宮守の神域   作:銀一色

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今回全く進展しないです。



第31話 準決勝前 ① 第二次小瀬川争奪戦

 

 

 

 

 

 

 

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視点:小瀬川白望

ホテル内

 

 

1回戦を無事一位通過できた私は、塞たちとホテルに戻ってきた。現在時刻は15時過ぎで、これから寝るにしても早過ぎるし、どこかに出かけるにしても時間が少し足りないといった微妙な時間帯である。

 

 

「なら夕食の時間までの間遊ぼうという」塞の提案で、私達の部屋でトランプ大会が開かれる事になった。

 

どうせなら多い人数でやろうと私が提案し、1回戦が今日にあった智葉、竜華と付き添いである怜、そして先ほど卓を囲んで死闘を演じた哩、久、やえも呼ぶ事となった。

 

照と愛宕姉妹も呼ぼうかと思った。が、彼女らは明日に1回戦が控えているので彼女たちの事を思って呼ばない事にした。試合前に雑念などが入ったらいけないからね。

 

というわけで私達の部屋に集まり、部屋の中にあるテーブルを囲んだ9人。(私を入れて)

だが、どういうわけか私と竜華以外の7人は互いの事を睨み合っていた。なんだこいつら。

 

特に目つきがヤバイのは胡桃と塞。そもそも皆でやろうと言った時もこの2人は凄い不服そうであった。

 

そして挑発的な目つきで周りを煽っているのは哩、久、怜の3人。いずれも余裕そうな表情である。いや、なんの勝負をしているのであろう?

 

残りの智葉とやえは顔を赤く染めながら頑張って皆の事を睨みつけていた。そんな恥ずかしいなら睨まなければいいのに。

 

 

唯一まともなのは竜華だけであった。竜華は微笑ましそうに皆の睨み合う場面を見ている。

 

 

「じゃ、じゃあ手始めにババ抜きでもしようか?」

 

この修羅場のような状況に耐え切れなくなった私が塞が持ってきていたトランプをテーブルの上で切りながら、提案する。

 

 

その提案に皆が賛成し、場を包んでいる緊迫感も若干薄まった。

 

 

 

 

 

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それからババ抜きを5回行い、今が6回目。

 

未だ抜けていないのは私と久のみ。そしてjokerを持っているのは久で、私はjokerではない6を引けば私の勝ちだ。

 

 

「ぬぬぬ…!」

 

久が私に見えないように二枚のカードをシャッフルし、唸り声をあげる。

 

「どうだ!」

 

久がシャッフルし終わり、二枚のカードをテーブルの上にバン!と叩きつける。

私に悟られないようにする為か、久は両手で目を覆っていた。しかし、

 

「久がテーブルに置く時、若干力んでいたのは右側。目線はどうにかできても、人間はjokerの方に意識が行く。つまり力んだ右側がjoker…」

 

そう言い、間髪入れずに左側のカードを捲る。そのカードは正しく6。♦︎の6であった。

 

 

「ぬがぁぁぁ!」

 

久がドサッと後ろに倒れる。これで久の最下位が確定する。

 

「心理戦でシロに勝とうってのが間違いなんだよ!」

 

胡桃が胸を張って誇らしく語る。何故胡桃が誇らしそうにしているんだ。

 

「小瀬川はトランプも化け物レベルで強いな…」

やえがやっぱりと言った口調で呟く。このババ抜き6回の内6回連続8位と、あまり凄くなさそうに見えるが、実際は全部サシ勝負にもっていき全勝している。

無論、わざとサシ勝負にする為にjokerをわざと最後まで持っていたり、アガってもそのまま続行したりした。

 

 

「…じゃあ!次のゲームはイケメンさん抜きで、一位抜けした人が夕食まで自由にしていいルールはどうや?」

 

 

「…は?」

 

 

怜が変な提案をする。その提案に、皆(竜華以外)の目の色が変わる。

 

「よし!絶対アガるわ!」

塞がマジな声で意気込む。いや、それでいいのか塞よ…

 

 

「小瀬川ば貰うにはウチばい。お前らには渡さんよ…ふふふ。」

哩も完全にやる気だ。目が完全なアレである。私の中で一番勝ってほしくない人の1人になったよこの野郎。

 

 

「シ、シシシシシロを自由…に?」

顔が真っ赤な智葉が思わず下を向く。おい智葉、変な妄想はやめろ。

 

 

「ん〜…」

 

 

「どうした?清水谷。」

1人悩む竜華にやえが質問する。竜華は

 

「やっぱウチはそういうのええわ。皆の為に…な?」

竜華がどうやら参加しないらしい。竜華だけがマトモだ。私の味方よ。

 

「ちょっといいかしら?」

そうして私を賭けたババ抜きが始まろうとしたその時、久がタイムをかける。

 

「…どうしたん?上埜ちゃん」

この賭博を考案した怜が久に質問する。

 

 

「折角ババ抜きやるなら、最後までやった方が面白いでしょ?だから、最後までjokerを持っていた人が勝ちってことにしない?」

と、久がルール変更を申し出た。皆は成る程と頷く。

 

「…でも、わざと揃っても捨てない人とかいたらどうするの?シロもさっきやってたし」

それに塞が異議を唱える。そういえばそんな事もしてたな私。

 

「じゃあ、小瀬川さんと清水谷さんが二手に分かれて皆を見張るとかはどうかしら?」

久が私と竜華を監視役にする提案をする。

 

 

「うぇぇ…ダル「うるさいそこ!」…はい。」

 

私の拒否を胡桃が一喝する。どうやら私に拒否権はないらしい。

 

「じゃあ、そうするか。」

全員(私以外)がそれに賛成し、智葉が手慣れたような手つきでカードをシャッフルしてカードを分配し始める。負けが勝ちの変則ババ抜きが、欲望にまみれた泥沼の闘いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ババ抜きの結果どうしましょうかね…
アンケート式にしてもいいですし、私が適当に選ぶ方法でもいいですね。

でもアンケート式の場合期間が1日未満と短く、読者様の意見が集まりにくいので、今回は私のルーレットによって決めたいと思います。

次こういうのがあった時を想定して、アンケート式か私のランダム、どっちがいいか感想を書くついでで構いませんので教えていただけると嬉しいです。

又、アンケートもリクエストと同じで感想欄に書き込むのは避けて下さい。

そういえば『アンケート式にするかどうか』を感想欄に書くのはセーフなんですかね…?『アンケート式にするかどうかのアンケート』として扱われるんですかね…?
もしアウトな奴だったらご指摘お願いします。

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