やっと休日ですね……
色々設定ガバガバかもしれませんが、そこは脳内補完お願いします。
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七月 小瀬川宅
「おはよう……」
【ああ、おはよう】
夏休みだというのにもかかわらず私は朝早くから起きていた。その理由は言わずもがな、今日から私の武者修行が始まるからである。現在時刻は6時半。学校に行くレベルでの早起きだ。いや、私は学校がある日はいつも7時位に起きているから、通常よりも早い起床となる。だが、そんなに早起きをしたとしても北海道の新函館北斗駅に着くのは11時である。当然、私は北海道に行く途中の新幹線の中で睡眠をとる予定だ。当たり前である。
まあその話は置いといて、とにかく起きた私は赤木さんに朝の挨拶を交わす。・・・赤木さんはいつも私が起きるときには起きているが、幽霊に睡眠なんて概念があるのだろうか。いや、赤木さんならたとえ生きていたとしても睡眠とらなそうな人だけども……少し心配ではある。
そして私は赤木さんの墓石の欠片を自分の部屋に置いて、リビングへと向かって朝食を食べる。私の親は私が朝早くから出発することを見越して、私よりも早く起きて朝食を作ってくれている。私は別に買って食べるからいいと言ったのだが、母親が栄養あるものをちゃんと食べていけというので私は母親のご厚意を受け取る事にした。夏休みの初日から北海道に行くという無茶な要望にも首を縦に振り、しかもその見送りもしてくれるとは、私は大人になったら絶対に親孝行をしようと朝食を食べながら改めて思った。その他にも、この武者修行を現実のものとしてくれた智葉にもいつか必ずお礼をしなくちゃね……
「ごちそうさま」
そう言って私は食器を片付け、軽く水につけてから再び自分の部屋へと戻った。そして赤木さんの墓石の欠片をいつもの中身のないお守りの中へ入れ、荷物の再確認をする。・・・そういえば、お守りの中を見てはいけないとか効力が無くなるとよく言われているが、生憎私のお守りは神社で買った正式な物ではなく、小学校の頃クラスメイト達と作った自作のお守りなので大丈夫だ。流石に自分が作ったお守りならバチとかは当たらないだろう……しかも何故か中を出し入れできるために開け口が付けてあり、赤木さんの墓石の欠片を出し入れするのも楽である。
話を戻して、私は荷物の再確認が終了したため、一泊用の小さいスーツケース、もといキャリーバッグの中に入れ、両親に『行ってきます』といって私は家を出た。私の家よ、しばしの別れだが行ってくる。きっと強くなって帰ってくるから……多分。
家を出てからは新幹線に乗るために盛岡駅まで電車に乗ることとなっている。しっかり位置を確認しているため、迷うことなく盛岡駅まで着くことができた。そして新幹線に乗る途中、私は智葉との電話での会話を思い出した。智葉と一緒にホテルやら新幹線やらを電話越しで決めていた時の会話。
〜〜〜
『シロ、新幹線はどの席がいい?』
「・・・別にどこでもいいよ……」
『じゃあ、グランクラスだな。おい、手配しとけ』
『了解です、お嬢』
「グ……ランクラス?何それ」
『ん?ああ……まあその時に分かるから、楽しみにしておけ』
〜〜〜
(あの時は何とも思ってなかったけど……)
そう、智葉が私のために手配してくれたのはグランクラス。・・・あまりそういうのに関しては疎いから何も気にしていなかったが、確かグランクラスって新幹線の中で一番立派なやつではなかっただろうか……私がいつも座っていた一般席よりも、10000円ほど高い高価な 席。・・・はあ、何もそこまでしなくてもいいのに……そう思いながら新幹線に乗ると、明らかに私が座ったことのある席とは違う席だった。まず、座席の数が少なすぎる。一つ一つの座席の間隔が少なく、のびのびとくつろぐことができる。
(・・・智葉、ありがとう)
心の中でそう思い、私は座席に座った途端に夢の世界へと足を踏み入れた。
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(ついた……)
そこから何時間か経ち、夢の世界から戻ってきた私は新幹線から降りる。全くグランクラスを堪能してこなかったが……あとで智葉に謝っておこう。そしてもう一般席でいいよと言っておこう。まあ確かにグランクラスの方が快適なのだが、なんか罪悪感を感じるから一般席で私は十分だ。
そして新函館北斗駅に、北海道という試される大地へ足を踏み入れた私はすぐさま函館本線へと乗り換え、そして函館本線から室蘭本線へと乗り継いで予約していたホテルの近く、長和駅に移動することにした。そこまでいくためにも二、三時間はかかり、そこについて少し経ったらチェックインの時間と、結構ハードなスケジュールだが、まあ今日は時間が少なくても大丈夫だ。重要なのは明日。時間が押していない明日に麻雀を打てばいいだろう。武者修行と言っても、明確な目標という目標が赤木さんを越えるためであり、細かい目標は全て自分の判断だ。まあ、逆に言えば私が満足しなければいつまでも続くというわけだが。とにかく、今日は長和駅に着いて少し麻雀を打って……明日はみっちり麻雀を打つという予定だ。流石に北海道には非合法の賭博場とかはないだろう。仮にあったとしても相手にされるわけがないし、智葉という後ろ盾もないこの状況で言ったら確実にヤバい。・・・まあ、赤木さんは過去に後ろ盾もなく賭博をやっていたというが、流石にそんなことはできない。それにその時は赤木さんは運が良かったから助かっただけで、運が悪ければ赤木さんは死んでいたのだ。私もまだまだ未熟だということで悔しいが、私にはまだそんな覚悟はない。そういった意味でも、この武者修行は私の精神を鍛えるいい修行……のはずだ。
『次は、長和〜。長和〜。お出口は右側です』
そう考えていると、私の行き先の長和駅に着こうとしていた。私はキャリーバッグを持って、降りるために立ち上がった。
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そして長和駅に着いた私は、ホテルの近くへと歩いて移動し、チェックインを済ませてから近くにある雀荘を探し始めた。夕食もホテル側から出るとのことだったので、夕食前にはホテルに戻らなくてはいけないので、あんまり時間はないが、ホテル内で何もしないよりはマシだろう。私はしらみ潰しに、そこらへんを歩き出し、雀荘に入った。
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「よう、揺杏。これからどこ行く?」
「んー……どこでもいい。楽しけりゃあ爽のおまかせでいいよ」
「・・・どこに行ってもいいんだな?じゃあ、雀荘で。たっぷり遊んでやるよ」
「げっろ……」
今回字数が少なすぎィ!
・・・明日は頑張ります