宮守の神域   作:銀一色

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遂に五十話突破です!!
ここまで長かったですね!!何故か毎日投稿なのに進まないので余計に長く感じますね!!

……本当に展開遅いですね。五十話とは思えない話の進み具合。


第50話 準決勝 ⑮ 呆気ないオーラス

 

 

 

 

 

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南四局 親:小瀬川 ドラ{四}

 

小瀬川 65,700

モブA -16,000

清水谷 80,000

モブB -29,700

 

 

 

かつては100,000以上あった点差も、14,300まで詰め寄り、オーラス最後の親は小瀬川。直撃なら7,700。ツモなら満貫で逆転が可能となるこの状況。

 

 

(このまま守ってばかりじゃアカンわ……守ってたら満貫をツモられてまう……攻めるしかあらへん)

 

 

今までは流局狙いも視野に入れていた清水谷だが、この小瀬川が親であるオーラスに限りその作戦は潰えた。理由は単純で、流局したとしても小瀬川が聴牌していれば連荘になる。……というか流局はほぼ無いであろう。小瀬川が流局まで和了れず、聴牌止まりというそんな馬鹿げた話が起こるわけが無い。

 

 

 

互いに、和了りに行くしかない。

 

 

 

 

清水谷:配牌

{一二二①②⑤⑥⑧579東南}

 

 

 

清水谷の立ち上がりの配牌は四向聴。良くも悪くもない、否、やや若干遅めの配牌か。

ここから見える手としては鳴くにしては少し厳しいものがあるので、面前ツモか、もしくは平和のノミ手と言ったところであろう。

 

 

清水谷:手牌

{一二二①②⑤⑥⑧579東南}

ツモ{二}

 

親の小瀬川から一巡して、清水谷のツモ番。ツモったのは{二}。今までは小瀬川の飜牌、役牌は切らないできた清水谷だが、今はそうも言ってられず、聴牌までの最短距離を突っ走るために、{南}を切る。

 

 

 

この牌では動かなかった小瀬川であったが、4巡目にして、清水谷がツモ切った{八}に反応する。

 

 

 

「ポン」

 

小瀬川:手牌

{裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏} {八横八八}

 

 

 

打{九}

 

 

 

この鳴きによって小瀬川の手牌のおおよそが掴めた。役牌コースか、断么コースのどちらかであろう。どちらにせよドラの{四}は暗刻になっているだろう。

役牌ドラ3もしくは断么ドラ3。振り込んでもツモでも逆転可能である。

 

だが、それ如きの脅しでは清水谷は屈しない。清水谷もどんどん手牌に有効牌を引き入れていく。

 

 

 

清水谷:手牌

{一二二二四②⑤⑥45789}

ツモ{7}

 

 

7巡目のツモによって二向聴となり、あと二歩で聴牌に至る。ドラは一枚抱えているが、まだ暗刻ではないとは言い切れないので、油断はできない。が、小瀬川も捨て牌を見る限り未だ聴牌はしていないようだ。

清水谷は、前巡に{①②}の辺張落としとしての{①}を切ったので、それと同じ感じで{②}を落とす。

 

 

だが、それも小瀬川はタダでは通す事を許さなかった。

 

 

「……ポン!」

 

 

小瀬川:手牌

{裏裏裏裏裏裏裏裏} {②横②②} {八横八八}

 

 

 

 

小瀬川が鳴くまでは良かった。別に何も驚きはしなかった。問題なのは、鳴いた後に捨てた一牌。

 

 

 

打{四}

 

 

 

あろう事か、ドラの{四}。ドラ切り。しかもそれだけではない。

 

 

「ポン!」

 

 

 

モブA:手牌

{裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏} {横四四四}

 

 

打{南}

 

 

 

鳴かれてしまったのだ。そのドラが一気に三枚。清水谷が持っているドラを含めると、これでドラは全て場に姿を現した。わずか数秒で。そして先程まで予想していた小瀬川の手牌が全く分からなくなってきた。

 

 

役牌にしても、断么にしても満貫以上は無くなってしまったのだ。赤ドラが入ってくると話は変わってくるが、{赤五と赤⑤}は既に場に出ている。つまり残るドラはもう一つの{赤⑤と赤5}の二枚のみ。つまりどれだけ高くとも役牌ドラドラ、断么ドラドラの三飜止まり。役牌ドラドラならまだ40符三飜で7,700の目があるが、断么ドラドラなら30符三飜の5,800止まり。14,300の点差はそれだけでは埋まりはしない。小瀬川の事だからこの局で決めにかかってくると思ったが、一体全体どうしたものか。が、

 

 

 

(いや……対々和!もしくは役牌二つ!)

 

 

しかし清水谷に電流走る……!そう、考えられる役は断么と役牌だけではない。対々和ドラドラも、役牌2ドラドラもまだ可能性が残っている。そう考えれば、小瀬川のあの謎のドラ打ちも理解できる。

 

 

しかし、そんな清水谷の考察をことごとく打ち破るかのように、10巡目

 

 

「チー」

 

 

小瀬川:手牌

{裏裏裏裏裏} {横546} {②横②②} {八横八八}

 

打{⑦}

 

 

まさかのチー。まさかの対々和と役牌2。これをどちらもあり得なくするチー。それどころか役牌ドラドラともなくなり、どんなに高くとも断么ドラドラの30符三飜の5,800。役牌なら役牌ドラ1の40符二飜の3,900となってしまった。

 

 

 

(何を考えているんや……?シロさん)

 

 

小瀬川の奇行に、混乱してしまう清水谷。これに何かしらの意図があるというのか。対局中は情を入れないように名字呼びだったのが思わず名前呼びになってしまうほど清水谷は驚いていた。

 

だが、そんな動揺する清水谷をものともせず、ツモは絶好調。12巡目に聴牌に至る。

 

 

 

清水谷:手牌

{一二二二四⑤⑥456789}

ツモ{三}

 

聴牌。{④-⑦}の平和ドラ1。平和がついているので、{④か⑦}のどちらかが出た瞬間清水谷の勝ちが確定する。

 

 

打{一}

 

 

清水谷は恐る恐る{一}を切る。もしかしたら連荘狙いで、この溢れ出てしまった{一}が和了牌かもしれないと思ったが、小瀬川からの発声はない。

 

 

 

 

(……本気かいな小瀬川さん。もしかしたら次の瞬間には終わってしまうんやで)

 

 

まず清水谷が思ったことは、呆気ないという感想だった。呆気なさすぎる。ここで終わってしまうのか。ここで小瀬川が何もできずに終わるのか。思い返せばこのオーラス、ここまで全部悪い方向に行っている。最初は満貫は確定だと感じていたものが今となっては高くとも5,800という悲惨な状況。

 

 

 

そういう不安、疑念を抱いて、小瀬川を見る清水谷。

 

 

 

(……)

 

 

 

そんな清水谷をただただ見つめ返す小瀬川。

 

 

 

 

 

 

 

南四局オーラスも最終局面に向かう事となる。

 




次回はオーラス後半です。
最終回は何話になるんでしょうかね……?
まあ、100話は超えるでしょう(乾いた笑い)

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