一回南場まで作ったのですが同じ牌が5枚ある、書いてて自分でも意味が分からなくなってくるなどの理由により、書き直したせいです。
書き直しましたが、日本語も結構怪しくなっているので、分からない箇所、分かりづらい箇所、日本語として成り立っていない箇所など、読みにくいところがございましたら、報告お願いします。
第18話 全国大会第1回戦 ②
-------------------------------
視点:小瀬川白望
全国大会 1回戦
東1局 親:小瀬川 ドラ{五萬}
小瀬川 25000
小走 25000
上埜 25000
白水 25000
遂に始まった。全国大会第1回戦。
私は胸のドキドキを強引に抑えつけ、配牌を取る。
小瀬川:配牌
{三萬三萬四萬赤五萬七萬二筒三筒七筒八筒六索八索八索九索南}
配牌は良い。赤ドラの{赤五萬}は、この場ではこれ一つでドラドラ。打点も速さもある理想的な配牌だ。
私は手牌から浮いている{南}を切る。
小瀬川
打{南}
小走
打{南}
小走さんは私に続くように{南}打ち。{南}は小走さんの自風牌だが、私が切ったのを見て重ならないと踏んだのだろう。
上埜
打{⑨}
上埜さんは九筒をツモ切り。
白水
打{北}
白水さんも自風牌を切り出す。他に字牌が無かったのだろうか。それを考慮すると、白水さんも速そうな気配が漂う。
そしてツモ順が一周してきて、私の番になる。
小瀬川:手牌
{三萬三萬四萬赤五萬七萬二筒三筒七筒八筒六索八索八索九索} ツモ牌{九索}
(んー…)
実に悩ましいところをツモってきた。
(…読むか。)
これ以上悩んでも無駄だと悟り、他3人に了承を得ようとする。
「ちょいタンマ…」
「ふふふ…ニワカめ。良いだろう。王者が許可してやる。」
「ウチもよかよ。」
「いいわよ。」
3人から許可を得た私は牌の流れを読む。
読むこと十数秒。
(じゃあ…ここかな。)
打{赤五萬}
{三萬四萬赤五萬}の面子を崩す。
その瞬間、下家の小走さんが{五萬}を2枚晒す。
「ポン!」
打{西}
(…やっぱりか。)
-------------------------------
視点:臼沢塞
シロが{赤五萬}を切る。何故。あれ一枚でドラドラが確定したのに。
私が混乱していると、それを察したのか赤木さんが説明を始まる。
【今の一打は、場の流れを読まなきゃあできねえ一打だ。】
「…というと?」
智葉が質問する。彼女もあの一打の意図が理解できずにいた。
【簡単に言えば、今あの場は対子場である。それも極端に縦にのびる偏りだ。…故に、順子は役に立たないと踏んだんだろう。】
それに、と赤木さんは付け足し
【今の南家。ポンしただろ…?なら{五萬}は殆ど重ならないと思った。だから切った…あの{赤五萬}を。】
何だその理屈は。仮に対子場だとしても、南家が対子にしているなど根拠がない。
「それだと理由になっていない…何かしら根拠があったのだろう?目線の動きとか。」
智葉が私の考えを代弁するように質問する。
赤木さんはクククと笑い、
【根拠なんて無いし、いらねえんだよ…嬢ちゃんたち。根拠を強いて挙げるとすれば、そう思ったから。それだけだ。それ以上の根拠なんて必要ねえ。】
「…だが、」
【そんな事普通はできないって?…ああ。それをするアイツも、それを教えた俺も多分、客観的に見れば普通じゃない…だが、俺らからしたら、何でそれができねえのかと思うくらいだぜ。】
【確率だとか根拠だとか…そんなもんに踊らされて自分から自滅するよりかは、よっぽど理にかなっていると思う…】
-------------------------------
視点:神の視点
小瀬川の読みは赤木が言った事と全く同じで、対子場と読み、小走が二つ抱えているから{赤五萬}を切り出したのだ。
そしてその読みは的を得ていて、場はどんどん対子場を露呈させていく。
上埜手牌
{一六七八九九九112白発中} ツモ{発}
({白}と{中}を切って、混一色かしら…)
打{白}。しかし次順。
3巡目
{一六七八九九九112発発中} ツモ{白}
(裏目かあ…)
勿体無いなあと思い、{白}をツモ切り。
が、次順も{白}引き。
(…!運がとことん無いわね…)
そして5巡目。上埜はようやく理解する。
(え…?)
ツモ牌を確認する。それは{中}。
そう、即ち2巡目に{中と白}を残しておけば、大三元を狙える手になっていたというのだ。
(チッ…!)
打{1}
現状は対子場だと悟った上埜が混一色に向かう為、{1}を切る。
続いて白水のツモ。
こちらも、上埜のような役満を逃した程でもないが、とことん裏目を引く。
白水:手牌
{二四四①②②④115889} ツモ{北}
(なんだこの状況…捨て牌ば合わせっぎ七対子聴牌してたのに…)
白水:捨て牌
{北二④5}
(もそいばってんたら、対子場か…?)
こちらも場が対子だという事に気付きだす。
(そいばってん、皆そいに気づいていなかかもしれなか…上埜は気付いたかもしれんが、他2人はまだ気付いていなかはず…
だとしたら、この聴牌競争、まだ分からなか…)
そう。「普通は」気付かない。
しかし、白水の下家にいる小瀬川は、断じて「普通ではない」。既に気付いている。ちょいタンマをかけた2巡目には。
故に、
8巡目
小瀬川:捨て牌
{南②⑦七⑧八}
{横四}
「リーチ」
先手を取るのはごく当然の事である。
(な…もう張ったっていうのか!ていうより、気付いよったのか…!)
白水が驚きを隠せずにいる。
上埜もそれに驚愕しているのが分かる。
(…としたら、2打目の赤五もそいの布石っていう事になる。もし、最初からそいに気づいよったのなら、この場で一番やばいのは小瀬川…!)
その考えは半分当たっている。が、半分止まりだ。
(ふふふ…)
そう。この場で対子場に速く気付いたのは小瀬川だけではない。
小走:手牌
{一二二三六六七七八東東} {五横赤五五}
そう。小走やえも対子場になる事を確信していた。
しかし、小走には対子場かどうかを速く察知する事は無理だ。
「察知する事は」無理だ。
ならば、察知できる人間に教えてもらえばいいだけ。
そう。小走はずっと小瀬川の動向を探っていた。対局が始まってからずっと。
(あの状況で{赤五}切り…不自然すぎるのだよ。)
そう。ドラの{赤五}を切るという事は、{五}が繋がらないという事。そして{五}は自分が対子っている。それをも小瀬川は知ってたと仮定すると、小瀬川が切る理由は、対子場以外にないのだ。
小走にとってもそれは賭けだった。しかし、小走の小瀬川に対する評価は間違ってはいなかった。
王道。100%の確信を持って行くのではなく、50%の運否天賦に身をまかせる、ギャンブルの絶対的王道。
(小瀬川がリーチをかけている以上、こっちの方が有利…!圧倒的有利…!)
「お見せしよう…王者の打ち筋を…!」
打{二}
(なっ…!こっちも気付いよったのか…!?)
小走の賭けは勝った。賭けでは勝っていたのだ。
しかし、
「それだ…ロン…!」
小瀬川:和了系
{一三三三③③③678999}
裏ドラ:{一}
手牌の駆け引きでは、小瀬川が勝っていた。
「リーチ一発…裏、一つで9600…!」
「なっ…!」
小走が絶句する。その手、一発と裏が乗らなければリーのみの手。たった2400にしかならない勿体無い手。
(一巡待って、純粋単騎にすれば三暗刻もついた。ツモれば文句無く満貫になった手だ。それを、あろうことか、リーのみ…)
「…目が曇ってるよ。小走さん。」
小瀬川が笑う。不敵な笑みで。
「まだ気付かないか?」
奴が言う。何に気付けというんだ。対子場以外に、何を。
「…対局が終わったら教えてあげる。」
-------------------------------
特別観戦室
視点:神の視点
「{赤五}を切る意味はない?」
胡桃が聞き返す。赤木曰く、本来あの手の最善手は、{赤五}を切る意味はないのだ。
【そう、普通に手を進めればあの手は一巡速くツモっていた。打点もツモ三暗刻ドラドラと高い。…なら何故{赤五}を切ったか分かるか?】
そういうと皆が考え始める。が、誰1人その答えに辿りつく者はいなかった。
【…正解は、狙い撃つ為さ。】
「狙い…撃つ?」
塞が疑問そうに言う。
【そう、わざと{赤五}を打って鳴かせて、場を対子場だと知らせた。小走がアイツの動向を探っていたのは既に気付いていたのさ。
そうして気付かせ、丁度自分が聴牌した順に聴牌させる事ができた。つまりあの{赤五}は布石の布石…】
皆が言葉を失う。
まさかあの8巡の内に、小瀬川はそんな事まで考えて打っていたとは。
【ククク…まあ、アイツは俺と何回も何回も打ってたからな。…ほら、一本場が始まるぞ。】
その言葉を聞いて、皆はスクリーンに映る小瀬川を見る。
その小瀬川の表情は、まるで狩りをする獣のような表情だった。
佐賀弁難しいです。