頭痛が続きますが頑張って書きました(1700文字)。
……明日から頑張ります。
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視点:神の視点
「おはよ……今どうなってる?」
「あ、シロー。おはよー」
「新道寺がぶっちぎりの一位で、もう大将戦だよ!」
宮守女子麻雀部が東京に到着してから早くも二日目。初日の抽選会と開会式から直ぐにインターハイの団体戦が行われていた。今日行われる試合はAブロックの第1から第3試合まで。明日も同じくAブロックの残りの一回戦が行われることとなり、小瀬川白望達のいるBブロックの試合は明後日以降となっていた。よって今日明日ともに小瀬川白望達はフリーとなっており、これから始まる死闘までの束の間の休息となっていた。
そして本日行われている試合で小瀬川白望と面識がある高校は新道寺のみ。その新道寺も圧倒的トップで大将戦を迎えていた。小瀬川白望は寝起きのあまり頭の働かない状態でありながらも、鶴田姫子の打ち方を見る。
(……流れにそぐわない大物手が多い。何かオカルトでも働いてるのかな)
小瀬川白望は鶴田姫子の麻雀を見て直ぐに違和感を覚える。ただ単純に見れば鶴田姫子の一方的な試合にしか見えないのだが、そこに小瀬川白望は明らかな疑問を感じていた。
(まあ聞いても教えてくれなさそうだけど……何かある事には間違いないか……)
そう心の中で結論付けた小瀬川白望は席を立ち、顔を洗いに行こうとすると、臼沢塞に「あれ、最後まで見ないんだ。知り合いじゃないの?」と聞かれると、小瀬川白望は「うん……さっきので取り敢えず大丈夫。勝負も決まっただろうし」と言い、洗面所の方へと向かって行った。
「相変わらずマイペースな人だね」
「……小学生の頃から変わってませんからね!」
熊倉トシの言葉に鹿倉胡桃がそう付け加えると、エイスリンが「ア……オワッタ」と呟いて皆がテレビの方を見ると、鶴田姫子が三倍満のツモ和了をして一校を飛ばし、二回戦進出を決めていたところであった。臼沢塞が「はっや……まだ前半戦なのに」と呟くが、それを聞いていた熊倉トシは心の中で(あんたらも大概だけどね……)と言いながらも、携帯電話を開いて赤土晴絵に向かってメールを送った。
「……あー、もう終わったんだ?」
「終わったよー。新道寺が一位!」
洗面台の方から顔を出した小瀬川白望の問いに姉帯豊音が答えると、小瀬川白望は「そっか……今顔洗おうとしたけど、やっぱり寝ようかな……」と呟く。が、エイスリンに「シロ、ネスギ!」と言われた。
「そうだよ!せっかく東京に来たんだから、出掛けたりとかして楽しもうよ!」
「えー……」
小瀬川白望はそう言って反対の意を示したが、宮守女子のメンバーに文句を言われると、渋々小瀬川白望は顔を洗い始める。そんな会話を聞いていた熊倉トシは「なんだい。外に出るのかい?」と臼沢塞に向かって聞くと、臼沢塞は「まあ……そうしようかな、と」と答える。すると熊倉トシは封筒をスッと差し出し、「これ、昼食代。東京の美味しいものでも食べてきなさい」と言った。
「こ、こんなにですか……?」
「大人を舐めるんじゃないよ、これくらいどうって事ないさ。ただし、昼食代以外はあんたたちの自腹で頑張ってくれ」
「デモ……スゴイ!」
「凄いよー……熊倉先生、太っ腹だよー」
熊倉トシに向かって皆が感謝の言葉を述べると、小瀬川白望が最低限の支度が完了したら直ぐに部屋から出て行った。そうして部屋に一人となった熊倉トシは一息つきながらコーヒーを嗜んだ。
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「……どうかな」
「シロ、ちょー可愛いよー!」
「ベリーキュート!」
東京の街へとやって来た小瀬川白望達がまず最初に行ったのは現代の高校生らしい服屋であった。小瀬川白望が試着を着て皆に向かって見せると、それぞれ思い思いの感想を言う。特に臼沢塞にいたっては鼻に手を当てて頭の中で必死に(こらえろ……こらえるんだ臼沢塞……)と念じるように自分に向かって語りかけていた。
「でも……これ、着心地悪いんだよなあ」
「せっかく可愛いのに、いいの?」
鹿倉胡桃が小瀬川白望に向かってそう聞くと、小瀬川白望は「どっちかって言うと……」と言ってジャージを取ると「着心地でいえばこっちの方がいいんだよな……」と言って身体に当ててみせた。
「ジャージのシロ……それもありかも!」
「何言ってんの塞……」
「でも、それも可愛いと思うよー!」
次回に続きます。
いやあ蛇足回。