【完結】シオとサマエル、あとリンドウ   作:飯妃旅立

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蛇足回です。
説明回ともいいます。

あとアラガミ図鑑付です


Over Word
Neverending Story


 

まずはご挨拶を。

 

『混迷を呼ぶ者』から始まり、今作『シオとサマエル、あとリンドウ』の読了、ありがとうございました。

これを書き始めた切っ掛けは感想でして、

『これだけ調べたんだからこのまま終わるのはもったいないじゃん?』

と言ってくれた方のおかげで略称シオサマリンが出来ました。

 

『混迷を呼ぶ者』では原作を知っているが故に立ち回りも考察もスムーズだったサマエル・ルシフィルが、今作では全くの無知識故に振り回されている様が伝わっていれば幸いです。

 

では恒例の蛇足解説

 

第1話 然りて、混迷は境遇を確認する。

 

この話では、シオサマリンが月の原始風景に馴染んでいる描写が為されます。

さらにより流暢になったシオと、理性の戻っているリンドウさん。

 

シオは既に特異点としての役割を終え、本来であれば原作通り元の身体は捨て去るはずでした。 しかし、そんな間もなくロケットが発射。 一度はノヴァに移ったシオの特異点としての無意識は、ノヴァが意味を為せない(地球にいられない)モノになったことによって再度シオの中へ逃げ込みます。 月への着弾後、特異点としての無意識は完全に休眠状態へと陥り、サマエルやリンドウと共に育てられた『シオ』の人格が回復、以後『シオ』という単体のアラガミへと変化を遂げました。 

 とはいえ身体には凄まじいまでの学習能力が健在。 言葉も流暢になり、モノローグまで持つようになったわけです。

 

リンドウの右手(篭手のある方)には新しいアーティフィシャルCNCが生成されます。 最終話で分かる通り、これは月から与えられた物ではなくディアーナが与えた物。 つまり、この時点でリンドウに語りかけていたのはディアーナになります。

 しかし、後述しますがディアーナはアルダノーヴァの欠片のような物でした。 よって、リンドウに語りかける声色はヨハネス・フォン・シックザールの物を反芻させまくったようなものになっており、即座にリンドウはこの声が敵であると判断。 セルピナに加勢しろと言ってくる=セルピナも敵だと判断していました。

 

サマエルは何にも変わりません。

捏造設定ですが『全てのアラガミは最も近い星の意思を受け取る』という設定をしてあったので、サマエルだろうとグボロ・グボロだろうとヤクシャだろうと月の意思を受け取っていました。 理性あるサマエルが一番それを意思として受け取りやすいだけですね。

 

第2話 オールドフェイス

 

この話では特に進展はありませんね。

月の意思さんとしてはディアーナもセルピナも害でしかないので、サマエル含め全アラガミに排除してほしいという意思を出していました。 地球で言う人間と同じ扱いです。

シオも同じ意思を受け取っていますので、積極的にセルピナを排除しようとします。

また、これも後述しますがセルピナは厳密にはアラガミではありません。 神機兵からオラクル細胞をさらに薄くしたものを、さらに脆くしたもの、といった具合に考えて頂ければ、シオが「不味い」と言った理由もわかるでしょうか。

アルダノーヴァにもアラガミにもなりきれない空っぽの存在です。

 

第3話 カーラ・ポーラ

 

この話ではサマエルの推測が見当はずれな方向に行っています。 

シオサマリンのコンセプトは『振り回される』なので、前知識が無ければこんなものかなーと思って描いていました。

アラガミが自然にいなくなるのが通常、みたいに言っているのですが、ヨハンやスターゲイザーさんが言っていた様に終末捕食が星事全てのアラガミを喰らっていなくなる、という流れが通常です。

よって、月ではアラガミすらも自然の摂理に含まれた、というわけですね。 そのあたりは最終話で描きましたが。

 

この話ではセルピナの死体が見つからない事が話題になります。

アラガミではなく、拡散しないセルピナがなぜ見つからないのか。

それは簡単で、他のセルピナに運ばれている事が原因となります。 基本的にディアーナの縄張り……と言えるのかはわかりませんが、セルピナ達は月の裏側で活動します。 その地下にはアリの巣のような穴が張り巡らされていて、そこを無数のセルピナがうごめいている、という設定になっていました。

あの大穴にいたのは全体の2割ほどですね。

機能停止したセルピナは拡散せず、攻撃時その身にため込んだオラクル細胞を保存し続けます。 捕食機能を持っていないので、攻撃時に掠め取るしか方法がないんです。

それを他のセルピナが回収し、アラガミボールへと運び込んでいた形です。

 

 

 

第4話 ワイルド・プライズ

 

サマエルが暗い面に興味を持ちます。

暗い面の中心にはディアーナが居て、そこからセルピナが湧きだすので、必然的に暗い面にいるアラガミはセルピナ殲滅に駆り出されているわけですね。

描写はしませんでしたが地球に居たアラガミは大体います。 キュウビ以外……というか、無印・BURSTの敵は大体いると思ってください。 アバドンはいません。 正確に言うと、喰われまくってる古いノヴァの大部分がアバドンです。

 

ちなみにサマエルの意思がシオとリンドウに伝わっているように描いていますが、シオは持ち前の学習能力で、リンドウはオラクル細胞を視る瞳でパターンを記憶しているだけです。

 

 

第5話 生きている星

 

『混迷を呼ぶ者』にも似たサブタイがありました。 前は2大主人公の邂逅の話でした。

今回はサマエル一向がセルピナの巣……新ノヴァの元に辿り着きます。

古いノヴァは、元々あった大きなクレーター(ヘルツシュプルング)の内側へとアイーシャ・ゴーシュの頭部部分を埋め込む形で月に着弾しました。 

その際、シオサマリンに加えて持ってきていたアルダノーヴァの欠片がクレーター内部に潜り込みます。

元々の土壌にオラクル細胞が無い部分ならいざ知らず、豊潤なオラクル細胞(旧ノヴァ)の近くに投げ出されたアルダノーヴァの欠片はそのオラクル細胞を結合、急激な再生を図りました。

この時点でアルダノーヴァの欠片(以下ディアーナ)は本能だけがヨハネスと同じ行動を取ります。

つまり、ノヴァを造ろうとするわけです。

結果造り出されたのはサマエルが「ノヴァ擬き」と称した光の塔。 永続してるスーパーノヴァみたいなものを想像してくれれば有ってます。

 

ディアーナはノヴァを造り、最終的に終末捕食を起こそうとしますが、月にとっては迷惑千万です。 よって月はディアーナを害であると判断したわけですね。

 

 

第6話 異常な執着

 

この話の冒頭で、サマエルは旧ノヴァになんらかの感情を抱いています。

『混迷を呼ぶ者』第3章でもエイジス島に同じ感情を抱いていましたが、これはそのまま親愛と取っていただいて大丈夫です。

一応彼も人間だった、って証明……というわけではないのですが、理性が造り出す感情というものですね。 シオも同じで、理性があったから感情が生まれました。

 

リンドウ視点が見られます。 ディアーナがヨハネスの声を使って呼びかけていますね。

リンドウは既に人間だった頃と現在の自分……つまりハンニバルというアラガミである自分を割って考える事が出来ています。 戻れない事を自覚した上で、シオとサマエルと共に生きる道を選んだ結果です。 なお、多大なる負い目を感じている楠サクヤは最終決戦後、一命を取り留めている設定です。 既にリンドウには関係の無いコトな上、ヒロちゃんという絶対に終末捕食起こすウーマンがいるので死のうが死ぬまいが変わらないかもしれませんが。

そして戦闘行為に対してハイになり、更には自在に生み出せる神機より使い勝手のいい武器を手に入れたリンドウさん。 人間大なのに速度は神速種並と、恐らく地球に帰ったら最強格になると思います。

 

 

シオ視点では単純明快だけどしっかり考えている事が伺えます。

とはいえ今回の騒動に対してシオはそこまで関わり合いがありません。 一度移った自らの身体を捕食されている事に対し、休眠していた特異点としての無意識が一瞬蘇ったくらいですね。

この時点のシオは両腕がサイズよりリーチのある捕食できる触腕、受け渡し弾発射可能、戦場で成長し続けるという破格の性能を持っています。

 

 

第7話 夜が明けた星

 

この話で出てきたアラガミボール。 これはサマエルの推測通りノヴァの母体となるボールです。 旧ノヴァはディアーナにとってはあくまで潤沢なオラクル細胞でしかないので、ヨハネスの思考に則って自ら新しいノヴァを造り出そうとしていました。

ここに特異点たるリンドウのコアが入る事で、劣化ながらも一応新しいノヴァが完成します。

そのままでは終末捕食を起こせるほどの質量が無いので、完成した場合はセルピナ・ディアーナ、旧ノヴァを喰らってから終末捕食を起こしていました。

 

ディアーナは簡単に倒されます。 元がアルダノーヴァってのもありますが、ヨハネス支部長が操っていない+もともとは欠片という事もあってかとても弱いです。

とはいえ光弾の威力はそれなり。 サマエルが当たれば本気ハルさんよりちょっと低いくらいのダメージを喰らいます。

 

 

 

その後は原始時代の始まり。 アノマロカリスっぽい奴の大きさはウロヴォロスの背中くらいだと思ってください。 クビナガリュウは設定上のウロヴォロスくらいです。

ディアーナと言う指揮系統を失った事で、地下に居たセルピナは全て機能停止。 大人しく土壌になります。

遠い未来で知恵を持つ生物が現れた時、一匹くらいはセルピナが発掘されるかもしれませんね。

 

 

 

セルピナ

 

全体的に暗めの色合いで構成されたアルダノーヴァ神属劣等種。

神属こそアルダノーヴァだが、姿形はツクヨミに近い。

捕食能力を有しておらず、腕や足に開いている穴から攻撃時にオラクル細胞を掠め取る事で体内にオラクル細胞を保管・保存する。

働きアリのような存在。

コアは無く、アラガミですらない。 存在としてはチョウワンよりも薄い。

 

一体一体だろうと集団だろうと弱い。

地中を移動する。

 

攻撃属性 なし

弱点属性 『神』『火』『氷』『雷』

 

 

ディアーナ

 

真黒(しんこく)の体色をしたアルダノーヴァ神属特異種。

アルダノーヴァの欠片が月に漂着後、元の身体をトレースして出来上がった。

また、自らの身体の一部を切り離し、それを元にセルピナを形成する。

女王アリのような存在。

 

攻撃属性 『神』

弱点属性 『神』

 

 

ハンニバル完全種

 

月でのみ確認される人型のハンニバル。

アラガミ化した神機使いが理性を失わず、その力を使い熟した姿。

単体しか確認されていない。

 

攻撃は非常に強力。 また、戦術・戦略も自在に使い分ける。

自ら逆鱗を破壊する事が可能。 捕食行動後、逆鱗は再生する。

 

攻撃属性 『神』

弱点属性 なし

 

 

シオ

 

月でのみ確認されるヒト神属特異種。

元々地球の特異点であり、人間を好んで食した結果人間に適応した。

単体しか確認されていない。

 

全ての攻撃行動が捕食行動であり、受け渡し弾の発射も可能である。

触腕のリーチは驚異的で、千切れる事は無い。

 

攻撃属性 『神』

弱点属性 なし




今回の縦読みに気付いてくれたのは1人だけでした!

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