竜使いかのんちゃんのVRMMO   作:ヴィヴィオ

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第3話

 

 

【ゲーム開始時刻五分前となりました。各キャストは準備に入ってください。繰り返します……ゲーム開始時刻五分前となりました。各キャストは準備に入ってください】

 

 お勉強していると、アナウンスが流れて来た。パパとママはそれを聞いて立ち上がる。ちなみにドラゴンの姿じゃなくて、人型だよ。

 

「さて、楽しい娘との団欒は終わりだ。仕事と行こうか」

「そうね。ああ、そうそう。この国の名前はドラグニア帝国というの。だから、選ぶ国を間違えないでね? そうじゃないと、お父さんが敵になっちゃうかも知れないから」

「ん、わかった」

「良い子ね」

 

 お母さんが撫でてくれる。

 

「でも、覚えられるかな……」

「問題ありません。記録しました」

「というか、最初は中立地帯の中央に飛ばされるんだがな」

「中央?」

「ああ、この世界は中央島が有り、その周りに内海が存在する。その内海を超えた先の周りに円形の大陸が存在する。ドラグニア帝国は大陸に存在する国だな。険しい山脈に上層部に存在する」

「中央は島で、そこが中立地帯です。そこから船や巨大な橋を通って移動できるの最初は中央神殿がプレイヤー、カノン達を呼び出したって設定だから、そこからスタートになるの。後は種族やこの身に応じて、所属国を選んだら、飛ばしてくれるわ」

「ん、わかった」

 

 そんな話をしていると、時間が危なくなったのか、パパがかのんにキスをしようとして、弾かれた。

 

「む」

「時間ないでしょ。さっさといきなさい」

「わかった」

 

 急いで出て行ったパパ。ママはどうしたのかな?

 

「ママ?」

「ん~ちょっと待ってね」

 

 ママは白衣のお姉さんに連絡をしだした。それから少しして、かのんを抱いて立ち上がった。

 

「じゃあ、行きましょうか」

「ん」

 

 直ぐにママとかのんは光に包まれて、違う所に移動していた。

 

 

 

 

 そこはずっと前にテレビで見た事があるような牧場のようで、とっても広い場所だった。

 

「ここが私の仕事場です」

「動物、いっぱい」

「ええ、そうですよ。ここではテイマー系やサモナー系の人を始め、色んな人に愛玩動物系のペットや戦闘に使えるパートナーを紹介していきます」

「凄い」

 

 視線の先では角の生えたお馬さんや、恐竜まで、沢山の生き物がいっぱいる。

 

「ちなみに移動の為にレンタルもやってるから、必要になったら……ならなくてもきてくださいね」

「ん」

「さて、ここは中央領域に在りますから神殿から直ぐにこれます……っと、時間ですね」

「ん」

 

 かのんの身体が光っていく。

 

「プレイヤーは神殿に一度召喚されますから、楽しんできてください。寂しくなったら何時でもここや家に帰ってきていいですからね」

「ん、わかった」

「あっ、そうそう……出来る限り、早くお父さんの所に行ってくださいね」

「ん」

 

 返事をすると、視界が切り替わって何処かの大神殿へと到着した。

 

 

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 

「おお、異界から来た来訪者よ。我等は貴方達を歓迎します。どうか、我等をお救いください。現在、我が世界はモンスターの大量発生が起き……」

 

 何かを言っているけど、かのんはママに言われた通りにパパの下へと急ぐです。てててと、走って最初はママが居る所へと目指す。ノートは待機状態でもなく、召喚もされていない状態だから、そのまま走る。直ぐに街の端にある牧場に到着した。

 

「ママっ」

「いらっしゃい。用意してあるから、こっちに来てください」

「んっ」

 

 ママに案内されたのは牧場の大きな柵の中。そこには大きなドラゴンさんが居た。

 

「はい、これが通行許可書で、こっちをパパに渡してね」

 

【クエスト、セレスからの密書が開始されます。このクエストによって所属国が決定されます。受けますか?】

「んっ!」

 

 答えは決まっているので、受ける。すると、ママがドラゴンさんの背中にある鞍に乗せてくれた。

 

「決して、到着するまで離してはいけませんからね」

「んっ!」

「じゃあ、行って来てください。くれぐれも落とされないように」

 

 ドラゴンさんがママの言葉に雄たけびをあげた後、直ぐに飛び立っていく。かのんは必死に掴まってパパの下へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 空を飛んでいると、沢山のモンスターに襲われたけれどドラゴンさんがブレスを吐いたりして、追い払ってくれた。そのまま大きな山脈につくと、上昇して雲の上に到達した。

 

「うゎぁ~」

 

 雲の上はまるで海みたいで、お日様の光がかのんを照らしてくれる。しばらく上昇していくとお城みたいなのが見えてきた。そこのバルコニーに到着すると、直ぐに怖いトカゲの兵士さんが現れた。

 

「何用だ」

「ん」

 

 許可書を見せると、直に案内してくれた。連れていかれたのは玉座の間とかいう所で、パパや他の人が居た。パパの隣には凄く強そうな人も居る。

 

「セレスティア様の密書を持ってきたようです」

「うむ。ちこう寄れ」

 

 直ぐに走って近付いて、パパの膝の上に乗る。

 

「なっ⁉ 無礼であるぞっ!」

「陛下っ」

「よい」

「パパ、ママから」

「う、うむ……ご苦労だった。これで其方は我が帝国の者となった」

 

【クエスト・セレスからの密書が達成されました。報酬を確認してください】

 

 パパが手紙を受け取ってくれる。

 

「パパ?」

「ええいっ、貴様っ、その方は貴様の父親などではない!」

「っ!? そ、そうなの……?」

 

 その言葉に涙が溢れてくる。

 

「やだっ、やだぁ……」

「違うぞっ、カノンは私の娘だっ!」

「「え?」」

「ちょっ、それは困りますってっ!」

 

 パパの隣に居た人が慌てる。

 

「仕方ないだろ! 娘に泣かれてどうにかなると思っているのか! それともっ、いたいけな幼い子を泣かせる趣味があるのかっ!」

「いや、ないですけど……でもっ、それはちょっと不味いんですよ!」

 

【プレイヤー・カノンにドラグニア帝国第一王女の称号が与えられました】

【ワールド:特殊クラス、王女(プリンセス)及び皇子(プリンス)が解放されました】

【特殊クラス:竜王姫(プリンセス・ドラゴンロード)を入手しました】

 

「あ~遅かったか。これは会議物だ……」

「すまん」

「まあ、仕方ないでけどね。泣く子には勝てません。取り敢えず、対策してきますので、進めておいてください」

「わかった」

 

 パパの隣の人が消えて、パパはかのんを撫でてくれる。

 

「この子は我が娘だ。皆もそのつもりで行動するように」

「「「はっ!」」」

 

 直ぐに皆が片足をついて、頭を下げてきた。

 

「さて、カノンは何かしたい事があるか?」

「肩車っ」

「よし、いいだろう」

 

 パパに肩車してもらいながら、お城の探検に出かけた。

 

 

 

 

 

 

 ※※※ 会議室

 

 

 

 

 

「で、どうするよ」

「起こった物は仕方ないだろう。子供の行動を制限できるとは思えんかったからな」

「しかし、色々と問題が起こるのではないか? 公平ではないと……」

「いや、彼女の場合はほぼこちらで生活するのだからいっその事、運営側のキャラとして扱ってしまえばいい」

「しかし、クエストを発生させる場合はどうするんだ? 彼女のアバターに組み込むと色々と大変だぞ」

「確かにそうだな。クエストが乱発しそうだ。自動生成があるとはいえ、彼女の所ばかりで起こるのは不味い」

「なら、彼女はテストプレイヤー扱いにして、クエストなどは付き人……メイドをつければいいのではないか? 仮にも王女なのだから」

「見聞を広める為に世界を旅して、修行する王女か。まあ、有りだな」

「なら、王子や王女は開始サービスとして喧伝すれば問題ありませんね。タイミング的にも問題ないでしょう」

「しかし、習得条件は……」

「緩和する。国の姫などはそうだが、一定人数の集団において認められるとなれるようにしよう」

「それって、コミュニティを解放するって事ですよね」

「うむ」

「徹夜じゃねえか!」

「頑張れ。残業手当は出す」

「えっと、じゃあ……彼女はモニターとして採用。そのプレイを観察記憶して、PVなどにも使わせて貰おう。もちろん、回覧は女性のみで。男性は女性陣が編集した物を見るように」

「おっけー」

「まあ、そうだな」

「じゃあ、アップデートするぞー」

「いえっさー」

「さ~て、徹夜の準備しますか~」

 

 

 

 

 

 

 

 


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