宮守の神域   作:銀一色

30 / 473
麻雀しますが、1局しか作れてません。
一回南場まで作ったのですが同じ牌が5枚ある、書いてて自分でも意味が分からなくなってくるなどの理由により、書き直したせいです。

書き直しましたが、日本語も結構怪しくなっているので、分からない箇所、分かりづらい箇所、日本語として成り立っていない箇所など、読みにくいところがございましたら、報告お願いします。


第18話 全国大会 1回戦 ② 対子場

第18話 全国大会第1回戦 ②

 

 

 

 

-------------------------------

視点:小瀬川白望

全国大会 1回戦

東1局 親:小瀬川 ドラ{五萬}

 

小瀬川 25000

小走 25000

上埜 25000

白水 25000

 

 

遂に始まった。全国大会第1回戦。

私は胸のドキドキを強引に抑えつけ、配牌を取る。

小瀬川:配牌

{三萬三萬四萬赤五萬七萬二筒三筒七筒八筒六索八索八索九索南}

 

配牌は良い。赤ドラの{赤五萬}は、この場ではこれ一つでドラドラ。打点も速さもある理想的な配牌だ。

 

私は手牌から浮いている{南}を切る。

 

小瀬川

打{南}

 

小走

打{南}

 

小走さんは私に続くように{南}打ち。{南}は小走さんの自風牌だが、私が切ったのを見て重ならないと踏んだのだろう。

 

 

上埜

打{⑨}

 

上埜さんは九筒をツモ切り。

 

白水

打{北}

 

白水さんも自風牌を切り出す。他に字牌が無かったのだろうか。それを考慮すると、白水さんも速そうな気配が漂う。

 

 

そしてツモ順が一周してきて、私の番になる。

 

小瀬川:手牌

{三萬三萬四萬赤五萬七萬二筒三筒七筒八筒六索八索八索九索} ツモ牌{九索}

 

(んー…)

実に悩ましいところをツモってきた。

(…読むか。)

これ以上悩んでも無駄だと悟り、他3人に了承を得ようとする。

「ちょいタンマ…」

 

「ふふふ…ニワカめ。良いだろう。王者が許可してやる。」

「ウチもよかよ。」

「いいわよ。」

 

3人から許可を得た私は牌の流れを読む。

読むこと十数秒。

 

(じゃあ…ここかな。)

打{赤五萬}

{三萬四萬赤五萬}の面子を崩す。

その瞬間、下家の小走さんが{五萬}を2枚晒す。

 

「ポン!」

打{西}

 

(…やっぱりか。)

 

 

-------------------------------

視点:臼沢塞

 

シロが{赤五萬}を切る。何故。あれ一枚でドラドラが確定したのに。

私が混乱していると、それを察したのか赤木さんが説明を始まる。

【今の一打は、場の流れを読まなきゃあできねえ一打だ。】

「…というと?」

智葉が質問する。彼女もあの一打の意図が理解できずにいた。

【簡単に言えば、今あの場は対子場である。それも極端に縦にのびる偏りだ。…故に、順子は役に立たないと踏んだんだろう。】

それに、と赤木さんは付け足し

【今の南家。ポンしただろ…?なら{五萬}は殆ど重ならないと思った。だから切った…あの{赤五萬}を。】

何だその理屈は。仮に対子場だとしても、南家が対子にしているなど根拠がない。

「それだと理由になっていない…何かしら根拠があったのだろう?目線の動きとか。」

智葉が私の考えを代弁するように質問する。

赤木さんはクククと笑い、

【根拠なんて無いし、いらねえんだよ…嬢ちゃんたち。根拠を強いて挙げるとすれば、そう思ったから。それだけだ。それ以上の根拠なんて必要ねえ。】

「…だが、」

【そんな事普通はできないって?…ああ。それをするアイツも、それを教えた俺も多分、客観的に見れば普通じゃない…だが、俺らからしたら、何でそれができねえのかと思うくらいだぜ。】

【確率だとか根拠だとか…そんなもんに踊らされて自分から自滅するよりかは、よっぽど理にかなっていると思う…】

 

-------------------------------

視点:神の視点

 

小瀬川の読みは赤木が言った事と全く同じで、対子場と読み、小走が二つ抱えているから{赤五萬}を切り出したのだ。

 

そしてその読みは的を得ていて、場はどんどん対子場を露呈させていく。

 

 

上埜手牌

{一六七八九九九112白発中} ツモ{発}

 

({白}と{中}を切って、混一色かしら…)

打{白}。しかし次順。

 

3巡目

{一六七八九九九112発発中} ツモ{白}

(裏目かあ…)

勿体無いなあと思い、{白}をツモ切り。

 

が、次順も{白}引き。

(…!運がとことん無いわね…)

 

そして5巡目。上埜はようやく理解する。

(え…?)

ツモ牌を確認する。それは{中}。

そう、即ち2巡目に{中と白}を残しておけば、大三元を狙える手になっていたというのだ。

(チッ…!)

打{1}

現状は対子場だと悟った上埜が混一色に向かう為、{1}を切る。

 

続いて白水のツモ。

こちらも、上埜のような役満を逃した程でもないが、とことん裏目を引く。

 

白水:手牌

{二四四①②②④115889} ツモ{北}

(なんだこの状況…捨て牌ば合わせっぎ七対子聴牌してたのに…)

 

白水:捨て牌

{北二④5}

 

(もそいばってんたら、対子場か…?)

こちらも場が対子だという事に気付きだす。

 

(そいばってん、皆そいに気づいていなかかもしれなか…上埜は気付いたかもしれんが、他2人はまだ気付いていなかはず…

だとしたら、この聴牌競争、まだ分からなか…)

 

そう。「普通は」気付かない。

 

しかし、白水の下家にいる小瀬川は、断じて「普通ではない」。既に気付いている。ちょいタンマをかけた2巡目には。

 

故に、

 

8巡目

小瀬川:捨て牌

{南②⑦七⑧八}

{横四}

 

「リーチ」

 

先手を取るのはごく当然の事である。

 

(な…もう張ったっていうのか!ていうより、気付いよったのか…!)

白水が驚きを隠せずにいる。

上埜もそれに驚愕しているのが分かる。

 

 

(…としたら、2打目の赤五もそいの布石っていう事になる。もし、最初からそいに気づいよったのなら、この場で一番やばいのは小瀬川…!)

 

その考えは半分当たっている。が、半分止まりだ。

 

(ふふふ…)

そう。この場で対子場に速く気付いたのは小瀬川だけではない。

 

小走:手牌

{一二二三六六七七八東東} {五横赤五五}

 

そう。小走やえも対子場になる事を確信していた。

しかし、小走には対子場かどうかを速く察知する事は無理だ。

「察知する事は」無理だ。

 

ならば、察知できる人間に教えてもらえばいいだけ。

 

そう。小走はずっと小瀬川の動向を探っていた。対局が始まってからずっと。

(あの状況で{赤五}切り…不自然すぎるのだよ。)

そう。ドラの{赤五}を切るという事は、{五}が繋がらないという事。そして{五}は自分が対子っている。それをも小瀬川は知ってたと仮定すると、小瀬川が切る理由は、対子場以外にないのだ。

 

小走にとってもそれは賭けだった。しかし、小走の小瀬川に対する評価は間違ってはいなかった。

王道。100%の確信を持って行くのではなく、50%の運否天賦に身をまかせる、ギャンブルの絶対的王道。

(小瀬川がリーチをかけている以上、こっちの方が有利…!圧倒的有利…!)

 

 

「お見せしよう…王者の打ち筋を…!」

 

打{二}

 

(なっ…!こっちも気付いよったのか…!?)

 

 

小走の賭けは勝った。賭けでは勝っていたのだ。

 

しかし、

 

 

「それだ…ロン…!」

小瀬川:和了系

{一三三三③③③678999}

 

裏ドラ:{一}

 

手牌の駆け引きでは、小瀬川が勝っていた。

 

 

「リーチ一発…裏、一つで9600…!」

 

 

 

 

「なっ…!」

小走が絶句する。その手、一発と裏が乗らなければリーのみの手。たった2400にしかならない勿体無い手。

 

(一巡待って、純粋単騎にすれば三暗刻もついた。ツモれば文句無く満貫になった手だ。それを、あろうことか、リーのみ…)

 

 

「…目が曇ってるよ。小走さん。」

小瀬川が笑う。不敵な笑みで。

 

「まだ気付かないか?」

奴が言う。何に気付けというんだ。対子場以外に、何を。

「…対局が終わったら教えてあげる。」

 

 

 

-------------------------------

特別観戦室

視点:神の視点

 

「{赤五}を切る意味はない?」

胡桃が聞き返す。赤木曰く、本来あの手の最善手は、{赤五}を切る意味はないのだ。

 

【そう、普通に手を進めればあの手は一巡速くツモっていた。打点もツモ三暗刻ドラドラと高い。…なら何故{赤五}を切ったか分かるか?】

 

そういうと皆が考え始める。が、誰1人その答えに辿りつく者はいなかった。

 

【…正解は、狙い撃つ為さ。】

 

「狙い…撃つ?」

塞が疑問そうに言う。

 

【そう、わざと{赤五}を打って鳴かせて、場を対子場だと知らせた。小走がアイツの動向を探っていたのは既に気付いていたのさ。

そうして気付かせ、丁度自分が聴牌した順に聴牌させる事ができた。つまりあの{赤五}は布石の布石…】

 

皆が言葉を失う。

まさかあの8巡の内に、小瀬川はそんな事まで考えて打っていたとは。

 

【ククク…まあ、アイツは俺と何回も何回も打ってたからな。…ほら、一本場が始まるぞ。】

 

その言葉を聞いて、皆はスクリーンに映る小瀬川を見る。

その小瀬川の表情は、まるで狩りをする獣のような表情だった。

 

 

 

 

 




佐賀弁難しいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。