【完結】シオとサマエル、あとリンドウ 作:飯妃旅立
かなり短いです。
終わりが見えてるから調整したくなっちゃ……えへ
先手必勝だ。 これだけの量を相手にするのは初めてだが、相手は雑兵に満たない人形。 シオと雨宮リンドウにさえ気を付ければ、他は全てを破壊していいというおまけつき。
「キィ……」
故に、ノヴァは
それに巣食うモノを排除するのだ。 親孝行と言う奴じゃないか?
ざっと見渡して、穴の中にいるセルピナは数千。 もしくは万。
いいさ、範囲はシオと雨宮リンドウに任せる。 俺は、ただ突っ切るだけだ。
いつも通り、初速からの最速でもって、全てを砕く!
「キィ……」
★★★★
「オー、サマエル行っちゃったゾー?」
「俺も行く……あの塔を……壊さナキャならねェ……!」
左目は光を、右目はオラクル細胞を視る。 『奴ら』の中に含まれたオラクル細胞は限りなく少ない。 アラガミを運んでいる『奴ら』のみが、腕や足などにオラクル細胞を含んでいる事がわかる。
アレを狙えば、光る塔への供給をとだえさせることができるだろう。
両手に身の丈の数倍ある炎剣を生み出す。
神機と違って、酷く使い勝手のいいコレ。 リーチや出力も思うがまま。
こちらを見ようとしない『奴ら』を灼き斬る。
不快だ。
脆く、弱いソレ。 しかし、それが自身と関わりの深い物だとわかってしまう。
不快だ。
『奴ら』は
不快だ。 ひどく――。
「ジャマナンダヨォォォォオオオオオオオ!!」
口内から熱が漏れる。
渦巻く炎流が、『奴ら』を焼き尽くせと立ち昇る。
不快だ。
『
囁きかけてくる言葉は、どれもが不快。 不快でならない。
理性を失う? 人間に戻れなくなる?
知った事か。
だから、その不快な声を発するのをやめろ。
思い出すんだよ……気に入らねえ男の顔を!
「ウォォォォオオオオオオオオオオオオ!!」
退けよ、ノヴァ。 俺にソレは必要ない。
★★★★
「キィ……」
「ドケェェェェェェエエエエエエエエ!!」
「おー」
赤くて、真ん丸で、速いのが、サマエル。
黒くて、自分と似ていて、強いのが、リンドウ。
白くて、自分で、お腹が空いているのが、シオ。
目の前、美味しくない、いっぱいいる。
目の前、リンドウ、連れて行く。
嫌だ。
おっきい、自分、食べられてる。
嫌だ。
「クラッテヤルぞー!」
食べる、無くなる、すっきり!
嫌じゃない!
★★★★
「キィ……」
一旦上空へ上がる。
そして、地盤に向かって突進!
……衝撃波とか出るんじゃないかと期待したが、無理か。
一撃当てれば崩れるとはいえ、数が数。 やられるということはないが、時間がかかる。
雨宮リンドウはアラガミを供給しているトンネルの方に向かい、シオはノヴァの方へ向かっている。 2人とも迷いがない。 何か感じているのかもしれないな。
ここで取るべきは少しでもセルピナを減らすという道なんだろうが、なんだろうな。
あの光の塔、叩き折っちゃってもよくないか?
思い立ったが吉だ。
というか今のハイテンションは多分それが原因だろう。
神薙ユウがいないということが、これほど開放的だとは思わなかった。
「キィ……」
神薙ユウで溜まっていたストレス……お前で晴らさせてもらうぞ、新しいノヴァ!