哩さんのキャラが若干崩壊するかも…
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視点:神の視点
白水:手牌
{④④④赤⑤⑥⑨東東東発中中中}
打{⑨}
小瀬川のブラフに騙され、勝負手を崩してしまう白水。白水には小瀬川の幻想の緑一色が見えている為気づいていないが、現状白水の流れは最高潮に達している。
度合いとして、小瀬川がノーテンリーチを使わざるを得なかったほどの流れと言えば粗方想像はつくだろうか。
次順
白水:手牌
{④④④赤⑤⑥⑨東東東発中中中}
ツモ{⑨}
故にこのツモは必然である。
(ぐっ…!)
{⑨}ツモ。前順、白水が{発}を通していれば、和了れたはずの{⑨}。
ツモ混一色中三暗刻赤1。倍満の和了。
もし、あそこで切っていれば、点差を24000点分縮めれた和了。
しかし、裏目を引いたと同時に、白水はもう一度チャンスを得たのである。
倍満手をもう一度聴牌できるという千載一遇のチャンス。
そういう点では、この裏目はあまり痛くはない。
が、
(その為には…{発}ば切らなきゃいけなか…)
そう。そもそも、{発}を引いたから聴牌を崩す羽目になったのである。もう一度聴牌できるという事は、それと同時にこの{発}という悪魔を切らなければいけないという事だ。
観客からしてみれば、ここで{発}を切れというのは簡単であろう。
だが、それはあくまでもノーテンリーチという事が分かっているからこそ言えるものだ。
マジックと同じようなものだ。一度タネが分かってしまえば、そのマジックに驚く事はもう無いのと同じである。
が、白水はそのノーテンリーチというタネが分からない。
分からないどころか、緑一色の幻影が白水には付き纏っている。そう考えれば、この{発}は切れない。
…切れる牌ではない。
打{⑨}
断腸の思いで{⑨}をツモ切りする。悩んだ末のツモ切り。
しかし次順、そんな白水を嘲笑うように
ツモ{⑨}
{⑨}という使者がやってくる。二度も。
(…!?)
ツモ牌を確認した白水は思わずそれを凝視してしまう。二度。二度も和了を逃したのである。
ツモ混一色中三暗刻赤1。8飜。倍満。16000。4000-8000。逆転へ詰め寄る大魚をあろうことか二度も逃してしまう。
(…?)
が、白水はここで小瀬川が最も恐れていた事態に気付き始める。
(裏目ば二度も引いた…普通であいば、こいは流れが悪い典型的ケース…あいどん、ほぎゃんこてにそうか?二度も倍満手ば逃す何て事、流れが悪い状態であり得るか?)
(不ヅキで…引くか…?二度も…?)
そう。今白水は、核心に、真に迫っている。
だが、その後一歩が出ない。
(いや…!違う…!よく考えろ!こいこそ小瀬川の狙い…!聴牌に受けるには、{発}切りが必須…!{発}はどう見ても小瀬川の本命…!倍満なんて甘い罠に騙されて、行けば死ぬ…ウチは今、そぎゃん状況。忘れるな…!)
そう白水には未だ幻想が白水の目の前に立ち塞がっている。
緑一色という透明な壁が。
白水
打{⑨}
{⑨}切り。白水としては当然の事である。
そして次、小瀬川のツモ番。小瀬川がツモ牌を盲牌するが、「ツモ」の声はない。
小瀬川
打{2}
そうしてツモ切った牌は{2}。白水はその牌を見て、一瞬体が跳ねる。が、どうやら和了牌ではなかったと理解すると、露骨に安堵した。
一見、この{2}切りはブラフを看破されかねない牌だが、普通ブラフだと気付くよりも先に{2}以外が和了牌であるという認識が働く。
そして小走と上埜の番が終わり、ツモ番は白水へと回る。
白水
ツモ{6}
{6}。{6}引き。このツモによって、ついさっきまで核心に近づいた白水は遠ざかる。
(掴まされた…!)
そう。この巡、小瀬川が切った牌は{2}。つまり白水から見たら{2}は和了牌ではない。そしてリーチの時切った{3}も考えると、小瀬川の待ちは{4、6、8、発}の4種類。
その中の一種である{6}をツモった白水。白水にとって最も引きたくない牌。それを引いてしまうという事は、やはり流れが悪いと感じてしまう。
打{⑨}
そして次巡、小瀬川のツモ。
小瀬川が山から牌をツモって、盲牌する。
この牌に対しても、小瀬川は何も言わない。
打{4}
またしても緑一色を構成するための牌。{4}切り。これで考えられ得る待ちは{6、8、発}の三種。
だが、次の白水のツモによって、その選択肢は更に絞られる。
白水
ツモ{6}
{6}を引いてくる。これで{6}が対子となる。それだけではない。これによって{6}の待ちは確定する。
小瀬川は少なくとも{6}は3枚以上持っている事はない。即ち対子もしくは1枚であるという事。
{234}は待ちではない為、考えられる待ちは単騎かシャボである。
つまり小瀬川の手牌は
小瀬川手牌予想図
{22334466888発発}
{2233446688発発発}
{2233446888発発発}
の三通りである。厳密に言えば、{222333444}などの{234}が暗刻になっている可能性が考えられるが、{234}を切っている為、それはない。
何故なら、もし暗刻になっているのなら暗槓をするはず。と白水は考えていたからである。
打{④}
そしてまた次巡のツモで、小瀬川の待ちは完全に絞られる。
白水
ツモ{発}
{発}。これで小瀬川は{発}の暗刻はない。即ち、
{22334466888発発}
この形しかあり得ないのである。そしてそれと同時に、小瀬川の緑一色を完全に封殺する事に成功し、聴牌する事ができた。
一回も危険牌を切らずに…!
打{④}
(やっぱいツイてるのかも…?いや、いやいや…違う!あくまでもウチは小瀬川の猛攻ば凌いだだけ…
小瀬川の和了牌ば潰したって事は、ウチの和了目もなかって事…和了れる事ができなか今、ツイてるなんて事はあり得なか…)
そう考える白水だが、それは誤りである。
まず第一に、小瀬川はノーテンである。即ち、{6、発}待ちではないし、{6、発}はまだ残っている。
第二に、今流れが良いのは白水。小瀬川ではないのだ。
故に、終局間際、17巡。
小瀬川
打{6}
解れる…!小瀬川の壮大なブラフが…!
(!?)
{6}切り…!
({6}…?{6}?)
(ていうことは…{22334466888発発}は、あり得ない…?あり得ない?あり得ないって…)
これでやっと、白水に纏わりつく幻想が、幻影が、霧が晴れる。
(ノーテン…?ノーテン!?)
(リーチもしておきながら…結局…ノーテン!?)
白水が驚愕する。あれだけ気をつけていた小瀬川の緑一色は、幻影にすぎなかった事に。
「ロ…ロン!!」
白水:和了形
{④赤⑤⑥66東東東発発中中中}
「中、ドラ1…3200!」
白水が和了る。しかし、小瀬川はノーテンリーチの為、流局すれば満貫の支払いだが、白水は和了った。
理由は1つ。このまま局を続けると、いずれ小瀬川が上埜か小走のロン牌を放つであろう事を、悟っていたからである。
それは的を得ていて、実際小瀬川の次のツモは、小走のロン牌であった。
(和了れよった…!和了れよった…!!こぎゃん3200ぽっちそいぎなく…倍満ば…!
流れは良かったんだ…そいけんこそ小瀬川はノーテンリーチばした…ウチの倍満ば潰す為に…!!)
慙愧…!焦燥…!呵責…!自責…!失態…!ありとあらゆる激情に身を焼かれた白水哩は…遂に確信する!
現時点の流れは…自分にあると…!そしてそれに気付かれるのを避けようとしていた小瀬川が焦っている事を…!
(良いとやなかろかにゃ…!今度こそ決着させてやる…!勝負も…小瀬川、お前のハートも…!)
最後のあたりの「慙愧…!焦燥…!呵責…!自責…!失態…!」のところはアカギの場面から取り入れました。(アカギのノーテンが鷲巣様にばれたシーン)
他にも参考にした部分はありますが、丸々取り入れたところはそこだけです。