宮守の神域   作:銀一色

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怜とシロの話と、敗北者の会議です。
結構攻めた表現を使ってるけど、ヘーキヘーキ(適当)


追記

もうすぐ通算UAが30000回超えそうなので、活動報告にてリクエストを募集します。私の名前から飛べば活動報告の欄にあるので、どうかお願いします。
(感想欄では書かないでください!)


第33話 準決勝前 ③ 膝枕と会議

 

 

 

 

 

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視点:小瀬川白望

 

 

「気持ちええなぁ…りゅーかとええ勝負や…」

 

私を賭けたトランプ勝負に勝った怜の願いにより、彼女に膝枕をする事になった。勿論私はする側である。

 

どうやら満足してくれたようで、私の膝枕の上で怜はぐったりとしている。

 

しかしここで問題がある。私はこの時何故か正座の状態で膝枕をしてしまったのだ。ベッドを利用すれば普通に座ってできた筈なのにも関わらず、私は重大なミスを犯してしまった。

 

「ねえ、怜。」

 

そろそろ足がきつくなった私が、怜に声をかける。

 

「どした?イケメンさん。」

 

怜が膝枕された状態で私に聞き返してくる。

 

「そろそろ、足、キツイかも…」

 

その声に怜はふふふと笑って、

 

「イケメンさんを勝ちとって自由にしていい権利を得たのはウチなんやで。イケメンさん。もうちょっと頑張りや。」

 

と、私の要望はあっさりこの小悪魔に却下されてしまった。

 

(竜華も、大変なんだなぁ…)

 

これをいつもやってあげているという竜華はとても優しい人なんだな。と足の限界と闘いながら身に染みた私であった。いや、正座の状態でいつもやってあげているのかは分からないが…

 

 

 

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視点:神の視点

 

 

所変わってトランプ大会が開かれた小瀬川白望達の部屋には、怜に敗れた悲しき(?)少女達が会議なるものを開いていた。

 

 

題して、第一回緊急小瀬川会議である。

 

 

「いいか皆の衆。これから二時間程度、我らが(?)小瀬川白望が怜に好き放題されてしまう。」

議長は辻垣内智葉。あと一歩のところで怜に負けた一番ショックが大きい人物である。場は既に殺気に包まれ一触即発の状況だが、それでも尚会議を開こうとしていた。

 

 

「そんなのは分かってる!」

小瀬川白望の幼馴染という特権を持ちながらも最終決戦前に敗れ去った胡桃が、半ばイラつきながらも参加する。

 

「別に会議を開くのは構わんが、そんなに緊急と題するほど重要な事か?」

一回戦、小瀬川白望と闘った小走やえが、案外余裕そうな感じで議長こと智葉に質問する。

 

「これだから王者(笑)は…恋ってものが分かってないわねえ…」

同じく一回戦小瀬川と対峙した上埜久が、小走を煽るような口調で馬鹿にする。

 

「なんだと!」

 

「王者(笑)」

 

「う、うるさい!」

 

 

 

「…静粛に。確かに上埜の言う通りだ。今の事態は単純なものではないのだ。」

 

上埜と小走の口喧嘩を仲裁するかのように智葉が間に割って話す。そしてそれを聞いた全員が智葉の方を見る。

 

 

「…それはどういう?」

臼沢塞が状況を読み込めていない人を代表するかのように、智葉に問う。一番先に抜けてしまった彼女はさっきまでばったりと倒れていたが、どうやら無事なようだ。…精神的ダメージを考慮しなければ。

 

 

 

「…つまりだな。」

 

その智葉の言い方に、全員が息を飲む。

 

 

 

 

「シロが、園城寺の事を好きになってしまうかもしれないということだ!!」

 

 

ざわ…ざわ…

 

 

室内が騒然に包まれる。(それほど大人数ではないのだが)

 

「議長!シロに限ってそんな事は無いと思います!」

しかし、胡桃がそれに異議を申し立てる。

確かに胡桃の言う事は的を得ているし、偽りではない。

 

だがしかし、と智葉は加え

 

「考えてもみろ。そもそもこのギャンブルを始めようと言ったのは奴だぞ?それなら、シロを落とす算段、計画はあるはずだ!」

 

と反論する。その反論によって騒めきも大きさを増してきた。

 

「ていう事は、園城寺は何かアテがあってあぎゃん事ばしたってこと?」

佐賀弁で喋る白水哩が質問する。

 

 

「…その可能性が高い。」

智葉が右手をグッと握り締めてそう言う。

その手はワナワナと震えていて、よほど悔しかったのだろうと容易に想像がつく。

 

 

 

 

「あそこで逆を選んでいればなぁ…」

 

 

「議長!聞こえています。」

塞からの指摘によって我に返った智葉が、会談を続けようとする。

 

 

「取り敢えず…だ。今あの2人はどこに行ったか見当がつく奴はいるか?」

 

智葉の問いに皆は周囲を見渡すが、誰も手を挙げる気配はない。

 

 

ここで会談が終わるのか。という絶望(?)に包まれたが、その絶望を切り裂く者が現れた。

 

 

「…はい!」

 

それは上埜久であった。その声に皆は一斉に久を注目する。

 

「恐らくだけど…あの2人、園城寺さんと竜華さんの部屋に行ったんじゃない?」

 

ざわ…!ざわ…!

 

 

「…それは本当か?」

智葉が疑問そうに久に質問する。

 

 

「多分、あまり時間が無いこの状況で何処かに出かけるってことは無いはず…なら、考えられるのはホテル内でしょ?」

 

ざわ…!ざわわわ…!

 

 

「確かに、一理あるな。」

智葉が成る程と感心していると、哩が真剣そうな声でこう放つ。

 

 

 

 

「まさか、ちかっと早い夜ば楽しむんそいぎ…」

 

 

 

 

 

その発言に、全員が取り乱す。

 

 

 

 

 

「シロで変な妄想しないで!変態!バカ!」

真っ先に口を開いた胡桃が顔を真っ赤に染めて哩に罵倒を浴びせる。

 

「冗談。冗談。」

哩ははははと笑い、あまり悪びれもせず胡桃に謝る。

 

 

「…全く、これ以上話しても埒があかないな。」

 

 

結局哩の生々しい発言によって、第一回緊急小瀬川会議は話し合いというレベルに達する前に終了する事となった。

 

 

 

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視点:小瀬川白望

 

 

あれから数分が経ち、今足は限界を迎えようとしていた。

 

「ギブ…ギブだよ怜…!」

 

私の必死の感嘆に怜が応えてくれてようで、怜が私の膝枕から起き上がる。

 

「本音はもうちょっとして欲しかったけどなぁ。でもイケメンさん。ありがとやで。」

 

怜が足の痺れに悶えてる私の頭を撫でる。

撫でられ終わった私は、足の痺れをどうにかしようと立ち上がったまさにその時、

 

 

 

 

怜が私に倒れかかった。

 

 

 

 

 

 

無論いきなり倒れかかったので私が支えてあげれるわけもなく、そのままベッドに2人して倒れる。

 

 

「怜。これはどういう…」

いきなりの事に展開に追いつけない私が怜に質問する。

 

 

「すまんな…イケメンさん。ちょいと…疲れて…な。」

 

 

どうやら疲れ果ててしまったらしい。それを言い終わったと思ったら、私に倒れかかったまま怜は寝てしまった。

 

 

(…ちょうどいいや。私も疲れたし。)

 

 

無理矢理脱出して怜を起こすわけにもいかない私は、怜とベッドに挟まれたまま怜に続くように瞼を閉じた。

 

 

 

 

 

 




次回に続きます。そろそろ準決勝かな、と思ったら次の日は一回戦の残り8試合があったので2日後でしたね。
どうしようかな…


追記
前書きにも書きましたが、活動報告にてリクエスト募集中です。

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