじゃ?』と不安げだ
「安心めされい、クィレル先生が闇の陣営に与したのは今年からの事じゃ。まだ何もしておらぬじゃろう。さて、本題なのじゃが、今日魔法省がクィレル先生を引き取りに来る。その際、吸魂鬼を連れてくる。まだ学校生活を楽しみたい者はくれぐれも八階にあるウィットフリック先生の事務所、西塔の右から十三番目の窓に近づかぬことじゃ」
吸魂鬼、そう聞いて生徒達はすくみ上った。どういったものか詳しく知るものは少ないが、魔法界に住む者たちはアズカバンに収容されている犯罪者の恐ろしさとそれ以上に恐ろしい吸魂鬼の話を良く知っていた。
彼等を良く知らないマグル生まれの者たちも、周りの生徒達の尋常ではない怯え方を見て、決して吸魂鬼には近づかないようにしようと心に決めたようだ
「結構結構!さて、穴の開いた闇の魔術に対する防衛術の先生なのじゃが、スネイプ先生が兼任してくれることとなった。みな、拍手を!」
スリザリンの上級生からは惜しみない拍手が巻き起こった。
しかし当然というべきか、それ以外の寮の上級生は歓迎していないようだ。
セブルスとクィリナス、両者ともよく知らない新入生はとりあえず拍手していた
「それから、クィレル先生の逮捕に多大な貢献をしてくれたバーソロミュー・フラメルを称え、レイブンクローに50点をあげよう」
レイブンクローの生徒達から歓声が起こった。みな、口々にバーソロミューを褒め称えた。
初日から大きく差をつけられた他寮の生徒達は面白くなさそうにしているが、中にはうっとりした顔でバーソロミューを見つめる女子生徒も少なからず居た。
尤も、当のバーソロミュー本人は不機嫌そうにしてるが
「話はこれで終わりじゃ。諸君、この後の授業を授よく聞いてそのからっぽの頭に少しでも何かを詰め込むように!では解散!そーれ、教室に駆け足!」
『廊下を走るように言うとは、なんて校長です!』
ダンブルドアの言葉にレイブンクローが抗議の声を上げたが、バーソロミューはそれを無視して教室へと歩き出そうとした。
しかし呼び止められた。誰であろう、ダンブルドアにだ
「ミスター・フラメル、一週間後の土曜の夜に校長室で待っておる」
それだけいうと、バーソロミューの返事も待たずにダンブルドアはさっさと何処かへ行ってしまった。
その態度にレイブンクロー、アンとメアリーが怒ったが、意外なことにバーソロミューがそれを制した
「いい。それよりも、今は授業だ」
彼にとって、授業というのは新たな“未知”を教わる場であり、とても心が躍るものだった
まだ2日目の朝
授業にさえ入っていないという
【オリジナル呪文解説】
・『頭皮永久凍土呪文』──その名の通り頭皮が永遠に凍土になる。二度と新芽の一つも生えない。この呪いの恐ろしさを知ったファッジは“許されざる呪文”に入れることすら検討した。
強力な呪いだが、ヴォルデモートとキングスリーには効かない